収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア

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247.全員の力を発揮しました

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【ソードフィッシュのスキルを使用しました。ストックは後四つです。】

襲い来る無数の足と触手、それをかいくぐるよう一気に加速して奥に見える触手へと一気に接敵。

勢いもそのままに伸ばした棍を触手の根元に押し当てて水の魔力を一気に放出すると、風船がはじけるような乾いた音と共に触手が根元からはじけ飛んだ。

さっきまでなら引きちぎっても同じ場所から生えてきたけれど、今回は再生することなくひらひらと落下する触手がそのまま地面に吸い込まれていった。

「グァゥ!」

「わかってるって!」

【マリオネットのスキルを使用しました。ストックはあと二つです。】

触手の行方を目で追っているところに他の足と触手が襲い掛かるが、リルの合図に素早くステップスキルを使用してすれすれで回避、すれ違いざまに巨大な足を思い切り攻撃するがこっちはあまり効果がないようだ。

有効なのは打撃よりも斬撃、となるとリルの爪か七扇さんのナイフだよりになるかもしれないな。

「ナイスだリル!」

「ワフ!」

「さぁ残り6本、ガンガン行こうぜ!」

鼓舞スキルが残っているからか全員の士気はまだまだ高い、本当は足も何本か切りたいところだけどまずは対処できる奴からやっていこう。

一度距離を置き、ヘイトが再びルナに集中するのを待ってから戦線に復帰。

何度か襲い来る水魔法も一番後ろから予備動作を見ている須磨寺さんの合図で何とか回避できている。

が、流石はC級ダンジョン階層主。

今までならこっちのペースに持ち込んでどうにかなったはずが、ジリジリと追い込まれているのが分かる。

「凛ちゃん!」

「え、キャァ!」

触手に気を取られて油断したところに巨大な足が襲い掛かり、七扇さんが壁際に吹き飛ばされたまま動かない。

幸い飛ばされたことで追撃はないけれども動かないのが心配だ。

「くそ、手数が多い!いや、足か?」

「こっちはいいから和人君は集中!」

「リル、ブレスを頼む!」

リルのブレスそのものにあまり効果は無いけれど少しだけなら相手の動きを遅らせることができる、その隙に桜さんの方へと移動して側面から襲いかかろうとしていた足を弾き飛ばした。

「大丈夫か」

「なんとか・・・でも凛ちゃんが」

「彼女は須磨寺さんに見てもらってる、こっちの触手は?」

「あと一本です」

「これでやっと半分か、触手は減れどあの足がやばいな」

「最初はいいんですけど、段々腕がしびれてきちゃって思うように反撃できないんです」

メイス片手に孤軍奮闘、カバーリングと弱点看破があるとはいえ足を二本と触手を相手によくまぁここまでやったものだ。

もとの足が減らない以上戦闘はまだまだ続く、ここで無理させるのは得策ではない。

「ここは俺が受け持つから桜さんは大道寺社長の所に戻って休憩してきて」

「でも・・・」

「今桜さんにも怪我をされたらまたやり直しになる、良いから早く!」

きつい言い方だけど今はそういうしかない。

桜さんの背中をドンと押して前線から追い出し、彼女が相手をしていた二本の足と一本の触手と対峙する。

巨体から生えるこれまた巨大な足、改めて正面で対峙するとよくまぁこんなのと戦おうとおもうよなぁ。

大型の魔物になればなるほどその威圧感は増していき、思うように動けなくなってしまう。

それでもここを守り抜かなければ確実にルナは倒れてしまうだろう。

「カッコつけといてやっぱりできませんでしたってわけにはいかないよなぁ」

ウネウネと動きながら様子を伺うデビルフィッシュ。

その動きがピタリと止まった次の瞬間、奴の猛攻が始まった。


一体どのぐらい戦い続けているのだろうか。

鞭のようにしなる巨大な足を可能な限り受け流すも勢いで吹き飛ばされ、また別の方向から襲い来る足をすれすれのところで回避、更に死角から襲い来る触手をコースキルで察知して体をねじるように躱しているとまた足が襲ってくる。

