創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第185話 告白の重さ

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(新星歴4819年4月20日)

 グースワースの訓練場に気合のこもった声と剣戟の音が鳴り響いていた。

 「うおおおおおっ!!」

 ガキイイ―――ンン!!

 「ぐうっ、いいぞ、その調子だ」
 「はいっ!」

 ガルナローのシミターが、ナハムザートの双剣で受け止められていた。

 「ふっ!」

 切り返しの斬撃が、ナハムザートの胸の薄皮に傷をつける。
 そしてさらに踏み込み、頭上から切り伏せる。

 ガキイイイ―――ンン!!!!

 思わずナハムザートが膝をついた。

 「おいおい、どうした?すげーじゃねえか。……お前の武器はそれだったんだな」
 「いえ、ナハムザートさんが怪我をしているのに無理して付き合ってくれているからですよ。まだまだです」

 一瞬で傷を治せるリナーリアがいることで、最近は傷を負ったままにしておくことが増えていた。

 そういう危機感がある中の訓練の方が結果として伸びる。
 ムクの熱量の籠った進言で、そういう事になってしまっていた。

 ノアーナもあきれ顔で渋々認めていた。
 『はあ、お前らMすぎ』
 とか言っていたが。

 「お前はパワーもあるがスピードがある。戦斧よりのシミターの方が戦術の幅が広がるんだ。頑張れよ」
 「ありがとうございます」

 ガルナローは心に決めていたことがあった。

 存在値が1000を超えたら、ロロンに告白すると。
 そして遂にその日が訪れた。

※※※※※

 どういうわけかロロンはガルナローの事が気に入っている。

 そして頑張ってどんどん強くなっていくガルナローの事を考えると、胸の奥に何かモヤモヤする物が増えていくのを自覚していた。

 1万年生きる古龍にとって、400歳くらいの彼女たちはまだ子供だ。
 もちろん種族的にはもう繁殖は可能な年齢だが、彼女たちはずっと母親といた。
 そういう感情を理解できていなかった。

 取り敢えず目についたリナーリアに聞いてみる。

 「ねえ、リア。私最近変なの。ロー君見てるとね、なんかお胸の中がモヤモヤするの」
 「えっ?へえー、そうなの?……うん、それは恋だよ」
 「恋?」
 「うん。この辺がドキドキするんでしょ♡」

 そう言っておもむろに胸を触るリナーリア。
 目つきがいやらしい。

 「ひゃん♡……んん、だめえ、やん♡」
 「はあはあはあはあ♡ああ、柔らかい♡ロー君いいなあ♡」

 何とか避難するロロン。
 涙目だ。

 「もう、リア嫌い。べーっだ」

 聞く相手を間違えたようだ。
 そして今度はレーランに聞いてみる。

 「母様、あのね、ロロンね、最近ロー君見てると……お胸がモヤモヤするの」

 レーランは優しい目でロロンを見つめる。
 そしてささやくように教えてあげることにした。

 「ロロン、ロー君との赤ちゃん欲しい?」
 「えっ?……いらないけど」

 思わずひきつるレーラン。
 取り敢えず違う聞き方をしてみる。

 「あー、えっと、ロー君とずーっと一緒にいたいのかしら?」

 考え込むロロン。
 そして口にするあまりにひどい内容。

 「んっと、ロー君が頑張る姿がね、コロンの召喚獣みたいで可愛いの。一生懸命で。コロンの召喚獣たちは消えちゃうけど、ロー君いつでも見れる」

 「んん?好きとかじゃないのかしら?」
 「好き。可愛いの。……でも赤ちゃんは、ノアーナ様にもらうの」
 「アハハ、ああ、そ、そうなのね………ごめんロー君」
 「????」

 天然の『好き』は得てして大きな勘違いと悲劇を生むのだと、5000年生きてきて気付いてしまったレーランなのであった。

※※※※※

 そうはいっても相変わらずガルナローに対するロロンの距離感はおかしい。
 見つければ駆け寄りスキンシップを取るし、つい抱き着くこともしばしばある。
 純情で情に厚いドラゴニュートが勘違いするのを責めることはできないだろう。

 レーランと相談したことによって何となく感情の置き所を間違ったロロンは、ついに禁断の言葉を口にしてしまう。

 もちろん全く悪気もないままに。

 「ねえロー君。私が困ったら、助けてくれるかな?」
 「っ!?も、もちろんですロロン様。この命に代えても」
 「ありがとう。可愛い♡ロー君」

 そして抱き着く。
 ロロンの破壊力はガルナローの心を揺るがす。

 「じゃあさ、コロンの召喚獣よりも強くなってね♡」
 「はい。……えっ?」
 「約束だよ?はあ、すっきりした。これからもよろしくねロー君。今日こそ大好きなノアーナ様に赤ちゃん貰いに行ってくる♡」

 そそくさと立ち去るロロン。
 呆然と立ち尽くすガルナロー。

 「えっ?……召喚獣?……えっ?…赤ちゃん?……大好きなノアーナ様?……えっ…」

 努力して存在値1000を超えた英雄願望のあるガルナローは。
 この日初めて一人で深酒をし、告白の重みに泣き潰れたのであった。

※※※※※

 俺は執務室で、ナハムザートから報告を聞いて大きくため息をついていた。
 どうやらガルナローが失恋してしまい、ショックで寝込んでいるらしい。

 「いやあ、大将、しょうがない事ですみません。ただちょっとかわいそうで」

 ナハムザートも困り顔だ。
 確かに誰が見てもロロンのあの距離感はおかしかった。
 しかしまさかペットのような感覚だとは誰一人気付いていなかった。

 「しかしなあ、何もできることはないぞ?口を出せば碌な事にならんだろうに」
 「はあ、そうですけど」

 俺は横で聞いているネルに視線を向ける。

 「ネルはどう思う?」
 「まあ、ノアーナ様には無理な話ですね」
 「ん?」

 ネルは顔を赤らめ目を輝かせる。

 「素敵です。一途な想い……誰かさんは爪の垢でも飲めばよろしいのでは?」

 とんだとばっちりだ。
 思わず俺の顔が引きつる。
 ナハムザートは苦笑いだ。

 「ふう、冗談です。何もできませんよ?放っておくしかありませんよ。……大体ノアーナ様は赤ちゃんあげるのですか?」

 にっこり笑うネル。
 だからなんで俺に飛び火した?

 「コホン。まあ、取り敢えずあいつらも一応大人だ。ガルナローは今までロクに休みとってないんだろう?しばらく休ませてやれ」

 「へい。そうしやす」

 とぼとぼ帰っていく後ろ姿に何故か哀愁が漂っていた。

 指示を出したことで取り敢えず俺の仕事は終了だ。
 そう思うのだが……
 何故かネルがジーっと俺を見つめていらっしゃるのだが……

 「コホン、ネルもありがとう。ここはもう大丈夫だ。用事はないのか?」
 「……赤ちゃん、あげるのですか?」

 圧がすごい。
 ゴゴゴゴっと音が聞こえる。

 「い、いや、取り敢えずその予定はないが」
 「取り敢えず?」
 「あっ、そうだ、ムクに呼ばれていたんだ。すまないな、少し席を外させてもらう」
 「……承知しました」

 なんで俺まで涙目に?
 解せぬ。

 俺は取り敢えずムクに愚痴を聞いてもらったんだよ。
 確かに最近神々といちゃついてはいたけどさ!!
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