創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

文字の大きさ
192 / 260

第192話 復活の悪意

しおりを挟む
(新星歴4819年7月11日)

 ファルスーノルン星から遠く離れた小さな小惑星のクレパスの奥に、ひっそりと悪意をはらんだ漆黒の鉱石が瞬いていた。
 かつて星から逃れた怪しいレイスが持ち込んでいたものだ。

 ルースミールの計略により閉じ込められたあのレイスは、彼女の言った通り本体ではなかった。
 だがそのダメージは計り知れないほど大きく、本体の靄のごく一部のみがこの鉱石の表面に付着していた。

 ………あ……

 ……な、んだ……

 くそ……

 まさか……

 この俺が、一杯食わされるとはな……

 ……まあいい
 計画に問題はない。
 少し休んだだけだ。

 ………やはり吸収量は少ししか増えていない。
 まあ、地球の悪意が来るんだ。
 濃度だけが濃くなってくる。

 くくっ、これだけは対策できまい?

 ハハハ、せいぜい楽しむがいいさ。
 ああ、お前の慌てふためく顔がもうすぐみられるな。
 何せ今度はこの星の悪意だ。
 種をばら撒いた効果がここまで出るとはな……

 自由を与えた代償に、慄くがいい。

 っ!?……勤勉な奴だ……
 女が増えている…

 ははっ、ご苦労なことだ、餌を増やすなんてな。

 ああ、久しぶりに会いたいな……
 ……喜んでくれるかな?

 なあ、本体様よ……

※※※※※

 「っ!?……あいつ……やっぱり」

 ルースミールは悪意の胎動に気が付いた。
 彼女の真核に刻まれた悪意の種は、あの怪しいレイスが埋め込んだもの。

 同じ存在であるノアーナよりも、ルースミールとレイスは数段深く繋がっていた。

 ルースミールの胸の中で、悪意に対する黒いものがどんどん湧き出してきていた。
 本来狂うほどの濃厚なそれは、人格を分けているルースミールだからこそ耐えられていたが、逆に耐えられずおかしくなっていた方が、きっとアルテミリスやノアーナに認識され対策ができていたのだが…

 運命は簡単には幕を引かせてはくれないようだ。

※※※※※

 「ルーミー、次は大聖堂のお掃除だよ」

 一緒に修行している眷属第25席のナタリアがニコニコしながら声をかけてきた。

 「うん、ナタリアちゃん」
 「アハハ、なんか変な感じだね」
 「ん?何が?」

 「えと、だって、ねえ。あなたどう見ても大人に見えるのに、まだ11歳なんて、はあ、めっちゃ美人だし……今まで最年少だった私よりの小さいなんてね」

 「もう、いつも言わないでよ。恥ずかしいじゃん」

 ナタリアは聖魔法の才能を認められ、異例の速さで眷属へと召されたいわゆる天才の女の子だった。

 天使族とヒューマンのハーフの彼女は現在14歳。
 身長は140cmくらいと小柄で、これからの成長に期待を抱いているツルペタ体形だ。

 キレイな茶色い髪を後ろで縛り、同じ色の細い眉毛の下には水色の瞳が瞬いている。

 小さな鼻と、可愛らしい唇がチャーミングな、可愛らしい女の子だ。
 まあ、まだ色香はあまり纏ってはいない。

 修道院の服の様なモノに身を包んでいるため、凹凸のないナタリアは、棒のように見えてしまう。

 「はあ、……ずるいよね」
 「ん?」
 「……なんでもない」

 ナタリアは凹凸のあるルースミールの胸部を見つめ、ため息をついてしまう。

 「ねえ、最近アルテミリス様忙しいのかな。……はあ、お美しいよね。またお会いしたいなあ」

 目を輝かせ、うっとりとするナタリア。
 普段あまり会えないアルテミリスは眷族にとってまさにあこがれの存在だ。

 「うん。あっ、でも3日前に私会ったよ。ディスペルの発動訓練の時に」
 「あー、いいなあ、私もう覚えちゃったからなあ。もう、なんかズルい。存在値だってもう1000超えたんでしょ?」

 ふくれっ面をするナタリア。

 「うん。この前測ってもらったら1005だった」
 「むう、わたしも400もあるっ!て、驚かれてたのに」
 「えー、でもナタリアちゃん、たまに巡礼にもいくじゃん。そっちの方がずるいよ」

