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1.得られたスキルはハズレでした
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2000年。
世の中が大予言が外れたと盛り上がっていた年。
2001年。
世の中がミレニアムだなんだと盛り上がっていた年。
そして2002年。
前と後ろの数字が合わさった年にそれは起こった。
事の起こりはエジプトかどこかの未発見の遺跡から発見された一冊の魔術書。
まぁ、魔術書とわかったのはその翌日なんだけどもともかくそれが見つかった後この世界は一変した。
発見の報が世界中に広がった翌日、世界各地で同時多発的に起きた部分崩壊。
後にダンジョンと呼ばれるそれが姿を現し中からあふれ出た魔物が各地を蹂躙。
かくして人類は絶滅の瀬戸際まで追いやられる・・・かと思われたのだが、それとほぼ時を同じくしてダンジョン内で発見されたクリスタルによりスキルが発現、これによりあふれ出た魔物は多大なる被害を出しながらも無事に討伐される事となった。
既存の重火器も一応はつかえたものの、鉄パイプやバールのようなもの等でスキルを使って直接相手を殴り切りつける方が実用的だとわかってからはそちらが優先して使われることとなる。
もし判明が遅れれば核の使用もあり得たという話らしいから早めにわかってよかっただろうなぁ。
「とまぁ、ここまでが皆さんご存じの第一次討魔戦争というわけです。」
「あの~、そんな話まだ聞かないとだめなんですか?」
「つまらないのはわかるけどこれも決まりなんでね、それに我々の生活を豊かにしてくれるダンジョンについてよく知る事は今後のやりがいにも繋がってくるってものだし。え、やりがいなんてない?奇遇だね僕もそうなんだ。でもほらこれで給料もらってるからとりあえず最後まで聞いてもらえると嬉しいなぁ。」
ギルド職員は慣れた感じで参加者の言葉を流して続きを話し始める。
今日もいい天気だ。
外を見ると真っ青な空にいくつか綿雲が浮かんでいる。
見た目には平和そのもの、とはいえダンジョンの中では今でも熾烈な戦いが繰り広げられているとかいないとか。
ダンジョンがもたらしたのは決して破壊だけではない。
これまで地上になかった素晴らしいエネルギー源や素材、資源、そして魔導具と呼ばれる道具たち。
これらは2000年続いて積み上げてきた人類の知恵と英知を悉く否定したが、それを新たに利用することで人類は更なる発展を遂げる事となる。
かくしてダンジョンは忌避すべき存在から金の成る木、もしくはエネルギーや資源の採掘現場として人々に受け入れられるようになったわけだな。
ま、ぶっちゃけ潜る理由なんて金の為でしかない俺にとっては難しい話はどうでもいい話だけど。
耳タコの話を聞き流しながら時間をやり過ごし、やっとその時がやってきた。
「これにて講義は終了です。実技試験を通過した皆さんには練習場に移動していただき、ギルドの用意したクリスタルを用いた発現テストをしていただきます。なお、提供は一度限りですが未発現の場合は自己負担にて購入いただくことも可能ですのでご安心ください。では参りましょう。」
長い長い講義を聞いたのも全てはこれに挑戦できるから。
一般でも購入はできるものの一つ20万円とかなり高額な上に絶対にスキルが発現するとは限らない為、宝くじ、もしくはガチャと呼ばれている。
そんな高額な物を講習を聞くだけで気前よく使わせてくれるあたり冒険者ギルドってのは儲かるんだろうなぁ。
第一次討魔戦争の後、当初は誰でも探索者(エクスプローラー)としてダンジョンに潜ることができたものの、あまりにも生還率が低かったため人命優先の観点から探索者ギルドという組織が発足。
スキルの発現もしくは最低限の実力がない人は侵入することが出来なくなった。
スキルが無くても実力さえあれば潜れることから比較的開かれた条件ではあるけど、人命優先と言いながらそういう人をポイポイ放り込むあたりそれだけダンジョンから産出される資源や道具に価値があるってことなんだろう。
実技試験は通過しているので列に加わり練習場へ移動する。
一緒に参加しているのは老若男女と様々で、上は60を超えてそうな爺さんから下は下限である高校生まで幅広い年齢が通過しているようだ。
人は見た目によらないってことなんだろう、まぁ俺も見た目の割には戦える・・・はず?
