6 / 49
第一章 忘れられた約束
6こわいもの
しおりを挟む
「ベイ! 久しぶり! ディルにぃの相手大変でしょ?」
「ちょっとティア。どういう意味?」
「大変も大変。ちょーー大変」
「ちょっとベイ」
「あっちに行きたい、こっちに行きたい。あれが欲しいこれを手に入れてこい、って、もう馬車馬のようにこき使われたよ」
ベイリーはしくしくと噓泣きをはじめる。
そしてすぐに爽やかな笑顔でメルティアたちに向き直り、恭しくお辞儀をした。
「ディル様、メルティア様。本日はお供させていただきます、ベイリー・フォン・ランストです」
一応かしこまるベイリーにメルティアはクスクス笑う。
「そういうとこ、ジークにそっくり」
「兄弟だからなぁ」
言いながらベイリーはメルティアの手を取り、馬車へとエスコートする。
メルティアが定位置である奥の窓際に座ると、隣にディルが座った。そしてメルティアたちの前にベイリーが腰かけ、馬車はゆっくりと動き出す。
「ベイたち今回はどこに行ってたの?」
「西にある小さな国。あ、ティアにお土産あるよ」
「え! 本当?」
ベイリーが馬車の中に置かれていた袋から小さな包みを取り出す。
「紅が名産品なんだって。淡いピンクの紅があったからティアに似合うかと思って」
「わぁ! ありがとう!」
さっそく包みを開けてみる。楕円形をした陶器のケースが出てきて、上にピンク色の花模様が描かれている。
「可愛い!」
「ティアっぽいだろ?」
「つけてみたら?」
「でも、今鏡持ってないよ」
「ほら貸して」
ディルがメルティアの手から紅を奪い取る。そしてケースを開けて、指に薄く色を乗せると、メルティアの顎を軽く持ち上げて薄紅色を小さな唇に移す。
「うん。可愛い」
「本当?」
「うん」
「ジークも可愛いって言う?」
「言うんじゃない? ねぇ?」
ディルは指先に残った紅を持っていたハンカチで拭いながらベイリーに問いかける。ベイリーはにこにこと笑いながらうなずいた。
「そりゃ言うだろー」
「そ、そうかな?」
メルティアはそわそわと唇の下を撫でた。
「というか、ティアはいつになったら義妹になるんだい?」
何気ないベイリーの言葉に、メルティアはぎくりとする。
そういえば、ベイリーたちは知っているのだろうか。ジークが結婚することを。
「えっと……」
「ティアまだジークに言ってないの?」
「い、言ってない……」
「さっさとくっつけばいいのに」
メルティアとジークが一緒になることに、疑問すら抱いていない二人の眼差しが居心地悪い。
ディルもベイリーも、ジークの結婚のことは知らないようだ。
二人の話題はどんどん広がっていく。式はどうなるとか、おまえと義兄弟になるのは嫌だとか。
メルティアは気まずさに押しつぶされそうになりながら馬車の天井の木目をなぞった。
そして、ちゃんと言っておこうと、重たい口を開く。
「あ、あのね……」
「ディル様、メルティア様、ベイリー様。到着いたしました」
タイミング悪く、メルティアの声と御者の声がかぶった。
「ついたって」
「ティア何か言いかけてなかったかい?」
「え。う、ううん、なんでもないよ」
声はあっさり引っ込んだ。
久しぶりのディルたちとの外出だし、変な空気にすることもない。
メルティアはそう切り替えて、先に降りて手を差し出してくれているベイリーの手を取った。
「足元気を付けて」
「うん。ありがとう」
メルティアたちが石畳の地面に降り立つと、街を歩いていた女の人たちがきゃあっと小さく悲鳴を上げた。
「ディル様たち帰っていらっしゃったのね!」
少し距離を取って頭を下げる街の人たちに、メルティアも会釈して、ベイリーはにこにこと手を振る。
メルティアが街に来るのはそう珍しいことではないが、今回はディルとベイリーがそろっているため、いつもよりも注目されているようだ。
