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231.安定した戦いが出来るようになりました
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「あ、あれー?」
「終わっちゃいましたね。」
ルナが仲間になって数日。
俺達は御影ダンジョンの最下層で恐竜二体と戦っていた。
ラピュトルとプティラノドン。
炎を纏って急降下するプティラの攻撃をかいくぐりながら、素早い動きで繰り出される鋭い鉤爪を避けなければならないというなかなか難易度の高い組み合わせ。
走破した時もスキルを組み合わせて何とか倒せたという決して余裕のある相手ではなかったはずだ。
にも関わらず今回はほぼスキルを使わず、なんなら完封に近い形で二体を撃破。
こちらも七扇さんとルナっていう増員はあったけれどまさかこんなに戦いやすくなるなんて思わなかった。
「プティラを和人君と凛ちゃんで抑え、ラピュトルの突進と爪をルナちゃんがしっかりと抑えてその隙にリルちゃんの爪と桜ちゃんのメイスが火を噴く。うん、完璧だったね。」
「あんなに苦労したのにこんなに簡単に倒せちゃうなんて、なんか不思議です。」
「もちろんレベルが上がってるってのもあると思うけど、やっぱり数は正義ってことだな。」
「ですね、安定感が違いました」
二人増えたことで出来ることも増えたし、前回苦労した遠距離攻撃が出来るようになったっていうのもあるけど一番はタンク役がいることだろう。
別に桜さんが悪かったっていうわけじゃないけど、大楯を装備したルナがまさかここまで頑丈だとは思っていなかった。
最初はドワナロクで買った隕鉄の大楯を装備させていたんだけど、折角ならとデュラハンがドロップしたそれを装備した途端明らかにルナの動きが変わったし安定感も全然違った。
どんな鋭い攻撃も受け止め、受け流し、時にはじき返す怪力。
後ろに居たら絶対に大丈夫だと安心できるそのパフォーマンスがあったからこそ、階層主を完封で来たんだろう。
あの後、使役がどういうものなのかも色々と調べてみた所、隷属と違って魔物が自分から相手を選んで服従した場合に表示されるアナウンスだという事が分かった。
主にテイマー系のスキルを持つ人が魔物を使役するらしいけど、稀に俺のように魔物から使役を望む場合もあるらしい。
だがその例は非常に少なく、しかもB級以上のダンジョンでしか確認されていないらしい。
その本に書かれていたのは使役を望むぐらいの知性が魔物に無いと成立しないからという事で、コボレートやスケルトンなど本能で動いている奴らはそもそもそこまで頭が回らないという事らしい。
その点隷属はブレスレットから召喚された状態なので使役とは根本的に状況が違い、ほぼ強制に近いものがあるらしい。
それでも実力が伴わなければ隷属出来ないので絶対的な強制力はないけれど、『普通の魔物が自分から其れを望む』というのが使役状態らしい。
因みにそれが成立すると持ち主以外には装備できない指輪が生成され、後はブレスレットと同じようにダンジョンの魔素に縛られることなく外の世界で暮らせるようになるんだとか。
一時、知恵のある魔物がわざと使役を望んで外に出て主人を殺したらどうするんだ!なんていう話も出たらしいけど、使役された魔物は決して主人を裏切らないし持ち主が死ぬと使役も解除されるので消えてしまうそうだ。
「これなら安心してC級ダンジョンにも挑戦できるな。」
「そうですね、何かあっても桜さんがすぐに来てくださるので取っても安心です」
「えへへ、私もどうしようかと思ったんですけど思ったよりもこの位置が戦いやすいみたいです」
「しかしまさかメイスとはなぁ、前に使ったとき使いにくいって言ってなかったっけ?」
「そうなんですけど、師匠に相談したら足りない筋力を増やせば問題ないと言われてしまって・・・。」
「あー、大変だな。」
今回の階層主撃破、もう一人の影の立役者といえばやはり桜さんだろう。
