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最終話
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「エデルタ皇国はアレイン・アルゼオン辺境伯爵に賠償金と魔物駆除の依頼金の代わりとして南西エラルーシュ地方の国土一帯を割譲し、500億エルドを分割して支払う――まさか、ここまでエデルタ皇国が譲歩するとは思いませんでしたね」
エデルタ皇国の皇王陛下との直接交渉が終わり、私たちはその戦果を確認しました。
和解の契約所では南西エラルーシュ地方――エデルタ皇国の国土面積の約一割に相当する領土を頂き、その上で向こう10年間の魔物駆除の手助けをする為の料金を分轄で支払って貰うことを約束しています。
エデルタ皇王は皇太子たるアーヴァイン殿下から王位継承権を剥奪。
アーヴァイン殿下は皇太子では無くなり、皇族を追われるどころか軍法会議によって投獄されたとのことでした。
エミールもまた聖女の地位を剥奪されて、アーヴァインと共に地下牢へ。二人ともあと十年以上は出られないみたいです。
「終わり良ければ全て良しなのですかね? アレイン様」
「まだ何も終わってませんよ。これは始まりです」
「始まり……ですか?」
「ええ。そうですとも。国を追われたり、行き場を失った方々を救える場所。私はこの領地をそんな場所にしたいのです」
世界には住むところにも困っている種族の方々や、理不尽に国を追い出される人たちが思った以上に多かった。
ですから、私はそんな人たちが暮らしていける救いの場を作ろうと思ったのです。
世界で差別は無くならなくても、せめてこの場所だけは種族や民族、立場など関係なく平等で暮らすことが出来れば……。
理想ですが、そういった場所にしたいです。
「そうですね。それが実現したらどんなに素晴らしいか。私もアレイン様の理想郷の建設のお手伝いを最後まで付き合わさせてもらいます」
「……ありがとうございます。ロゼルさんと出会えて私は幸運でした」
「何を言っているのですか。それは私のセリフですよ」
「いいえ、あのとき私は分不相応な金額を渡されて何をどうしようか混乱状態にありましたから。その道標をしてくれた貴方には感謝しています。……どうか、ずっと側にいて下さい」
「もちろんです。お約束します」
こうして私とロゼルは力を合わせて手に入れた広大な敷地を理想郷にすべく奔走しました。
いつの間にか、堕天使や魔族といった少々クセの強い種族の方や私と同じく聖女だった者やパーティーなどを追放された実力者など個性的な方々も集まり、ジルベータ王国の辺境の地は世界で最も多種族が集まる土地として認知されるようになります。
願わくば、この場所がこれからも平和でありますように……。
私、アレイン・アルゼオンは生涯、この地で理想郷の平穏を保つために尽力することを誓ったのでした――。
慰謝料は国家予算の半分!?真実の愛に目覚めたという殿下と婚約破棄しました
完
◇ ◇ ◇
ここまで、読んで頂いてありがとうございます。
今月と来月は何作か短編や長編を投稿出来れば、と頑張っています。
と、いうことで新連載を開始しましたので、ご興味がありましたらご覧になってください。
『私に冷淡な態度を取る婚約者が隠れて必死に「魅了魔法」をかけようとしていたらしいので、かかったフリをしてみました』
ゆるい雰囲気のラブコメを目指しています。
目次の下の作者コンテンツ(アプリの方は作者ページ)から飛べますのでよろしくお願いします。
エデルタ皇国の皇王陛下との直接交渉が終わり、私たちはその戦果を確認しました。
和解の契約所では南西エラルーシュ地方――エデルタ皇国の国土面積の約一割に相当する領土を頂き、その上で向こう10年間の魔物駆除の手助けをする為の料金を分轄で支払って貰うことを約束しています。
エデルタ皇王は皇太子たるアーヴァイン殿下から王位継承権を剥奪。
アーヴァイン殿下は皇太子では無くなり、皇族を追われるどころか軍法会議によって投獄されたとのことでした。
エミールもまた聖女の地位を剥奪されて、アーヴァインと共に地下牢へ。二人ともあと十年以上は出られないみたいです。
「終わり良ければ全て良しなのですかね? アレイン様」
「まだ何も終わってませんよ。これは始まりです」
「始まり……ですか?」
「ええ。そうですとも。国を追われたり、行き場を失った方々を救える場所。私はこの領地をそんな場所にしたいのです」
世界には住むところにも困っている種族の方々や、理不尽に国を追い出される人たちが思った以上に多かった。
ですから、私はそんな人たちが暮らしていける救いの場を作ろうと思ったのです。
世界で差別は無くならなくても、せめてこの場所だけは種族や民族、立場など関係なく平等で暮らすことが出来れば……。
理想ですが、そういった場所にしたいです。
「そうですね。それが実現したらどんなに素晴らしいか。私もアレイン様の理想郷の建設のお手伝いを最後まで付き合わさせてもらいます」
「……ありがとうございます。ロゼルさんと出会えて私は幸運でした」
「何を言っているのですか。それは私のセリフですよ」
「いいえ、あのとき私は分不相応な金額を渡されて何をどうしようか混乱状態にありましたから。その道標をしてくれた貴方には感謝しています。……どうか、ずっと側にいて下さい」
「もちろんです。お約束します」
こうして私とロゼルは力を合わせて手に入れた広大な敷地を理想郷にすべく奔走しました。
いつの間にか、堕天使や魔族といった少々クセの強い種族の方や私と同じく聖女だった者やパーティーなどを追放された実力者など個性的な方々も集まり、ジルベータ王国の辺境の地は世界で最も多種族が集まる土地として認知されるようになります。
願わくば、この場所がこれからも平和でありますように……。
私、アレイン・アルゼオンは生涯、この地で理想郷の平穏を保つために尽力することを誓ったのでした――。
慰謝料は国家予算の半分!?真実の愛に目覚めたという殿下と婚約破棄しました
完
◇ ◇ ◇
ここまで、読んで頂いてありがとうございます。
今月と来月は何作か短編や長編を投稿出来れば、と頑張っています。
と、いうことで新連載を開始しましたので、ご興味がありましたらご覧になってください。
『私に冷淡な態度を取る婚約者が隠れて必死に「魅了魔法」をかけようとしていたらしいので、かかったフリをしてみました』
ゆるい雰囲気のラブコメを目指しています。
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