創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第204話 猛り狂う過去の遺物

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(新星歴4821年7月22日)

 悪夢は突然その牙をナグラシア王国へ向けた。

 王城のある王都の北の森に、かつて神々が倒し存在ごと消したはずの大怪獣バハムルトが、アンデッド化ししかも大幅に力を増し出現していた。

 「王よ、前線が持ちません。避難を」
 「くっ、なんだあれは……悪夢ではないか。被害は」
 「はっ、3個大隊がブレスで壊滅。死者は今のところ5千人を超えています」

 王宮は混乱に包まれていた。
 世界が大戦に包まれ早数か月。

 ナグラシア王国内では紋様のある魔物が大挙して押し寄せてきていたがもともと強者の多い国だ。
 多少の被害を出しつつも確実に魔物を排除し、やっと落ち着いて来たタイミングであった。

 しかし先ほど突然出現した悪夢によって主力部隊を含むナグラシア王国の精鋭が一瞬で壊滅させられてしまったのだ。

 「くっ、もはや我々の手には負えない。アグアニード様へは情報を共有済みだ。民に避難を急がせろ。ここに結界を構築。時間を稼ぐ。転移できるものはグースワースへ行け。魔王に協力を要請するのだ。……このままでは国が、いや世界が滅びるぞ」

 ガランド王の檄により動き出す。
 そのタイミングで空間が軋み魔力があふれ出した。

 アグアニードとエリスラーナ、そして最強の大精霊ミューズスフィア、勇者茜が転移してきた。

 「ガランド、お前たちは避難を優先させろ。……これ以上の死者を出すことは許さん」

 跪き頭を垂れるガランド。
 悔しさで噛み切った唇から血が零れた。

 「っ!?みんな、防御して!!うおお『絶対防御!!!』」
 「あくあばりあ!!」
 「フレイムシールド!!!」

 茜が魔力を噴き出しながら30メートル四方にまで届く光輝くシールドを展開、それを補う様にミューズスフィアとアグアニードの防御陣が展開された。

 刹那襲い来る破壊の衝撃波!!
 全てを巻き込み蹂躙していく。

 「ぐううっ、だめだ。持たないっ……く、くあああああ!!!!!」
 「うああ、ああああああああああああああ」
 「いぎっ、いやあああああああああああああああ!!!!!!!」

 城下町がたった一発のブレスで城ごと纏めて廃墟と化した。
 激しい破壊の暴威が吹き荒れる。

 「グハッ……」

 腕を吹き飛ばされ倒れ伏すガランド。
 とっさに展開したシールドにより茜たち4名はかすり傷で済んだが……

 辺りを見回し愕然とする。

 景色が地獄と化していた。
 バラバラにされた遺体が鮮血の海に飲まれている。
 瓦礫からは炎が上がり、辺りは黒煙に包まれていた。
 生き物が焼ける嫌な臭いが充満していく。

 茜の視界が赤く染まっていく。
 かつて感じたことのない怒りが茜の存在値を急上昇させる。

 「許さない……絶対に許さない!!うあああああああああああ!!」
 「くそトカゲ!……消滅させる…不敬!!!うああ、究極神龍化!!」
 「あああああ?ふざけるなよ!?あああ、ガチで切れそうだ……このくそ野郎がああああ!!!!」

 出現したアンデッド化したバハムルトは存在値が450000を超えていた。
 しかしこの星の最強戦力たちは…

 茜742000。
 究極真龍化したエリスラーナ322000。
 ブチギレ伝説の神魔龍化したミューズスフィア442000。

 合計1400000を超えた怒りとともに激しい戦闘の幕を開いた。

 茜の聖剣がうなりを上げバハムルトを捉える。
 バハムルトは瞬間で転移し、エリスラーナにその質量の乗った腕を叩きつけた。

 「ガアアアアアアアアアアッ!!!!」

 激しい爆発音とともに受け止める。
 しかしいなしきれずに大地を陥没させながら吹き飛ばされるエリスラーナ。

 「ぐううっ!!」
 「このおおおおお」

 グワシャアアアアアアアアアーーーー

 バハムルトがミューズスフィア渾身の薙ぎ払いの直撃に数十m吹き飛ばされた。

 「グハアアアアア―――――」

 狂ったようにブレスを乱発するバハムルト。
 被害が拡大していく。

 「くそおっ!!あああ、国が、人が……ああああっ、うあああああああ」

 怒りが、悲しみが、茜の視野を奪っていく。
 心の中から黒いものが吹き上がる。

 憎い、憎い、憎い、にくい、にくい、憎いいいいいいいいい
 茜が憎しみに飲まれていく……

 爆発的に魔力が吹き上がる
 存在値が900000を超えていく
 星が共鳴し、茜の周りの物質が蒸発し始めた。

 「っ!?だめ、茜、ダメだ!!……くうっ、このっ!!」

 気付き茜を止めようとするエリスラーナをバハムルトの猛威が邪魔をする。

 「茜、だめ!……このままじゃ、茜が星を……ノアーナっ!!たすけてっ!!!!」

 ミューズスフィアの祈りにも似た叫びが奇跡を紡ぐ。

 茜の世界から色が消えた。
 全てを消滅させるその瞬間。

 ノアーナが茜を抱擁していた。
 優しく抱きしめキスをする。

 二人は虹色の魔力に包まれた。

 降り注ぐ光にバハムルトは動きを止める。
 一瞬の静寂があたりを包む。

 「茜、もう大丈夫だ……バカだな、俺を頼ってくれよ。愛してる」
 「……こ、光喜さん?……あれ、私……」
 「一緒に倒すぞ。……守ろう、皆を」
 「っ!?……うんっ!!」

 茜とノアーナ。
 勇者と魔王。

 覚醒する二人の絆の剣が、バハムルトを引き裂いた。

 そして同時に紡がれたエリスラーナとミューズスフィアのブレスにより、バハムルトの存在を消滅させることに成功した。

 大きな被害を出しながらも、この星を守り切ったのだった。
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