2 / 107
第一章
第一部分
しおりを挟む
あたしはハイパーゴミ人間。頭悪い、勉強できない、運動オンチ、音楽・美術苦手、料理も不得意。加えて天然。当然のように友達いない。
あたしは、裏切りの申し子、明智光秀の子孫で、あたし自身、自分の人生の裏切り者。生きているだけで、空気を吸っているだけでムダ。すぐにでも死にたい。
でも、死ぬならば、せめてプレゼントをもらってからにしたい、最後にして最大の自分へのプレゼントを。それは、大好きな人に盛大に殺してもらうこと。だから、王子様を探して大好きにならないと。殺されたいというロードマップ作りは大変なんだよね。
こんなあたしが、とあるコスプレイベントで、憧れの織田信永様に会って殺してもらえるよう、星や神様に、お願いしたけどダメだった。
何か打開策がないかと、インターネットを調べると、『徳川葵ヘゲモニー』いう相談サイトがあったの。誰でも登録できて簡単なお願いを叶えることができるけど、由緒ある家系に限り、先祖へ特別なお願いができるというのがあったんだよ。
『ここでは孫属性となります。ご注意ください。つまり、先祖をおじいちゃんと呼んであげると、いつかきっと願いが叶います。』というものだった。
「だから、おじいちゃんお願い。信永様に会わせて。」
『ヒューヒューヒュー』
サイトから奇妙な音が発せられたと思ったら、老人の声が聞こえたんだよ。
パソコン画面には、水戸黄門のような山吹色の安っぽい和服姿の白髭老人が、映された。
『初めましてじゃのう。ワシは光秀奈の超祖父の明智光秀じゃ。』
「ええっ。本当にご先祖様なの?迷惑メールかウィルスじゃないの?」
『ワシはホンモノじゃ!』
「ニセモノの常套句だね。ワシワシ詐欺かもしれないし。」
『自分で召喚しといて、なんという無礼な態度じゃ。アタマに来たから帰るわ!』
パソコン画面上の明智光秀は、ぷいと背中を向けた。背中には明智家の家紋である、桔梗が見えた。
「これって、ホンモノっぽい。」
パソコン画面の下にも、『これは真正なるものです。』とテロップが表示されている。世の中に、自分で真正、本物、元祖とかいうものに限って、たいていニセモノである。
『かわいい孫のためじゃ。一肌脱ごう。この日のために、新調しておいたんじゃ。とくと見よ!』
明智光秀はいきなり純白の褌姿になった。
「そんなの、見せなくていいから!」
手のひらで顔を覆った光秀奈は、指のスキマを拡大して、褌のわずかに盛り上がった部分を凝視した。いちおう、先祖の期待に応えた格好である。
次の瞬間、明智光秀は消えて、パソコン画面はサイトに戻っていた。事務的な文字がディスプレイに広がっていた。
『あなたの願いはご先祖様の助力で叶います。しかし、当然代償は頂きます。タダではありません。タダより高いものはありませんから。【魔法少女モンスターGOO!】というゲームをご存じですか?カンタンです。魔法少女モンスターになるだけですから。』
すぐさま光秀奈は画面に反応した。
「魔法少女モンスターGOO!って、魔法少女がモンスターで倒されるやつじゃない?」
『ご存じであれば話は早い。画面下部の【YES】をクリックしてください。』
「そんなの、危ないに決まってるから嫌よ。」
『ではこちらを御覧ください。』
GOO!をしている信永が映された。
「ポチッ。やっちゃったよ。どうしよう。」
当然ながら、この信永はニセモノである。光秀奈はこの点だけは騙されたのである。
あたしは、裏切りの申し子、明智光秀の子孫で、あたし自身、自分の人生の裏切り者。生きているだけで、空気を吸っているだけでムダ。すぐにでも死にたい。
でも、死ぬならば、せめてプレゼントをもらってからにしたい、最後にして最大の自分へのプレゼントを。それは、大好きな人に盛大に殺してもらうこと。だから、王子様を探して大好きにならないと。殺されたいというロードマップ作りは大変なんだよね。
こんなあたしが、とあるコスプレイベントで、憧れの織田信永様に会って殺してもらえるよう、星や神様に、お願いしたけどダメだった。
何か打開策がないかと、インターネットを調べると、『徳川葵ヘゲモニー』いう相談サイトがあったの。誰でも登録できて簡単なお願いを叶えることができるけど、由緒ある家系に限り、先祖へ特別なお願いができるというのがあったんだよ。
『ここでは孫属性となります。ご注意ください。つまり、先祖をおじいちゃんと呼んであげると、いつかきっと願いが叶います。』というものだった。
