創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

文字の大きさ
112 / 260

第112話 一方的な女の闘い

しおりを挟む
 メレルナの部屋へ行く前に、俺は皇帝のディードライルに念話を送り、ダリルを保護することを伝えた。

 政治上は廃嫡のうえ流刑ということで処分するようだ。
 そして気になることがあるといわれ、この茶番が終わったら再度向かうことを約束した。

 ダリルは自動タイプの琥珀石を三つ置いた真ん中のベッドで寝かせてある。
 ムクについていてもらっている。
 頼れる部下だ。
 問題はないだろう。

 「こちらでございます」

 カイトが部屋の前で立ち止まり、こちらを見た。
 突然部屋の中から大きな怒鳴り声が漏れ聞こえてきた。

 「…ふざけんな!!このくそ女!!あたしは皇后になるんだ!お前なんか死刑にしてやる!!」

 パンッ!…ガシャン……‥ドスッ………

 「…………!?………」
 「バーカ!!ブース!!死ねっ!!出ていけ!!!」

 何かが割れる音と、とても大人の女性が口にするようなものではない言葉とともに、侍女頭のマイラが部屋から出てきた。

 こちらに気づき、驚いた表情のマイラ。
 しかしすぐさま奇麗なお辞儀をする。

 「っ!……失礼いたしました。お見苦しいものを」

 顔が腫れていて、血が滲んでいた。
 叩かれたか引っかかれたのだろう。
 眼が少し濁り始めている。

 「いや、問題ない。ネル、治せるか?」
 「はい。マイラさん、こちらへ」

 回復魔法の詠唱を横目に俺はカイトをちらりと見た。
 感づいたカイトは優しくマイラの肩に手を置き、琥珀石に魔力を込めつつ話しかける。

 「マイラ、すまなかった。今日は帰りなさい。明日は暇を与えよう」
 「っ!?……ありがとうございますご主人様」

 濁っていた目が浄化されたようだ。

 「はい、もう大丈夫です……お疲れさまでした」

 ネルの治療が終わり、マイラは奇麗なお辞儀をしその場を離れていった。

 部屋に入ると、色々なものがメチャクチャになっており、ベッドの上で何故か下着姿のメレルナがこちらを見つめていた。

 部屋に気持ち悪い匂いが充満していた。
 目に見えるほどの悪意が渦巻いている。

 「…これはひどいな」

 俺は思わず呟く。

 すると突然メレルナが弾かれたようにベッドから飛び降り、俺に抱き着こうとしてきた。

 「ああー、すごくいい男♡私を抱きしめなさい!!」

 俺の体に不快な呪言が纏わりついて来た。
 程度の低いものだ。
 当然俺には効果はない。

 突然まるで瞬間移動したかのようにネルが俺の前に現れ、汚いものを触るような顔をしながらメレルナの額をわしづかみ持ち上げた。

 そして般若のような顔に豹変する。

 「お前のような不遜のものが、いと高きノアーナ様に近づくとは……千回くらい死ね」

 鬼が立っていた。

 やばい。
 失禁しそうだ。

 「いたっ!、いたた!!、いたーい!!!なんだよ!邪魔すんなブス!」
 「あら、眼も悪いのですね」
 「何、を………」

 吊り上げられた状態で、ネルの顔を見たメレルナは、あまりにも美人なネルの顔に固まった。
 そして狂ったように騒ぎ出す。

 「痛い痛い痛い!!助けてダリル!!放せくそ女!!」

 ネルは手を離した。
 メレルナが床に落ち、ひっくり返った。
 なんかカエルに見えてしまい思わず吹き出してしまった。

 「ぶはっ!くくくっ……」

 一応恥ずかしいという感情は残っているようで、顔を赤く染め俯いた。
 全く可愛くないが。

 そしてネルの猛攻が始まる!

 「あなた、その格好は何?頭が悪いのかしら。ここは湯場ではございませんよ」
 「っ!?」

 「ああ失礼。ごめんなさい。分からなかったのね。淑女の嗜みなど全くご存じないようですし」
 「なっ!」

 「あら?そのお腹は何?まあ、ご懐妊されているの?ならしょうがないわね。そんなにだぶついていても。気が付かなくてごめんなさいね」
 「くっ」

 「あらあら、酷い顔。そうね、妊婦さんには化粧はあまりよろしくないですものね。それにこの匂い、鼻が曲がりそう。ああ、ごめんなさいね。不勉強で。民間の妊婦用のお薬なのかしら?すごいわねお母さんって。こんなに臭いのに我が子の為なら何でもできるのね」
 「ううっ」

