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夏休みは夏が終わってからが本番だ 3
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修司さんが寝たのを待って俺達は
「周辺散策に行こうか」
言えば
「俺、海初めてだから行ってみたいです」
竜也の言葉に
「じゃあ海でいいんじゃね?」
「ですね。せっかく海に来たのですし」
陽人と渉が言えば
「じゃあ、海でいいか?って言うか寧ろ海に来たって言うのになんできくかなwww」
気持ちよく笑う颯也に
「ったり前だ! 海に来て海に行かないってどーよ?!」
全力で問えば
「あ、はい。そうでしたね」
ものすごく引かれた顔で無言になった後何故だかにっこりとした顔で
「何だ。瑞己はそんなにも楽しみにしてたんだ」
だったらもっと早く言えよと颯也は笑い、その言葉に陽人も渉も「あー」なんて納得の顔。
「いや、そうじゃないから」
なんて慌てて言うもみんなニヨニヨとした顔でまるで小学生のような俺をほほえましく見守っていた。どうせガキだよ!心の中で逆切れしているのを隠すように話を逸らす。
「じゃあ、とりあえず夕飯までに海沿いの食堂に行って何か海鮮を探そうか」
なんて言えば
「栄螺とかあるかな?」
「確か小さいけど漁港があったよな。その辺りに食堂があったはず」
なんて渉の希望を叶えるように陽人がスマホでサクサクとすでに保存したものからピックアップしていて
「あ、ここ近いからここから行くか」
なんて颯也がのぞき込んでの決定。
颯也の後ろの竜也が引っ付いているのがかわいい。兄弟仲が良くって見てるとほっこりするよとその背中を眺めながらそれでも兄としての性格なのだろう。ちゃんと注意は忘れない。
「食べるのは良いけど食べすぎると修司さんのめっちゃ美味しいご飯食べ損ねるぞ?」
「いえ、そこは抜かりなく!
冷蔵庫チェックしたらすごく豪華な食材のオンパレードだったのでおやつ程度で楽しみます!」
竜也ではなく陽人のこの作戦は完璧だと言うような言葉に俺も思い出す。
「いたな伊勢海老。俺、テレビの中の生き物だと思ってたよ」
「ですねー。実物が目の前にあるとおもちゃかと思いますよね」
なんて渉もどこか現実逃避気味。
それよりもどうやって食べるのだろうかと思うも、そこは俺達のおかんの修司さんにまかせればいいかと考えなおして
「じゃあ、とりあえず海に向かって歩こう。
漁港まで海沿いに歩いて行けばいいからとりあえずいこうか」
颯也の号令に俺達は少しだけ小高い丘の上に立つ瀬名家の別荘から海に向かって歩き出した。
別荘地の道路は木の根っこで凸凹している所もあったが心地よい木陰を通り抜ける海風を正面から受け止めながら坂道を下る。
心地よさと初めてのみんなで旅行と言うワードに浮かれた足取りは軽くあっという間に港町にたどり着いてしまった。
すっかりご飯時を逃してしまった時間帯の港町は閑散としていたが、観光地と言うだけあってそれなりの賑わいはあった。
むしろ夏休みが終わって程よい大人の時間と言う空気も漂う中きょろきょろとしていれば一軒の食堂が目に入った。
誰ともなく店の前に掲げられたメニューを見れば
「ランチタイムオール700円ラストオーダーまで残り10分」
「入っちゃう?」
「この値段でスルーできるか?」
「じゃあ入るか?」
「入ろう」
なんてためらう皆とは別に決断してがらりと店内に入ればやっぱり平日の食事時間を過ぎていたから他にお客様はいなかった。
そんな中俺達はテーブルを二つに分かれて座ればすぐに奥から店のおばちゃんって言う呼び方が良く似合う割烹着を着こなすおばちゃんがやってきて
「いらっしゃい。お冷とタオルね。
メニューが決まったら声をかけてね」
明るい声の陽気なおばちゃんだった。
とりあえず俺達はメニューを見れば
「やばい。お魚天国」
「海鮮丼一択なんですけど」
「日替わりフライ定食、おいしそうです」
「いやいや、日替わりなら刺身だろここは」
「ダメだ。マジ悩む」
