創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第215話 それぞれの覚醒

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 ムクは跪き、まさに命の炎が消えそうになっていた。
 体はもう動かない。
 全身ズタボロの状態だ。

 「ふむ……まだ早いか……お主の決意見事であった。だが、ここまで……」
 「アグアニード様……お待ちください……もう少し……です……」

 アグアニードが試練の間を解除しようとした時ムクが口を開く。

 「む。だが……」
 「……見える……そうか……これは………」

 突然ムクの真核が爆発するかのような光に包まれた。

※※※※※

 「神滅の氣とはすなわちお主たちよりも上位の存在へと至る真核の変革による自己改変の技だ」

 「自己改変?」

 「うむ。ゆえに一度自己を否定する必要がある。確立した自己がその変革を妨げるからだ。要するにまず真核をゼロにし、想いを纏う。本来であれば長き瞑想の果てにたどり着く高み。強制的に行く方法は自殺とほぼ同意だ。真核をさらけ出し防御せずに危機の状況でただ想いを纏う」

 アグアニードですら習得に数千年を要した奥義だ。
 通常人の身でたどり着くことは不可能。

 ただムクには『魔王に近しもの』がある。
 そしてすべてを思い出した今、確固たる想いがあった。

 200年前、命を救うべき相手にだまし討ちにされ目の前で死にゆく仲間たちの悲痛な叫びが、命をあきらめるほどの大怪我を負った自分を最後の力を振り絞り自らの命を投げ出し救ってくれたレーランの決意の籠った瞳を、そして亡くなってしまった28名のノアーナを思う心の輝きを……

 無駄にすることこそムクは耐えられなかった。
 そして何より敬愛する主人が『資格がある』と断じた。

 習得する以外の選択肢はすでにないのだ。

 試練はまさに地獄だ。
 まず5感を封じられる。
 そして空気すらない超重力のフィールドであまりの過剰な攻撃をただ防ぐ。

 培った技では無く想いのみで。
 絶望がムクを襲う。

 しかしだからこそたどり着く。

 「ふっ、ノアーナ様……いや、光喜様。仰せのままに」

 何よりも我らを優先する優しい至高の主。
 結局最後までお助けする事すら叶わなかった。

 だがそれでも愚直なまでに信じてくれる

 あっという間に瀕死に至るムク。

 しかしだからこそ見える原初の自己が想う至高への憧れ。
 光がムクを包み込んだ。

 「見事だ……その方の覚悟は、美しい」

 ムクがたどり着いた高み……
 それは摂理を覆しうる力だった。

 ここにまた一人運命の戦士がその産声を上げた。

※※※※※

 「あうっ。……くうっ、まだ、うああっ!!!」

 「甘えるな!立て!……レーランの想いは、ノアーナ様の気持ちは……そんなに軽くないっ!!」

 「っ!?……負けない。絶対に。……母様、光喜様…コロン……」

 エリスラーナの召還した水魔竜の破壊を含むブレスがロロンを襲う。
 コロンは既に意識を失い、瀕死だ。

 「ぐうっ、『竜滅っ!』!?うあああ、きゃああああああああ―――――!!」

 直撃を受けキリモミ状に吹き飛ばされるロロン。
 全身から鮮血が噴き出す。

 「不敬」

 そしてそこへ振り下ろされる古龍の王たる究極神龍化したエリスラーナの質量の乗った振り下ろされる純然たる破壊の衝撃。

 「きゃあああああああ―――――――――!!!!!!」

 全身が軋み、骨が破壊される。
 消えかける意識の中ロロンは自分の情けなさに涙をこらえる事が出来なかった。

 浮かぶ優しく微笑むレーランの顔。
 いつでもロロンとコロンを守ってくれた優しいぬくもり。

 「グスッ……母様……うう、……ヒック……でも……私は……私たちは、絶対に負けたくないのっ!!」

 僅か残されたロロンの真核が光を放つ。
 ロロンは甘えていた。
 そして恐怖していた。

 自分の奥底にある、ドロドロした破壊の衝動。
 全てを滅ぼす純然たる力の波動……
 そして真に一つだったロロンとコロンの真核のつながりを……

 目を背けていた。

 でも……
 結果ロロンたちは逃げるしかできなかった。

 「悔しい……私が……嫌だ、弱い自分が……一番嫌いだっ!!…私は弱い……でも、二人なら……一緒なら……負けないのっ!!!コロンっ!!!!」

 「かせ」が消し飛ぶ。
 そして光に包まれるロロンとコロン。

 かつて一つだった分かたれた命。
 そしてその力故に歪められ顕現していた二つに分かたれた魂は……

 今一つになる。

 そして顕現する美しき王たる白銀の古龍。

 ロロンとコロンはたどり着く。
 レーランすらたどり着けなかった極地。

 覚悟が、意地が、そして包まれた愛が。

 この世界を、真に愛するものを守るため………
 ここに伝説の古龍が、いや真龍魔コロラアーノが顕現するっ!!

 激しい魔力の奔流が可視化できるほどの圧倒的存在値。
 星が共鳴し祝福の光が舞い踊る。

 「むうっ、ズルい……私より強い……不敬」

 その力は……存在値600000を超えていた。

※※※※※

 一方ラーナルナに訪れたナハムザート一行。
 入り口から10m位ですでに苦戦を強いられていた。

 「くそっ、コイツら?!!ぐううっ、カンジーロウ……っ!?くそっ、そっちもか」
 「うあああ??!くうっ、だめ、押し切られる?!!」

 ラーナルナの設定はおかしい。

 最終決戦の後、この200年間にアースノートが改良を施していた。
 二度と悪意に付け込まれないよう、もともとおかしい設定をさらに強化していた。

 「ぐああああああ?!!」

 5体ほどいる首が3つある象ほどの大きさのケルベロスもどきの1体の薙ぎ払いがカンジーロウを吹き飛ばす。
 確認できる存在値は8000を超えていた。

 「くそっ、ダメだ。仕切りなおすぞ。ミュー出口まで飛べ」
 「はい」
 「カンジーロウは俺が連れていく」

※※※※※

 「あちゃー、酷くやられたね『オーバーヒール』……良しっと」

 入り口のすぐ外に設置された簡易テントで、負傷した皆をリナーリアの回復魔法が癒す。
 記憶を取り戻した今、リナーリアの回復術はおそらくこの星で随一だ。

 「くそっ、今のままじゃ無理だ。考えなくちゃな」

 思わず俯くカンジーロウとミュールス。
 ノニイとエルマとカリンはそもそも入ることすらできなかった。

 「ねえ、一度聞いた方が良くない?今のままじゃ絶対に無理だし。ほら、ノアーナ様、意外と抜けてるじゃん」

 リナーリアの言葉に思い当たることがあり過ぎる皆は思わず天を見上げる。
 たぶんリナーリアが正しい。

 「そうだな。分かった、俺が聞こう……つながった…光喜様、今良いですか」

※※※※※

 結果一同はグースワースに帰還することになった。
 アースノートの改変を光喜は知らなかったのだ。

 「あー、ごめんな?」

 7人のジト目が炸裂した。
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