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135.体を鍛えることにしました
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ドワナロク武器売り場。
予約をしていたわけじゃないのにいつものように鈴木さんがエレベーター前で待ってくれていた。
監視カメラもあるしそういうので認識しているのかもしれないけど、別にそこまでしてもらわなくても良いのになぁ。
「なるほど城崎ダンジョンへ。」
「あそこなら鉱石収入も狙えますし、加古川ダンジョンよりかは攻略しやすいと聞いているんですけど、実際はどうなんですかね。」
「その方の持つスキル次第というところでしょうか。いい意味で加古川は可もなく不可もない場所ですが、一階層がかなり長く魔物の量も多いためスタミナ系のスキルで地道に進むか敏捷系のスキルで駆け抜けるかのどちらかが推奨されています。魔物が多い分素材も手に入りますが大量に手に入るため値段も安く儲けには繋がりません。その点城崎ダンジョンは属性武器と対環境装備が必須という制約はあるもののそれを満たせるのであれば比較的攻略は容易でしょう。」
「つまり金があればなんとかなると。」
「簡単に言えばそうなります。」
無味蓋もない話だが金さえあればある程度解決できてしまうのが実情。
スキルがないのなら金を積んで装備を買う、それをすればとりあえずCランクまではなれると言われているけど、そこから先は実力がものを言う世界だ。
実力とはズバリ基礎能力、単純に言えば鍛えろという事になる。
「その点和人君はそこそこ儲けているから装備に関しては大丈夫だね。」
「いやいや、いくらでもあるわけじゃないから。予算も決まってるしとりあえず物を確認してから考えても良いですか?」
「もちろんですとも、新明様に相応しい品をご準備させていただきます。ささ、皆様どうぞ奥へ。」
丁寧に案内しながらも鈴木さんの目が光ったのを俺は見逃さなかった。
まるで獲物を狙う肉食獣のよう、レベルも20になり一般人よりかは大分強くなったとは言えまだまだこの人に勝てる気がしないのは何故だろうか。
「本当にあれを買わなくてよかったんですか?」
ドワナロクで開門を済ませた俺たちはそのまま近くのカフェに移動して打ち合わせをしていた。
探索者向けの店舗ということもあり武器や大きな荷物を置くスペースがたくさんあるのが非常にありがたい。
もっとに俺たちの場合は買い物した荷物が殆どだけど。
「流石にあの値段はちょっと。いくらこの先も使えるとはいえ三桁はきつい。」
「えー、かっこいいと思うけどなぁ。」
「見た目で三桁出せるぐらい稼いでいたら良いですけど、他の装備を考えたら身の丈にあった物にしておかないと。」
「つまり持て余す?」
「そういう事、実際振らせてもらったけど今の俺じゃ装備を使うよりも使われるぐらいの性能だった。」
紹介されたのはフロストゴーレムのみが落とす魔鉱石【ルビジネの氷晶】を使った薙刀風の二節棍、片方の先端に短いながらも刃がついており持ち手を変えることで斬撃と打撃を変更することができる。
ルビジネの氷晶は鉱石系の中でもかなりの強度を持ちそれでいて非常に軽いのが特徴。
ただし火属性に対して非常に強力な特性を有するものの、それ以外の属性特に水属性や氷属性にはその有効性を発揮できないというデメリットもあり使い勝手がなんとも微妙。
それで三桁の価格がするのはそれだけ特効性が高くさらには属性を有しない普通の魔物にも高い攻撃力を発揮できるかららしい。
確かに篠山ダンジョンでは使いづらいかもしれないが、他のダンジョンではあまり気にしなくて済むし今回のように決まった属性の魔物しか出てこないのであれば使わないという選択肢はない。
とはいえ高難易度のダンジョンにもなると複数属性の魔物も出てくるので、結論として今は持て余すと判断した。
それならばもう少し下の価格で薦められた水隕鉄で作られた三節棍が値段的にも手ごろで城崎ぐらいなら十分に対応できるとのことだったのでそっちを買って挑んだ方がリセールを考えても使いやすいだろう。
もしどうしてもあれを使いたいのなら城崎でしっかり金を稼いでそのお金で買えばいい。
何にせよ城崎ダンジョンに行くために火属性対策装備は必要なので今回は水隕鉄を使うことにしたわけだ。
「思ったより早く終わっちゃったけど、この後どうする?和人君の武器を試しにダンジョンに行く?」
「いや、今日はそのままジムに行こうかなって考えてるんだ。もちろん二人がでかけるならかまわないけど。」
「え、ジムですか?」
「買っておいてなんだけど思っていた以上に水隕鉄が重いから一週間ぐらい鍛えてから潜りたいんだけど、駄目かな。」
色々考えた結果買った得物ではあるけれど、元々隕鉄がかなりの重量ということもあり実戦で今までのように振り回せるのかと聞かれると少々祇園が残る。