ルナがタンクポジションに入ったことで自分の立ち位置に悩み、今回サブタンクという新しい立ち位置でダンジョンに挑んだわけなんだがそれが思いのほかうまく機能していた。
なにより一番の変化は装備の変更、機動力から火力に意識を変えて前に一度使ったメイスをメイン武器に変更したらそれはもう安定感が全然違った。
カバーリングスキルがあるので盾でしっかり攻撃を受けつつ勢い受け流し、相手のバランスが崩れた所を受け流しの勢いを利用してメイスで叩きこむ。
メイスでもラッシュは使えるのでさらに火力が上がり、更には中衛に居ることで直感スキルと弱点看破を使いながら的確に指示を出せている。
俺はというと魔物の種類に応じて前衛と後衛を好きなように移動できるようになったので、ダンジョンの状況によって補助スキルを多めにするのか攻撃スキルを多めにするのかを選べるようになった。
走破したダンジョンが増えたことで収奪スキルの数も増えているし、レベルが上がっていることで現在八種類八つのスキルを駆使することができる。
後1レベル上がれば新たな恒常スキル、もしくは新しいスキルを手に入れる可能性もあるのでそうなればますます戦い方の幅が広がることだろう。
「それじゃあ報酬をもらって地上に戻ろうか、今日はルナちゃんの服を買いに行くって話だったよね。」
「ん?服?」
「そうなんです、外を歩くのに鎧だと目立っちゃうので新しい服を身に行こうと思って。」
「あー、確かにこの鎧は目立つといえば目立つけど・・・服?」
「何か問題ありましたか?」
「いや問題ない、もんだい・・・ないよな?」
なにやら女性陣はルナの服を買いに行くことで頭がいっぱいの様子、でも彼女の鎧の下ッて骨だよな?
流石に街中をスケルトンが歩いていると大問題になると思うんだが。
今でさえやっと隷属化した魔物が歩くことに慣れてきたとはいえ、それでも大型の魔物は規制されているし容認されているのはペットに見えるやつだけ。
そこに行きなりスケルトンはハードルが高くないだろうか。
「一応骨が見えないように工夫はしますよ?顔はフードをかぶりますし、手首なんかは長めの手袋で隠せば見えません。後はマキシ丈のスカートにして靴下を履けば大丈夫だと思うんです。とはいえまずは家で色々来てもらおうと思ってます。」
「だって折角女の子に生まれたんだからおしゃれも楽しみたいよね、ルナちゃん。」
コクコク。
「ほら~、甲冑もかっこいいけど案外中身はガーリーなのが好みなんだよ。」
「それならロングスカートじゃなくてマキシ丈のワンピースなんてどうですか?」
「いいね!あえて上はパーカーを羽織ってカジュアルにしてみるとか面白いかも。」
「パーカー風のマキシ丈ワンピなら家の中でも着れますからアリです。」
「あー、うん。迷惑にならないのならいいんじゃないかな。」
俺にはよくわからないけど、本人もその気なら楽しめばいいと思う。
ぶっちゃけ自宅で甲冑ってのも変だし、骨のままってのは裸と同じだからって却下が出ている。
となると必然的に服が必要になるわけだしこれは必要な投資だといえる。
「じゃあ、はい!」
「なんだその手は。」
「ルナちゃんの服代、ご主人様なんだから当然だよね?」
「ご主人って・・・まぁ、そうか。」
「私達からのプレゼントでもいいんですけど、綾乃ちゃんが駄目だっていうんです。」
「だって最初の服は好きな人に買ってほしいよねぇ。下着とかも気合入れないとだし、見られても大丈夫なようにしないと!」
「もう好きにしてくれ。」
これ以上ツッコミを入れると彼女が可哀そうなので何も言うまい。
とりあえず地上に戻ってから振り分けた報酬の全額を渡しておく。
ルナさんの分も合わせれば5万ぐらい、これだけあれば最低限の物は買えるだろう。
化粧品とかそういうのにはお金をかける必要はないし、十分足りる・・・はずだ。
今後ダンジョンに潜り続けるなら仲間同士のコミュニケーションは大切だし、それでモチベが上がるのならば安い投資と言えるだろう。
