創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第256話 ミンの出産と懐妊報告

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(新星歴5023年7月26日)

 全ての脅威が去り、通常運転になっておよそ1か月半が経過した。
 今日のグースワースはある事情により皆落ち着きなく過ごしていた。

 「うう、ノアーナ様、俺はどうすればいいんでしょうか?」

 事情の本人であるナハムザートが疲弊した姿でオロオロしていた。
 今日はミンの出産予定日だ。

 長い間聖域で凍結していたため心配はあったがその後の経過は順調そのもので、何故か出産の知識のあるフェルトが色々協力してくれたおかげで無事今日の日を迎える事が出来ていた。

※※※※※

 「もう、ダメじゃないですか。危なく妊娠中毒症になるところでしたよ?誰ですか?『妊娠中は2倍食べなくては』とかいう馬鹿は」

 どうやら彼女、地球にいた時に看護師の専門学校で出産について学んでいたようだ。

 「ぐうっ、で、でも、昔から……」

 ジト目でにらまれるナハムザート。
 まあ、うん。
 ここは異世界ではあるがしっかり学んだ人の言う事は聞いた方が良いだろう。

 「しかも、全く動かないなんてありえない。彼女、ちゃんと旦那さんの目を盗みながら最低限の運動はしていたからよかったものの……反省してくださいね!?」

 「……はい」

※※※※※

 そんなこんながあったものの、いよいよ出産の日を迎えた。
 今ミンはモンテリオン王国の王立病院でその時を迎えようとしていた。

 「や、やはり、俺もいた方が……」
 「ダメだと思うぞ?お前、助産師さん、殴ろうとしたらしいじゃないか」
 「い、いや、だって、ミンが苦しんでいるのに、あいつら……」

 最初立ち合い出産を望んで許可貰ったのだが……
 ナハムザートが暴走し追い出されていた。

 「まったく。ナハムザート?これは女の戦いのような物です。男にできることはありません。……落ち着きなさいな?」

 グースワースで唯一出産経験のあるレーランが呆れた顔でナハムザートを諭す。

 「レーラン様、しかし…」
 「しかしもかかしもない。……ノアーナ様?管理者責任であなた様にもお説教ですわね」
 「なっ!?」

 なぜに俺まで?
 くうっ、レーランの目つきが怖いだと!?

 なぜか正座させられ俺とナハムザートは1刻ほどレーランから切々とレクチャーを受ける羽目になった。

※※※※※

 「あれ?ネル、もういいの?……全然食べてないじゃん。痩せちゃうよ」

 皆がそわそわしていてもお腹は減るものだ。
 先ほど王立病院から『初産なのでたぶん夜ですね』と連絡が来たことも、皆が食事にするきっかけとなっていた。

 「うん。なにか少し気持ち悪いの……おかしいな、体調は悪くない……うっ!?」

 突然口を押えるネル。
 慌ててダイニングルームを飛び出していく。

 「っ!?……もしかして‥…ええっ!?」

 その様子にリナーリアは、ある可能性にたどり着いていた。
 妊娠したかもしれない。
 もちろん、ノアーナ様の子供だろう。

 「た、大変、えっと……あっ、ノアーナ様?ちょっとお話あるんですけど」

 一応もうお付き合いはしていないが今でも念話は出来る。
 リナーリアは取り敢えず本人だけに告げようとノアーナに連絡したのだった。

※※※※※

 「ネル、ああ、俺の宝物。……こんなに嬉しい事はない」

 アースノート謹製の妊娠検査薬で、ネルの懐妊が確認された。
 3か月だそうだ。
 さすがアースノート製。
 詳しく成長度いや状態まで判るようだ。

 「ああ♡……嬉しい。……夢じゃないですよね?」

 俺はそっとネルを抱き寄せる。
 見た目はまだ全く分からない。
 でも俺はそっとネルのお腹をさする。

 「ここに俺たちの子供が。ああ、ネルありがとう。本当に嬉しい」
 「はい♡わたくしも天に昇るようです」

 確かに制限を取り外してからの行為は、それは濃厚なものだった。
 だから予想はしていたが、やはり最初に授かったのがネルなのは、やはり俺の運命の相手なのだろう。

※※※※※

 俺は早速知識豊富なフェルトを頼ろうと彼女の家へと転移した。
 3か月とはいえ懐妊している。
 注意事項など聞かねばなるまい。

 「ノ、ノアーナ様!?よ、ようこそいらっしゃいました」

 突然訪ねた俺にエルロが慌てふためく。
 まあ、勘弁してほしい。

 「すまないな。その、フェルトはいるか?」
 「っ!?……おりますが……ノアーナ様、すみません……フェルトは渡さない」

 決死の覚悟で俺を睨み付けるエルロ。
 うん?
 勘違いさせてしまったようだ。

 「すまない、そうではないんだ。ああ、確かに連絡もせずに来てしまったな。安心してくれ、決してそういう事ではない。……ネルが、妊娠したんだ。彼女の知恵を頼りたい」
 「えっ?………す、すみません。俺、ノアーナ様が赤い顔しているものだから、つい…。あ、お待ちください、今呼びます」
 「ああ、頼む」