 そして笑いあう二人。
 年が近い事もあり二人はすぐに仲良くなっていた。

 「おーい、くっちゃべってないで手を動かせよ」

 通りかかった先輩の、第14席セラノアが声をかける。

 「「はーい」」

 やっぱり仲が良い。
 ハモリつつ返事をし次の仕事に向かう二人だった。

※※※※※

 執務室ではネルが大変に興奮し、目を輝かせていた。
 とても可愛く尊いが、俺は嫌な予感しかしないのはなぜだろうか。

 「はあ、素敵。愛おしい人を訪ねて単身旅をして、そして巡り合う。ああ、いいですね」

 目の前で赤くなり仲良く並んでいる二人を見て、ますますテンションを上げていくネル。

 「おい、あまりからかわないでくれ。そんな大層なもんじゃねえよ」

 ネルのあまりの美しさに、ミンはなぜか危機を感じそっとナハムザートに寄り添った。

 「おう、ミ、ミン?どした?」

 そしてうるんだ瞳を愛おしい人に向ける。

 「お、おう、その、うあ」

 湯気が出るほど顔が赤くなってしまう。

 「ああ、素敵。ミンさん良かったですね。ナハムザートはそれはもう一途な人ですよ」
 「は、はい。ありがとうございます」

 可愛く顔を赤く染めるミン。
 俺は思わずため息を吐き、ナハムザートに声をかけた。

 「希望するなら家位プレゼントするぞ?二人で仲良く暮らすといい。悪いが役職上、退職というわけにはいかないが」

 「な、なにを?ノアーナ様、冗談はやめてください。…俺はここを出るつもりはないですよ、大将。やめてください。心臓に悪い」

 「そうか?まあ、あてにしているからな。んーじゃあ二人部屋で良いか?」
 「っ!?……は、はい」
 「はははっ、おまえ少年みたいだな。顔が真っ赤だ」

 「うっ」
 「ミン、だったな」
 「は、はひ」
 「……こいつは俺の大切な同士だ。仲良くしてやってくれ」
 「……はい」

 俺は優しい目になっていくのを感じていた。

 「ふふっ、ノアーナ様?いい顔をしてらっしゃいます」

 ネルがそっと俺に体を寄せる。

 「よし分かった。取り敢えず案内をさせよう。しばらくミンはお客様だ。くつろぎながら慣れていってくれ」
 「失礼します」

 ちょうどそのタイミングでメイド服を纏ったサイリスが入室してきた。

 「サリー、ミンだ。ナハムザートの恋人だ。案内してやってくれ」
 「かしこまりました。……ノアーナ様」
 「ん?」
 「今夜、お待ちしております♡」
 「ああ、俺も楽しみだ」

 ネルの周囲の気温が急激に下がっていく。
 だが俺は気づいてももう揺るがないと決めていた。

 「紹介にあずかりましたサイリスと申します。ミン様、どうぞこちらへ」
 「あ、はい。……えっと、『ミン』でお願いします。その…」
 「ふふっ、可愛らしいお嬢さんですね。分かりました。ミン、いらっしゃい」

 サイリスはちらりと色っぽい表情を浮かべ俺に流し目を向けてにっこり笑い、ミンとともに執務室を出ていった。

 サリーは愛する人を目の前で失っている。
 そして決意を込めおれを愛してくれている。
 俺も愛すると決めた、俺の女だ。

 俺は思わず思いをはせていた。

 「コホン。ノアーナ様」
 「ああ、ナハムザート、了解だ。これからも頼む」
 「はっ」

 ナハムザートが執務室を後にする。

 俺はネルの手を取り、抱き寄せる。
 涙を浮かべていた。

 決意はしたのだろう。
 だが普通に考えて目の前で心を奪われている様を見せつけられるのは辛いことだ。

 だから俺はクズなりに出来ることをすると決めたんだ。

 「ん♡……もう、ズルいです」

 ネルの可愛らしい唇を俺は何度もついばんだ。

 「んん♡……もう…」

 何度も何度も。

 「あ♡……んう♡…」

 「ネル?俺はお前が愛おしくて仕方がない。でもサリーの事も愛している。でも今は、目の前にいてくれるお前を全力で愛したい」

 さらに強く抱きしめ、俺はネルの体に顔をうずめる。
 大好きな心震わせる香りが俺を包み込んだ。

 「ネル、愛してる。……俺はお前の覚悟を尊敬している。だから全力だ」
 「……はい。……可愛がってくださいませ」

 「悲しませるが、それ以上の幸福を絶対に与える。俺を信じてほしい」

 時間など気にしない。
 周りの目など、俺の覚悟でねじ伏せて見せる。
 俺は全力でネルを愛しぬく。

 俺たちは二人、心を通い合わせた。
 心から愛するネルを大切に思いながら。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...