なんて真剣にメニューを見て悩む俺達をおばちゃんがこっそり見て笑っているのを知らない俺達は幸せ者だ。
とりあえずと言うようにおばちゃんを呼んで各自食べたいものを頼めば見事ばらばらになった。
結局みんなバラバラの欲望溢れるテーブルを作り上げるのだがそれを豪快に食べる俺達。
全部ばらばらにしやがってと言いたそうな料理人だろうおやじさんだったけど俺達がうめーうめーなんて鳴きながら豪快に食べている様子を見て
「おまけだ。残り物だが食べていけ」
刺身用の物だろうがぶつ切りにしたものを生姜、大蒜、醤油と日本酒だけで味付けした物に片栗粉をまぶした唐揚げを出してくれた。
「ふっくらしててふわふわです!」
竜也の喜びの悲鳴に俺達も手を伸ばせば
「あっつ!」
思わず舌を火傷しかけたけどそれで手放せるものではない事は一齧りしただけでわかる。
「お魚の唐揚げ初めて!」
「タルタルもレモンもいらないくらい美味しいとか!」
「ちょっとお塩をかけるとお魚の甘み際立ちます」
竜也、陽人、渉の喜びの悲鳴が広がるころ俺は見た。
暖簾の片隅からおやじさんがこっちを見てうんうんと頷く姿を。
これはここに滞在中はこの店に通う事になりそうだなと考えるも、そこは修司さん(のお財布)を巻き込めばいいかと開き直る事にした。
胸いっぱいおなかいっぱいになった所で店を後にした。
おばちゃんもいい顔をして俺達を見送ってくれたところで海を眺めながら浜辺を歩く。
海水浴シーズンも終わり浜辺を散策する程度だけど……
「サーファーいるー」
「日焼けしてるおねーさんいるー」
「普通に海で遊んでるー」
「シーズン終わりで誰もいないって言ってたのにー」
なんて海の家とかが撤収しても海を満喫している皆さんを眺めながら修司さんの言葉を思い返しながら……
「そう言えば修司さん根っからのおぼっちゃまでしたね」
「「「あー……」」」
陽人のシーズン外に来るわけないという言葉に俺達はそう言えばと言うまえにこう言った。
「金持ちの常識一般人の常識と一致せず!」
俺達も知らなかったことを颯也が棚あげしながら力説すればみんなも一瞬視線を宙に彷徨わせるもそこは無視して納得と言うように頷きながらまだ夏の名残のある浜辺を歩き、やがて栄螺のつぼ焼きを食べさせてくれる店を発見した。
「修司さんの世間知らずはとりあえず置いといて」
「よっしゃ!行くぞ!」
なんて全員で栄螺のつぼ焼きを食べさせてくれる店へと吸い込まれる容易突入し、そこで修司さんが世間知らずかどうか問題は俺達の中で盛り上がった。
「周辺散策に行こうか」
言えば
「俺、海初めてだから行ってみたいです」
竜也の言葉に
「じゃあ海でいいんじゃね?」
「ですね。せっかく海に来たのですし」
陽人と渉が言えば
「じゃあ、海でいいか?って言うか寧ろ海に来たって言うのになんできくかなwww」
気持ちよく笑う颯也に
「ったり前だ! 海に来て海に行かないってどーよ?!」
全力で問えば
「あ、はい。そうでしたね」
ものすごく引かれた顔で無言になった後何故だかにっこりとした顔で
「何だ。瑞己はそんなにも楽しみにしてたんだ」
だったらもっと早く言えよと颯也は笑い、その言葉に陽人も渉も「あー」なんて納得の顔。
「いや、そうじゃないから」
なんて慌てて言うもみんなニヨニヨとした顔でまるで小学生のような俺をほほえましく見守っていた。どうせガキだよ!心の中で逆切れしているのを隠すように話を逸らす。
「じゃあ、とりあえず夕飯までに海沿いの食堂に行って何か海鮮を探そうか」
なんて言えば
「栄螺とかあるかな?」
「確か小さいけど漁港があったよな。その辺りに食堂があったはず」
なんて渉の希望を叶えるように陽人がスマホでサクサクとすでに保存したものからピックアップしていて
「あ、ここ近いからここから行くか」
なんて颯也がのぞき込んでの決定。
颯也の後ろの竜也が引っ付いているのがかわいい。兄弟仲が良くって見てるとほっこりするよとその背中を眺めながらそれでも兄としての性格なのだろう。ちゃんと注意は忘れない。
「食べるのは良いけど食べすぎると修司さんのめっちゃ美味しいご飯食べ損ねるぞ?」
「いえ、そこは抜かりなく!
