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第一章
第十五部分
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その日、かつえは、母親にさっき聞いた話を問い質した。
「その噂は、ママも聞いてるわ。でも決定的な証拠はなかったの。それに食中毒が起こってしまったら、被害者やマスコミとかの対応で、真相解明どころじゃなかったわ。もうウチの会社は解散して、織田石油の一部門になってるし、もはやどうしようもないの。だから、かつえは、そんなことを気にしないで、次期当主の若様のお世話をちゃんとするのよ。かつえは、お医者さんになりたいんでしょ?ならば、若様のからだを毎日ちゃんと診てやってね。そうそう、診察といってもいろんなやり方があるわよね。からだの隅々まで、診察を進めていくと、やがて、体内を診たくなるわ。若様のからだのことが心配ならからだを解剖して悪い箇所を分析しないとね。体内診察のためには、からだにメスを入れて、迸る鮮血にまみれて、ついには解剖とかまでしちゃったりしてね。アハハハ。」
「なにそれ?意味わかんないよ。」
幼いとは言え、異常なこととかつえは、理解していた。
しかし、かつえの母親は毎日、『若様を解剖して、解剖して。』とかつえに囁いていた。かつえの母親はすでに壊れていたのである。
刷り込みの効果は自然に表れた。
「若様を解剖したい、解剖したい。」
かつえは、これが口癖になっていた。
もちろんそれはお経ではなく、かつえは、信永のことを好き過ぎて、からだをバラしたくなっていた。
いけないことだとわかっていても愛の深さは異常。愛の形はいろいろ。信永はかつえには病気や元気がない時に助けてもらっていることに感謝しているが、言葉には出さない。しかし、動作で示していて、かつえは純粋に喜ぶ、だからこそ、愛を貫いて、からだを解剖したくなっていたのである。
かつえは、母親による洗脳を超えて、理性で解剖を欲求していたのである。
「ううう。ここはどこ、あたしは、光秀奈。」
場所だけが不明で、自我の存在はソクラテスの光秀奈。
気を失っていた光秀奈がいる場所は、塀に囲まれた広場である。隣には古びたコンクリート造りの建造物がある。
「この建物の庭なのかな。」
光秀奈が見渡すと、きれいな正方形の敷地で、一辺が50メートルほどである。
「誰もいないんだよね。」
人がいないとわかると、ホッとした光秀奈。
ゲームフィールドに飛ばされたのはこれで二回目。
光秀奈の目の前には、ビシッとアイロンされた紺の制服男性がいる。ツバツキ帽子の真ん中には旭日章。紛れもなく無垢な市民を威圧する警察官である。
「ほほう。これはこれは実に美しい魔法少女モンスターでアリマス。」
黒縁のメガネをかけた警察官は、30歳ぐらいに見える。中年太りのプロローグがお腹回りから見て取れる。
「うわぁ。何、この静物!?」
人付き合いがなく、対人理解力に乏しい光秀奈にとって、30歳の男性は醜悪な中年の構成要素であり、かつそれはまともな生物カテゴリーには属さないことから、静物という表現方法に至ったのである。
「本官は本業警察官ではアリマスが、今はゲームジャッジでアリマス。モンスターを逮捕するのは、任務でアリマス。ダンダン!」
「その噂は、ママも聞いてるわ。でも決定的な証拠はなかったの。それに食中毒が起こってしまったら、被害者やマスコミとかの対応で、真相解明どころじゃなかったわ。もうウチの会社は解散して、織田石油の一部門になってるし、もはやどうしようもないの。だから、かつえは、そんなことを気にしないで、次期当主の若様のお世話をちゃんとするのよ。かつえは、お医者さんになりたいんでしょ?ならば、若様のからだを毎日ちゃんと診てやってね。そうそう、診察といってもいろんなやり方があるわよね。からだの隅々まで、診察を進めていくと、やがて、体内を診たくなるわ。若様のからだのことが心配ならからだを解剖して悪い箇所を分析しないとね。体内診察のためには、からだにメスを入れて、迸る鮮血にまみれて、ついには解剖とかまでしちゃったりしてね。アハハハ。」
「なにそれ?意味わかんないよ。」
幼いとは言え、異常なこととかつえは、理解していた。
しかし、かつえの母親は毎日、『若様を解剖して、解剖して。』とかつえに囁いていた。かつえの母親はすでに壊れていたのである。
刷り込みの効果は自然に表れた。
「若様を解剖したい、解剖したい。」
かつえは、これが口癖になっていた。
もちろんそれはお経ではなく、かつえは、信永のことを好き過ぎて、からだをバラしたくなっていた。
いけないことだとわかっていても愛の深さは異常。愛の形はいろいろ。信永はかつえには病気や元気がない時に助けてもらっていることに感謝しているが、言葉には出さない。しかし、動作で示していて、かつえは純粋に喜ぶ、だからこそ、愛を貫いて、からだを解剖したくなっていたのである。
かつえは、母親による洗脳を超えて、理性で解剖を欲求していたのである。
「ううう。ここはどこ、あたしは、光秀奈。」
場所だけが不明で、自我の存在はソクラテスの光秀奈。
気を失っていた光秀奈がいる場所は、塀に囲まれた広場である。隣には古びたコンクリート造りの建造物がある。
「この建物の庭なのかな。」
光秀奈が見渡すと、きれいな正方形の敷地で、一辺が50メートルほどである。
「誰もいないんだよね。」
人がいないとわかると、ホッとした光秀奈。
ゲームフィールドに飛ばされたのはこれで二回目。
光秀奈の目の前には、ビシッとアイロンされた紺の制服男性がいる。ツバツキ帽子の真ん中には旭日章。紛れもなく無垢な市民を威圧する警察官である。
「ほほう。これはこれは実に美しい魔法少女モンスターでアリマス。」
黒縁のメガネをかけた警察官は、30歳ぐらいに見える。中年太りのプロローグがお腹回りから見て取れる。
「うわぁ。何、この静物!?」
人付き合いがなく、対人理解力に乏しい光秀奈にとって、30歳の男性は醜悪な中年の構成要素であり、かつそれはまともな生物カテゴリーには属さないことから、静物という表現方法に至ったのである。
「本官は本業警察官ではアリマスが、今はゲームジャッジでアリマス。モンスターを逮捕するのは、任務でアリマス。ダンダン!」
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