創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第217話 ノアーナが消えた後のファルスーノルン星1

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(新星歴4823年7月15日)

 世界が破壊に包まれ数か月が経過していた。

 光神ルースミールの権能でノアーナが滅びて世界にはびこっていた悪意と欠片はその力を失い、ある意味神々の思惑通りに世界は平穏に包まれていた。

 そして渾身の【虚実】の権能によりこの世界に住む人々はごく一部を除いてあの忌まわしい世界大戦の事を記憶から無くしていた。

 そう、ごく一部、ノアーナの称号『魔王に近しもの』を持っていたこの3人は今の状況を正確につかんでいたのだった。

 アルカーハイン大陸で修行を続けていたドラゴニュートの若者、ガルナローとガロドナ、そして人族の強者アカツキは決意を込めた瞳で3人頷きあう。

 「なあロー。ノアーナ様はきっと帰ってくる。俺達はあの方に返しきれない恩がある。強くなるぞ」
 「ああ、そうだなガロドナ。……しかしアカツキ、お前は……」

 アルカーハイン大陸への『もう一人のノアーナ』の襲撃の際、左腕を失い、真核に酷いダメージを負いながらもルナを守り切ったアカツキは、あまりの苦しみにその頭髪は真っ白に変質していた。
 そして覚醒を果たす。
 真に守るもののため心の力に完全に目覚めていた。

 「俺だってノアーナ様には恩しかない。ルナは無事だ。もうすぐ俺の子も生まれる」
 「そうか。ならなおさらお前はルナと……」

 かぶりを振るアカツキ。
 そして覚醒した力を開放する。

 アカツキの真核からかつてを凌駕するすさまじい魔力が吹き上がる。

 「俺は人族だ。きっとノアーナ様にはもう会えないだろう。だがお前たちなら、きっと会えるはずだ。だから俺の力を託したい。いや、伝授させてくれないか」

 実は別れる際、アカツキはノアーナから問いかけれられていた。

※※※※※

 「なあアカツキ、寿命をどうしたい?望むならお前たちは俺の家族だ。伸ばしてやることはできる」
 「いえ、ノアーナ様。俺とルナは普通に生き、そして死んでいきたいと思います。限られた時間だからこそ俺たちヒューマンは輝く。あなた様に頂いたこの『魔王に近しもの』この力を極めたいのです」
 「そうか。分かった。……ルナを頼む」
 「はい」

※※※※※

 「俺の師匠ゴドロナさんはかつて俺に教えてくれた。人族は弱いからこそ心の力があると。でもそれおかしいと思わないか?」
 「どういうことだ?確かに今のお前はあり得ない力を纏っている。でもそれはお前の努力だろ?」
 「ドラゴニュートだって心の力使えると思うんだよ俺は」
 「「っ!?」」

 「なあロー。お前ロロン様好きだっただろ?」
 「っ!?……ああ。今でも愛している」
 「その気持ちを、想いを、力に変えるんだ。……出来るさ。俺にできるくらいだぞ?……ガロドナ、お前だってレーラン様のこと好きだったよな」

 「……ああ、憧れていた。でも、あの方は……」
 「復活するさ」
 「えっ?」

 アカツキは天を見上げる。

 「あの優しいノアーナ様だぞ?そのままにするわけがないだろうが」
 「っ!?……ああ、そうだ……そうに決まっている。……そうか、レーラン様……」

 ドラゴニュートの二人にやさしい気持ちと愛欲の感情が沸き上がる。

 「それだよ。それを認めるんだ。自身がいかに弱いかを受け入れるんだ。そして心の奥底から望むんだ。……絶対に守ると!!」

 「……ロロン様……そうだ、俺はうぬぼれていた……全然まだ弱いのに……強くなりたい……守る力が欲しい……!?うあ、これは……」

 ガルナローの真核から光があふれ出す。
 存在値が上昇していく、

 「レーラン様……大将を守りながら引き裂かれたあの方……俺は後で聞いただけだ……なんの助けも出来なかった……欲しい、力が欲しい……レーラン様を……守りたい!!」

 そして覚醒するガロドナ。
 アカツキ渾身の共有感応が二人の真核に干渉していた。

 「ごふっ、……ぐう……」

 そして血を吐き出し膝をつく。
 彼は知らないがこれは禁呪に近い。
 この世の摂理を覆す行いだ。
 代償は大きい。

 「お、おい、大丈夫か?アカツキ!?」

 「ぐっ……ああ、俺はもう戦えない。悪いがお前らに押し付けた。……ノアーナ様を、俺たちの子どもの未来を……頼む」

 人知れず受け継がれた想い。
 強い想い、それはすべてを覆す。

 創造主がいつも言っていた言葉だ。

 ここに神々やグースワースではない、2人の英雄が誕生した瞬間だった。

 この英雄二人は、実は寿命撤廃を施されていた。
 ノアーナがこの二人に可能性を感じていたためだ。

 そして世界を守り続ける二人の英雄。
 200年後帰還するノアーナに再び会う時まで。

※※※※※

 その後アカツキとルナは、二人の子宝に恵まれアルカーハイン大陸の緑あふれる小さな集落でその幸せな生活を刻む。

 いつまでもお互いに慈しみ合う姿は、多くの吟遊詩人に歌われたほどだった。
 ルナを愛するアカツキはノアーナとの約束を果たす。
 彼女は真の自身を包み込む愛に、いつまでも美しい心のままに彼を愛しぬき、幸せに包まれその生涯を終えた。

 アカツキが76歳で亡くなると、その後を追うようにルナも4日後に、まるで眠るように微笑みを浮かべ永遠の眠りについたのだった。

 アカツキが起こした武術の流派『愛暁真流』はその後多くの弱き人族の希望となる。
 その精神『弱きを認め愛するものをただ守るための力』
 200年間の長きにわたり受け継がれたその強き想い。

 ファルスーノルン星の歩みは確かのその精神が息づいていた。
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