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21.初めて知った(シュゼット)
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「そして、ジュリアンヌのことも説明していませんね?
同じ教室で三年過ごすのに、問題を起さないと思いますか?」
「……お前が事情を説明しておけ。仕事が残っている」
お父様まで食事中だというのに立ち上がって出て行く。
残されたのはお義兄様と私。
ジェラルド様を夜会のバートナーにしてもらいたかっただけなのに、
どうしてこんな雰囲気になってしまったの?
「父上まで逃げたか……」
「お義兄様、説明って何?」
「ジュリアンヌはジェラルドの妹じゃない」
「は?」
「もともとは、ここイフリア公爵家の長女だ」
「……何を言っているの?イフリア公爵家の長女は私よ?」
「今はな。ジュリアンヌは俺の本当の妹だ。
同じレドアル公爵令嬢だった母から生まれている」
……何を言っているの?
お義兄様の妹?そんなの知らないわ。
「お前の母は俺たちの母を嫌っている。
ジュリアンヌのことは名前すら出したくないはずだ。
だから、使用人たちもお前に何も知らせなかったんだろう。
父上が最初から説明しておけばよかったというのに」
「……妹って本当なの?」
「俺とジュリアンヌの顔は似ていないか?
しばらく会っていないが、小さい頃は似ているとよく言われた」
「……そ、それは」
言われてみれば、お義兄様とジュリアンヌの髪は同じ色。
目は少し違うけれど、鼻の形が似ている。
並んでいたら兄妹に見えるくらいだと思う。
「じゃあ、どうしてジュリアンヌはジェラルド様を兄様と呼ぶの?」
「従兄だからおかしくないし、レドアル公爵家の養女になっている。
お前はジュリアンヌを呼び捨てにするな」
「どうしてよ。同じ公爵令嬢でしょう?」
「イフリア公爵家生まれでレドアル公爵令嬢になったジュリアンヌと、
伯爵家生まれで再婚で公爵家の養女になったお前では立場が違う。
きちんとジュリアンヌ様と呼べ」
「嫌よ」
「では、もう二度とお前とは口を利かない。
礼儀知らずとは話さないことにしているんだ」
「……わかったわよ」
従うのは悔しいけど、どうせ本人の前ではジュリアンヌ様と呼んでいる。
呼び捨てしたらダメだとお友達が言うからだ。
家に居る時くらいは呼び捨てでもかまわないと思っていたのに、
お義兄様にこんなことを言われるなんて。
ずっと身分が違うから私と話してくれなかったのかな。
悔しいな。お母様が最初からお父様と結婚していたら、
私が本当の公爵令嬢だったのに。
「ジュリアンヌがレドアル公爵家の養女になっているのは、
母上が離縁した時に一緒に連れて帰ったからだ。
お前の母がジュリアンヌに危害を加えないように避難したんだ」
「お母様が何をしたっていうの?」
「詳しいことは俺も知らないが、何かしたのは間違いない。
だから、レドアル公爵家にしてみたらイフリア公爵家の印象は最悪だ。
王命で娘を嫁がせたのに虐げて、孫まで危険にさらした。
ついでに言えば、娘が死んでそれほどたたないうちに愛人と再婚している」
「だって!それは!お父様が好きなのはお母様のほうだって!
