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第一部 王立宮廷大学を目指そう!
28. 馬車の中での奇蹟
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――馬車の中で、一体何が起こったのか?
カテリーナは、衛士の手を握ったまま、眠りに落ちていた。
そのとき、もう一人の衛士が横になったまま、奇蹟の一部始終を目にしていた。
カテリーナの手元から、まるで透明な空気の幕ようなものが静かに流れ出し、衛士の身体を包み始めたのだ。
その光景を見つめていた衛士も、不思議な、どこか神聖な気配を感じていた。
思わず手を伸ばし、その空気の幕に触れてみると、自分の身体にもそれがまとわりつく。
すると、言葉では言い表せないような安らぎと温もりが身体を満たし、彼は深い眠りに落ちていった。
やがて目を覚ますと、身体が自由に動くようになっていることに気づいた。
ゆっくりと身を起こし、手足を動かしてみると、かつてのように違和感なく反応した。
「おい……起きられるか?」
傍らの衛士に声をかけると、その衛士もゆっくりと目を開け、身を起こした。
「……これは……!? 身体が動く……肘から先の感覚も戻っているぞ!」
「やはり、お前もか……」
「いったい、何が起こったんだ……?」
二人は、馬車の中で起きた出来事について、言葉を交わした。
「……間違いない。あれは、カテリーナさまが引き起こした奇蹟だ!」
「うむ、それ以外に考えられない」
「だが、魔力を使っているような様子はなかったぞ?」
「聖女アナスタシアさまの娘だからこそ、自然に“奇蹟”が起こったのかもしれん」
二人の衛士は、自分たちに起きた奇蹟に感謝し、興奮を抑えきれない様子でしばらくの間、語り合うのだった。
「……だが、このことを他の者に話しても良いものか?」
「うむ……信じてもらえる保証もないし、もしカリスタさまに伝えれば、虚偽と決めつけられて罰を受ける可能性すらある。それに……」
「それに?」
「このことが原因で、カテリーナさまに何か不利益が生じたら、大恩を仇で返すことになってしまう」
「……そうだな。まさにその通りだ」
「この件は、ひとまず我らだけの胸にしまっておこう」
「うむ、そうしよう」
こうして、馬車の中で起こった奇蹟は、カテリーナにも伏せられることになった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後、衛士たちはしばらくの沈黙の後、思いのほか自分たちの回復が早かったことをカテリーナに伝えた。
また、亡くなった衛士とその家族のことは、自分たちが責任をもって対応すると語り、カテリーナの心の負担が少しでも軽くなるよう努めたのだった。
やがて、亡くなった衛士の葬儀と、遺族への補償が終わり、3日後――兄、アレクシオスが帰還した。
カテリーナは、衛士の手を握ったまま、眠りに落ちていた。
そのとき、もう一人の衛士が横になったまま、奇蹟の一部始終を目にしていた。
カテリーナの手元から、まるで透明な空気の幕ようなものが静かに流れ出し、衛士の身体を包み始めたのだ。
その光景を見つめていた衛士も、不思議な、どこか神聖な気配を感じていた。
思わず手を伸ばし、その空気の幕に触れてみると、自分の身体にもそれがまとわりつく。
すると、言葉では言い表せないような安らぎと温もりが身体を満たし、彼は深い眠りに落ちていった。
やがて目を覚ますと、身体が自由に動くようになっていることに気づいた。
ゆっくりと身を起こし、手足を動かしてみると、かつてのように違和感なく反応した。
「おい……起きられるか?」
傍らの衛士に声をかけると、その衛士もゆっくりと目を開け、身を起こした。
「……これは……!? 身体が動く……肘から先の感覚も戻っているぞ!」
「やはり、お前もか……」
「いったい、何が起こったんだ……?」
二人は、馬車の中で起きた出来事について、言葉を交わした。
「……間違いない。あれは、カテリーナさまが引き起こした奇蹟だ!」
「うむ、それ以外に考えられない」
「だが、魔力を使っているような様子はなかったぞ?」
「聖女アナスタシアさまの娘だからこそ、自然に“奇蹟”が起こったのかもしれん」
二人の衛士は、自分たちに起きた奇蹟に感謝し、興奮を抑えきれない様子でしばらくの間、語り合うのだった。
「……だが、このことを他の者に話しても良いものか?」
「うむ……信じてもらえる保証もないし、もしカリスタさまに伝えれば、虚偽と決めつけられて罰を受ける可能性すらある。それに……」
「それに?」
「このことが原因で、カテリーナさまに何か不利益が生じたら、大恩を仇で返すことになってしまう」
「……そうだな。まさにその通りだ」
「この件は、ひとまず我らだけの胸にしまっておこう」
「うむ、そうしよう」
こうして、馬車の中で起こった奇蹟は、カテリーナにも伏せられることになった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後、衛士たちはしばらくの沈黙の後、思いのほか自分たちの回復が早かったことをカテリーナに伝えた。
また、亡くなった衛士とその家族のことは、自分たちが責任をもって対応すると語り、カテリーナの心の負担が少しでも軽くなるよう努めたのだった。
やがて、亡くなった衛士の葬儀と、遺族への補償が終わり、3日後――兄、アレクシオスが帰還した。
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