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第一部 王立宮廷大学を目指そう!
17. 受験対策
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「それでは、宮廷大学に合格するため、受験対策をしなければならないね」
「はい! そのことについて、私も調べて、対策を考えました!」
カテリーナは、カリスティア王立宮廷大学の選抜方法から、実技試験は低くても、筆記試験で挽回するという対策を、兄アレクシオスに伝えた。
「……なるほど。それもあって、宮廷大学を選んでいるんだね。目の付け所はいいんだけど……。でも、残念ながら、それではたぶん選抜試験には受からないよ」
「えっ!?」
カテリーナは受からないという言葉にショックを受けていた。
それも、いつも大切にしてくれている兄からの言葉だったため、衝撃が大きかった。
「他の大学は分からないけど、少なくともカリスティア王立宮廷大学では、実技試験を重視しているんだ。あくまでも、騎士や魔導師を育てることが、宮廷大学の設立目的だからね」
カテリーナは、本や書類から得た情報だけで、実態を知らずに判断していた自分の甘さに、気づかされた気持ちだった。
「そこで、選抜試験では、事実上、騎士か魔導師かどちらかの素養が認められないと、いくら筆記試験の点数が良かったとしても、受からないんだ。実際、過去にも優秀な平民出身の人が、医学を学びたいと思って宮廷大学を受験したんだけど、騎士と魔導師の実技試験の点数が低かったため、不合格になった事例があるんだ」
「……そ、そうなんですか」
カテリーナはがっくりと肩を落とした。
「結局、その人は他国に行き、医師として、また、医学研究者としても有名になったみたいだけどね……。まあ、カリスティアの騎士・魔導師偏重主義の弊害だね」
その言葉を聞いて、カテリーナは、それまでの希望が絶望へと変わっていった。
「……そうだったんですね。やっぱり、私なんかダメですよね…………。そもそも私には無理だったんです…………。諦めます」
「そんなこと、絶対に言うんじゃないっ!」
いつもカテリーナにだけは、決して怒らなかったアレクシオスが、初めて怒りを露わにした。
そのため、カテリーナは恐怖よりも、驚きの方が先に立った。
「……そんなこと、そんなこと、絶対に言ってはダメだ、カテリーナ。君は、素晴らしい……、本当に貴重で、素晴らしい人なんだ!」
兄の顔を見ると、怒った顔ではなく、うっすらと涙を浮かべ、心から悲しんでいる顔をしていた。
カテリーナは、兄が怒ったのではなく、私のために心底悲しんで、叱ってくれたのだと、初めて分かった。
「……ごめんなさい、お兄さま」
「……カテリーナ、何で自分には無理だと思ったの?」
カテリーナは、即座に返答した。
「私には魔力がないだけでなく、騎士としての経験もありませんから……」
「では、できないことではなく、できることを伸ばしていけばいいんじゃないか?」
誰にでも生まれつきの身体的特徴などで、どうしても無理なこともある。
それ以外の、カテリーナができないと思い込んでいるところを、アレクシオスは気付いて欲しいと思っていた。
「……つまり、騎士の実技部分を伸ばしていくということでしょうか?」
「そうだよ」
「え、でも、貴族の男子は小さな頃から剣を握って育ってきておりますが、私は剣を握ったことすら、ほとんどないですよ……」
「そうだね」
「だから……」
「だから?」
「私には…………」
「無理だと?」
カテリーナは、ビクッとした。
半ば諦めた気持ちのまま返事をしたのだが、兄、アレクシオスの真剣な眼差しに、少し身体が強張ってしまった。
「……カテリーナ。何で挑戦する前から、自分にはできないと思い込むんだ? できないなら、できるようになるために、どうすればいいのか考えればいいじゃないか!」
「……ですが、私には正直、剣を振るえるような腕力はありません。それに、次年度の宮廷大学の選抜試験までは、10ヵ月しかないのです」
「いや、違う。10ヵ月もある、だ!」
カテリーナは兄の迫力に気おされてしまった。
「カテリーナ、思い込みに囚われてしまってはダメだよ。時間がないとか、剣を使うには腕力が必要だとか、本当にそうなのかな?」
カテリーナは、学んできた知識から、物理的な面だけを考えて、自分にはできないものだと、無意識に考えてしまっていた。
「カテリーナ、知識は大切だけど、それだけで全てが分かったつもりになってはいけないよ。あくまで知識は知識なんだ」
「……すみません」
「カテリーナ、そのようなときにはどうすればいいと思う?」
「……分かりません」
「そのようなときは、人の力を借りればいいんだよ。自分一人の力では無理でも、人の力を借りれば、できるようになることも多いんだ」
「……では、どなたの力を借りれば良いのでしょうか?」
「君の目の前にいるじゃないか! この僕、アレクシオスを頼ってくれ! 僕がカテリーナを、絶対に一人前の剣士にしてみせる!」