じゃあ高い方を買えっていう話になるけれど重たくて振り回されるなら振り回されないだけの筋力をつければ解決できるわけで、それなら基礎体力作りも兼ねてみっちりトレーニングをしようと考えていた。
体力作りもそうだけど筋力作りも探索者には必要なこと、ここまで収奪スキルで何とかしてきたけれどそれにも限界を感じている今だからこそ初心に戻ってしっかり鍛えなおすべきだろう。
デッドランナーとのマラソンでもそれを痛感しただけに今がそのチャンスなのかもしれない。
「いいんじゃない、基礎作りもいい探索者に大事なことだからね。この前和人君に足をがくがくにされちゃったから僕も鍛えなおさなきゃって考えてたんだよ。」
「え?それはどういう・・・。」
「そういう誤解のある言い方はどうかと思いますけど?あれはただ単に走りすぎただけじゃないですか。」
「和人君は不疲スキルがある辛いけどさぁ、僕なんてもうフラフラで大変だったんだから。」
「なんだかんだ最後は俺も小鹿みたいになってましたけどね。」
スキルのおかげで一時的には疲れを感じなくてもスキルが切ればその分の負担が一気にくるので疲れないというのは語弊がある。
兎にも角にも今後のために体力作りは重要だし、武器に振り回されないだけの筋力も必要。
レベルが上がれば必然的に増えていく部分ではあるけれど、基礎が上がればより強くなれることに違いはない。
「そういうことなら私もご一緒します。」
「別に無理に付き合わなくてもいいんだぞ?」
「師匠にもっと筋力をつけなさいって言われているんです。でも、ムキムキになっても嫌いにならないでくださいね。」
「大丈夫、和人君ならどんな姿でも愛してくれるから!」
「いや、流石にボディビルダーみたいなのは無理だから。」
こんな言い方をするとそちらを目指している方に申し訳ないけれど、あそこまでがちがちに鍛えられると格好はいいけれどそっちの目で見れないというかなんというか。
むしろある程度ふくよかな感じでも構わないと思うんだがその辺は女性と感覚がずれるところだよなぁ。
ともかくだ、全員体を鍛えたいと思っていたようなので次のダンジョンに潜る前にしっかりと基礎を固めることが決定。
折角やるなら確実に強くなりたいということで、桜さんのお師匠と呼ばれる方に基本から教えてもらうということになった。
これに関しては前々からお願いしていたところなので問題はないんだけども聞いた話ではかなりのスパルタらしい。
出来れば穏便に済ませたいところなんだけど・・・ま、なるようになるか。
予約をしていたわけじゃないのにいつものように鈴木さんがエレベーター前で待ってくれていた。
監視カメラもあるしそういうので認識しているのかもしれないけど、別にそこまでしてもらわなくても良いのになぁ。
「なるほど城崎ダンジョンへ。」
「あそこなら鉱石収入も狙えますし、加古川ダンジョンよりかは攻略しやすいと聞いているんですけど、実際はどうなんですかね。」
「その方の持つスキル次第というところでしょうか。いい意味で加古川は可もなく不可もない場所ですが、一階層がかなり長く魔物の量も多いためスタミナ系のスキルで地道に進むか敏捷系のスキルで駆け抜けるかのどちらかが推奨されています。魔物が多い分素材も手に入りますが大量に手に入るため値段も安く儲けには繋がりません。その点城崎ダンジョンは属性武器と対環境装備が必須という制約はあるもののそれを満たせるのであれば比較的攻略は容易でしょう。」
「つまり金があればなんとかなると。」
「簡単に言えばそうなります。」
無味蓋もない話だが金さえあればある程度解決できてしまうのが実情。
スキルがないのなら金を積んで装備を買う、それをすればとりあえずCランクまではなれると言われているけど、そこから先は実力がものを言う世界だ。
実力とはズバリ基礎能力、単純に言えば鍛えろという事になる。
「その点和人君はそこそこ儲けているから装備に関しては大丈夫だね。」
「いやいや、いくらでもあるわけじゃないから。予算も決まってるしとりあえず物を確認してから考えても良いですか?」
「もちろんですとも、新明様に相応しい品をご準備させていただきます。ささ、皆様どうぞ奥へ。」
丁寧に案内しながらも鈴木さんの目が光ったのを俺は見逃さなかった。
まるで獲物を狙う肉食獣のよう、レベルも20になり一般人よりかは大分強くなったとは言えまだまだこの人に勝てる気がしないのは何故だろうか。
「本当にあれを買わなくてよかったんですか?」
ドワナロクで開門を済ませた俺たちはそのまま近くのカフェに移動して打ち合わせをしていた。
探索者向けの店舗ということもあり武器や大きな荷物を置くスペースがたくさんあるのが非常にありがたい。
もっとに俺たちの場合は買い物した荷物が殆どだけど。
「流石にあの値段はちょっと。いくらこの先も使えるとはいえ三桁はきつい。」
「えー、かっこいいと思うけどなぁ。」