「ティアは行きたいとこある?」
ディルに聞かれてメルティアは考える。
これと言って欲しいものがあるわけではない。ただ家を不在にしがちな兄と一緒に買い物がしたかっただけだ。
「たまには服とか買ったら?」
「でもいっぱい持ってるよ?」
「正装と庭いじり用の服ね。そうじゃなくて、もっと着飾った服とか」
メルティアは目を瞬いて小首をかしげる。
「でも、どこに着ていくの?」
「……まぁたしかに」
あっさりうなずいてディルは遠い目をした。
「別に着飾らなくたって、ティアは可愛いから問題ないよなー?」
いつもなら笑顔で「ありがとう!」と言うメルティアだが、今日はぎこちなく笑った。
「ティア?」
「う、ううん。なんでもないよ。……やっぱり、可愛いお洋服買おうかな……」
メルティアは小さな声でつぶやいた。
それを耳にしたディルとベイリーが驚愕の顔を浮かべる。
「えっ……ティア何かあった?」
「何かって?」
「いつもならそんなこと言わないじゃん」
メルティアはそわそわと視線を彷徨わせる。
「は? 何? まさか誰かに何か言われたとか?」
「言われてないよ!」
「誰? 八つ裂きにする」
ゴォゴォとディルの背後に炎が舞う。
メルティアは慌てて首を横に振った。
「ち、違うよ! えっと、可愛いお洋服着たら、ジークに可愛いって思ってもらえるかなって」
ディルの怒りの炎が鎮火した。
「なんだ。そういうこと」
「可愛い乙女心ってやつだね」
「う、うん。そう!」
適当にごまかしたメルティアの近くに、チーがふよふよとやってきてニヤニヤと笑う。
「いいのかい? ジークが結婚するって言わなくて」
「チーくん」
メルティアがつぶやいた瞬間、隣にいたベイリーが大げさなほど肩をはねさせた。
顔色も悪く、そわそわと周囲を見回す。
メルティアはしまったと口を押え、ディルはやれやれとため息をつく。
「ベイ、まだ妖精が怖いわけ?」
「妖精が怖いんじゃない。目に見えないものが苦手なんだって」
「一緒じゃん」
「幽霊でも鬼でもへっちゃらな図太いおまえと一緒にするなよー!」
「僕は繊細だけど」
「この大嘘つきが」
ベイリーがどすッとディルをどつく。
そして申し訳なさそうにメルティアを見た。
「ごめん、ティア」
「ううん。チーくんも気にしてないって」
チーがクスリといたずらに笑って、ちょいっと指を動かす。
ふわっと、ベイリーの体がつま先分くらい浮いた。
「うわ、うわ、うわっ!?」
「チーくん!」
「そう怒るなって、メル。怖がられると悪戯したくなるだろ?」
メルティアがチーを窘めていると、青白い顔をしたベイリーがきょろきょろと空中を見る。
「ティア! もしかして妖精めっちゃ怒ってる?!」
「怒ってないよ。ベイが怖がるから面白がってるみたい」
「なんだそのディルみたいな性格の妖精は!」
「ちょっと、さりげなく失礼なんだけど」
メルティアは珍しく怒った顔をしてチーを見る。
「悪かったって。そんな顔するなよ、メル」
「怖がっている人にしたらダメでしょ。ベイにあやまって」
「悪かったよ」
ふっと、ベイリーの足が地面につく。
ベイリーは冷や汗を拭ってぎこちなく笑った。
「ごめんティア」
「どうしてベイがあやまるの? チーくんがごめんねだって」
「いいよいいよ、気にしてないから」
カラカラと笑ってはいるが、強がりなのはバレバレだ。
「ごめんね、ベイ」
「ティアがあやまることじゃないさ。俺こそ、幼いころティアがどういう思いをしたか知っているのに……」
ベイリーはハッとした顔で口をつぐんで、やるせない顔でメルティアの頭をくしゃくしゃとなでた。
「ごめんな」
メルティアは小さく首を振る。
「ねぇ、辛気臭い雰囲気のところ悪いんだけどさ」
