創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

文字の大きさ
234 / 260

第234話 俺が作ったファルスーノルン星1

しおりを挟む
(新星歴5023年5月12日)

 「……俺はお前を尊敬するよ。……ありがとうルルネイア。お前の想いと行動に感謝を」
 「ノアーナ様……きっと妹も喜んでいます。……おかえりなさい」
 「ああ。……ダール、久しぶりだな」

 グースワースのお膝元に在った破壊し尽くされた国クリートホープ。

 俺は今高台にある建国の女王の慰霊碑の前で一輪の花を手向け、遠い日々を思い出していた。

※※※※※

 悪意により滅ぼされたドルグ帝国。
 あの悍ましい実験により多くの人民の命が奪われ、そして多くの悲劇がもたらされた。
 そして帝国は崩壊し、唯一残った王女が即位しクリートホープを建国した。

 二度と失わないと誓ったあの国。
 200年前真っ先に滅んでしまっていた。

 グースワースがあったせいで。

 しかし生き延びた女王ルルネイアは諦めなかった。
 僅か生き残った人民をまとめ新たに国を作った。
 俺達に、いや俺に報いてくれるために。

※※※※※

 「ダール。ルルネイアは……彼女は幸せだったのか?」

 俺は横で佇むかつての仲間ダールに問いかけた。
 彼らはエルフの血を引いている。
 500年くらいは生きるはずだ。

 だがルルネイアは新たなスキルの対価としてその寿命は半減していた。
 200年ちょっとでその生涯を閉じていた。
 最後まで国のために奔走し、生涯独り身を貫いたそうだ。

 「ええ、それはもう。……『ノアーナ様を喜ばせたい、あの方の判断は間違いではない』そう言っていましたよ。……ふふっ、きっとあなた様を愛していたのでしょうね。……ただ一つ。あなた様に会いたいと申して安らかな眠りにつきました。許されるのなら、せめて妹に黙祷を」

 「ああ」

 俺は祈った。
 彼女のあの愛くるしい顔を思い浮かべながら。

 俺達を一陣の風が吹き抜ける。
 何故かキラキラと光りながら……そしてささやくような声がする。

 「……おかえりなさい………」

 幻聴かもしれない。
 でも俺にはそう聞こえたんだ。

 吹き抜ける風に誘われるように振り返る。
 そこには笑顔で暮らす人々の笑い声が、再建された町が、確かに息づいていた。

※※※※※

 『フン、貴様、泣いているのか?……女々しい奴だ。……だが嫌いではない』
 「ああ、今の俺はガキみたいなものだよ。すべての感情を取り戻したんだ。センチにもなるさ」

 ダールと別れ、俺は次の場所に転移する。
 ナグラシア王国の再建された王城へと飛んだ。

 バハムルトの暴走で破壊された王城もこの200年の間にすっかり再建されていた。

 200年は長い時間ではあるが、ある程度の種族にとっては寿命の範疇だ。
 ナグラシアの王であるガランドもまた火喰い族という特殊な種族の強者だ。
 今もまだその体制は揺るいでいなかった。

 「お久しぶりでございます。魔王陛下」

 臣下の礼を取り頭を下げるガランド。
 その後ろに並ぶ強者たちの中にもちらほらと懐かしい顔があった。

 「ああ、顔を上げてくれガランド。……お前どうして右腕を治していないんだ?」

 あの時こいつは右腕を吹き飛ばされながらも何とか生き延びていた。
 アグアニード経由でならギルガンギルの塔の英知での治療で直せただろうに。

 「はっ。戒めでございます。私は自分が情けない。結局世界の情報に踊らされ、あなた様の真意に気づく事が出来なかった。愚かな私にはこの姿がお似合いかと」

 俺はおもむろに回復術を展開しガランドの欠損した右腕を治す。
 ガランドが驚愕の表情で固まる。

 「お前は優秀な王だよ。俺はお前を誇りに思う。良くアグアニードを補助してくれた。……ありがとう」

 確かにナグラシア王国は、ルースミールの宣言を信じていた。
 しかしそれは悪い事ではない。
 何より神たちの計略の一つだ。
 むしろその後発生した数々の魔物の被害を最小限で押さえ、人民を守ったその手腕は間違いなく優秀な指導者たる資質といえよう。

 「俺はお前に感謝しているんだ。どうかこれからもアグアニードを助けこの国を守ってほしい」
 「はっ、ありがたき幸せにございます。必ずや陛下の願い、果たしましょう」

 治療が終わったことでガランドの存在値が上昇を始める。
 この男も又、神たる資格を有する英雄だ。

 「あっ、そうだガランド。一つ頼みたいことがある。近いうち、この星に脅威が迫る。この星生まれの悪意が、俺の力を取り込んだ。おそらく200年前よりも強いものが来るだろう」

 「っ!?」

 「俺達が必ず倒す。お前たちは住民の避難と防御に全力で当たってくれ……お前たちが正面切って戦う事は許さん。……防御特化だ。………出来るな?」

 強者故血の気の多い国だ。
 戦えるだろうが被害が出てしまうのを俺は押さえたい。

 「……力不足でしょうか。我々では……っ!?なっ!?」

 俺は魔力を放出した。
 言葉よりこの方が早いだろう。

 冷や汗をかきながら立ち尽くすガランドとその側近たち。
 流石度胸が据わっている。
 普通なら意識を保つことすらできないはずだ。

 「大体100万ってところか。これ以上のものが来る。……分かるな」
 「はっ。承知しました。……アグアニード様は……貴方様の力の事は…」
 「理解しているさ。その時になればやつにも協力させる。ケリをつけるぞ」

 もう一人の俺から伝わる情報で俺は理解していた。
 エルロは欲望ではなく、ただ滅ぼしたいだけだ。
 だからきっと最初から全力で来る。
 あのレイスが残したものすべてを一気に投入してくるのだろう。

 この星の意志をまとめる必要がある。
 俺はもうなに一つとして失うつもりはない。

 「よし、頼むぞ。……次に会うときは平和になった後だ。じゃあな」

 俺は転移して王城を後にした。
 次は魔国だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...