25歳、一度はサラリーマンとしてダンジョン産素材の仕分け販売の会社に就職したもののあまりにもブラックすぎて退社した。
研修の時からブラックな感じがにじみ出ていたけど、サービス残業に休日出社は当たり前、極めつけは無許可でのダンジョン探索とかがあったため覚悟を決めた。
まぁその時の戦闘研修があったおかげでこうやって実技試験を楽々パス出来たわけだけども。
そんな経験をしているからか同年代の奴らはそういったところから逃げて来たんじゃないかと勝手に想像してしまう。
世知辛いもんだ。
「では、これよりスキル発現に挑戦していただきます。クリスタルをお渡ししますのでどうぞ順番に受け取ってください。」
我先にと職員に群がる参加者に加わるのがちょっと嫌で一番最後にもらいに行くことに。
「お待たせしました、いいのが当たるといいですね。」
探索ギルドの職員ってなんでこんなに可愛い子が多いんだろうか。
ニコリとほほ笑む姿に思わずときめきそうになってしまうあたり男ってのは単純な生き物だ。
「それではお手元にあるクリスタルに向けて魔力を流していただきます。一定量流しますとクリスタルが反応、スキルが発現した場合はランクに応じた色に変化いたします。E級~S級まで、これはもう説明の必要はありませんよね。では、どうぞ!」
まるでお遊びのような掛け声の後、一斉に参加者がクリスタルに魔力を流し始める。
ダンジョン出現後、人間の体の中に魔物と同じ力が流れていることが確認され今に至る。
魔力量には個人差があり、ある人はあるしない人は全くない。
これに関しては後天的に増やすことができるそうだが今のところスキルの発現とは無関係と言われている。
体の奥底に流れる何かを掴み、それを腹から腕そしてクリスタルへと流れ込むように意識を集中。
来い。
来い!
力を流し込んで数秒、突然クリスタルが白く光り出した。
白は最低でもC級以上、これは!と思ったのもつかの間色は複雑に色を変え最後は真っ黒になってしまった。
「おや、失敗・・・ではなさそうですね。黒はちょっと見たことないんですけど、スキルは発現しているみたいだしなぁ。」
講義をしていたギルド職員がクリスタルを見て首をかしげる。
確かに発現はしている、未発現の場合は色は変わらないはずなので何かが出たのは間違いない。
だがそれが何かは全くわからない。
「ちょっと見てみますね。」
「よろしくお願いします。」
どんなスキルを得られたかは普通脳内に声のようなものが響くはずなのだが、それすらなかったので致し方なく職員の鑑定スキルをお願いすることにした。
「えーっと、発現スキルは収奪ですね。」
「『収奪』?『強奪』じゃなくて?」
「強奪はC級スキルですが、これは・・・色が黒いので何とも言えませんが下位互換だと推測するとE級でしょう。正直見たことがありませんねぇ。」
スキル発現を担当している職員ですら見た事のないスキル。
本来なら未発現スキルだと騒がれてもいいはずなのに名前のせいかあまりいい印象がない。
E級スキルは総じてハズレだといわれているが、ここまできてまさかハズレを引き当てるとか・・・。
はぁ、まじで勘弁してくれよ。
世の中が大予言が外れたと盛り上がっていた年。
2001年。
世の中がミレニアムだなんだと盛り上がっていた年。
そして2002年。
前と後ろの数字が合わさった年にそれは起こった。
事の起こりはエジプトかどこかの未発見の遺跡から発見された一冊の魔術書。
まぁ、魔術書とわかったのはその翌日なんだけどもともかくそれが見つかった後この世界は一変した。
発見の報が世界中に広がった翌日、世界各地で同時多発的に起きた部分崩壊。
後にダンジョンと呼ばれるそれが姿を現し中からあふれ出た魔物が各地を蹂躙。
かくして人類は絶滅の瀬戸際まで追いやられる・・・かと思われたのだが、それとほぼ時を同じくしてダンジョン内で発見されたクリスタルによりスキルが発現、これによりあふれ出た魔物は多大なる被害を出しながらも無事に討伐される事となった。
既存の重火器も一応はつかえたものの、鉄パイプやバールのようなもの等でスキルを使って直接相手を殴り切りつける方が実用的だとわかってからはそちらが優先して使われることとなる。
もし判明が遅れれば核の使用もあり得たという話らしいから早めにわかってよかっただろうなぁ。
「とまぁ、ここまでが皆さんご存じの第一次討魔戦争というわけです。」
「あの~、そんな話まだ聞かないとだめなんですか?」
「つまらないのはわかるけどこれも決まりなんでね、それに我々の生活を豊かにしてくれるダンジョンについてよく知る事は今後のやりがいにも繋がってくるってものだし。え、やりがいなんてない?奇遇だね僕もそうなんだ。でもほらこれで給料もらってるからとりあえず最後まで聞いてもらえると嬉しいなぁ。」
ギルド職員は慣れた感じで参加者の言葉を流して続きを話し始める。
今日もいい天気だ。
外を見ると真っ青な空にいくつか綿雲が浮かんでいる。
見た目には平和そのもの、とはいえダンジョンの中では今でも熾烈な戦いが繰り広げられているとかいないとか。
ダンジョンがもたらしたのは決して破壊だけではない。
これまで地上になかった素晴らしいエネルギー源や素材、資源、そして魔導具と呼ばれる道具たち。