「だから、おじいちゃんお願い。信永様に会わせて。」
『ヒューヒューヒュー』
サイトから奇妙な音が発せられたと思ったら、老人の声が聞こえたんだよ。
パソコン画面には、水戸黄門のような山吹色の安っぽい和服姿の白髭老人が、映された。
『初めましてじゃのう。ワシは光秀奈の超祖父の明智光秀じゃ。』
「ええっ。本当にご先祖様なの?迷惑メールかウィルスじゃないの?」
『ワシはホンモノじゃ!』
「ニセモノの常套句だね。ワシワシ詐欺かもしれないし。」
『自分で召喚しといて、なんという無礼な態度じゃ。アタマに来たから帰るわ!』
パソコン画面上の明智光秀は、ぷいと背中を向けた。背中には明智家の家紋である、桔梗が見えた。
「これって、ホンモノっぽい。」
パソコン画面の下にも、『これは真正なるものです。』とテロップが表示されている。世の中に、自分で真正、本物、元祖とかいうものに限って、たいていニセモノである。
『かわいい孫のためじゃ。一肌脱ごう。この日のために、新調しておいたんじゃ。とくと見よ!』
明智光秀はいきなり純白の褌姿になった。
「そんなの、見せなくていいから!」
手のひらで顔を覆った光秀奈は、指のスキマを拡大して、褌のわずかに盛り上がった部分を凝視した。いちおう、先祖の期待に応えた格好である。
次の瞬間、明智光秀は消えて、パソコン画面はサイトに戻っていた。事務的な文字がディスプレイに広がっていた。
『あなたの願いはご先祖様の助力で叶います。しかし、当然代償は頂きます。タダではありません。タダより高いものはありませんから。【魔法少女モンスターGOO!】というゲームをご存じですか?カンタンです。魔法少女モンスターになるだけですから。』
すぐさま光秀奈は画面に反応した。
「魔法少女モンスターGOO!って、魔法少女がモンスターで倒されるやつじゃない?」
『ご存じであれば話は早い。画面下部の【YES】をクリックしてください。』
「そんなの、危ないに決まってるから嫌よ。」
『ではこちらを御覧ください。』
GOO!をしている信永が映された。
「ポチッ。やっちゃったよ。どうしよう。」
当然ながら、この信永はニセモノである。光秀奈はこの点だけは騙されたのである。
0
あなたにおすすめの小説
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
事務仕事しかできない無能?いいえ、空間支配スキルです。~勇者パーティの事務員として整理整頓していたら、いつの間にか銅像が立っていました~
水月
恋愛
「在庫整理しかできない無能は不要だ」
第一王子から、晩餐会の場で婚約破棄と国外追放を告げられた公爵令嬢ユズハ。
彼女のギフト【在庫整理】は、荷物の整理しかできないハズレスキルだと蔑まれていた。
だが、彼女は知っていた。
その真価は、指定空間内のあらゆる物質の最適化であることを。
追放先で出会った要領の悪い勇者パーティに対し、ユズハは事務的に、かつ冷徹に最適化を開始する。
「勇者様、右腕の筋肉配置を効率化しました」
「魔王の心臓、少し左にずらしておきましたね」
戦場を、兵站を、さらには魔王の命までをも在庫として処理し続けた結果、彼女はいつしか魔王討伐勇者パーティの一人として、威圧感溢れる銅像にまでなってしまう。
効率を愛する事務屋令嬢は、自分を捨てた国を不良債権として切り捨て、再出発する。
豚公子の逆襲蘇生
ヤネコ
ファンタジー
肥満体の公爵令息ポルコは婚約者の裏切りを目撃し、憤死で生涯を終えるはずだった。だが、憤怒の中に燃え尽きたはずのポルコの魂は、社内政争に敗れ命を落とした男武藤の魂と混じり合う。
アニメ化も決定した超人気ロマンスファンタジー『婚約者の豚公子に虐げられていましたが隣国皇子様から溺愛されています』を舞台に、『舞台装置』と『負け犬』落伍者達の魂は、徹底した自己管理と泥塗れの知略で再点火する。
※主人公の『原作知識』は断片的(広告バナーで見た一部分のみ)なものとなります。
己の努力と知略を武器に戦う、ハーレム・チート・聖人化無しの復讐ファンタジーです。
準備を重ねて牙を剥く、じっくり型主人公をお楽しみください。
【お知らせ】
第13話「愛の怪物」は2026/02/26 08:00より公開予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる