明智光秀奈は殺されたがりの魔法少女モンスター

木mori

文字の大きさ
21 / 107
第一章

第二十部分

しおりを挟む
『ガラガラ!』
いきなり教室のドアをぶっ壊すような勢いで開いた日吉。
「これから桶狭間テストをやるで。」
「桶狭間テストって、いったい何をする気?」
「カンタンや。みんな、大発表するから、耳かっぽじいて、聞いてや。」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「何だ、何だ?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
クラスメイトたちは突然の宣言に、理解不能な空気に包まれた。
「ほれほれ、教壇に立たんかい!」
日吉は、光秀奈の背中を親の仇のごとく、力一杯押した。
「あわわわ。」
光秀奈は、きれいな瞳をコマのようにぐるぐる回している。
「さあ、この紙に書いてることを読むんや。」
いきなり人前に立って一言喋れるほど、光秀奈の精神力は強固ではない。
「あわあわあわ。」
すでに阿波の守になって、自己防衛を図ろうとしている光秀奈。
「早く読まんかい!」
「わ、わかったよぉ。あたしは、信永生徒会長が大好きです。」
騒がしかったクラスは一瞬で静寂の境地。
30秒後。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「なんですって~!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
クラスの3分の2を占める女子が異口同音にクレームを上げた。さらに女子全員がコンパスや定規、中にはカッターなどの凶器を手にして、光秀奈ににじり寄った。
「うわあ~!」
窮鼠はネコを噛むなんて、都市伝説であり、光秀奈は日吉と共に猛ダッシュで逃げ出した。走りながら光秀奈は日吉に言葉を投げ掛けた。
「いったい、何が起こってるのよ?いや、怒って追いかけられている状況はなんとなく理解できるけど。」
「それで十分や。これぞ、難敵を召喚する桶狭間テストや。」

光秀奈たちは告白の聖地である校舎裏に追い込まれ、取り囲まれた。
「ど、どうしよう。みんなすごく殺気立ってるよ。」
「嫉妬は乙女としてのたしなみやから、仕方あらへん。」
「それはそうかもしれないけど、生命の危機を感じるよ。」
女子生徒たちの握ったコンパス、定規、カッターという凶器集合体が太陽の光を浴びて、殺戮オーラを満タンにして輝いている。
「あたしは殺され志望Aランクだけど、それは信永会長にとってるんだから。」
「「「「「「「「「「「「私たちだって、夜に会長に死ぬほど愛されたいのよ!」」」」」」」」」」」
光秀奈の呟きは、女子生徒たちにはダイレクトに届かず、むしろ火に油を注ぐ結果となりつつある。
「しゃあないなあ。ウチもまだ命が惜しいし。やらなきゃならぬことがあるんやからな。光秀奈、これを見な。」
日吉の手のひらに乗っているのは、たい焼き。ホカホカそうに湯気を振り撒いている。
「きゃああ~!たい焼き!?コワ~イ!」
光秀奈は、悲鳴と共に、忽然と姿を消した。
「やっぱりな。」
日吉はニヤリと口の端を吊り上げた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

事務仕事しかできない無能?いいえ、空間支配スキルです。~勇者パーティの事務員として整理整頓していたら、いつの間にか銅像が立っていました~

水月
恋愛
「在庫整理しかできない無能は不要だ」 第一王子から、晩餐会の場で婚約破棄と国外追放を告げられた公爵令嬢ユズハ。 彼女のギフト【在庫整理】は、荷物の整理しかできないハズレスキルだと蔑まれていた。 だが、彼女は知っていた。 その真価は、指定空間内のあらゆる物質の最適化であることを。 追放先で出会った要領の悪い勇者パーティに対し、ユズハは事務的に、かつ冷徹に最適化を開始する。 「勇者様、右腕の筋肉配置を効率化しました」 「魔王の心臓、少し左にずらしておきましたね」 戦場を、兵站を、さらには魔王の命までをも在庫として処理し続けた結果、彼女はいつしか魔王討伐勇者パーティの一人として、威圧感溢れる銅像にまでなってしまう。 効率を愛する事務屋令嬢は、自分を捨てた国を不良債権として切り捨て、再出発する。

豚公子の逆襲蘇生

ヤネコ
ファンタジー
肥満体の公爵令息ポルコは婚約者の裏切りを目撃し、憤死で生涯を終えるはずだった。だが、憤怒の中に燃え尽きたはずのポルコの魂は、社内政争に敗れ命を落とした男武藤の魂と混じり合う。 アニメ化も決定した超人気ロマンスファンタジー『婚約者の豚公子に虐げられていましたが隣国皇子様から溺愛されています』を舞台に、『舞台装置』と『負け犬』落伍者達の魂は、徹底した自己管理と泥塗れの知略で再点火する。 ※主人公の『原作知識』は断片的(広告バナーで見た一部分のみ)なものとなります。 己の努力と知略を武器に戦う、ハーレム・チート・聖人化無しの復讐ファンタジーです。 準備を重ねて牙を剥く、じっくり型主人公をお楽しみください。 【お知らせ】 第13話「愛の怪物」は2026/02/26 08:00より公開予定です。

処理中です...