ここが桜さんの戦場、やってもらってなんだけどよくまぁこんなところで戦えるもんだ。

女性の方が読経はあるというけれど今までの階層主ともこんな視点で戦っていたんだなぁ。

川西ダンジョンとかでデュラハンやオルトロスと対峙したのとはまた違う威圧感、それでも不思議と負けそうに感じないのはおそらく師匠の特訓を経験しているからだろうか。

マジであれは死ぬかと思った。

正直な話このデカいタコから感じる威圧感よりも師匠から感じる威圧感の方が強い、だからだろうかそこまでやばいと感じないのは。

「さぁ、さっさとかかって来いよタコ坊主」

俺の声が届いたのかさっきよりも勢いよく足が振り下ろされる。

【ハンマーシャークのスキルを使用しました。ストックは後四つです】

それを剛腕スキルで受け止めると初めて奴の動揺したような気配を感じた気がする、即座に振り下ろされるもう一本の足をステップで回避。

【ワーウルフのスキルを使用しました。ストックは後一つです】

そこで満を持して斬撃であろうスキルを発動、目に見えない鋭い爪がデビルフィッシュの足一本を見事に切り飛ばすことに成功した。

「よっし、次!」

痛みで暴れまわるタコの足を回避しつつ死角から俺を狙う触手めがけてピンポイントで棍を突き出し魔力を爆発させると、襲ってきた触手が見事はじけ飛んだ。

残るは巨大な足一本、と思ったら向こうでもリルが足を爪で切り飛ばしたのが見える。

痛みで再び暴れまわるデビルフィッシュ、残ったのは触手が3本と足が6本か。

スキル数を考えると少々足りないけど何とかなるんじゃなかろうか。

「和人さん戻りました!」

「七扇さんは?」

「脳震盪みたいで少し休んでもらってます」

「それは何より」

「私が居なくてもなんとかなっちゃいましたね」

「師匠の威圧感と比べれば何とかな、スキルもあったから何とかなったけど改めて桜さんの凄さがよくわかったよ」

スキルが無かったらものの数分で七扇さんの様に吹き飛ばされていたことだろう。

何事も得手不得手があるというけれど、たとえ得意であってもその努力と頑張りは認めるべきだ。

「とりあえずこっちは任せていいかな」

「ルナちゃんを助けてあげてください」

「桜さんも無理しないように、そろそろアレが来そうだから」

「そうでした、C級ダンジョンですもんね」

「今までがちょっと異常だっただけでこれからはそれが当たり前になる、気を付けていこう」

「わかりました!」

ルナの方から足が一本追加され再び二本の足が桜さんへと襲い掛かるも触手が無くなったことで安定して受け流せるようになったようだ。

ルナの方も合計二本の足が減ったことで少し余裕が出てきたように感じる。

このままいけば問題なく討伐できる、そう今までであれば。

「和人君!」

「わかってる、暴走するぞ!全員気合入れろ!」

真っ赤だったデビルフィッシュの体が先決のように赤くなり体が今までの倍ぐらいに膨張する。

これまでも何度か経験した暴走。

本来C級ダンジョン以上の階層主から変化するといわれる別名第二形態、これまでは工芸が激しくなる程度だったのにあろうことかさっきひり取ったはずの足が二本とも再生してしまった。

それを見た桜さん達に動揺とあきらめのような感情が生まれる。

唯一の救いは触手が復活していないこと。

【スケルトンジェネラルのスキルを使用しました。ストックはありません】

最後の鼓舞を使用し全員のモチベを引き上げる。

「暴走したってことは奴もジリ貧だ、こ何時すら倒せなかったらこの先やっていけないぞ!」

「そう、ですよね」

「さすが和人君かっこいい!」

「ルナと桜さんは可能な限り足を引き付けてくれ、リルは一本減らすことだけに集中!魔法の使用回数も増えるからな、須磨寺さんたのんだぞ!」

「まかせといて!で、和人君は!?」

「俺は・・・出来る限り頑張る!」

足を切断する方法は爪撃の一回分のみ、それでもできる事はまだまだあるはずだ。

デビルフィッシュ最終決戦、これで決着をつけてやる。
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