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第二章
家族の危機はわたしが救う
しおりを挟む「へぇ……随分と変わったね……」
「ん?何か言った?」
「ううん。何でもない。
それよりこれ、ありがとう。
ヴァイオレットお姉ちゃんは天使みたいだね」
その笑顔にキュンとなる。
アモルの方が天使だよぉっ!!
わたしは優しく微笑んでアモルの頭を撫でた。
「いいのよ。早くお母さんの病気が治るといいね」
「うん。絶対に治るよ!
……お礼におねえちゃんを助けてあげる」
「え? 助けるって?」
「お姉ちゃんここの聖女なんでしょ。
アンガス教皇様に脅されて仕方なく
ここにいるけど、本当はここから出たいんだよね?」
えっ
なんでそんなこと知って……。
「……アンガス教皇様は
ヴァイオレットお姉ちゃんを殺そうとしてる。
早くこの教会から逃げた方がいいよ」
突然雰囲気の変わったアモル。
いきなりどうしたんだろう。
それに、アンガス教皇がわたしを殺すって
どういうこと……??
何かの勘違いじゃ……。
「アモル……?どうしたの?
何かのごっこ遊び?」
アモルはゆっくりと首を振り
わたしを見据えた。
「僕はね全てを見通す力を持っているんだ。
だから、教皇が君を狙っていることも分かる。
今逃げなければ、君は殺されるよ。
それに……大切な家族をも失うことになる……」
……全てを見通す力?
「アモル?何かの冗談を
言っているんですよね……?」
アンガス教皇はわたしが逃げ出したりしない限り
家族や友人の安全は保障すると約束してくれた。
わたしを殺す理由がないし
家族も無事なはずだ。
「アンガスは、闇の力を欲しているんだよ。
妻の仇を取るためにね。だから君を聖女へと迎え入れた。だけどその背後には大きな黒幕がいる。君の両親はその黒幕に捕らえられているんだ」
アモルはわたしの心を見透かしたように答え
真剣な表情をした。子供だというのに
大人びた発言をするアモルはまるで別人だ。
本当なの?
アモルは全てを見通す力を持っていて
わたしが殺されるって知っているの?
だとしたら。
背筋が凍るような感覚に陥り、
わたしは両腕をギュッと抱きしめた。
そしてわたしの家族が危機に陥っている?
そんなの。
どうして早く気づけなかったんだろう。
手紙が届かなくなった時点で怪しいと
思うべきだったのに……。
〈まさか、セレニテも……〉
ボスが呆然と呟き、ハッとなる。
最近姿を見せなかったのは、まさか。
「もうじきカイルが君を助けに来る。
君は彼と共に王城へ向かうんだ。
……今の君なら幸せな
未来を紡げると信じてるよ……」
瞬きをするとアモルはいなくなっていた。
「え? アモル?」
もしかして、わたしが今まで話していたのは精霊?
それとも幻だったのかな。
でも今はそんなことに構ってられない。
ありがとう、アモル。
大切なことを教えてくれて。
家族の危機はわたしが救ってみせる。
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