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第140話 6人の秘密の想い1
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(新星歴4818年7月6日)
私はヒューマンとエルフのハーフ、カリンです。
本当の名前はもう思い出せません。
ノアーナ様に助けていただき、寿命無効を施していただきました。
一緒に健康も。
今は見た目21歳で固定されているようです。
たぶん自分が思う一番美しい姿だと思っています。
「お前たちの好きな年齢になることができるよ。自分で決めなさい。誰もお前たちを縛ることはしない」
「いくらでも時間をかけなさい。心の、真核の傷は、つらいだろうけど自ら克服しないと、もう輝くことはないんだ。俺がいつまでも付き合う。お前たちの輝きをいつか見せてほしい」
優しく私たちに告げたノアーナ様を見て、この人はズルくて酷い人だと思った。
私たちはそれぞれとんでもない地獄を味わった。
だから、全てを忘れさせてほしかった。
二度と思い出したくないから。
だけどノアーナ様は何でも言うことを聞いてくれるけど、それだけは絶対に許してくれなかった。
グースワースは快適だ。
リナーリアさんの作ってくれるご飯は今まで食べたことがないほどおいしい。
皆優しいし、わたしたちを気遣ってくれる。
お風呂だっていつでも入れるし、ベッドも驚くほど寝心地がよく、清潔だ。
もう大丈夫だって思った。
だけど毎日寝るとあの地獄がよみがえる。
ここに来られなかった多くの仲間が、私を恨めしそうに見つめてくる。
そして……ああ、いや……やだ………いやあ…………
…………………………
……………
ごめんなさい。
怖いです。
確かに夢を見る頻度は減りました。
でも……わたしたちだけが幸せになることが、きっと許されないだろうから。
あと、どうしても信用することが怖い。
研究所もはじめは優しい人もいました。
私は精霊魔法が使えるので、多分他の子たちよりは優遇されていました。
だけど去年の冬くらいから……
「実験」と言われ、たくさんの男の人たちに………
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い………
いやだいやだ……やめて……お願い………
そして助けられた日………
痛い痛い…痛い痛い痛い……いやだ……
だから信じられない。
でも、ノアーナ様の目は不思議な色だった。
散々汚された私たちを宝物みたいに見てくれるんだ。
本当はおばあちゃんみたいになろうと思った。
そしたら誰も私を………
でもきっと。
自分でも変わりたいって思っていたんだと思う。
皆もそうなんだろう。
だってみんな一番かわいい年齢になった。
信じたいけど……怖くて。
そうしたら多分一番ひどい目にあっただろうノニイが勇気を出して、確かめてくれたんだ。
昨日の夜、エルマと一緒に泣きながら教えてくれた。
「ノアーナ様は本当に私たちの事を、心から思ってくれている」
「種族の誇りにかけて誓う」
そう言ってくれたんだ。
この星に住む多くの種族は小さいころからおとぎ話でそういう話を教えられる。
特に弱い女の子は皆信じるお話だ。
目の前の暗いものが、なくなった気がした。
そして気付いたんだ。
皆きっと。
ノアーナ様の事が……
私はグースワースが好きだ。
大切な仲間たちと、これからも一緒に暮らしたい。
そしていつかきっと。
輝いた私をノアーナ様に見てもらうために。
がんばろう。
そう決めたんだ。