「見た目で三桁出せるぐらい稼いでいたら良いですけど、他の装備を考えたら身の丈にあった物にしておかないと。」
「つまり持て余す?」
「そういう事、実際振らせてもらったけど今の俺じゃ装備を使うよりも使われるぐらいの性能だった。」
紹介されたのはフロストゴーレムのみが落とす魔鉱石【ルビジネの氷晶】を使った薙刀風の二節棍、片方の先端に短いながらも刃がついており持ち手を変えることで斬撃と打撃を変更することができる。
ルビジネの氷晶は鉱石系の中でもかなりの強度を持ちそれでいて非常に軽いのが特徴。
ただし火属性に対して非常に強力な特性を有するものの、それ以外の属性特に水属性や氷属性にはその有効性を発揮できないというデメリットもあり使い勝手がなんとも微妙。
それで三桁の価格がするのはそれだけ特効性が高くさらには属性を有しない普通の魔物にも高い攻撃力を発揮できるかららしい。
確かに篠山ダンジョンでは使いづらいかもしれないが、他のダンジョンではあまり気にしなくて済むし今回のように決まった属性の魔物しか出てこないのであれば使わないという選択肢はない。
とはいえ高難易度のダンジョンにもなると複数属性の魔物も出てくるので、結論として今は持て余すと判断した。
それならばもう少し下の価格で薦められた水隕鉄で作られた三節棍が値段的にも手ごろで城崎ぐらいなら十分に対応できるとのことだったのでそっちを買って挑んだ方がリセールを考えても使いやすいだろう。
もしどうしてもあれを使いたいのなら城崎でしっかり金を稼いでそのお金で買えばいい。
何にせよ城崎ダンジョンに行くために火属性対策装備は必要なので今回は水隕鉄を使うことにしたわけだ。
「思ったより早く終わっちゃったけど、この後どうする?和人君の武器を試しにダンジョンに行く?」
「いや、今日はそのままジムに行こうかなって考えてるんだ。もちろん二人がでかけるならかまわないけど。」
「え、ジムですか?」
「買っておいてなんだけど思っていた以上に水隕鉄が重いから一週間ぐらい鍛えてから潜りたいんだけど、駄目かな。」
色々考えた結果買った得物ではあるけれど、元々隕鉄がかなりの重量ということもあり実戦で今までのように振り回せるのかと聞かれると少々祇園が残る。
じゃあ高い方を買えっていう話になるけれど重たくて振り回されるなら振り回されないだけの筋力をつければ解決できるわけで、それなら基礎体力作りも兼ねてみっちりトレーニングをしようと考えていた。
体力作りもそうだけど筋力作りも探索者には必要なこと、ここまで収奪スキルで何とかしてきたけれどそれにも限界を感じている今だからこそ初心に戻ってしっかり鍛えなおすべきだろう。
デッドランナーとのマラソンでもそれを痛感しただけに今がそのチャンスなのかもしれない。
「いいんじゃない、基礎作りもいい探索者に大事なことだからね。この前和人君に足をがくがくにされちゃったから僕も鍛えなおさなきゃって考えてたんだよ。」
「え?それはどういう・・・。」
「そういう誤解のある言い方はどうかと思いますけど?あれはただ単に走りすぎただけじゃないですか。」
「和人君は不疲スキルがある辛いけどさぁ、僕なんてもうフラフラで大変だったんだから。」
「なんだかんだ最後は俺も小鹿みたいになってましたけどね。」
スキルのおかげで一時的には疲れを感じなくてもスキルが切ればその分の負担が一気にくるので疲れないというのは語弊がある。
兎にも角にも今後のために体力作りは重要だし、武器に振り回されないだけの筋力も必要。
レベルが上がれば必然的に増えていく部分ではあるけれど、基礎が上がればより強くなれることに違いはない。
「そういうことなら私もご一緒します。」
「別に無理に付き合わなくてもいいんだぞ?」
「師匠にもっと筋力をつけなさいって言われているんです。でも、ムキムキになっても嫌いにならないでくださいね。」
「大丈夫、和人君ならどんな姿でも愛してくれるから!」
「いや、流石にボディビルダーみたいなのは無理だから。」
こんな言い方をするとそちらを目指している方に申し訳ないけれど、あそこまでがちがちに鍛えられると格好はいいけれどそっちの目で見れないというかなんというか。
むしろある程度ふくよかな感じでも構わないと思うんだがその辺は女性と感覚がずれるところだよなぁ。
ともかくだ、全員体を鍛えたいと思っていたようなので次のダンジョンに潜る前にしっかりと基礎を固めることが決定。
折角やるなら確実に強くなりたいということで、桜さんのお師匠と呼ばれる方に基本から教えてもらうということになった。
これに関しては前々からお願いしていたところなので問題はないんだけども聞いた話ではかなりのスパルタらしい。
出来れば穏便に済ませたいところなんだけど・・・ま、なるようになるか。
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