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婚約者1
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期待に応えたわけでもないのに、うっかり罵ってしまい、さらなる期待を団長に与えてしまった、グラシアナ・ソレル、二四歳。
今日も団長からの求愛が気持ち悪い。
「……いいな、今日も最高の切れ味だ、愛しの婚約者殿……」
喋ってないのに勝手に読むし。最低なことこの上ない。
うっとりと見つめてくる団長は、今日も最高に気持ち悪い。だが顔はいい。
思考を読んだ団長が、ニコリと笑顔を浮かべる。団長の笑顔は貴重だけれど、それで許すとでも思っているのかな。
バルドメロ・オルティス三十二歳。出身は武門として名高いオルティス伯爵家の長男。団長になる際、伯爵位も継いでいると聞く。噂では、家の方は前伯爵にまかせていて、今は軍務優先にしているだとか聞くが、詳しくは知らない。
名門貴族出身で、魔術騎士団長の肩書きを持ち、国王からの信頼も厚い。
彼の私生活はほとんど知られていないが、未だ独身。貴族ご令嬢のみならず、女官や侍女達が彼の妻の座を狙っているが叶っていない。
優良物件と言うには、実際のところ団長は適齢期を過ぎている。十代でほとんどが結婚する適齢期の貴族女性たちからすると「おじさま」と呼ばれる年齢だ。でもそれも、いざ本人を前にすると、中年という印象は拭われるだろう。いささか貫禄がありすぎるけど、それも含め、好意的に思う令嬢も少なくない。かっこいいおじさまだとか、大人の男性枠だ。
そんな目の前の彼が、私の婚約者だ。
いやだ、怖い。
結局あれから、私は団長の婚約を結ぶことになってしまった。
挙げ句、ただいま同居中だ。婚家への行儀見習いという名目で団長の家に居候している。団長の知られざる私生活を、望んでもないのに毎日目にしている。
団長の生活が意外にも質素だったのは、幸運だった。曰く、本邸のように大仰だとかえって仕事の邪魔になるかららしい。住み込みの使用人は片手で足りるし、屋敷も小さかった。私の実家より、ちょっと小さいぐらいだ。でなければ怖くて泣いてしまうところだった。
あの日、私が呆然として頭が働かないのを良いことに、勢いでそのまま婚約が成されてしまい、住居も移されてしまった。
時々変態モードのセリフをぶっ込みながら話を進める物だから、その度に内心でつっこみを入れていたせいで口車に乗せられた。
普段ならそんなことはあり得ない。だって、私は不要なことは言わないから。でも団長は心を読んで会話を成立させちゃうから、いつものように対処ができなかった。
気がつけば団長のお屋敷に連れて行かれ、使用人達に「よろしくお願いします」と挨拶していた。
そう、つまり、彼は私を嵌めて婚約に持ち込んだクズだ。
「嵌めるなどと、人聞きの悪い……」
朝食のさなか、心のなかで悪態をつく私に、目の前で一緒に食事をとっている団長が苦笑する。それにちらりと目を向けてから、私は心の中で反論した。
人聞きだなんて、声にすら出してないのに誰が聞くと。
少し眉を下げて微笑む団長を、私は無表情のまま睨みつける。
あれ以来、私にだけはやたらと笑うようになって、笑顔の希少価値感はだだ下がりである。
そもそも思考が読めたのなら婚約の必要なんてないと思うの。
「必要ないだなんてつれないな。俺が罵って欲しいのは……君だけだ」
最後の一言はキメ顔だったが、それを口説き文句と思っている時点で気持ち悪い。
「今日も突き刺さる一言が最高だ……」
うっとりしないでください、気持ち悪い。
本当に知りたくなかった、憧れの上司の性癖。せめて普通に口説いてくれたら……と、願わずにはいられない。
溜息をこっそりとつく私に、団長がにこやかに指摘する。
「そんなことをすれば、恐れ多いと逃げるだろう?」
……それは否定できない。
「何よりこれが重要なのだが」
彼は言葉を切ると、真剣な面持ちで重々しく口を開いた。
「表向きの顔で普通に口説いたら、罵ってもらうのは不可能じゃないか……!」
ゲスい。
完全に計算してやがるじゃないですか……。
無言のまま、心の中で罵り続ける私に、団長がにっこりと笑う。
「目的のためには手段を選ばない主義なんだ」
最初に嫌われたら、意味ないでしょう……。
「そうでもないな。むしろそのほうが、今後少しでもまともな素振りをすれば、落差でいい人に見えるものだ」
にやりと団長が楽しげに笑う。
は? 最初の印象がよすぎたので、現在ひたすら下落しておりますが?
