創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第162話 憤怒の神々

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 「やはりな」

 奴を見た瞬間俺はそう呟いていた。
 俺がかつて戯れで創造し、その力ゆえに暴れまわっていた火神ドルドーラ。
 かつて俺が意味もなく創造した太古の神だ。

 存在値は50000。
 火に特化した、半精霊体だ。

 物理耐性、魔法耐性が最大で、権能がない代わりにいくつかのチートスキルを持っている。
 20歳くらいの男性に擬態している。

 人間離れした風貌はむしろ精霊に近い。

 記憶を消去し精霊に存在を落とした奴がなぜか完全体で奈落の大穴の入口で仁王立ちしていた。
 しかも間違いなく悪意に侵されている。

 俺はドルドーラから視線をそらさずにネルとムクに念話を送る。

 『アグアニードとエリスラーナを呼んでくれ、そして二人は絶対に手を出すな』

 二人は頷き後方へと下がった。
 そして結界を構築する。

 「流石に優秀だな……さて。…久しぶりだドル。なぜおまえがここにいる?」

 俺が奴の前に立ち質問すると奴は泣きながら口を開いた。

 「ああ、ノアーナ様、会いたかった……グスッ……よかった、生きてた」

 泣きながら存在値が上がり続けるドルドーラ。
 コイツの最大存在値は50000だったはずだが既に100000を超えている。

 「俺は会いたくなかったがな」
 「どうしてそんなイジワル言うんだよノアーナ様。まあでもいいや。ホント良かったよ生きていてくれて」

 そしてザワリと俺の危機感知が警鐘を鳴らす。

 「だって……俺が殺すからなあ!!」

 にやりと笑い、目を見開くドルドーラ。
 瞬間、息ができないほどの高温の世界が顕現する。

 神のスキルの一つ『絶界再顕』だ。

 自分が有利なフィールドを作り魔素と連携させる。
 これで自分の力が跳ね上がり、耐性の低いものは身動きすらできなくなる。

 構築してしまえばあとは自動で維持するため、ほかのことに能力を使える。
 所謂『チート技』だ。

 「ひゃはははは!!あいつの言ったとおりだ。ノアーナ様?ずいぶん弱くなったねえ」

 ドルドーラは自分のフィールドに引き込んだことで勝利を確信した。
 体に魔力を纏い俺に襲い掛かってくる。

 「おらあっ!」

 ドルドーラの魔力を纏う右の拳が俺の顔面を捉え、頬の肉を削ぎながら俺を吹き飛ばした。
 俺は真核をガードしながらも吹き飛ばされる。
 フィールド効果で一瞬緩んだ魔力障壁が阻害されマントが燃え尽きた。

 ネルが悲鳴を上げる。

 「ああっ、ノアーナ様ああああ!!!」

 「なんだよー、ホントに弱いじゃん……ノアーナ様、早く勇者呼べよー。死んじゃうよ?ぎゃはははははは!!!」

 勝ち誇りながら噴き出す紅い魔力、極大の炎を召還し俺に向けて放つ。
 俺を中心に超高温の火柱が閃光を伴い爆発的に膨れ上がり、周りの魔素を急激に吸収し天高く舞い上がった。