※※※※※
反吐が出る。
この偽善者め。
目の前の男は大層な力を持っているくせに、わたしたちの望みをかなえられるくせに、わたしたちを地獄に突き落とした。
私は数えきれないくらいの大勢の男に汚された。
そして心と大切なところが壊された。
価値を失ったんだ。
女として。
今度は同胞の肉を無理やり食わされた。
恐ろしいんだよ。
絶対に嫌なのに。
死んでも食べないって誓うのに。
お腹が空くんだ。
心がマヒしなければきっと狂って死んでいた。
実際私は何で生きているのか不思議だった。
体中を引き裂かれ想像を絶する痛みの中、やっと死んだと思って喜んでいたのに。
解放されたと思っていたのに。
気が付いたらグースワースで目を覚ました。
あの世だと思っていたんだ。
だけど現実だった。
私は多分一番長く狂っていたのだと思う。
だけど。
悔しいけど。
優しさにまだ涙が出てくるんだ。
だから絶対に惚れさせてやると思って一番かわいい時を選んだ。
そしてこっぴどく振ってやってあの偽善者を絶望させてやる。
嘘だ。
………嘘に決まっているよ。
そんなわけない。
もう最初から感謝していたんだ。
死にたくなかったんだ。
怖かったんだ。
でも信じられなくて。
ノニイは多分一番ひどい目にあっていた。
まだ小さいのに、いろんな薬で無理やり大切な力を暴走させられて。
そのノニイが種族の誓いまで立てて私たちに教えてくれた。
ノアーナ様を信じていいって。
私はきっと一番かわいくない性格だと思う。
どうしても素直になれないんだろう。
でもノアーナ様はそんな私でも、優しい瞳で見つめてくれるんだ。
悔しいけど顔が赤くなる。
よしよしって、遠慮がちに頭を撫でてくれるんだ。
私は絶対に。
ノアーナ様を惚れさせたい。
そして一緒に。
希望をもってもう一度やり直そう。
ありがとう。
本当の名前はきっと思い出せない。
でも今は。
貰った「ルイーナ」の名前が。
宝物になった。
※※※※※
私は誇り高き大魔族なのに、里の無能たちのおかげで捨てられ地獄を見た。
誰よりも強い私は、まだ小さかったけど怖いものなんてなかったんだ。
だから良く判らないうちにたくさんの人を殺していた。
戒律に触れた。
そしてもう死ぬ直前、あの研究所の男に拾われた。
変な薬を飲まされ、酷く乱暴された。
抵抗したいのに力が出せなくなっていた。
「この極悪人の化け物め!!」
いつもそういわれて暴力を受けていた。
私の心はいつか何も感じなくなっていた。
私はなぜか暗黒召喚魔法が使えるようになっていた。
多分最初から使えたんだろう。
あの悍ましい力を。
今ならわかる。
里の皆は怖かったんだと。
そしてすべてをあきらめた私は自分の体に悍ましいものを召還したんだ。
体がだんだん腐っていく禁呪を。
研究所のやつらは最初興奮していたけど、わたしはもう反応することをやめた。
腐り始めた私に欲情するものは居なくなったんだ。
ざまあみろって思ってた。
でも。
本当はすごく怖かった。
そしてあのゴミ捨て場に放置された。
周りの死体からは変な虫や呪いが湧き出していた。
でも私は、大魔族だったから、死ねなかったんだ。
そして助けられて今グースワースにいる。
私はもう絶対に他人を信じることはないって思った。
当たり前だ。
あんな地獄を経験したのに。
あの魔王は向き合えって酷い事を言うんだ。
いつか殺してやる。
ずっと思っていた。
感謝なんて欠片も私には無かった。
皆は知らない。
私は下らないプライドにしがみついていたんだ。
だけどどうしてそんな私を大切のものを見る目で見るの?
どうして優しくするの?