「理想を押し付けられた状態と比べると、格段にいいだろう?」
いえ、私は団長に理想を押し付けて生きていたかったです。
私の心の呟きに、団長がくはっと吹き出した。
最低すぎる。
ふてぶてすぎる様子に怒る気力がつい削がれてしまう。
とっさに顔を背けたのは、思わず笑いそうになったからだ。
私は、団長のやったことを許したくなかった。
力のある者が自分より弱い者を口八丁で丸め込んだり、権力や力で物をいわすという行為が、私は最高に嫌いだ。女は特にそれに従うしかない社会だ。高潔だと思っていた人が、高潔さの欠片もない行為を自分にしてきた事に、心底嫌悪感がわく。
反面、いやなことを無理強いされている感じはなく、団長とのやりとりの気安さは今までになかった楽さすらある。
なんなら団長とは関係のない王城での日常の方がずっと理不尽に溢れている。
その違和感が上手く飲み込めない。
私はもっと怒っていいはずなのに、それほど腹が立ってないことが、なんか悔しい。
グルグルと渦巻く言葉にならないもやもやを堪えていると、団長が耐えきれないように胸元を抑えた。
「……っ、君の正論が胸に痛い」
団長が苦しげながらも恍惚とした表情を浮かべている。
それは、そんな顔をして言う言葉じゃないです。
思わず心の中で突っ込んでしまうと、団長は打ち抜かれたかのように身体を震わせ、うっとりと熱い吐息を盛らした。
「俺は君のそんな健全な心を、心から好ましく思っている。……最高だ」
表情と内容の乖離がエグい。変態が絶好調すぎて憎しみが止まらない。
その癖して、まぶしそうに私を見つめる目は、以前と変わらぬ高潔さや誠実さが垣間見える。だからこそ、なおのこと最低だと思った。
朝食のおいしさだけが、私の心を癒してくれた。おいしいもの万歳。
今日も団長からの求愛が気持ち悪い。
「……いいな、今日も最高の切れ味だ、愛しの婚約者殿……」
喋ってないのに勝手に読むし。最低なことこの上ない。
うっとりと見つめてくる団長は、今日も最高に気持ち悪い。だが顔はいい。
思考を読んだ団長が、ニコリと笑顔を浮かべる。団長の笑顔は貴重だけれど、それで許すとでも思っているのかな。
バルドメロ・オルティス三十二歳。出身は武門として名高いオルティス伯爵家の長男。団長になる際、伯爵位も継いでいると聞く。噂では、家の方は前伯爵にまかせていて、今は軍務優先にしているだとか聞くが、詳しくは知らない。
名門貴族出身で、魔術騎士団長の肩書きを持ち、国王からの信頼も厚い。
彼の私生活はほとんど知られていないが、未だ独身。貴族ご令嬢のみならず、女官や侍女達が彼の妻の座を狙っているが叶っていない。
優良物件と言うには、実際のところ団長は適齢期を過ぎている。十代でほとんどが結婚する適齢期の貴族女性たちからすると「おじさま」と呼ばれる年齢だ。でもそれも、いざ本人を前にすると、中年という印象は拭われるだろう。いささか貫禄がありすぎるけど、それも含め、好意的に思う令嬢も少なくない。かっこいいおじさまだとか、大人の男性枠だ。
そんな目の前の彼が、私の婚約者だ。
いやだ、怖い。
結局あれから、私は団長の婚約を結ぶことになってしまった。
挙げ句、ただいま同居中だ。婚家への行儀見習いという名目で団長の家に居候している。団長の知られざる私生活を、望んでもないのに毎日目にしている。
団長の生活が意外にも質素だったのは、幸運だった。曰く、本邸のように大仰だとかえって仕事の邪魔になるかららしい。住み込みの使用人は片手で足りるし、屋敷も小さかった。私の実家より、ちょっと小さいぐらいだ。でなければ怖くて泣いてしまうところだった。
あの日、私が呆然として頭が働かないのを良いことに、勢いでそのまま婚約が成されてしまい、住居も移されてしまった。
時々変態モードのセリフをぶっ込みながら話を進める物だから、その度に内心でつっこみを入れていたせいで口車に乗せられた。
普段ならそんなことはあり得ない。だって、私は不要なことは言わないから。でも団長は心を読んで会話を成立させちゃうから、いつものように対処ができなかった。
気がつけば団長のお屋敷に連れて行かれ、使用人達に「よろしくお願いします」と挨拶していた。
そう、つまり、彼は私を嵌めて婚約に持ち込んだクズだ。
「嵌めるなどと、人聞きの悪い……」
朝食のさなか、心のなかで悪態をつく私に、目の前で一緒に食事をとっている団長が苦笑する。それにちらりと目を向けてから、私は心の中で反論した。
人聞きだなんて、声にすら出してないのに誰が聞くと。
少し眉を下げて微笑む団長を、私は無表情のまま睨みつける。
あれ以来、私にだけはやたらと笑うようになって、笑顔の希少価値感はだだ下がりである。
そもそも思考が読めたのなら婚約の必要なんてないと思うの。
「必要ないだなんてつれないな。俺が罵って欲しいのは……君だけだ」
最後の一言はキメ顔だったが、それを口説き文句と思っている時点で気持ち悪い。
「今日も突き刺さる一言が最高だ……」
うっとりしないでください、気持ち悪い。
本当に知りたくなかった、憧れの上司の性癖。せめて普通に口説いてくれたら……と、願わずにはいられない。
溜息をこっそりとつく私に、団長がにこやかに指摘する。
「そんなことをすれば、恐れ多いと逃げるだろう?」
……それは否定できない。
「何よりこれが重要なのだが」
彼は言葉を切ると、真剣な面持ちで重々しく口を開いた。
「表向きの顔で普通に口説いたら、罵ってもらうのは不可能じゃないか……!」
ゲスい。
完全に計算してやがるじゃないですか……。
無言のまま、心の中で罵り続ける私に、団長がにっこりと笑う。
「目的のためには手段を選ばない主義なんだ」
最初に嫌われたら、意味ないでしょう……。
「そうでもないな。むしろそのほうが、今後少しでもまともな素振りをすれば、落差でいい人に見えるものだ」
にやりと団長が楽しげに笑う。
は? 最初の印象がよすぎたので、現在ひたすら下落しておりますが?
「理想を押し付けられた状態と比べると、格段にいいだろう?」
いえ、私は団長に理想を押し付けて生きていたかったです。
私の心の呟きに、団長がくはっと吹き出した。
最低すぎる。
ふてぶてすぎる様子に怒る気力がつい削がれてしまう。
とっさに顔を背けたのは、思わず笑いそうになったからだ。
私は、団長のやったことを許したくなかった。
力のある者が自分より弱い者を口八丁で丸め込んだり、権力や力で物をいわすという行為が、私は最高に嫌いだ。女は特にそれに従うしかない社会だ。高潔だと思っていた人が、高潔さの欠片もない行為を自分にしてきた事に、心底嫌悪感がわく。
反面、いやなことを無理強いされている感じはなく、団長とのやりとりの気安さは今までになかった楽さすらある。
なんなら団長とは関係のない王城での日常の方がずっと理不尽に溢れている。
その違和感が上手く飲み込めない。
私はもっと怒っていいはずなのに、それほど腹が立ってないことが、なんか悔しい。
グルグルと渦巻く言葉にならないもやもやを堪えていると、団長が耐えきれないように胸元を抑えた。
「……っ、君の正論が胸に痛い」
団長が苦しげながらも恍惚とした表情を浮かべている。
それは、そんな顔をして言う言葉じゃないです。
思わず心の中で突っ込んでしまうと、団長は打ち抜かれたかのように身体を震わせ、うっとりと熱い吐息を盛らした。
「俺は君のそんな健全な心を、心から好ましく思っている。……最高だ」
表情と内容の乖離がエグい。変態が絶好調すぎて憎しみが止まらない。
その癖して、まぶしそうに私を見つめる目は、以前と変わらぬ高潔さや誠実さが垣間見える。だからこそ、なおのこと最低だと思った。
朝食のおいしさだけが、私の心を癒してくれた。おいしいもの万歳。
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