「辛気臭いとか言うなよ」
「あれ、ジークじゃない?」
ディルの指さした方を、メルティアは見た。
そして、石像のように固まる。嫌な汗がドッと噴き出た。
「ねぇ。あれ、どういうこと?」
メルティアの耳をディルの言葉が通り抜けていく。
視線はジークにくぎ付けだ。吸い寄せられているかのように離れない。
だって、ジークは一人じゃなかったのだから。
「ジーク、見たことない女の人といるんだけど」
「ちょっとティア。どういう意味?」
「大変も大変。ちょーー大変」
「ちょっとベイ」
「あっちに行きたい、こっちに行きたい。あれが欲しいこれを手に入れてこい、って、もう馬車馬のようにこき使われたよ」
ベイリーはしくしくと噓泣きをはじめる。
そしてすぐに爽やかな笑顔でメルティアたちに向き直り、恭しくお辞儀をした。
「ディル様、メルティア様。本日はお供させていただきます、ベイリー・フォン・ランストです」
一応かしこまるベイリーにメルティアはクスクス笑う。
「そういうとこ、ジークにそっくり」
「兄弟だからなぁ」
言いながらベイリーはメルティアの手を取り、馬車へとエスコートする。
メルティアが定位置である奥の窓際に座ると、隣にディルが座った。そしてメルティアたちの前にベイリーが腰かけ、馬車はゆっくりと動き出す。
「ベイたち今回はどこに行ってたの?」
「西にある小さな国。あ、ティアにお土産あるよ」
「え! 本当?」
ベイリーが馬車の中に置かれていた袋から小さな包みを取り出す。
「紅が名産品なんだって。淡いピンクの紅があったからティアに似合うかと思って」
「わぁ! ありがとう!」
さっそく包みを開けてみる。楕円形をした陶器のケースが出てきて、上にピンク色の花模様が描かれている。
「可愛い!」
「ティアっぽいだろ?」
「つけてみたら?」
「でも、今鏡持ってないよ」
「ほら貸して」
ディルがメルティアの手から紅を奪い取る。そしてケースを開けて、指に薄く色を乗せると、メルティアの顎を軽く持ち上げて薄紅色を小さな唇に移す。
「うん。可愛い」
「本当?」
「うん」
「ジークも可愛いって言う?」
「言うんじゃない? ねぇ?」
ディルは指先に残った紅を持っていたハンカチで拭いながらベイリーに問いかける。ベイリーはにこにこと笑いながらうなずいた。
「そりゃ言うだろー」
「そ、そうかな?」
メルティアはそわそわと唇の下を撫でた。
「というか、ティアはいつになったら義妹になるんだい?」
何気ないベイリーの言葉に、メルティアはぎくりとする。
そういえば、ベイリーたちは知っているのだろうか。ジークが結婚することを。
「えっと……」
「ティアまだジークに言ってないの?」
「い、言ってない……」
「さっさとくっつけばいいのに」
メルティアとジークが一緒になることに、疑問すら抱いていない二人の眼差しが居心地悪い。
ディルもベイリーも、ジークの結婚のことは知らないようだ。
二人の話題はどんどん広がっていく。式はどうなるとか、おまえと義兄弟になるのは嫌だとか。
メルティアは気まずさに押しつぶされそうになりながら馬車の天井の木目をなぞった。
そして、ちゃんと言っておこうと、重たい口を開く。
「あ、あのね……」
「ディル様、メルティア様、ベイリー様。到着いたしました」
タイミング悪く、メルティアの声と御者の声がかぶった。
「ついたって」
「ティア何か言いかけてなかったかい?」
「え。う、ううん、なんでもないよ」
声はあっさり引っ込んだ。
久しぶりのディルたちとの外出だし、変な空気にすることもない。
メルティアはそう切り替えて、先に降りて手を差し出してくれているベイリーの手を取った。
「足元気を付けて」
「うん。ありがとう」