足りなかったら勝手に請求されるはず、楽しそうに町へ繰り出す彼女達を見送り俺は一人のんびり家路につくのだった。
「終わっちゃいましたね。」
ルナが仲間になって数日。
俺達は御影ダンジョンの最下層で恐竜二体と戦っていた。
ラピュトルとプティラノドン。
炎を纏って急降下するプティラの攻撃をかいくぐりながら、素早い動きで繰り出される鋭い鉤爪を避けなければならないというなかなか難易度の高い組み合わせ。
走破した時もスキルを組み合わせて何とか倒せたという決して余裕のある相手ではなかったはずだ。
にも関わらず今回はほぼスキルを使わず、なんなら完封に近い形で二体を撃破。
こちらも七扇さんとルナっていう増員はあったけれどまさかこんなに戦いやすくなるなんて思わなかった。
「プティラを和人君と凛ちゃんで抑え、ラピュトルの突進と爪をルナちゃんがしっかりと抑えてその隙にリルちゃんの爪と桜ちゃんのメイスが火を噴く。うん、完璧だったね。」
「あんなに苦労したのにこんなに簡単に倒せちゃうなんて、なんか不思議です。」
「もちろんレベルが上がってるってのもあると思うけど、やっぱり数は正義ってことだな。」
「ですね、安定感が違いました」
二人増えたことで出来ることも増えたし、前回苦労した遠距離攻撃が出来るようになったっていうのもあるけど一番はタンク役がいることだろう。
別に桜さんが悪かったっていうわけじゃないけど、大楯を装備したルナがまさかここまで頑丈だとは思っていなかった。
最初はドワナロクで買った隕鉄の大楯を装備させていたんだけど、折角ならとデュラハンがドロップしたそれを装備した途端明らかにルナの動きが変わったし安定感も全然違った。
どんな鋭い攻撃も受け止め、受け流し、時にはじき返す怪力。
後ろに居たら絶対に大丈夫だと安心できるそのパフォーマンスがあったからこそ、階層主を完封で来たんだろう。
あの後、使役がどういうものなのかも色々と調べてみた所、隷属と違って魔物が自分から相手を選んで服従した場合に表示されるアナウンスだという事が分かった。
主にテイマー系のスキルを持つ人が魔物を使役するらしいけど、稀に俺のように魔物から使役を望む場合もあるらしい。
だがその例は非常に少なく、しかもB級以上のダンジョンでしか確認されていないらしい。
その本に書かれていたのは使役を望むぐらいの知性が魔物に無いと成立しないからという事で、コボレートやスケルトンなど本能で動いている奴らはそもそもそこまで頭が回らないという事らしい。
その点隷属はブレスレットから召喚された状態なので使役とは根本的に状況が違い、ほぼ強制に近いものがあるらしい。
それでも実力が伴わなければ隷属出来ないので絶対的な強制力はないけれど、『普通の魔物が自分から其れを望む』というのが使役状態らしい。
因みにそれが成立すると持ち主以外には装備できない指輪が生成され、後はブレスレットと同じようにダンジョンの魔素に縛られることなく外の世界で暮らせるようになるんだとか。
一時、知恵のある魔物がわざと使役を望んで外に出て主人を殺したらどうするんだ!なんていう話も出たらしいけど、使役された魔物は決して主人を裏切らないし持ち主が死ぬと使役も解除されるので消えてしまうそうだ。
「これなら安心してC級ダンジョンにも挑戦できるな。」
「そうですね、何かあっても桜さんがすぐに来てくださるので取っても安心です」
「えへへ、私もどうしようかと思ったんですけど思ったよりもこの位置が戦いやすいみたいです」
「しかしまさかメイスとはなぁ、前に使ったとき使いにくいって言ってなかったっけ?」
「そうなんですけど、師匠に相談したら足りない筋力を増やせば問題ないと言われてしまって・・・。」
「あー、大変だな。」
今回の階層主撃破、もう一人の影の立役者といえばやはり桜さんだろう。
ルナがタンクポジションに入ったことで自分の立ち位置に悩み、今回サブタンクという新しい立ち位置でダンジョンに挑んだわけなんだがそれが思いのほかうまく機能していた。
