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第二章
第十九部分
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「そやない。でも怪しいのは事実や。この靴修理店の女主人は自殺したらしいんや。」
「ホンマかいな?」
「ああ、ウワサやけどな。詳しくは知らへんけど。」
(おかん、どうしてそんなことを?)
日吉は他人のフリをして、ふたりの会話を聞いていた。
「他にもウワサはあるんやろか?」
「あるで。女主人には娘がいて、家を継いでもらおうと、貯金していたらしい。そして、娘さんを修業のために、大きな屋敷で働けるように、頼んでたんや。自分は、パチンコや、競馬場、ホストクラブの従業員の靴を、出張して修理。こういう先は修理の数が捌けるから儲かるんや、と言うてはったらしいで。」
「それでも店がなくなったのは、織田石油が商店街を大型ビルに変えるためやからな。この店に限らず、商店街は織田石油に喰われたということやろ。二年後には取り壊し工事が始まるらしいで。」
ふたりの老婆候補生は、無駄的会話をしながらどこかへ去った。
「おかんがウチを見捨ててたわけやなかっんや。良かった。でもおかんの願いを踏みにじった織田石油をつぶす。そのためには、後継者の信永を亡き者にしたる。しかもただのやり方やない。信永がウチを芸人になれと、ほざいとった。ならば、ウチのギャグで笑い死にさせてやるで。笑って死ぬのは即死やない。笑って呼吸困難になって死ぬんやから、めっちゃ苦しいで。これしかない!」
日吉は血走った眼を隠すことなく、店から離れようとした。しかし、日吉はただならぬ気配を感じて、足を止めた。
「ひとりでは何もできんじゃろ。そちには余の助力が必要じゃ。」
「誰や?幼女の甲高い声は、耳に痛いんやけど。」
みどりのツインテールの幼女が腰に両手を当てて、日吉を威嚇のポーズで見上げている。
「余は足利余千秋(よちあき)じゃ。名高い足利将軍家の子孫じゃ。エライのじゃ。」
余千秋は日吉に向かってきたが、よちよち歩きである。
「なんや、ちんちくりんか。」
「余のどこがちんちくりんで、矮小で、卑劣で破裂じゃ!」
「コイツ、自爆してるわ。」
「ホンマかいな?」
「ああ、ウワサやけどな。詳しくは知らへんけど。」
(おかん、どうしてそんなことを?)
日吉は他人のフリをして、ふたりの会話を聞いていた。
「他にもウワサはあるんやろか?」
「あるで。女主人には娘がいて、家を継いでもらおうと、貯金していたらしい。そして、娘さんを修業のために、大きな屋敷で働けるように、頼んでたんや。自分は、パチンコや、競馬場、ホストクラブの従業員の靴を、出張して修理。こういう先は修理の数が捌けるから儲かるんや、と言うてはったらしいで。」
「それでも店がなくなったのは、織田石油が商店街を大型ビルに変えるためやからな。この店に限らず、商店街は織田石油に喰われたということやろ。二年後には取り壊し工事が始まるらしいで。」
ふたりの老婆候補生は、無駄的会話をしながらどこかへ去った。
「おかんがウチを見捨ててたわけやなかっんや。良かった。でもおかんの願いを踏みにじった織田石油をつぶす。そのためには、後継者の信永を亡き者にしたる。しかもただのやり方やない。信永がウチを芸人になれと、ほざいとった。ならば、ウチのギャグで笑い死にさせてやるで。笑って死ぬのは即死やない。笑って呼吸困難になって死ぬんやから、めっちゃ苦しいで。これしかない!」
日吉は血走った眼を隠すことなく、店から離れようとした。しかし、日吉はただならぬ気配を感じて、足を止めた。
「ひとりでは何もできんじゃろ。そちには余の助力が必要じゃ。」
「誰や?幼女の甲高い声は、耳に痛いんやけど。」
みどりのツインテールの幼女が腰に両手を当てて、日吉を威嚇のポーズで見上げている。
「余は足利余千秋(よちあき)じゃ。名高い足利将軍家の子孫じゃ。エライのじゃ。」
余千秋は日吉に向かってきたが、よちよち歩きである。
「なんや、ちんちくりんか。」
「余のどこがちんちくりんで、矮小で、卑劣で破裂じゃ!」
「コイツ、自爆してるわ。」
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