メルティアたちが石畳の地面に降り立つと、街を歩いていた女の人たちがきゃあっと小さく悲鳴を上げた。
「ディル様たち帰っていらっしゃったのね!」
少し距離を取って頭を下げる街の人たちに、メルティアも会釈して、ベイリーはにこにこと手を振る。
メルティアが街に来るのはそう珍しいことではないが、今回はディルとベイリーがそろっているため、いつもよりも注目されているようだ。
「ティアは行きたいとこある?」
ディルに聞かれてメルティアは考える。
これと言って欲しいものがあるわけではない。ただ家を不在にしがちな兄と一緒に買い物がしたかっただけだ。
「たまには服とか買ったら?」
「でもいっぱい持ってるよ?」
「正装と庭いじり用の服ね。そうじゃなくて、もっと着飾った服とか」
メルティアは目を瞬いて小首をかしげる。
「でも、どこに着ていくの?」
「……まぁたしかに」
あっさりうなずいてディルは遠い目をした。
「別に着飾らなくたって、ティアは可愛いから問題ないよなー?」
いつもなら笑顔で「ありがとう!」と言うメルティアだが、今日はぎこちなく笑った。
「ティア?」
「う、ううん。なんでもないよ。……やっぱり、可愛いお洋服買おうかな……」
メルティアは小さな声でつぶやいた。
それを耳にしたディルとベイリーが驚愕の顔を浮かべる。
「えっ……ティア何かあった?」
「何かって?」
「いつもならそんなこと言わないじゃん」
メルティアはそわそわと視線を彷徨わせる。
「は? 何? まさか誰かに何か言われたとか?」
「言われてないよ!」
「誰? 八つ裂きにする」
ゴォゴォとディルの背後に炎が舞う。
メルティアは慌てて首を横に振った。
「ち、違うよ! えっと、可愛いお洋服着たら、ジークに可愛いって思ってもらえるかなって」
ディルの怒りの炎が鎮火した。
「なんだ。そういうこと」
「可愛い乙女心ってやつだね」
「う、うん。そう!」
適当にごまかしたメルティアの近くに、チーがふよふよとやってきてニヤニヤと笑う。
「いいのかい? ジークが結婚するって言わなくて」
「チーくん」
メルティアがつぶやいた瞬間、隣にいたベイリーが大げさなほど肩をはねさせた。
顔色も悪く、そわそわと周囲を見回す。
メルティアはしまったと口を押え、ディルはやれやれとため息をつく。
「ベイ、まだ妖精が怖いわけ?」
「妖精が怖いんじゃない。目に見えないものが苦手なんだって」
「一緒じゃん」
「幽霊でも鬼でもへっちゃらな図太いおまえと一緒にするなよー!」
「僕は繊細だけど」
「この大嘘つきが」
ベイリーがどすッとディルをどつく。
そして申し訳なさそうにメルティアを見た。
「ごめん、ティア」
「ううん。チーくんも気にしてないって」
チーがクスリといたずらに笑って、ちょいっと指を動かす。
ふわっと、ベイリーの体がつま先分くらい浮いた。
「うわ、うわ、うわっ!?」
「チーくん!」
「そう怒るなって、メル。怖がられると悪戯したくなるだろ?」
メルティアがチーを窘めていると、青白い顔をしたベイリーがきょろきょろと空中を見る。
「ティア! もしかして妖精めっちゃ怒ってる?!」
「怒ってないよ。ベイが怖がるから面白がってるみたい」
「なんだそのディルみたいな性格の妖精は!」
「ちょっと、さりげなく失礼なんだけど」
メルティアは珍しく怒った顔をしてチーを見る。
「悪かったって。そんな顔するなよ、メル」
「怖がっている人にしたらダメでしょ。ベイにあやまって」
「悪かったよ」
ふっと、ベイリーの足が地面につく。
ベイリーは冷や汗を拭ってぎこちなく笑った。
「ごめんティア」
「どうしてベイがあやまるの? チーくんがごめんねだって」
「いいよいいよ、気にしてないから」
カラカラと笑ってはいるが、強がりなのはバレバレだ。
「ごめんね、ベイ」