なにより一番の変化は装備の変更、機動力から火力に意識を変えて前に一度使ったメイスをメイン武器に変更したらそれはもう安定感が全然違った。
カバーリングスキルがあるので盾でしっかり攻撃を受けつつ勢い受け流し、相手のバランスが崩れた所を受け流しの勢いを利用してメイスで叩きこむ。
メイスでもラッシュは使えるのでさらに火力が上がり、更には中衛に居ることで直感スキルと弱点看破を使いながら的確に指示を出せている。
俺はというと魔物の種類に応じて前衛と後衛を好きなように移動できるようになったので、ダンジョンの状況によって補助スキルを多めにするのか攻撃スキルを多めにするのかを選べるようになった。
走破したダンジョンが増えたことで収奪スキルの数も増えているし、レベルが上がっていることで現在八種類八つのスキルを駆使することができる。
後1レベル上がれば新たな恒常スキル、もしくは新しいスキルを手に入れる可能性もあるのでそうなればますます戦い方の幅が広がることだろう。
「それじゃあ報酬をもらって地上に戻ろうか、今日はルナちゃんの服を買いに行くって話だったよね。」
「ん?服?」
「そうなんです、外を歩くのに鎧だと目立っちゃうので新しい服を身に行こうと思って。」
「あー、確かにこの鎧は目立つといえば目立つけど・・・服?」
「何か問題ありましたか?」
「いや問題ない、もんだい・・・ないよな?」
なにやら女性陣はルナの服を買いに行くことで頭がいっぱいの様子、でも彼女の鎧の下ッて骨だよな?
流石に街中をスケルトンが歩いていると大問題になると思うんだが。
今でさえやっと隷属化した魔物が歩くことに慣れてきたとはいえ、それでも大型の魔物は規制されているし容認されているのはペットに見えるやつだけ。
そこに行きなりスケルトンはハードルが高くないだろうか。
「一応骨が見えないように工夫はしますよ?顔はフードをかぶりますし、手首なんかは長めの手袋で隠せば見えません。後はマキシ丈のスカートにして靴下を履けば大丈夫だと思うんです。とはいえまずは家で色々来てもらおうと思ってます。」
「だって折角女の子に生まれたんだからおしゃれも楽しみたいよね、ルナちゃん。」
コクコク。
「ほら~、甲冑もかっこいいけど案外中身はガーリーなのが好みなんだよ。」
「それならロングスカートじゃなくてマキシ丈のワンピースなんてどうですか?」
「いいね!あえて上はパーカーを羽織ってカジュアルにしてみるとか面白いかも。」
「パーカー風のマキシ丈ワンピなら家の中でも着れますからアリです。」
「あー、うん。迷惑にならないのならいいんじゃないかな。」
俺にはよくわからないけど、本人もその気なら楽しめばいいと思う。
ぶっちゃけ自宅で甲冑ってのも変だし、骨のままってのは裸と同じだからって却下が出ている。
となると必然的に服が必要になるわけだしこれは必要な投資だといえる。
「じゃあ、はい!」
「なんだその手は。」
「ルナちゃんの服代、ご主人様なんだから当然だよね?」
「ご主人って・・・まぁ、そうか。」
「私達からのプレゼントでもいいんですけど、綾乃ちゃんが駄目だっていうんです。」
「だって最初の服は好きな人に買ってほしいよねぇ。下着とかも気合入れないとだし、見られても大丈夫なようにしないと!」
「もう好きにしてくれ。」
これ以上ツッコミを入れると彼女が可哀そうなので何も言うまい。
とりあえず地上に戻ってから振り分けた報酬の全額を渡しておく。
ルナさんの分も合わせれば5万ぐらい、これだけあれば最低限の物は買えるだろう。
化粧品とかそういうのにはお金をかける必要はないし、十分足りる・・・はずだ。
今後ダンジョンに潜り続けるなら仲間同士のコミュニケーションは大切だし、それでモチベが上がるのならば安い投資と言えるだろう。
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