 「あら?もしかして妊娠していないのかしら?あまりにも体が崩れていて、ガマガエルかと思いました」
 「………ぐすっ」

 「あれ?どうされました?やっぱり妊娠していてお腹の調子が悪いのかしら?お花を摘みにいかれたらどうですか」
 「ヒック…うああ…ダリル~助けて……」

 女って怖い。

 俺は思わずカイトとナハムザートの三人で顔を見合わせ皆で頷くのだった。

※※※※※

 結果的にメレルナはもう手遅れだった。
 真核が汚染され過ぎていて、手の施しようがなかったのだ。

 おそらくもともと悪意寄りの人間だったのだろう。
 真核に抵抗した形跡がまるで見当たらない。

 「魔王陛下、普通にあの女は死罪となります。あまり言いたくはありませんが平民であの態度は情状酌量の余地がありません」

 「まあな。それにこいつは居るだけで回りにひどい影響を与える。できれば即処分したほうが良いが………どうせ死罪なら、一つ試しても良いか?」

 「はい。何なりと」
 「よし」

 俺は自分の真核を感じながら『緑纏う琥珀』の力を解放した。
 漆黒を押さえて。

 コントロールの成果を測る良い機会だ。

 「……くっ!………まだだっ」

 メレルナを琥珀が包み込む。
 真核の悪意が抵抗する。

 俺はさらに放出を強める。
 茜を想いながら。

 「はああああああああああああああああああっ!!!!!!」

 真核の悪意が悲鳴を上げるように激しく抵抗する……

 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」

 そして……メレルナの真核が浄化された。

 「はっ、はっ、はっ、……はあ………何とかなったな」

 俺は魔力欠乏の一歩手前で、どうにか浄化することができたのだった。

※※※※※

 「メレルナ、気分はどうだ」

 メレルナはきちんと服を着て、先ほどが嘘のようなあどけない顔で俺を見た。
 顔が真っ赤に染まっていく。

 「……ご、ごめんなさい。すみませんでした…ヒック…ぐすっ…」
 「すまない、経過を教えてくれないか?お前は何をしたんだ?」

 「………黒い石を…拾いました」
 「っ!?」

 俺とネルが思わず息をのむ。

 「そうしたら、何でもできるように思えて……私ダリル殿下に憧れていたんです。でも私は平民だし、ただのメイドで……性格も悪いって自分でもわかってました…でも殿下は、わたしに注意してくれたんです」

 「……………」

 「嬉しかったんです。誰も私なんかに興味を持ってくれなくて、どんどん嫌な女になって………」

 下を向き、涙をこらえながら必死で言葉を紡ぐメレルナ。

 「それで石を持ったら、勇気が出てきたと思ったんだな?」
 「はい。でも………ただ欲望が頭の中を全部埋め尽くしただけだと思います」

 そしていくつかの涙を零した。

 「そうだな。……その石は今持っているのか?」
 「いいえ。宮殿の私の部屋に、封印の箱に入れてあります」

 宮殿か。
 何もなければいいが。

 「よし、取り敢えず石はこちらで回収する。かまわないな?」
 「はい。本当にすみませんでした」

 メレルナは諦めたような顔で寂しそうに笑った。
 自分の行く末を覚悟したのだろう。

 「カイト。こいつも俺が引き受ける」
 「っ!?ですが……」

 カイトは難しそうな顔をする。
 立場上良しとは言えないのだから。

 「すまない、俺の勝手な感傷だ。メレルナ、家族は居るか?」
 「いえ、わたしは孤児だったので、義理の叔父がいますが……」
 「悪いがお前には死んだ事になってもらう」

 「っ!?……そう、ですね……普通に死罪ですよね」
 「それで俺のところに来い」
 「えっ!?……」

 メレルナは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、素っ頓狂な声を出した。

 「家事手伝いだ。こき使うから覚悟しておけ」
 「は、はい。よろしくお願いします」

 そして涙を浮かべ、笑顔を見せる。
 カイトはため息をついた。

 「魔王陛下、困ります………聞かなかった事にしますよ」
 「ああ、助かる」

 ネルが呆れたような顔で俺に口を開いた。

 「まったく。あなた様は優しすぎます」

 そしてとても奇麗な笑顔で笑ってくれたんだ。

 「…もっと好きになっちゃいます♡」

 俺にとっては何よりの最高の報酬だ。


 何故かナハムザートもキラキラした目で俺を見ていたが?!

 悪いが俺にはそういう趣味はないぞ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...