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第十四話(エレナ視点)
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今日は我が家とチャルスキー侯爵家の顔合わせの日、わたくしもヨシュアと初対面です。
さて、時間が惜しい。
あなたのような下衆な男が姉様に触れることすらおぞましいのです。
早くこの男をアリシア姉様から遠ざけましょう。
「初めまして。わたくし、エレナって申しますのぉ」
「あ、ああ、初めまして。エレナというのか、いい名前だ」
「ありがとうございますぅ。うふふ、ヨシュア様に名前を褒められちゃいましたぁ」
「いやー、思ったことを言ったまでさ」
手を握り、体を寄せて、笑顔を見せます。
二人も妊娠させていますし、女慣れしていると思っていたのですが、随分とだらしない顔をされるのですね。
これは、ただの女好きのパターンでしたか。
「アリシアも素朴で美人だと思っていたが、君も可愛いな。俺、エレナを選べば良かったかも」
顔合わせが始まって二時間くらい経った頃、酒も回ってきたのか、この男は平気で姉様がヨシュアの両親と会話しているスキにそんなことを話します。
ちょっと愛想を良くして、ボディタッチを増やしつつ褒めるだけですぐに心移りしましたね。
どうやら、そもそもアリシア姉様を婚約者として選んだのも、そこまで入れ込んだワケではないみたいです。
そろそろ、結婚をと考えていて手頃な女性を選んだだけなのでしょう。どうりで、ビンセントとシーラが見逃す訳です……。
「ぐすっ、ぐすっ、ヨシュア様ぁ。わたくし、アリシア姉様が羨ましいですぅ。わたくしも、ヨシュア様のような逞しい方に守って頂ければ、毎日安心ですのに」
「エレナ……、君は……」
「夜はお化けが怖くて眠れないこともありますしぃ、エレナは姉様と違って弱いですからぁ。いつも、強くて格好いいヨシュア様のような殿方がいれば、と思っておりましたぁ……」
こんな男に媚を売るなど屈辱の極みです。
今日はあくまでも顔合わせなので、姉様と婚約破棄まで決意させるつもりはありません。
しかし、それなりに気を引いておかねばなりませんから――わたくしの演技にも力が入るという訳です。
「そうか。そこまで、俺のことを……。わかった。アリシアとの婚約は破棄して、君と一緒になろう。君を守るよ――」
いや、早いですって!
ここまで早いと不安になるレベルですよ。
まぁ、簡単に心移りをするくらいの最低な男だということは分かりましたが……。
「そう仰ってもらえて嬉しいですぅ。でもぉ、アリシア姉様に悪いですからぁ」
さすがにたったの二時間で婚約破棄などされたら、色々と面倒というか姉様に再び執着する可能性もありますので、もう少し間を置くことにしました。
何度か秘密裏に逢い引きして、姉様の悪口を吹き込み――心を完全にアリシア姉様から引き離したことを確認して、ヨシュアには彼女に婚約破棄したいと告げさせます。
「アリシア、お前は強い女だ。恐らく自分一人でも何でも出来るし、素晴らしい人だと思う」
「ヨシュア様……?」
「だが、このエレナは俺がいなきゃ駄目なんだ。だから、俺はエレナを守りながら添い遂げたいと誓った。悪いが婚約破棄させてもらう!」
これで、アリシア姉様からヨシュアを切り離すことに成功しました。
あとは、どうやってこの男を二度と姉様の前に立たせなくさせる、かですが――。
さて、時間が惜しい。
あなたのような下衆な男が姉様に触れることすらおぞましいのです。
早くこの男をアリシア姉様から遠ざけましょう。
「初めまして。わたくし、エレナって申しますのぉ」
「あ、ああ、初めまして。エレナというのか、いい名前だ」
「ありがとうございますぅ。うふふ、ヨシュア様に名前を褒められちゃいましたぁ」
「いやー、思ったことを言ったまでさ」
手を握り、体を寄せて、笑顔を見せます。
二人も妊娠させていますし、女慣れしていると思っていたのですが、随分とだらしない顔をされるのですね。
これは、ただの女好きのパターンでしたか。
「アリシアも素朴で美人だと思っていたが、君も可愛いな。俺、エレナを選べば良かったかも」
顔合わせが始まって二時間くらい経った頃、酒も回ってきたのか、この男は平気で姉様がヨシュアの両親と会話しているスキにそんなことを話します。
ちょっと愛想を良くして、ボディタッチを増やしつつ褒めるだけですぐに心移りしましたね。
どうやら、そもそもアリシア姉様を婚約者として選んだのも、そこまで入れ込んだワケではないみたいです。
そろそろ、結婚をと考えていて手頃な女性を選んだだけなのでしょう。どうりで、ビンセントとシーラが見逃す訳です……。
「ぐすっ、ぐすっ、ヨシュア様ぁ。わたくし、アリシア姉様が羨ましいですぅ。わたくしも、ヨシュア様のような逞しい方に守って頂ければ、毎日安心ですのに」
「エレナ……、君は……」
「夜はお化けが怖くて眠れないこともありますしぃ、エレナは姉様と違って弱いですからぁ。いつも、強くて格好いいヨシュア様のような殿方がいれば、と思っておりましたぁ……」
こんな男に媚を売るなど屈辱の極みです。
今日はあくまでも顔合わせなので、姉様と婚約破棄まで決意させるつもりはありません。
しかし、それなりに気を引いておかねばなりませんから――わたくしの演技にも力が入るという訳です。
「そうか。そこまで、俺のことを……。わかった。アリシアとの婚約は破棄して、君と一緒になろう。君を守るよ――」
いや、早いですって!
ここまで早いと不安になるレベルですよ。
まぁ、簡単に心移りをするくらいの最低な男だということは分かりましたが……。
「そう仰ってもらえて嬉しいですぅ。でもぉ、アリシア姉様に悪いですからぁ」
さすがにたったの二時間で婚約破棄などされたら、色々と面倒というか姉様に再び執着する可能性もありますので、もう少し間を置くことにしました。
何度か秘密裏に逢い引きして、姉様の悪口を吹き込み――心を完全にアリシア姉様から引き離したことを確認して、ヨシュアには彼女に婚約破棄したいと告げさせます。
「アリシア、お前は強い女だ。恐らく自分一人でも何でも出来るし、素晴らしい人だと思う」
「ヨシュア様……?」
「だが、このエレナは俺がいなきゃ駄目なんだ。だから、俺はエレナを守りながら添い遂げたいと誓った。悪いが婚約破棄させてもらう!」
これで、アリシア姉様からヨシュアを切り離すことに成功しました。
あとは、どうやってこの男を二度と姉様の前に立たせなくさせる、かですが――。
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