「ティアがあやまることじゃないさ。俺こそ、幼いころティアがどういう思いをしたか知っているのに……」
ベイリーはハッとした顔で口をつぐんで、やるせない顔でメルティアの頭をくしゃくしゃとなでた。
「ごめんな」
メルティアは小さく首を振る。
「ねぇ、辛気臭い雰囲気のところ悪いんだけどさ」
「辛気臭いとか言うなよ」
「あれ、ジークじゃない?」
ディルの指さした方を、メルティアは見た。
そして、石像のように固まる。嫌な汗がドッと噴き出た。
「ねぇ。あれ、どういうこと?」
メルティアの耳をディルの言葉が通り抜けていく。
視線はジークにくぎ付けだ。吸い寄せられているかのように離れない。
だって、ジークは一人じゃなかったのだから。
「ジーク、見たことない女の人といるんだけど」
185
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
王太子は妃に二度逃げられる
たまこ
恋愛
デリンラード国の王太子アーネストは、幼い頃から非常に優秀で偉大な国王になることを期待されていた。
初恋を拗らせ、七年も相手に執着していたアーネストが漸く初恋に蹴りを付けたところで……。
恋愛方面にはポンコツな王太子とそんな彼をずっと支えていた公爵令嬢がすれ違っていくお話。
※『拗らせ王子と意地悪な婚約者』『先に求めたのは、』に出てくるアーネストのお話ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
契約結婚の終わりの花が咲きます、旦那様
日室千種・ちぐ
恋愛
エブリスタ新星ファンタジーコンテストで佳作をいただいた作品を、講評を参考に全体的に手直ししました。
春を告げるラクサの花が咲いたら、この契約結婚は終わり。
夫は他の女性を追いかけて家に帰らない。私はそれに傷つきながらも、夫の弱みにつけ込んで結婚した罪悪感から、なかば諦めていた。体を弱らせながらも、寄り添ってくれる老医師に夫への想いを語り聞かせて、前を向こうとしていたのに。繰り返す女の悪夢に少しずつ壊れた私は、ついにある時、ラクサの花を咲かせてしまう――。
真実とは。老医師の決断とは。
愛する人に別れを告げられることを恐れる妻と、妻を愛していたのに契約結婚を申し出てしまった夫。悪しき魔女に掻き回された夫婦が絆を見つめ直すお話。
全十二話。完結しています。
【完結】私は本気の恋だった
キムラましゅろう
恋愛
ミルチアは語って聞かせる。
かつて身をやつした最初で最後の恋の話を。
はじめて愛した人は、嘘偽りで塗り固められた人。
騙されていたと知ったとき、ミルチアは全てを捧げ、そして全てを捨てて逃げ出した。
だけど嘘から出た誠とはよくいったもの。ミルチアは偽りの関係からかけがえのないものを得る。
そうしてミルチアは流れ着いた港町にて一人で子を生み育てていた。
このまま親子二人で穏やかに暮らせていけたらと、そんなささやかな望みを抱くことも許されないのだろうか。
なぜ探したのか、どうして会いにきたのか。
もう二度とその双眸を見ることはないと思っていたのに……。
ミルチアが綴る恋の物語に、あなたも耳を傾けてみませんか。
小説家になろうで開催された、氷雨そら先生主催のシークレットベビー企画参加作品です。
(すでに期間は終了しております)
誤字脱字……( *ˊꇴˋ)ゴメンネ!
すでに完結している作品ですが、感想欄の管理のために数話ずつ投稿します。
だいたい1回の投稿につき5話ずつくらいです。
よろしくお願いいたします🙏✨
今回もプロローグと最終話に感想欄を解放します(。uωu))ペコリ💕
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる