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第一部 王立宮廷大学を目指そう!
27. 衛士の忠誠
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カテリーナが魔狼を討ち取ったことで、ニキタス村の住人たちは歓喜に沸いていた。
農耕と畜産を主な生業とするこの村では、魔狼の脅威が日常生活に深刻な影響を及ぼしていたためだ。
「カテリーナさま万歳!」
「なんと、カテリーナさまが魔狼を一突きで倒されたらしいぞ」
「カテリーナさまには剣の才能がおありだったんだ!」
住民たちは、カテリーナの話題で持ちきりだった。
また、カテリーナが住民の被害に対し、即座に補償を約束していたことも、カテリーナの人気を高める一因となっていた。
しかし、そのようなこととは裏腹に、カテリーナの気分は沈んでいた。
カテリーナは住民からお礼を言われるたびに、笑顔で答えてはいたものの、その内面は自らを責める気持ちでいっぱいになっていた。
――私のせいで、取り返しのつかない被害を出してしまった……
カテリーナは魔狼を倒した後、慌てて衛士のもとに駆け寄ったが、最初に襲われた衛士は首から大量に失血しており、瀕死の状態だった。
また、投げ飛ばされた衛士たちも、その場から動けない様子だった。
カテリーナは、急いで森を出て救援を求めたが、救助の人間と共に戻った頃には、出血のひどかった衛士は、すでに亡くなっていた。
また、残り2人の衛士も、骨折や外傷により重症を負っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
重症を負った衛士二人には、この村においてできる限りの治療が施された。
カテリーナを護衛する衛士がいない状態で、危険な夜間に出発することはできず、また、村人が用意してくれたお礼の会を無碍に断ることもできなかったため、その日の夜は村で歓待を受けることになった。
しかし、カテリーナの頭の中は、亡くなった衛士のこと、その家族のこと、そして、重症の2名の衛士のことばかりが思い浮かぶのだった。
翌日、早朝から帰ることになったが、カテリーナは馬車と布と藁を、用意していた。
重症の衛士たちのことを考えて、馬車の中で振動による負担を少なくするため、藁を敷き、厚手の生地を重ねる気遣いもしていた。
また、馬車も一日かけて、ゆっくり帰るように指示していた。
「なるべく早く元通りの身体に戻りますように!」
帰りの馬車の中では、カテリーナは2人の衛士に付きっきりになっていた。
カテリーナは衛士たちの手を握り、神々への祈りを続けていた。
2人の衛士は、そんなカテリーナの行動に心から感謝をしていた。
――大貴族のご令嬢でありながら、身分の低い俺たちに対して、これほどまでに献身的に看病してくださる方が、他にいるだろうか?
……いや、絶対にいないだろう。
魔力こそお持ちでないが、カテリーナさまの心のありようは、まさに聖女そのものだ……。
衛士たちは、カテリーナの手から伝わる暖かい温もりに、涙が止まらなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カテリーナも疲労が溜まり眠ってしまい、日の暮れる頃に屋敷に到着すると、不思議なことが起きていた。
「カテリーナさま、着きましたよ」
「……ん?」
カテリーナが目を覚ますと、二人の衛士が彼女の枕元で跪いていた。
重傷を負っていたはずの彼らが、自ら立ち上がれるほどに回復していたのだ。
「え!? あなたたち、無理しないで! そんなことしなくていいから」
「いえ、無理はしておりません。私たち自身も驚くほど、回復していたのです」
カテリーナは困惑していた。
「でも、どうして……?」
衛士たちは何も語らず、ただ静かに頭を垂れていた。
彼らは話し合いの末、カテリーナのために、自分たちが目にした『奇蹟』を隠し通すと、心に決めていた。
その沈黙は、義母カリスタが支配する屋敷の中で、カテリーナにとって、絶対的な味方となる存在が現れ始めたことを意味していた。
農耕と畜産を主な生業とするこの村では、魔狼の脅威が日常生活に深刻な影響を及ぼしていたためだ。
「カテリーナさま万歳!」
「なんと、カテリーナさまが魔狼を一突きで倒されたらしいぞ」
「カテリーナさまには剣の才能がおありだったんだ!」
住民たちは、カテリーナの話題で持ちきりだった。
また、カテリーナが住民の被害に対し、即座に補償を約束していたことも、カテリーナの人気を高める一因となっていた。
しかし、そのようなこととは裏腹に、カテリーナの気分は沈んでいた。
カテリーナは住民からお礼を言われるたびに、笑顔で答えてはいたものの、その内面は自らを責める気持ちでいっぱいになっていた。
――私のせいで、取り返しのつかない被害を出してしまった……
カテリーナは魔狼を倒した後、慌てて衛士のもとに駆け寄ったが、最初に襲われた衛士は首から大量に失血しており、瀕死の状態だった。
また、投げ飛ばされた衛士たちも、その場から動けない様子だった。
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また、残り2人の衛士も、骨折や外傷により重症を負っていた。
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カテリーナを護衛する衛士がいない状態で、危険な夜間に出発することはできず、また、村人が用意してくれたお礼の会を無碍に断ることもできなかったため、その日の夜は村で歓待を受けることになった。
しかし、カテリーナの頭の中は、亡くなった衛士のこと、その家族のこと、そして、重症の2名の衛士のことばかりが思い浮かぶのだった。
翌日、早朝から帰ることになったが、カテリーナは馬車と布と藁を、用意していた。
重症の衛士たちのことを考えて、馬車の中で振動による負担を少なくするため、藁を敷き、厚手の生地を重ねる気遣いもしていた。
また、馬車も一日かけて、ゆっくり帰るように指示していた。
「なるべく早く元通りの身体に戻りますように!」
帰りの馬車の中では、カテリーナは2人の衛士に付きっきりになっていた。
カテリーナは衛士たちの手を握り、神々への祈りを続けていた。
2人の衛士は、そんなカテリーナの行動に心から感謝をしていた。
――大貴族のご令嬢でありながら、身分の低い俺たちに対して、これほどまでに献身的に看病してくださる方が、他にいるだろうか?
……いや、絶対にいないだろう。
魔力こそお持ちでないが、カテリーナさまの心のありようは、まさに聖女そのものだ……。
衛士たちは、カテリーナの手から伝わる暖かい温もりに、涙が止まらなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カテリーナも疲労が溜まり眠ってしまい、日の暮れる頃に屋敷に到着すると、不思議なことが起きていた。
「カテリーナさま、着きましたよ」
「……ん?」
カテリーナが目を覚ますと、二人の衛士が彼女の枕元で跪いていた。
重傷を負っていたはずの彼らが、自ら立ち上がれるほどに回復していたのだ。
「え!? あなたたち、無理しないで! そんなことしなくていいから」
「いえ、無理はしておりません。私たち自身も驚くほど、回復していたのです」
カテリーナは困惑していた。
「でも、どうして……?」
衛士たちは何も語らず、ただ静かに頭を垂れていた。
彼らは話し合いの末、カテリーナのために、自分たちが目にした『奇蹟』を隠し通すと、心に決めていた。
その沈黙は、義母カリスタが支配する屋敷の中で、カテリーナにとって、絶対的な味方となる存在が現れ始めたことを意味していた。
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