冷蔵庫チェックしたらすごく豪華な食材のオンパレードだったのでおやつ程度で楽しみます!」
竜也ではなく陽人のこの作戦は完璧だと言うような言葉に俺も思い出す。
「いたな伊勢海老。俺、テレビの中の生き物だと思ってたよ」
「ですねー。実物が目の前にあるとおもちゃかと思いますよね」
なんて渉もどこか現実逃避気味。
それよりもどうやって食べるのだろうかと思うも、そこは俺達のおかんの修司さんにまかせればいいかと考えなおして
「じゃあ、とりあえず海に向かって歩こう。
漁港まで海沿いに歩いて行けばいいからとりあえずいこうか」
颯也の号令に俺達は少しだけ小高い丘の上に立つ瀬名家の別荘から海に向かって歩き出した。
別荘地の道路は木の根っこで凸凹している所もあったが心地よい木陰を通り抜ける海風を正面から受け止めながら坂道を下る。
心地よさと初めてのみんなで旅行と言うワードに浮かれた足取りは軽くあっという間に港町にたどり着いてしまった。
すっかりご飯時を逃してしまった時間帯の港町は閑散としていたが、観光地と言うだけあってそれなりの賑わいはあった。
むしろ夏休みが終わって程よい大人の時間と言う空気も漂う中きょろきょろとしていれば一軒の食堂が目に入った。
誰ともなく店の前に掲げられたメニューを見れば
「ランチタイムオール700円ラストオーダーまで残り10分」
「入っちゃう?」
「この値段でスルーできるか?」
「じゃあ入るか?」
「入ろう」
なんてためらう皆とは別に決断してがらりと店内に入ればやっぱり平日の食事時間を過ぎていたから他にお客様はいなかった。
そんな中俺達はテーブルを二つに分かれて座ればすぐに奥から店のおばちゃんって言う呼び方が良く似合う割烹着を着こなすおばちゃんがやってきて
「いらっしゃい。お冷とタオルね。
メニューが決まったら声をかけてね」
明るい声の陽気なおばちゃんだった。
とりあえず俺達はメニューを見れば
「やばい。お魚天国」
「海鮮丼一択なんですけど」
「日替わりフライ定食、おいしそうです」
「いやいや、日替わりなら刺身だろここは」
「ダメだ。マジ悩む」
なんて真剣にメニューを見て悩む俺達をおばちゃんがこっそり見て笑っているのを知らない俺達は幸せ者だ。
とりあえずと言うようにおばちゃんを呼んで各自食べたいものを頼めば見事ばらばらになった。
結局みんなバラバラの欲望溢れるテーブルを作り上げるのだがそれを豪快に食べる俺達。
全部ばらばらにしやがってと言いたそうな料理人だろうおやじさんだったけど俺達がうめーうめーなんて鳴きながら豪快に食べている様子を見て
「おまけだ。残り物だが食べていけ」
刺身用の物だろうがぶつ切りにしたものを生姜、大蒜、醤油と日本酒だけで味付けした物に片栗粉をまぶした唐揚げを出してくれた。
「ふっくらしててふわふわです!」
竜也の喜びの悲鳴に俺達も手を伸ばせば
「あっつ!」
思わず舌を火傷しかけたけどそれで手放せるものではない事は一齧りしただけでわかる。
「お魚の唐揚げ初めて!」
「タルタルもレモンもいらないくらい美味しいとか!」
「ちょっとお塩をかけるとお魚の甘み際立ちます」
竜也、陽人、渉の喜びの悲鳴が広がるころ俺は見た。
暖簾の片隅からおやじさんがこっちを見てうんうんと頷く姿を。
これはここに滞在中はこの店に通う事になりそうだなと考えるも、そこは修司さん(のお財布)を巻き込めばいいかと開き直る事にした。
胸いっぱいおなかいっぱいになった所で店を後にした。
おばちゃんもいい顔をして俺達を見送ってくれたところで海を眺めながら浜辺を歩く。
海水浴シーズンも終わり浜辺を散策する程度だけど……
「サーファーいるー」
「日焼けしてるおねーさんいるー」
「普通に海で遊んでるー」
「シーズン終わりで誰もいないって言ってたのにー」
なんて海の家とかが撤収しても海を満喫している皆さんを眺めながら修司さんの言葉を思い返しながら……
「そう言えば修司さん根っからのおぼっちゃまでしたね」
「「「あー……」」」
陽人のシーズン外に来るわけないという言葉に俺達はそう言えばと言うまえにこう言った。
「金持ちの常識一般人の常識と一致せず!」
俺達も知らなかったことを颯也が棚あげしながら力説すればみんなも一瞬視線を宙に彷徨わせるもそこは無視して納得と言うように頷きながらまだ夏の名残のある浜辺を歩き、やがて栄螺のつぼ焼きを食べさせてくれる店を発見した。
「修司さんの世間知らずはとりあえず置いといて」
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