 「ぐうううっ」

 俺は真核だけは全力で守り、体を焼かれ血をまき散らしながら巻き上げられ、錐もみ状態で地面へ叩きつけられる。

 「いやああああああああ!!!!」

 ネルが飛び出そうとするのをムクが必死に抑えた。
 俺はネルに念話を送る。

 『ネル……俺を信じろ』
 「っ!?」

 全身に酷いダメージを受けた状態で横たわる俺。
 そして俺の頭を踏みつけ勝ち誇るドルドーラ。

 おもむろに俺を蹴飛ばし、愉悦に表情をゆがませる。

 「なんだよなんだよ?こんなに弱くなっちゃってさあ!!……もう死ねよ」

 勝利を確信した表情を浮かべ神の言霊を紡ぐ。
 炎の神剣を顕現させ、破壊の力を研ぎ澄ましていく。

 そしてドルドーラのターンが終わりを告げた。

 『絶界再顕』が強制的に解除される。

 「なっ!?……体が?」
 「……全く。……お前は相変わらず詰めが甘いな」

 俺は真核に魔力を集中し、ダメージを一瞬で回復させ起き上がった。

 「な?……どうして……!?くそっ、そういう事か……」

 ドルドーラの表情が色をなくしていく。

 「お前は俺が創造したんだ。いつも言ってるだろ?殺すなら二撃だと」

 そして俺は禁呪コードを紐解いた。

 「解除コード〇四、強制執行……凍結」
 「ぐがああああああああああ―――――――??!」

 ドルドーラの下半身が凍り付き動きを完全に止めた。

 空間が軋み魔力があふれ出す。
 エリスラーナとアグアニードだ。

 「っ!?ドルの兄貴?……なんで?」

 アグアニードが呆然と立ちすくむ。
 知らないエリスラーナがアグアニードを見て不思議そうな顔を浮かべた。

 「アグ、継承の儀式だ。ドルの真核を取り込め」
 「っ!?」

 「くそおおおおおおお―――やめろおおおおお!!!」

 頭を激しく振り回し、拒絶するドルドーラ。

 「えっ?ノアーナ様?それは……」
 「アグ、悪いが強制だ。こいつを殺せ」

 俺は膨れ上がっていくもう一つの気配に気づかないふりをして非道な選択を迫る。
 ……早く出てこないと、コイツが死ぬぞ。

 「うわああああああああああああああ―――――!!!!」

 突然辺りを絶対零度のフィールドが包み込む。
 青白く輝く魔力を纏い、水神エアナルードが突っ込んできた。

 「ノアーナあああああああああああっっ!!!!!!」

 すべてを凍らす神器『氷帝の剣』を握りしめ、最大魔力を纏い俺に向けて全てを切り裂く剣戟を放ってきた。

 俺はあえて大きく避けずにわずかに体をずらす。
 攻撃カウントを満たす必要があるからだ。

 ズシャアア―――!!
 ドンッ!!!!

 「ぐうっ!!?」

 激しい痛みが俺を突き抜ける。
 左手を切り飛ばされ、凍り付き粉々に砕け散った。

 「なっ?…くう?!」

 そして同時に俺は右手でエアナルードの顔をつかみ、地面へ叩きつけた。

 「きゃああああっ!!!」
 「エリス!真龍化だ!!束縛のブレスを最大!!!」

 「っ!?真龍化!!」

 黒い雷を纏い顕現する伝説の王たる古龍。
 ノータイムで放つブレスが俺ごとエアナルードを巻き込み、数十メートル吹き飛ばした。

 「があああああああああ―――――!!!!!」
 「くっ、きゃあああああああああああああ―――!!!!!!」

 エアナルードがたまらず回復の陣を形成。
 …よし、これでカウント回数を満たした。

 俺はよろよろと立ち上がり、エアナルードに視線を向ける。

 「えっ……ああ!?……なに?いやあああああ―――――!!!!」

 エアナルードの『絶界再顕』が強制的に解除され身動きできなくなった。
 俺はため息交じりにエアナルードに向けて言い放つ。

 「お前ら……あほなのか?……解除コード〇二、強制執行……固定」

 エアナルードの下半身が色をなくし、石のように固まる。

 「ああああああああああ!!!!!はなせえええええ―――!!!!」

 頭を振り回し呪詛を吐きだし続けるエアナルード。
 俺は彼女に平手打ちを浴びせた。

 バチイイ―――――ン

 いい音が響き渡る。
 思わず素に戻り茫然とするエアナルード。

 俺は真核に意識を集中し、緑纏う琥珀の魔力を噴き上げさせる。
 そしてそのままエアナルードを抱きしめた。

 「馬鹿だなお前は。俺はお前に会いたかったというのに」

 悪意を浄化されたエアナルードの目から涙がポロポロ零れ落ちた。

 「ぐすっ…ひっく…だってえ…うあ…ノアーナ様……うわ―――ん」

 俺はエアナルードの背中をあやすように優しく叩いてやった。
 そして意識が飛びそうになり、大怪我していたことを思い出した。

 「あー、すまんエリス。……回復頼めるか」

 真龍化を解き、ジト目でエリスが俺を回復してくれた。

 「ノアーナさま。ドMなの?……馬鹿なの?」
 「はは、は……すまん」

 どうにか事態を収束させることに成功した。
 だが残念ながら……本番はこれからだ。

 問答次第で俺はこいつらを完全に消滅させる必要がある。
 茜を失うわけにはいかない。

 俺は祈るような気持ちで2柱を見つめた。
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