お父様とお母様はずっと恋人だったのよ!?」
「それを愛人というんだ。知らないのか?」
「っ!」
そんなことないと叫びたかったけれど、冷たい目で見られ言えなかった。
お母様が悪いんじゃないのに。
お父様が好きなのはお母様だけなのに。
「おそらくジェラルドのパートナーはジュリアンヌだろう。
お前がジェラルドに選ばれることはない」
「これから選んでくれるかもしれないじゃない!」
「少なくとも俺はお前をパートナーに選ばない。身分以上に問題が多すぎる。
ジェラルドは同じ公爵令息だというだけじゃなく、俺とは従兄弟だ。
考えていることは似ているだろう」
「……そんなのはわからないわ」
「言ってもわからないだろうな。選ばれないのは、そういうところだ」
どうしてそこまで言われなきゃいけないんだろう。
ふくれっ面していたら、お義兄様はため息をついた。
「いいか?お前はただの養女であって、正式な娘じゃない。
この家の財産などを継ぐ権利は一切ない。
俺が公爵を継げばすぐにでも追い出せるような存在だ」
「そんなのはお父様が許さないわ!」
「だから、俺が公爵になればと言っただろう。
あと数年だ。学園を卒業するまでは待ってやる。
おとなしく第二王子と結婚して出て行くんだな」
本気で言っているの?
ここは私の家だって、お父様が言ってたのよ。
お母様だってやっと本当の立場に戻れたって喜んでたのに。
「どうせ何を言っても理解しないと思うが、これは脅しではない。
ジュリアンヌには手を出すな。直ちに追い出されたくなければな」
「……ジェラルド様にはいいの?」
「絶対に無理だというのに、まだあきらめていないのか。
レドアル公爵家の不評を買えば、父上も何もしないわけにはいかない。
学園を卒業しないで嫁がせることになるだろう」
「嫁がせる?レドアル公爵家に?」
私の質問には答えずに、また大きなため息をついたお義兄様は席を立つ。
そして、そのまま部屋へと戻って行った。
……いったい、なんなの?
どうしてお義兄様は一緒に暮らしている私とは仲良くしてくれないのに、
ずっと離れて暮らしているジュリアンヌを大事にするんだろう?
ジェラルド様だって、ジュリアンヌが本当の妹じゃないのなら、
夜会のパートナーにする必要ないじゃない。
……どうにかして、私を選んでもらわないと。
でも、どうすればいいんだろう。
誰かに相談……サミュエルに相談してみればいいのかも。
だって、公爵令息よりも王族のサミュエルのほうが身分は上だもんね。
明日の昼にでも相談してみようかな。
同じ教室で三年過ごすのに、問題を起さないと思いますか?」
「……お前が事情を説明しておけ。仕事が残っている」
お父様まで食事中だというのに立ち上がって出て行く。
残されたのはお義兄様と私。
ジェラルド様を夜会のバートナーにしてもらいたかっただけなのに、
どうしてこんな雰囲気になってしまったの?
「父上まで逃げたか……」
「お義兄様、説明って何?」
「ジュリアンヌはジェラルドの妹じゃない」
「は?」
「もともとは、ここイフリア公爵家の長女だ」
「……何を言っているの?イフリア公爵家の長女は私よ?」
「今はな。ジュリアンヌは俺の本当の妹だ。
同じレドアル公爵令嬢だった母から生まれている」
……何を言っているの?
お義兄様の妹?そんなの知らないわ。
「お前の母は俺たちの母を嫌っている。
ジュリアンヌのことは名前すら出したくないはずだ。
だから、使用人たちもお前に何も知らせなかったんだろう。
父上が最初から説明しておけばよかったというのに」
「……妹って本当なの?」
「俺とジュリアンヌの顔は似ていないか?