やめてよ。
もう嫌だよ。
もう裏切られたくないのに。
私は毎日死にたかったんだ。
皆と暮らし始めてからいつの間にか私たちはつらさを共有していた。
だからもう一度、信じてみたいって私の心が訴えてくる。
ヤダよ。
もう嫌だよ。
怖いんだよ。
そしてノニイが私たちに教えたんだ。
信じても良いよって。
でも私は怖い。
まだ素直になれない。
でも。
皆が羨ましく思ったんだ。
今はまだ無理。
でも、こんな私でも。
変われるのかもしれないと。
少し思ったんだ。
私はミュールス。
やっと名乗ることを私の心が許し始めたんだ。
私はヒューマンとエルフのハーフ、カリンです。
本当の名前はもう思い出せません。
ノアーナ様に助けていただき、寿命無効を施していただきました。
一緒に健康も。
今は見た目21歳で固定されているようです。
たぶん自分が思う一番美しい姿だと思っています。
「お前たちの好きな年齢になることができるよ。自分で決めなさい。誰もお前たちを縛ることはしない」
「いくらでも時間をかけなさい。心の、真核の傷は、つらいだろうけど自ら克服しないと、もう輝くことはないんだ。俺がいつまでも付き合う。お前たちの輝きをいつか見せてほしい」
優しく私たちに告げたノアーナ様を見て、この人はズルくて酷い人だと思った。
私たちはそれぞれとんでもない地獄を味わった。
だから、全てを忘れさせてほしかった。
二度と思い出したくないから。
だけどノアーナ様は何でも言うことを聞いてくれるけど、それだけは絶対に許してくれなかった。
グースワースは快適だ。
リナーリアさんの作ってくれるご飯は今まで食べたことがないほどおいしい。
皆優しいし、わたしたちを気遣ってくれる。
お風呂だっていつでも入れるし、ベッドも驚くほど寝心地がよく、清潔だ。
もう大丈夫だって思った。
だけど毎日寝るとあの地獄がよみがえる。
ここに来られなかった多くの仲間が、私を恨めしそうに見つめてくる。
そして……ああ、いや……やだ………いやあ…………
…………………………
……………
ごめんなさい。
怖いです。
確かに夢を見る頻度は減りました。
でも……わたしたちだけが幸せになることが、きっと許されないだろうから。
あと、どうしても信用することが怖い。
研究所もはじめは優しい人もいました。
私は精霊魔法が使えるので、多分他の子たちよりは優遇されていました。
だけど去年の冬くらいから……
「実験」と言われ、たくさんの男の人たちに………
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い………
いやだいやだ……やめて……お願い………
そして助けられた日………
痛い痛い…痛い痛い痛い……いやだ……
だから信じられない。
でも、ノアーナ様の目は不思議な色だった。
散々汚された私たちを宝物みたいに見てくれるんだ。
本当はおばあちゃんみたいになろうと思った。
そしたら誰も私を………
でもきっと。
自分でも変わりたいって思っていたんだと思う。
皆もそうなんだろう。
だってみんな一番かわいい年齢になった。
信じたいけど……怖くて。
そうしたら多分一番ひどい目にあっただろうノニイが勇気を出して、確かめてくれたんだ。
昨日の夜、エルマと一緒に泣きながら教えてくれた。
「ノアーナ様は本当に私たちの事を、心から思ってくれている」
「種族の誇りにかけて誓う」
そう言ってくれたんだ。
この星に住む多くの種族は小さいころからおとぎ話でそういう話を教えられる。
特に弱い女の子は皆信じるお話だ。
目の前の暗いものが、なくなった気がした。
そして気付いたんだ。
皆きっと。
ノアーナ様の事が……
私はグースワースが好きだ。
大切な仲間たちと、これからも一緒に暮らしたい。
そしていつかきっと。
輝いた私をノアーナ様に見てもらうために。
がんばろう。
そう決めたんだ。
※※※※※
反吐が出る。
この偽善者め。
目の前の男は大層な力を持っているくせに、わたしたちの望みをかなえられるくせに、わたしたちを地獄に突き落とした。
私は数えきれないくらいの大勢の男に汚された。
そして心と大切なところが壊された。