これらは2000年続いて積み上げてきた人類の知恵と英知を悉く否定したが、それを新たに利用することで人類は更なる発展を遂げる事となる。
かくしてダンジョンは忌避すべき存在から金の成る木、もしくはエネルギーや資源の採掘現場として人々に受け入れられるようになったわけだな。
ま、ぶっちゃけ潜る理由なんて金の為でしかない俺にとっては難しい話はどうでもいい話だけど。
耳タコの話を聞き流しながら時間をやり過ごし、やっとその時がやってきた。
「これにて講義は終了です。実技試験を通過した皆さんには練習場に移動していただき、ギルドの用意したクリスタルを用いた発現テストをしていただきます。なお、提供は一度限りですが未発現の場合は自己負担にて購入いただくことも可能ですのでご安心ください。では参りましょう。」
長い長い講義を聞いたのも全てはこれに挑戦できるから。
一般でも購入はできるものの一つ20万円とかなり高額な上に絶対にスキルが発現するとは限らない為、宝くじ、もしくはガチャと呼ばれている。
そんな高額な物を講習を聞くだけで気前よく使わせてくれるあたり冒険者ギルドってのは儲かるんだろうなぁ。
第一次討魔戦争の後、当初は誰でも探索者(エクスプローラー)としてダンジョンに潜ることができたものの、あまりにも生還率が低かったため人命優先の観点から探索者ギルドという組織が発足。
スキルの発現もしくは最低限の実力がない人は侵入することが出来なくなった。
スキルが無くても実力さえあれば潜れることから比較的開かれた条件ではあるけど、人命優先と言いながらそういう人をポイポイ放り込むあたりそれだけダンジョンから産出される資源や道具に価値があるってことなんだろう。
実技試験は通過しているので列に加わり練習場へ移動する。
一緒に参加しているのは老若男女と様々で、上は60を超えてそうな爺さんから下は下限である高校生まで幅広い年齢が通過しているようだ。
人は見た目によらないってことなんだろう、まぁ俺も見た目の割には戦える・・・はず?
25歳、一度はサラリーマンとしてダンジョン産素材の仕分け販売の会社に就職したもののあまりにもブラックすぎて退社した。
研修の時からブラックな感じがにじみ出ていたけど、サービス残業に休日出社は当たり前、極めつけは無許可でのダンジョン探索とかがあったため覚悟を決めた。
まぁその時の戦闘研修があったおかげでこうやって実技試験を楽々パス出来たわけだけども。
そんな経験をしているからか同年代の奴らはそういったところから逃げて来たんじゃないかと勝手に想像してしまう。
世知辛いもんだ。
「では、これよりスキル発現に挑戦していただきます。クリスタルをお渡ししますのでどうぞ順番に受け取ってください。」
我先にと職員に群がる参加者に加わるのがちょっと嫌で一番最後にもらいに行くことに。
「お待たせしました、いいのが当たるといいですね。」
探索ギルドの職員ってなんでこんなに可愛い子が多いんだろうか。
ニコリとほほ笑む姿に思わずときめきそうになってしまうあたり男ってのは単純な生き物だ。
「それではお手元にあるクリスタルに向けて魔力を流していただきます。一定量流しますとクリスタルが反応、スキルが発現した場合はランクに応じた色に変化いたします。E級~S級まで、これはもう説明の必要はありませんよね。では、どうぞ!」
まるでお遊びのような掛け声の後、一斉に参加者がクリスタルに魔力を流し始める。
ダンジョン出現後、人間の体の中に魔物と同じ力が流れていることが確認され今に至る。
魔力量には個人差があり、ある人はあるしない人は全くない。
これに関しては後天的に増やすことができるそうだが今のところスキルの発現とは無関係と言われている。
体の奥底に流れる何かを掴み、それを腹から腕そしてクリスタルへと流れ込むように意識を集中。
来い。
来い!
力を流し込んで数秒、突然クリスタルが白く光り出した。
白は最低でもC級以上、これは!と思ったのもつかの間色は複雑に色を変え最後は真っ黒になってしまった。
「おや、失敗・・・ではなさそうですね。黒はちょっと見たことないんですけど、スキルは発現しているみたいだしなぁ。」
講義をしていたギルド職員がクリスタルを見て首をかしげる。
確かに発現はしている、未発現の場合は色は変わらないはずなので何かが出たのは間違いない。
だがそれが何かは全くわからない。
「ちょっと見てみますね。」
「よろしくお願いします。」
どんなスキルを得られたかは普通脳内に声のようなものが響くはずなのだが、それすらなかったので致し方なく職員の鑑定スキルをお願いすることにした。
「えーっと、発現スキルは収奪ですね。」
「『収奪』?『強奪』じゃなくて?」
「強奪はC級スキルですが、これは・・・色が黒いので何とも言えませんが下位互換だと推測するとE級でしょう。正直見たことがありませんねぇ。」
スキル発現を担当している職員ですら見た事のないスキル。
本来なら未発現スキルだと騒がれてもいいはずなのに名前のせいかあまりいい印象がない。
E級スキルは総じてハズレだといわれているが、ここまできてまさかハズレを引き当てるとか・・・。
はぁ、まじで勘弁してくれよ。
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