 そうだな。
 確かに愛する女性に男が訪ねてくればそれはいい顔なんてできない。

 俺も反省しなくてはな。

※※※※※

 「失礼を承知で申し上げます。……はあ。バカですか?」
 「うぐっ」
 「やーい。怒られてやんの。ププッ」

 相変わらず自由な女神さまも何故かいて、俺は今フェルトにものすごく呆れられていた。

 「まったく。これだから男どもは……良いですか?妊娠は病気ではないんです。しかもまだ3か月でしょ?普通気が付きませんよ。普通で良いんです。普通で。まあ、人によってはツワリが始まるので、食べ物だけ栄養バランスを注意するくらいです」
 「……はい」

 ニヤニヤしながら俺を見る姉ちゃん。
 なんかむかつく。

 「魔王様のくせに怒られるとか。これはいい土産話ができたね♪」
 「うるさいな。姉ちゃんだって何にも知らない癖に」
 「はあ?知ってるし。私も看護の専門学校行っていたもんね」
 「くうっ、この前まで処女だったくせに」
 「なっ、何言ってんのかなこの馬鹿弟は!?も、もう、抱いてもらったし!?」
 「あっちだろ?こっちは新品じゃねえか」
 「なにを!?」
 「ああっ!?」

 何故か始まる姉弟喧嘩。
 フェルトの顔が無表情になっていく。

 「あのさ。喧嘩するなら帰ってくんないかな。私もエルロとイチャイチャしたいんだけど」
 「「うっ」」

 大きくため息をつくフェルト。
 そして俺をまっすぐ見つめる。

 「おめでとうございます。……良かったですね」
 「っ!?……ああ。ありがとう」

 流石苦労した人は違う。
 どこかの女神さまも見習ってほしいものだ。

 「あんた。今変なこと考えたでしょ?」
 「……いや?」

 相変わらず勘だけは鋭い。
 それはそうと流石に失礼しよう。
 きっとミンの赤ちゃん、もうすぐ生まれるだろう。

 「すまなかった。ありがとう、また頼らせてくれると嬉しい」
 「ふう。ちゃんとエルロに許可とってくださいね?心配かけたくないんですから」
 「お、おう。悪い」

 そして優しい表情になりフェルトは俺に伝える。

 「まあ、嬉しい気持ちは分かります。でもグースワースには先人がいるでしょうに。その方に聞いてあげてください。私は知識しか知りません」
 「っ!?ああ、そうだな。……ではな」

 俺は感謝の意を示しエルロの自宅を後にした。
 なぜか「イーっだ」とかどっかの女神様がやっていたが……子供か!?

※※※※※

 「おおう、おおう、ううう、うおー、くううっ」

 グースワースに着いたらナハムザートが壊れていた。
 どうやら無事生まれたらしい。

 ミンの血を濃く引いた兎獣人タイプの女の子のようだ。
 グースワースが喜びに包まれていた。

 新たな命の誕生に、この星を守れたことが心の底から実感できた気がした。
 そしてこれからそういう事が増えていく。
 なあ、ザルガルーナ。

 お前の果たせなかったことを俺達が見せてやるさ。
 楽しみにしていてくれ。

 俺は心の底から満たされていった。

※※※※※

 「ノアーナ様?どちらへ行かれていたのですか?」

 グースワースに戻った俺にネルが問いかけてきた。
 しまった。
 つい嬉しくて何も言わずに転移してしまっていた。

 「ああ、すまん。フェルトに色々聞こうと思ってな」

 なぜかジト目をするネル。
 そして大きくため息をつく。

 「ノアーナ様、呆れられませんでしたか?」
 「ぐうっ」

 まさにその通りだった。
 何も言えん。

 「まったく。まずは二人でレーランに聞きましょう。経験者の話が一番ですよ?」
 「そうだな。フェルトにもそう言われたよ」

 俺は魔王で超越者で創造主だ。
 でも、当たり前の命の理に、俺は翻弄されてしまう。

 その気になれば俺は人だって創造できる。
 もちろん赤子だって。
 でもそうではないのだろう。

 愛し愛され紡がれる命。
 それこそが真に意味のある『絶望に抗う』力なのだろう。

 今日生まれたのは俺の愛する仲間の子だ。
 そして俺自身の愛するネルが懐妊した。

 いよいよ始まる新たなステージ。
 俺は柄にもなく、心を躍らせていた。

 「さあ、まずは確認だな。ネル、妊娠していても、その、夜はOKなのか、聞こう」
 「っ!?……もう♡」

 俺達は二人より添い、歓喜に沸くグースワースの拠点の中を歩いてレーランを訪ねた。
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