価値を失ったんだ。
女として。
今度は同胞の肉を無理やり食わされた。
恐ろしいんだよ。
絶対に嫌なのに。
死んでも食べないって誓うのに。
お腹が空くんだ。
心がマヒしなければきっと狂って死んでいた。
実際私は何で生きているのか不思議だった。
体中を引き裂かれ想像を絶する痛みの中、やっと死んだと思って喜んでいたのに。
解放されたと思っていたのに。
気が付いたらグースワースで目を覚ました。
あの世だと思っていたんだ。
だけど現実だった。
私は多分一番長く狂っていたのだと思う。
だけど。
悔しいけど。
優しさにまだ涙が出てくるんだ。
だから絶対に惚れさせてやると思って一番かわいい時を選んだ。
そしてこっぴどく振ってやってあの偽善者を絶望させてやる。
嘘だ。
………嘘に決まっているよ。
そんなわけない。
もう最初から感謝していたんだ。
死にたくなかったんだ。
怖かったんだ。
でも信じられなくて。
ノニイは多分一番ひどい目にあっていた。
まだ小さいのに、いろんな薬で無理やり大切な力を暴走させられて。
そのノニイが種族の誓いまで立てて私たちに教えてくれた。
ノアーナ様を信じていいって。
私はきっと一番かわいくない性格だと思う。
どうしても素直になれないんだろう。
でもノアーナ様はそんな私でも、優しい瞳で見つめてくれるんだ。
悔しいけど顔が赤くなる。
よしよしって、遠慮がちに頭を撫でてくれるんだ。
私は絶対に。
ノアーナ様を惚れさせたい。
そして一緒に。
希望をもってもう一度やり直そう。
ありがとう。
本当の名前はきっと思い出せない。
でも今は。
貰った「ルイーナ」の名前が。
宝物になった。
※※※※※
私は誇り高き大魔族なのに、里の無能たちのおかげで捨てられ地獄を見た。
誰よりも強い私は、まだ小さかったけど怖いものなんてなかったんだ。
だから良く判らないうちにたくさんの人を殺していた。
戒律に触れた。
そしてもう死ぬ直前、あの研究所の男に拾われた。
変な薬を飲まされ、酷く乱暴された。
抵抗したいのに力が出せなくなっていた。
「この極悪人の化け物め!!」
いつもそういわれて暴力を受けていた。
私の心はいつか何も感じなくなっていた。
私はなぜか暗黒召喚魔法が使えるようになっていた。
多分最初から使えたんだろう。
あの悍ましい力を。
今ならわかる。
里の皆は怖かったんだと。
そしてすべてをあきらめた私は自分の体に悍ましいものを召還したんだ。
体がだんだん腐っていく禁呪を。
研究所のやつらは最初興奮していたけど、わたしはもう反応することをやめた。
腐り始めた私に欲情するものは居なくなったんだ。
ざまあみろって思ってた。
でも。
本当はすごく怖かった。
そしてあのゴミ捨て場に放置された。
周りの死体からは変な虫や呪いが湧き出していた。
でも私は、大魔族だったから、死ねなかったんだ。
そして助けられて今グースワースにいる。
私はもう絶対に他人を信じることはないって思った。
当たり前だ。
あんな地獄を経験したのに。
あの魔王は向き合えって酷い事を言うんだ。
いつか殺してやる。
ずっと思っていた。
感謝なんて欠片も私には無かった。
皆は知らない。
私は下らないプライドにしがみついていたんだ。
だけどどうしてそんな私を大切のものを見る目で見るの?
どうして優しくするの?
やめてよ。
もう嫌だよ。
もう裏切られたくないのに。
私は毎日死にたかったんだ。
皆と暮らし始めてからいつの間にか私たちはつらさを共有していた。
だからもう一度、信じてみたいって私の心が訴えてくる。
ヤダよ。
もう嫌だよ。
怖いんだよ。
そしてノニイが私たちに教えたんだ。
信じても良いよって。
でも私は怖い。
まだ素直になれない。
でも。
皆が羨ましく思ったんだ。
今はまだ無理。
でも、こんな私でも。
変われるのかもしれないと。
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やっと名乗ることを私の心が許し始めたんだ。
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