5 / 46
甘い香りは、秘密のはじまり⑤
しおりを挟む
クスクスと笑いながら僕が聞くと、彼はまた大きく瞳を見開いて。それからびっくりするくらい無邪気に笑い、僕に思いっきり抱きついた。
「まじで!? めちゃくちゃうれしい! ありがと、佐藤!」
「ちょっと、大路君!? 近い、近すぎるから!」
パーソナルスペースの感覚が、完全にバグっているとしか思えない。
地味平凡陰キャな僕には、あり得ない距離感だ。
想像以上に大喜びをされ、再び少し戸惑った。
「ごめん……。よく言われる」
あわてて僕から体を離し、しゅんとうなだれるその表情は、黄金色の髪と相まって、完全にゴールデンレトリバーにしか見えない。
そんな彼の表情もやっぱりこれまで目にしたことがなかったから、つい苦笑した。
ちょっと早まったような気がしないでもないが、これだけ期待してくれているのだ。
スイーツの魔法使い りとるの底力、とくと見せてやろうじゃないか!
これまでは手作りのお菓子なんて身内と太陽にしか食べてもらったことがなかったから、自然と気合が入ってしまったのも当然のことといえよう。
「怒ったわけじゃないよ。今度から気を付けてくれたら、それでいいから」
ホッとしたように、僕を見下ろしたまま笑う大路くん。
やっぱりこんなのは、叱られたばかりの大型犬としか思えない。
「なにか、リクエストとかある? 特になければ、お任せになるけど」
すると彼は、かつて見たことがないくらい真剣な表情で考え込んでしまった。
リクエストするスイーツに、こんなにも頭を悩ませるとか。……ちょっと、かわいいかも。
そして、数秒後。彼は満面の笑み浮かべ、答えた。
「シュークリーム! シュークリームで、お願いします!」
「まじで!? めちゃくちゃうれしい! ありがと、佐藤!」
「ちょっと、大路君!? 近い、近すぎるから!」
パーソナルスペースの感覚が、完全にバグっているとしか思えない。
地味平凡陰キャな僕には、あり得ない距離感だ。
想像以上に大喜びをされ、再び少し戸惑った。
「ごめん……。よく言われる」
あわてて僕から体を離し、しゅんとうなだれるその表情は、黄金色の髪と相まって、完全にゴールデンレトリバーにしか見えない。
そんな彼の表情もやっぱりこれまで目にしたことがなかったから、つい苦笑した。
ちょっと早まったような気がしないでもないが、これだけ期待してくれているのだ。
スイーツの魔法使い りとるの底力、とくと見せてやろうじゃないか!
これまでは手作りのお菓子なんて身内と太陽にしか食べてもらったことがなかったから、自然と気合が入ってしまったのも当然のことといえよう。
「怒ったわけじゃないよ。今度から気を付けてくれたら、それでいいから」
ホッとしたように、僕を見下ろしたまま笑う大路くん。
やっぱりこんなのは、叱られたばかりの大型犬としか思えない。
「なにか、リクエストとかある? 特になければ、お任せになるけど」
すると彼は、かつて見たことがないくらい真剣な表情で考え込んでしまった。
リクエストするスイーツに、こんなにも頭を悩ませるとか。……ちょっと、かわいいかも。
そして、数秒後。彼は満面の笑み浮かべ、答えた。
「シュークリーム! シュークリームで、お願いします!」
0
あなたにおすすめの小説
俺の幼馴染が陽キャのくせに重すぎる!
佐倉海斗
BL
十七歳の高校三年生の春、少年、葉山葵は恋をしていた。
相手は幼馴染の杉田律だ。
……この恋は障害が多すぎる。
律は高校で一番の人気者だった。その為、今日も律の周りには大勢の生徒が集まっている。人見知りで人混みが苦手な葵は、幼馴染だからとその中に入っていくことができず、友人二人と昨日見たばかりのアニメの話で盛り上がっていた。
※三人称の全年齢BLです※
僕の王子様
くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。
無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。
そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。
見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。
元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。
※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。
未完成な僕たちの鼓動の色
水飴さらさ
BL
由人は、気が弱い恥ずかしがり屋の162cmの高校3年生。
今日も大人しく控えめに生きていく。
同じクラスになった学校でも人気者の久場くんはそんな由人に毎日「おはよう」と、挨拶をしてくれる。
嬉しいのに恥ずかしくて、挨拶も返せない由人に久場くんはいつも優しい。
由人にとって久場くんは遠く憧れの存在。
体育の時間、足を痛めた由人がほっとけない久場くん。
保健室で2人きりになり……
だいぶんじれじれが続きます。
キスや、体に触れる描写が含まれる甘いエピソードには※をつけてます。
素敵な作品が数多くある中、由人と久場くんのお話を読んで頂いてありがとうございます。
少しでも皆さんを癒すことができれば幸いです。
2025.0808
なぜかピアス男子に溺愛される話
光野凜
BL
夏希はある夜、ピアスバチバチのダウナー系、零と出会うが、翌日クラスに転校してきたのはピアスを外した優しい彼――なんと同一人物だった!
「夏希、俺のこと好きになってよ――」
突然のキスと真剣な告白に、夏希の胸は熱く乱れる。けれど、素直になれない自分に戸惑い、零のギャップに振り回される日々。
ピュア×ギャップにきゅんが止まらない、ドキドキ青春BL!
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
義兄が溺愛してきます
ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。
その翌日からだ。
義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。
翔は恋に好意を寄せているのだった。
本人はその事を知るよしもない。
その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。
成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。
翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。
すれ違う思いは交わるのか─────。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる