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44.ただまっすぐに飛んで
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「綺麗・・・」
病魔によりかなり辛い筈のパトリシア様がその船を見て静かにつぶやいた。
コロニー内の駐機用ハンガーに接岸していたのは見慣れた太陽の翼ではなく、もっと別の形をした新しい船。
例えるならそうだな、流れ星ってところだろうか。
「マスター、流石にそれは格好つけすぎでは?」
「げ、声に出てたか?」
「でも素敵な名前だと思います、宇宙をまっすぐに駆け抜けるのにピッタリですよね!」
「イブ様、そういう所を甘やかすとよからぬ癖がつきますのでここはビシッと言っておかないと」
流線形の美しい船、ただまっすぐに飛ぶことにだけ特化した姿へとソルアレスは自己進化した。
そもそも船が形を変えるなんてのは馬鹿げた話、アリスもそうだがこの船も立派なアーティファクトだよなぁ。
因みに勝手に姿を変えるなんてのを見られると大変なことになってしまうので、監視カメラの映像はアリスの手によって別の者に差し替えられているらしい。
防犯の都合上、たとえ警備であってもハンガー内には立ち入ることはできないのでカメラさえハッキングしてしまえば特に問題はないとアリスがどや顔で教えてくれた。
それってつまり悪いこともし放題なんじゃないかとも思ったのだが、あえてスルーしておく。
しっかし、とんでもない物残していったよなぁ。
ありがとな親父、これのおかげで一人の命を救えそうだ。
「時間が無いんだろ、さっさと行こう」
「それではパトリシア様奥へ」
「最初でよろしいのですか?」
「船内はかなり狭くなっておりますので先に入っていただくしかないのです」
ハッチを開けて中に入ると、今までのカーゴは無くなりすぐにコックピットに到着。
船の後方はエンジンと推進用の機能に全振りしているせいで人が入れるようにがなっていないらしい。
コックピット横には仮眠室があり、パトリシア様にはそこで休んでもらう事になる。
俺達?
一応コックピット横に衝立一枚をはさんで仮眠スペースがあるのでそこをイブさんと交代で使う以外は椅子に座ったままになるだろう。
大丈夫、トイレは別にある。
「各自席に着いたらシートベルトを着用、コロニーを離れ次第最大出力でぶっ飛ばすぞ」
「最新式の耐G制御を使用しますが、それでもかなりの負荷はかかると思いますので覚悟してください」
「パトリシア様の部屋は大丈夫なんだろうな?」
「あそこだけ二重に設置しています、その代わりにここは薄くなってますのでお覚悟を」
「宇宙軍の巨大レーザーに突っ込むことを考えたら死ぬほどじゃない・・・死なないよな?」
「そうですね、下手すれば首がむち打ちになる程度です」
「あー、聞かなかったらよかった」
これから二日、むち打ちになるぐらいのGを受けながら飛び続けることになる。
だがそれを越えればパトリシア様の命は助かるんだ、ここまでして間に合わないなんて言わせない。
「到着予定時間はこれより48時間後、その時間で現在のマイナス48時間を一気に縮めます。発進準備完了、いつでも行けます」
「了解。こちらソルアレス、コロニーを出発する」
「了解しました、ハッチを開放しますので重力圏外まで離れてから加速をお願いします」
「世話になった」
「こちらこそ宙賊を撃退し、仲間を救っていただきありがとうございました。良い旅路を」
コロニーの管制官も中々粋なことを言ってくれるじゃないか。
最小出力でコロニーの重力圏外へ移動、真っ黒な宇宙にモニターの中心を合わせる。
アリスもイブさんも椅子にしっかりと座り、こちらを見て静かに頷いた。
「パトリシア様、準備はよろしいですね?」
「大丈夫です」
「・・・よし!アリス、最大出力でぶちかませ!」
「了解しました、マスター」
合図と同時に船の後方からものすごいエンジン音が聞こえてくる。
モニター上の出力ゲージが予定の線を越えた次の瞬間、首がへし折れるんじゃないかという衝撃と共にソルアレス・・・じゃなかったシューティングスターは、その名の通り宇宙を駆け抜ける一筋の線となって飛行を開始。
絶対に間に合わせる。
想像以上の圧力に視界が狭くなってくるけれど、どんどんと少なくなっていくマイナスだけを視界に入れながらただ前だけを見つめ続けた。
そんな感じで気づけば44時間が経過。
時々意識を失いながら飛行を続け、耐えきれなくなったら仮眠用スペースに転がされる。
流石のイブさんも中々しんどそうだったが、素人の俺と比べればそこまでという感じだった。
マジでこの人何者なんだろうな。
パトリシア様はというとアリスの看護もあり今のところは何とかなっているものの、予断を許さない状況らしい。
ハイパーレーンまであと4時間、そこから現地まで1日か。
「間に合うよな」
「ここまでして間に合わないことはないでしょう」
「・・・そうだな」
「急に素直になられると怖いのでいつも通りでお願いします」
「無茶言うなっての、この加速に44時間耐えてるんだぞ?」
「じゃああと4時間ぐらい余裕ですよね」
余裕かどうかと聞かれると余裕じゃない、でも耐えて見せる。
「ハイパーレーン到着後の動きは?」
「ライエル男爵様の計らいで到着後ノーチェックでハイパーレーンへ突入、通過後はそのままメディカルコロニーの緊急ハンガーへ突入して引き渡します。正直なところ、あとはパトリシア様次第ですね」
「男爵はなんて?」
「たとえ何があっても君達のことを誇りに思うと」
「だから、そういうこと言うのはマジでやめてくれって」
「いいじゃないですか、一生のうちで貴族にここまで感謝されることはもう二度とないかもしれませんよ?」
むしろそうであってほしい。
本来俺達が普通に話すことも許されないような相手、そんな相手と仕事をするとかメンタル的にもしんどいのでこれっきりにしてもらいたい。
とはいえ惑星を手に入れるのに口利きしてもらわないといけないので、多少は関係を維持したいところではあるけどな。
「アリス様、ハイパーレーン管理局より通信です」
「管理局から?」
「なんでしょう」
男爵が話をつけてくれている以上こっちが何かすることは何もない筈、にも関わらず連絡してくるってのは・・・嫌な予感しかしないんだが。
「こちらシューティングスター、なんでしょうか」
「こちら管理局です、大変申し訳ありませんが局所的な磁気嵐の影響であと三時間で入り口を封鎖致します」
「は?」
「それまでに到着は可能でしょうか、難しい場合は・・・」
「到着させますのでギリギリまで入り口は開けておいてください。磁気嵐という事は閉鎖一時間前には他の船の受け入れを拒否しますね?」
「え、えぇ・・・」
「では何の問題もありません、三時間以内に到着いたします」
そう言い切ると向こうの返事を聞くこともなくアリスは通信を切った。
ただでさえ無茶しているのにここからさらに一時間時間を縮めるだって?
そんなバカなことがあるか?
「アリス様・・・」
「エンジンのリミッターを解除します。大変申し訳ありませんが制御に集中するため他の作業を行う事が出来ません、イブ様はパトリシア様のおそばについていただけますか?」
「わかりました」
「俺はどうすればいい?」
「寝てください」
「は?」
「マスターの相手をしている暇はありません、強力なGで一瞬で意識を失いますのでさっさと仮眠場所に映って寝てください。大丈夫、突入出来次第下のお世話はしておきます」
つまり意識がぶっ飛ぶぐらいにヤバい奴が来るってことか。
トイレに行く暇も許されない緊急事態、恥ずかしいとか言っている場合でもないか。
「アリス、頼んだぞ」
「新しい下着にしておきますね」
「そっちじゃないっての。無茶してもいいから間に合わせろ、わかったな?」
「マスターならそう仰ってくださると思っていました。これより一分後、緊急加速に入ります。パトリシア様、もうしばらくの辛抱をお願いします」
返事はなかった。
もしかすると意識もないかもしれないが、それでも俺達はまっすぐ飛び続けなければならない。
幸いハイパーレーンはまっすぐ突入出来る角度にある。
つまり間に合えば勝ちだ。
急ぎシートベルトを外し、コックピットの端にある仮眠エリアへ。
雑にマットレスが敷いてある場所に寝転がり、固定用のシートベルトを装着した次の瞬間。
「リミッター―解除、緊急加速開始します」
ドン!という音の後、信じられないような圧力を感じ一瞬にして意識がブラックアウトした。
病魔によりかなり辛い筈のパトリシア様がその船を見て静かにつぶやいた。
コロニー内の駐機用ハンガーに接岸していたのは見慣れた太陽の翼ではなく、もっと別の形をした新しい船。
例えるならそうだな、流れ星ってところだろうか。
「マスター、流石にそれは格好つけすぎでは?」
「げ、声に出てたか?」
「でも素敵な名前だと思います、宇宙をまっすぐに駆け抜けるのにピッタリですよね!」
「イブ様、そういう所を甘やかすとよからぬ癖がつきますのでここはビシッと言っておかないと」
流線形の美しい船、ただまっすぐに飛ぶことにだけ特化した姿へとソルアレスは自己進化した。
そもそも船が形を変えるなんてのは馬鹿げた話、アリスもそうだがこの船も立派なアーティファクトだよなぁ。
因みに勝手に姿を変えるなんてのを見られると大変なことになってしまうので、監視カメラの映像はアリスの手によって別の者に差し替えられているらしい。
防犯の都合上、たとえ警備であってもハンガー内には立ち入ることはできないのでカメラさえハッキングしてしまえば特に問題はないとアリスがどや顔で教えてくれた。
それってつまり悪いこともし放題なんじゃないかとも思ったのだが、あえてスルーしておく。
しっかし、とんでもない物残していったよなぁ。
ありがとな親父、これのおかげで一人の命を救えそうだ。
「時間が無いんだろ、さっさと行こう」
「それではパトリシア様奥へ」
「最初でよろしいのですか?」
「船内はかなり狭くなっておりますので先に入っていただくしかないのです」
ハッチを開けて中に入ると、今までのカーゴは無くなりすぐにコックピットに到着。
船の後方はエンジンと推進用の機能に全振りしているせいで人が入れるようにがなっていないらしい。
コックピット横には仮眠室があり、パトリシア様にはそこで休んでもらう事になる。
俺達?
一応コックピット横に衝立一枚をはさんで仮眠スペースがあるのでそこをイブさんと交代で使う以外は椅子に座ったままになるだろう。
大丈夫、トイレは別にある。
「各自席に着いたらシートベルトを着用、コロニーを離れ次第最大出力でぶっ飛ばすぞ」
「最新式の耐G制御を使用しますが、それでもかなりの負荷はかかると思いますので覚悟してください」
「パトリシア様の部屋は大丈夫なんだろうな?」
「あそこだけ二重に設置しています、その代わりにここは薄くなってますのでお覚悟を」
「宇宙軍の巨大レーザーに突っ込むことを考えたら死ぬほどじゃない・・・死なないよな?」
「そうですね、下手すれば首がむち打ちになる程度です」
「あー、聞かなかったらよかった」
これから二日、むち打ちになるぐらいのGを受けながら飛び続けることになる。
だがそれを越えればパトリシア様の命は助かるんだ、ここまでして間に合わないなんて言わせない。
「到着予定時間はこれより48時間後、その時間で現在のマイナス48時間を一気に縮めます。発進準備完了、いつでも行けます」
「了解。こちらソルアレス、コロニーを出発する」
「了解しました、ハッチを開放しますので重力圏外まで離れてから加速をお願いします」
「世話になった」
「こちらこそ宙賊を撃退し、仲間を救っていただきありがとうございました。良い旅路を」
コロニーの管制官も中々粋なことを言ってくれるじゃないか。
最小出力でコロニーの重力圏外へ移動、真っ黒な宇宙にモニターの中心を合わせる。
アリスもイブさんも椅子にしっかりと座り、こちらを見て静かに頷いた。
「パトリシア様、準備はよろしいですね?」
「大丈夫です」
「・・・よし!アリス、最大出力でぶちかませ!」
「了解しました、マスター」
合図と同時に船の後方からものすごいエンジン音が聞こえてくる。
モニター上の出力ゲージが予定の線を越えた次の瞬間、首がへし折れるんじゃないかという衝撃と共にソルアレス・・・じゃなかったシューティングスターは、その名の通り宇宙を駆け抜ける一筋の線となって飛行を開始。
絶対に間に合わせる。
想像以上の圧力に視界が狭くなってくるけれど、どんどんと少なくなっていくマイナスだけを視界に入れながらただ前だけを見つめ続けた。
そんな感じで気づけば44時間が経過。
時々意識を失いながら飛行を続け、耐えきれなくなったら仮眠用スペースに転がされる。
流石のイブさんも中々しんどそうだったが、素人の俺と比べればそこまでという感じだった。
マジでこの人何者なんだろうな。
パトリシア様はというとアリスの看護もあり今のところは何とかなっているものの、予断を許さない状況らしい。
ハイパーレーンまであと4時間、そこから現地まで1日か。
「間に合うよな」
「ここまでして間に合わないことはないでしょう」
「・・・そうだな」
「急に素直になられると怖いのでいつも通りでお願いします」
「無茶言うなっての、この加速に44時間耐えてるんだぞ?」
「じゃああと4時間ぐらい余裕ですよね」
余裕かどうかと聞かれると余裕じゃない、でも耐えて見せる。
「ハイパーレーン到着後の動きは?」
「ライエル男爵様の計らいで到着後ノーチェックでハイパーレーンへ突入、通過後はそのままメディカルコロニーの緊急ハンガーへ突入して引き渡します。正直なところ、あとはパトリシア様次第ですね」
「男爵はなんて?」
「たとえ何があっても君達のことを誇りに思うと」
「だから、そういうこと言うのはマジでやめてくれって」
「いいじゃないですか、一生のうちで貴族にここまで感謝されることはもう二度とないかもしれませんよ?」
むしろそうであってほしい。
本来俺達が普通に話すことも許されないような相手、そんな相手と仕事をするとかメンタル的にもしんどいのでこれっきりにしてもらいたい。
とはいえ惑星を手に入れるのに口利きしてもらわないといけないので、多少は関係を維持したいところではあるけどな。
「アリス様、ハイパーレーン管理局より通信です」
「管理局から?」
「なんでしょう」
男爵が話をつけてくれている以上こっちが何かすることは何もない筈、にも関わらず連絡してくるってのは・・・嫌な予感しかしないんだが。
「こちらシューティングスター、なんでしょうか」
「こちら管理局です、大変申し訳ありませんが局所的な磁気嵐の影響であと三時間で入り口を封鎖致します」
「は?」
「それまでに到着は可能でしょうか、難しい場合は・・・」
「到着させますのでギリギリまで入り口は開けておいてください。磁気嵐という事は閉鎖一時間前には他の船の受け入れを拒否しますね?」
「え、えぇ・・・」
「では何の問題もありません、三時間以内に到着いたします」
そう言い切ると向こうの返事を聞くこともなくアリスは通信を切った。
ただでさえ無茶しているのにここからさらに一時間時間を縮めるだって?
そんなバカなことがあるか?
「アリス様・・・」
「エンジンのリミッターを解除します。大変申し訳ありませんが制御に集中するため他の作業を行う事が出来ません、イブ様はパトリシア様のおそばについていただけますか?」
「わかりました」
「俺はどうすればいい?」
「寝てください」
「は?」
「マスターの相手をしている暇はありません、強力なGで一瞬で意識を失いますのでさっさと仮眠場所に映って寝てください。大丈夫、突入出来次第下のお世話はしておきます」
つまり意識がぶっ飛ぶぐらいにヤバい奴が来るってことか。
トイレに行く暇も許されない緊急事態、恥ずかしいとか言っている場合でもないか。
「アリス、頼んだぞ」
「新しい下着にしておきますね」
「そっちじゃないっての。無茶してもいいから間に合わせろ、わかったな?」
「マスターならそう仰ってくださると思っていました。これより一分後、緊急加速に入ります。パトリシア様、もうしばらくの辛抱をお願いします」
返事はなかった。
もしかすると意識もないかもしれないが、それでも俺達はまっすぐ飛び続けなければならない。
幸いハイパーレーンはまっすぐ突入出来る角度にある。
つまり間に合えば勝ちだ。
急ぎシートベルトを外し、コックピットの端にある仮眠エリアへ。
雑にマットレスが敷いてある場所に寝転がり、固定用のシートベルトを装着した次の瞬間。
「リミッター―解除、緊急加速開始します」
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