兄、アレクシオスの強い言葉により、カテリーナの心の中に、再び希望の光が灯ったのだった。
「はい! そのことについて、私も調べて、対策を考えました!」
カテリーナは、カリスティア王立宮廷大学の選抜方法から、実技試験は低くても、筆記試験で挽回するという対策を、兄アレクシオスに伝えた。
「……なるほど。それもあって、宮廷大学を選んでいるんだね。目の付け所はいいんだけど……。でも、残念ながら、それではたぶん選抜試験には受からないよ」
「えっ!?」
カテリーナは受からないという言葉にショックを受けていた。
それも、いつも大切にしてくれている兄からの言葉だったため、衝撃が大きかった。
「他の大学は分からないけど、少なくともカリスティア王立宮廷大学では、実技試験を重視しているんだ。あくまでも、騎士や魔導師を育てることが、宮廷大学の設立目的だからね」
カテリーナは、本や書類から得た情報だけで、実態を知らずに判断していた自分の甘さに、気づかされた気持ちだった。
「そこで、選抜試験では、事実上、騎士か魔導師かどちらかの素養が認められないと、いくら筆記試験の点数が良かったとしても、受からないんだ。実際、過去にも優秀な平民出身の人が、医学を学びたいと思って宮廷大学を受験したんだけど、騎士と魔導師の実技試験の点数が低かったため、不合格になった事例があるんだ」
「……そ、そうなんですか」
カテリーナはがっくりと肩を落とした。
「結局、その人は他国に行き、医師として、また、医学研究者としても有名になったみたいだけどね……。まあ、カリスティアの騎士・魔導師偏重主義の弊害だね」
その言葉を聞いて、カテリーナは、それまでの希望が絶望へと変わっていった。
「……そうだったんですね。やっぱり、私なんかダメですよね…………。そもそも私には無理だったんです…………。諦めます」
「そんなこと、絶対に言うんじゃないっ!」
いつもカテリーナにだけは、決して怒らなかったアレクシオスが、初めて怒りを露わにした。
そのため、カテリーナは恐怖よりも、驚きの方が先に立った。
「……そんなこと、そんなこと、絶対に言ってはダメだ、カテリーナ。君は、素晴らしい……、本当に貴重で、素晴らしい人なんだ!」
兄の顔を見ると、怒った顔ではなく、うっすらと涙を浮かべ、心から悲しんでいる顔をしていた。
カテリーナは、兄が怒ったのではなく、私のために心底悲しんで、叱ってくれたのだと、初めて分かった。
「……ごめんなさい、お兄さま」
「……カテリーナ、何で自分には無理だと思ったの?」
カテリーナは、即座に返答した。
「私には魔力がないだけでなく、騎士としての経験もありませんから……」
「では、できないことではなく、できることを伸ばしていけばいいんじゃないか?」
誰にでも生まれつきの身体的特徴などで、どうしても無理なこともある。
それ以外の、カテリーナができないと思い込んでいるところを、アレクシオスは気付いて欲しいと思っていた。
「……つまり、騎士の実技部分を伸ばしていくということでしょうか?」
「そうだよ」
「え、でも、貴族の男子は小さな頃から剣を握って育ってきておりますが、私は剣を握ったことすら、ほとんどないですよ……」
「そうだね」
「だから……」
「だから?」
「私には…………」
「無理だと?」
カテリーナは、ビクッとした。
半ば諦めた気持ちのまま返事をしたのだが、兄、アレクシオスの真剣な眼差しに、少し身体が強張ってしまった。
「……カテリーナ。何で挑戦する前から、自分にはできないと思い込むんだ? できないなら、できるようになるために、どうすればいいのか考えればいいじゃないか!」
「……ですが、私には正直、剣を振るえるような腕力はありません。それに、次年度の宮廷大学の選抜試験までは、10ヵ月しかないのです」
「いや、違う。10ヵ月もある、だ!」
カテリーナは兄の迫力に気おされてしまった。
「カテリーナ、思い込みに囚われてしまってはダメだよ。時間がないとか、剣を使うには腕力が必要だとか、本当にそうなのかな?」
カテリーナは、学んできた知識から、物理的な面だけを考えて、自分にはできないものだと、無意識に考えてしまっていた。
「カテリーナ、知識は大切だけど、それだけで全てが分かったつもりになってはいけないよ。あくまで知識は知識なんだ」
「……すみません」
「カテリーナ、そのようなときにはどうすればいいと思う?」
「……分かりません」
「そのようなときは、人の力を借りればいいんだよ。自分一人の力では無理でも、人の力を借りれば、できるようになることも多いんだ」
「……では、どなたの力を借りれば良いのでしょうか?」
「君の目の前にいるじゃないか! この僕、アレクシオスを頼ってくれ! 僕がカテリーナを、絶対に一人前の剣士にしてみせる!」
兄、アレクシオスの強い言葉により、カテリーナの心の中に、再び希望の光が灯ったのだった。
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