収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア

文字の大きさ
19 / 290

19.次の階層を偵察してみました

しおりを挟む
あの後も桜さんとのダンジョン探索は予想以上にサクサクと進み、予定よりも早く最初の難関であるストーンゴーレムを討伐することに成功した。

正直スキルなしでどうなる事かと思ったのだが彼女が盾でしっかりと攻撃を受け流してくれている間に俺が後ろから関節を攻撃、一回ではどうにもならなくても何十回と攻撃すれば少しずつではあるけれどダメージは溜まっていくので、最後には足を砕くことに成功した。

機動力がなくなれば後はひたすら攻撃するのみ。

正直そっちの方が大変だったのだが倒せるのなら格好良さなんてのは必要ない。

とはいえさすがに6階層以降は難易度が一気に上がるので、しばらくはゴーレムを倒しながらレベルを上げるという事で方向性は一致した。

「それじゃあ行ってくるから留守番宜しく。」

「くれぐれも気を付けてくださいね。」

「あれからレベルも上がったし、ちゃんと踏破してるんだから大丈夫だよ。」

「和人さんに何かあったらと思うと私・・・。」

「あー、その時はその時だからあきらめて。」

「そういうクールなところも素敵ですよね。いってらっしゃいませ!」

久しぶりのダンジョン単独攻略。

最初は一緒に行くと聞かなかったのだが、レベルが二桁に達した俺と一桁の彼女とではかなりの実力差があるだけに7階層に降りる俺の邪魔になると察してくれたんだろう。

久々のソロダンジョン。

この前ギルドで言われた短期間踏破の記録はあえて考えないことにしてまずはスキルを回収するところから始めることにした。

【ホーンラビットのスキルを収奪しました、突進。ストック上限はあと二つです。】

【アングリーバードのスキルを収奪しました、雄叫び。ストック上限はあと二つです。】

【ビッグムルシェラゴのスキルのスキルを収奪しました、エコー。ストック上限はあと二つです。】

スキルを回収していて気が付いたんだが、レベルアップと同時にスキルのレベルも上がっていたのかストック数が一つ増えて四つまで貯める事が出来るようになっていた。

種類は以前三つのままだが、使用回数が増えるのは非常にありがたい。

特にエコーは探索にぴったりのスキルなのでできればもう少し使えるようにしておきたいところだ。

エコーを使って蝙蝠の群生地を見つけ、そこで雄たけびを使って地上に引きずりおろして叩き潰す。

犬笛に突進の組み合わせのようにこれ!という感じで組み合わせるといい感じに探索が進むのがありがたい。

まるでそうして欲しいかのような魔物の配置だが、流石に偶然の一致というやつだろう。

「よし、それじゃあ偵察に行きますかね。」

スキルを回収していよいよ七階層へと足を踏み入れる。

これまでは洞窟というか通路のような道を歩かされてきたけれど今度は本物の森の様な光景が広がっていた。

一応通路っぽい構図ではあるようで天井付近にいくつも灯りっぽい何かがあるおかげでそこまで暗くはない。

だが、足元も含めて様々な植物が茂っていて何なら壁から本物の気が飛び出してきており非常に視認性が悪くなっている。

あくまでも今回は七階層の調査だけなので下手に深く潜るつもりはないのだが、それでもこれはなかなかに時間がかかりそうだ。

ここに出るのはアシッドスライムとボムフラワー。

強力な酸で出来た体を持つスライムは直接攻撃しか持たない俺には非常に厄介な存在だ。

スライムを倒すには核をつぶすしかないのだがその核を攻撃するためにあの酸に攻撃を加えなければならないのに加えてボムフラワーは爆発力の高い実を投げつけてくる非常に厄介な魔物。

花に手足が生え、歩きながら爆発する実を投げてくる姿はシュールの一言、動きはさほど早くないので気を付けていれば避けれないこともないのだが群れられると非常にめんどくさいことになる。

アシッドスライムの収奪スキルはなんとなくわかるんだが、ボムフラワーは候補が多いだけに中々絞り込むのが難しい。

とりあえず進むだけ進んでから考えよう。

「お、早速お出ましか。」

エコースキルを使用するとこちらに向かってゆっくりと進んでくる魔物を発見した。

慌てることなく武器を構え、角を曲がってきたところで思い切り棒を叩きこむ。

やってきたのはボムフラワー。

見事に頭、じゃなかった首をへし折ることに成功したようで倒れると同時に素材を残して床に吸収されていった。

「なるほど、こうやって実を残すのか。」

残ったのはゴルフボールぐらいの小さな実。

ボムフラワーの実は強い刺激を与えなければ爆発しないので、使い方さえ間違えなければ大きな被害が出る事はない。

しかしながらこれではスキルを確認できないわけで。

「次は気を付けないと。」

聞いた話では他の植物に紛れながら突然実を投げつけられたりする危険な場所との事だったのだが、エコースキルを使うとわずかにでも動く気配を感じられるのでスキルが聞いている間はそこまで危険はなさそうだ。

スキルを使ってゆっくりと進んでいるとほかの植物に交じって擬態している個体を発見。

向こうは俺が気付いていないと思っているんだろう、仕掛けてこないのをいいことに素早い動きで胴体と思われる部分を攻撃して花と胴体部分を分離させてみた。

すぐに吸収されない所から察するに本体は上で手足はおまけみたいな感じなんだろ。

「ドロー。」

【ボムフラワーのスキルを収奪しました、投擲。ストック上限はあと三つです。】

手に入れたのは投擲スキル。

文字通り投げて使うスキルだろうって事で、まずはスキルなしで石を投げると放物線を描くように飛んでいく。

じゃあスキルを使うとどうなるのか。

【ボムフラワーのスキルを使用しました。ストックはありません。】

まるで野球選手のような速度で石が正面の壁にぶち当たり、破片が左右にはじけ飛んだ。

さっきもそれなりに力を入れて投げたつもりだったが、スキルを使うと明らかに速度が違う。

こいつはやばい。

投げる物によってはこれだけで相手を仕留めることが出来る。

正面からならまだしも死角からこの速度で投げ込まれたら間違いなく避けられないだろう。

「魔物のスキルってなんでこんなに凄いんだ?それに比べて俺達のスキルときたら数は多いけど中途半端なのが多いよな。」

もちろん大当たりのスキルもあるけれど、身体強化なんかは本人のポテンシャルに左右されるので絶対に有効とは言えないんだよなぁ。

その点こいつらのスキルは使えば確実に結果を出す。

今の所犬笛と雄叫びはちょっとあれだけど、それでも組み合わせ次第ではしっかり結果を出してくれるもんなぁ。

今扱えるスキルの中でマストの編成は突進とエコーそしてこの投擲だろうか。

エコーに反応しているボムフラワーは後二匹、とりあえずそいつらからスキルを確保しつつ実の方も回収しておこう。

鬱蒼と茂る森の中を進むようにゆっくりとした足取りで獲物に近づき強襲する。

気分はまるでハンターだ。

ここまではもっとこうドンパチするような戦いを繰り返していただけにこういった戦い方は正直なれない、それでもエコーのおかげで今の所は問題なく来れているが、あとはいつアシッドスライムが出て来るか。

こいつを上手く処理できるかどうかで先に進めるかどうかが変わってくるだろう。

「ま、なんとかなるさ。」

今回はあくまでも探索が目的だし気楽にいこう、そう自分に言い聞かせてダンジョンの奥へと歩みを進めるのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

処理中です...