しばらく会っていないが、小さい頃は似ているとよく言われた」
「……そ、それは」
言われてみれば、お義兄様とジュリアンヌの髪は同じ色。
目は少し違うけれど、鼻の形が似ている。
並んでいたら兄妹に見えるくらいだと思う。
「じゃあ、どうしてジュリアンヌはジェラルド様を兄様と呼ぶの?」
「従兄だからおかしくないし、レドアル公爵家の養女になっている。
お前はジュリアンヌを呼び捨てにするな」
「どうしてよ。同じ公爵令嬢でしょう?」
「イフリア公爵家生まれでレドアル公爵令嬢になったジュリアンヌと、
伯爵家生まれで再婚で公爵家の養女になったお前では立場が違う。
きちんとジュリアンヌ様と呼べ」
「嫌よ」
「では、もう二度とお前とは口を利かない。
礼儀知らずとは話さないことにしているんだ」
「……わかったわよ」
従うのは悔しいけど、どうせ本人の前ではジュリアンヌ様と呼んでいる。
呼び捨てしたらダメだとお友達が言うからだ。
家に居る時くらいは呼び捨てでもかまわないと思っていたのに、
お義兄様にこんなことを言われるなんて。
ずっと身分が違うから私と話してくれなかったのかな。
悔しいな。お母様が最初からお父様と結婚していたら、
私が本当の公爵令嬢だったのに。
「ジュリアンヌがレドアル公爵家の養女になっているのは、
母上が離縁した時に一緒に連れて帰ったからだ。
お前の母がジュリアンヌに危害を加えないように避難したんだ」
「お母様が何をしたっていうの?」
「詳しいことは俺も知らないが、何かしたのは間違いない。
だから、レドアル公爵家にしてみたらイフリア公爵家の印象は最悪だ。
王命で娘を嫁がせたのに虐げて、孫まで危険にさらした。
ついでに言えば、娘が死んでそれほどたたないうちに愛人と再婚している」
「だって!それは!お父様が好きなのはお母様のほうだって!
お父様とお母様はずっと恋人だったのよ!?」
「それを愛人というんだ。知らないのか?」
「っ!」
そんなことないと叫びたかったけれど、冷たい目で見られ言えなかった。
お母様が悪いんじゃないのに。
お父様が好きなのはお母様だけなのに。
「おそらくジェラルドのパートナーはジュリアンヌだろう。
お前がジェラルドに選ばれることはない」
「これから選んでくれるかもしれないじゃない!」
「少なくとも俺はお前をパートナーに選ばない。身分以上に問題が多すぎる。
ジェラルドは同じ公爵令息だというだけじゃなく、俺とは従兄弟だ。
考えていることは似ているだろう」
「……そんなのはわからないわ」
「言ってもわからないだろうな。選ばれないのは、そういうところだ」
どうしてそこまで言われなきゃいけないんだろう。
ふくれっ面していたら、お義兄様はため息をついた。
「いいか?お前はただの養女であって、正式な娘じゃない。
この家の財産などを継ぐ権利は一切ない。
俺が公爵を継げばすぐにでも追い出せるような存在だ」
「そんなのはお父様が許さないわ!」
「だから、俺が公爵になればと言っただろう。
あと数年だ。学園を卒業するまでは待ってやる。
おとなしく第二王子と結婚して出て行くんだな」
本気で言っているの?
ここは私の家だって、お父様が言ってたのよ。
お母様だってやっと本当の立場に戻れたって喜んでたのに。
「どうせ何を言っても理解しないと思うが、これは脅しではない。
ジュリアンヌには手を出すな。直ちに追い出されたくなければな」
「……ジェラルド様にはいいの?」
「絶対に無理だというのに、まだあきらめていないのか。
レドアル公爵家の不評を買えば、父上も何もしないわけにはいかない。
学園を卒業しないで嫁がせることになるだろう」
「嫁がせる?レドアル公爵家に?」
私の質問には答えずに、また大きなため息をついたお義兄様は席を立つ。
そして、そのまま部屋へと戻って行った。
……いったい、なんなの?
どうしてお義兄様は一緒に暮らしている私とは仲良くしてくれないのに、
ずっと離れて暮らしているジュリアンヌを大事にするんだろう?
ジェラルド様だって、ジュリアンヌが本当の妹じゃないのなら、
夜会のパートナーにする必要ないじゃない。
……どうにかして、私を選んでもらわないと。
でも、どうすればいいんだろう。
誰かに相談……サミュエルに相談してみればいいのかも。
だって、公爵令息よりも王族のサミュエルのほうが身分は上だもんね。
明日の昼にでも相談してみようかな。
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