創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第245話 ことの顛末

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 「ああ、フェルト。目が覚めたんだね」

 私は今、おそらくモンテリオン王国であろう国のホテルの一室のベッドの上で目を覚ましたようだ。
 余りにもなじみ深い人たちが目の前にいた。

 「……ルリース。あなたに聞きたいことたくさんあります。でも、今は彼に譲りましょう。あとでたっぷり聞かせてくださいね?」

 青筋を立てたルースミール様が居た。

 「ふむ。確かにあの時の少女だな。……まさか転生者だったとはな。まあ今はいい。俺も同じ意見だよ。とりあえず今はエルロに譲ろう。エルロ、良いな?」
 「は、はい。ありがとうございます。ノアーナ様」

 ああ、私は助かったみたいだ。
 でもきっと、今から地獄が始まる。

 ルースミール様とノアーナ様が出ていったこの部屋に、私はエルロと二人きりにさせられた。

 覚悟はできている。
 さあ、殺しなさいな。

※※※※※

 「うまー。うむ、お前、偉くないけどこのパンケーキは至高だな!!」

 もくもくと驚くほどの量のパンケーキを食べるザルガルーナ。
 表情は全く分からないけどきっとこいつ今凄く上機嫌だ。
 私はそんなコイツに問いかけてみた。

 「ねえ。なんでいきなり理沙を消そうとするかな?酷くない?……大体あんたが『話聞きたいぞっ』って言ってたのにさ」
 「んー?予定通りだろ?あいつ今モンテリオン王国だろ。何か問題か?」

 くうっ。
 コイツ本当に良く判んない。
 間の段取り全部すっ飛ばすとかっ!?

 何にも伝えてないし!?

 「お前ら偉くないから俺様が手伝ってやっただけだ。感謝しろ」

 確かに予定通りではある。
 でも何も説明していない。
 理沙、間違えちゃうよ。

 「阿呆。間違えるならもう存在できていない。そんなことも分からないからお前女神なんてやらされるんだよ。早くエッチしろ」

 「な、何言ってるのかな!?……このセクハラ大王めっ!」

 そして全く変わらない表情なのになぜか可哀そうなものを見る目で見られた気がする。

 「ふう。お前の弟はたどり着いたっていうのにな。まったく。これだから20歳過ぎても処女は面倒くさいぞ」
 「う、うるさいな。だって、相手……いないし……って、そんな事より、どうすんのよ?もし失敗したら私殺されたって絶対に二度と作らないからね。パンケーキ」
 「ハハハ。お前本当に馬鹿だな」

 そして勝手に消えるザルガルーナ。
 もう、本当に何なの!?
 うう、心配だよ。

 もう、こうなったら光喜、あんたに任せたからねっ!!
 頼んだよ!!

※※※※※

 どうやら港に近いホテルのようだ。

 僅かに開いている窓から大型船であろう汽笛の音が聞こえる。
 私はベッドに腰を掛け、さっきからまるで死ぬんじゃないかというくらい難しい顔をしているエルロが必死に私に問いかけようとしていた。

 「あ、あのっ……えっと……フェルト?……俺……」

 なんかコイツ顔変わっていた。

 張りつめたような、いわゆる狂ったような覚悟がない顔をしている。
 何気に幼く見えるエルロは可愛いと思った。

 「ふふっ」
 「うあっ、フェ、フェルト?……そ、その。……ごめん。俺、お前に酷い事した」

 そしてなぜか頭を下げるエルロ。
 あのさ、あんた馬鹿なの?
 酷いことしたのは私でしょうに……

 「お、俺、ノアーナ様に負けたんだ。……力も全部失った。もう、何もない……」
 「………」
 「で、でも、ひとつだけあるんだ。……俺、やっぱりフェルトが好きだ」

 真直ぐ私を見つめる。
 なぜか心の奥で『とくん』と鼓動が跳ねた。
 気が付けば私は止まらない涙を流していた。

 「うあっ、ご、ごめん……でも、やだよ、俺、お前だけは諦めたくないんだ……俺気付いた。お前が、フェルトが、そばにいて欲しいって……世界とか、復讐とか……どうでも良い」

 コイツ……ああ、やっぱりエルロ、バカだな……
 こんなおかしい私のこと好きなんて……

 「グスッ……ヒック……ねえ」
 「は、はいっ」

 どうしてそんな真直ぐ見るの?
 こんなに汚い私を……

 期待しちゃうじゃん……

 ねえ夏樹……
 いいの?
 私、この人と一緒に生きても………
 良いのかな…

 なぜか私は意識を失った。
 消えゆく意識の中エルロがずっと私の名前を呼んでいたけど……

 ああ、やっぱりだ。
 これが罰なんだね。

 目の前に、あのおかしい恐ろしいものが居た。

※※※※※

 何もない空間。
 他にどう表現すればいいか私には分からない。

 そしてそこにさっき会った恐ろしい何かが居た。

 「お前偉くないけど、やっぱり面白いな。……おまえ、どうしたい?」

 突然問いかけられた。

 「……エルロと生きていきたい。……他はいらない」

 聞きたいことはたくさんある。
 でも多分たくさん聞くと目の前のものはきっとすぐ興味をなくすと思った。
 おそらく存在としての次元が違う。

 私は自分に刻まれている本当のスキル『探究』をフルに働かせ、おそらく呆れられない答えを口にした。

 「ハハハッ、さすが偉くないものの答えだ。あれだけ世界をひっかきまわしておいて自分の欲を願うか。………気に入った」

 気が付くとすぐ近くにそれはいた。
 全身が引き裂かれるような恐怖に包まれる。

 「いいだろう。お前へのご褒美だ。好きにしろ。……俺様は偉いから許す」
 「……あ、ありがと……」
 「その代わりエッチしろよ?心の底から望んでな。……それが真理だよ。くだらないお前たちに残された最後の希望だからな」

 何を言っているのか理解はできない。
 でも私は気が付いた。
 この『もの』は、上の存在。

 私たちはこの『もの』にとって下らない、まさに虫や細菌レベルの認識なのだろう。
 普段の生活でアリを踏んでも気が付かないのと変わらない。

 「ふん、偉い俺様の研究の為だ。決してパンケーキの魅力じゃないからな?いいな」
 「???」

 えっ?
 パンケーキ?

 「ほら、お前には何もやらない。行っていいぞ」

 私の意識は暗転した。

※※※※※

 「ああ、フェルト、良かった、目を覚ました……ひぐっ、死んだかと……お前、息してなかった……ああ、良かった……うう…うああ……」

 気が付くとボロボロに泣いているエルロに抱きしめられていた。
 冷めきった私の心に熱がともる。
 私も自分の手に力を入れエルロを抱きしめる。
 100年近く感じていたエルロの熱に触れ、私はなぜか酷く安心していた。

 そうか。
 もう、見つけていたんだ。

 私の望みはすでに叶えられていたんだ。

 「……エルロ……ごめんね。…私酷い女だよ?良いの?」
 「いいに決まっている。俺はお前だけが欲しい。……一緒に生きていきたいよ」

 私はきっと変わらない。
 多分ずっとわがままだろう。
 でもエルロは、そんな私で良いって言ってくれる。

 私は遂に認められた。
 ううん。

 100年前に、とっくに認められていたんだ。

 「……ただいま。エルロ」
 「!?……ああ、おかえり、フェルト」

 二人はいつまでも泣きながら抱擁していた。
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