ヴァイオレットは幸せですか?

藤川みはな

文字の大きさ
28 / 59

白き令嬢を妬む者

しおりを挟む




「あー、楽しみだなぁ。アリス様の
誕生パーティー!」

わたしはふふふと笑った。

「お嬢様、それは何よりですが
勉強をおろそかにしてはいけませんよ?」
ルイス先生が苦笑する。

わたしは誤魔化すようにえへへと笑い頷いた。

今は、国の歴史についてルイス先生に
教えてもらっている。

前世と違う国の歴史にときめきを隠せないよ。
もしかしたらわたしは歴史が好きなのかも。

「それにしても、本当に大丈夫ですか?
オリヴィア大公爵家へ行くなんて」

ルイス先生は心配そうに眉を八の字にする。

お父様といい、ルイス先生といい心配しすぎだよっ。

「ルイス先生、心配しすぎですよ!
私はもう十歳。大人へと近づきつつあります。
心配は無用です!」

胸を張るとルイス先生はますます
心配そうな顔になった。

もうっ過保護ですね!

「ルイスーっ!!」
お父様がばぁぁぁんっと私たちのいる部屋の
扉を開け放った。

「勉強はもう終わりの時間だぞっ!
さっさと帰れ!!」

お父様…。
ルイス先生が来てからいつもこうなんだよね。

「ごめんなさいルイス先生。いつもいつも…」

「気にしてませんよ、もう慣れましたし」
爽やかに笑うルイス先生。

ルイス先生が慣れるほど毎回、
授業が終わる時間になるといつも
突入してくるお父様って一体…。

「では、授業は終わりにしましょうか。
お疲れ様でした」

「はい。今日もありがとうございました」

ルイス先生が帰っていくのを見届けると
わたしは軽くお父様を睨みつけた。

「お父様、親バカにも程がありますよ。
私まで恥ずかしい思いをしました」

「うっ、ごめんよレティ。でも心配なんだよ~」

「まぁ、アルフレッド、  
私のことは心配じゃないの?」
反対側のソファーに腰掛けた
お母様が悲しげな顔をした。

「まさかっ。そんなはずないよ!いつも
君のことを心配しているよ。君はとても美人だから
誰かがイザベルを攫っていくんじゃないかってね」

「まぁ、アルフレッドったら。
私だって心配してるわ。あなたが出かけていくとき
どこぞの令嬢があなたを誘惑してしまうかもって」

完全に二人の世界に入ってますね。
私は遠い目で二人を見つめる。

イリスとヴェルデはお昼寝をしているので
この場にはいない。
ボスとセレニテも双子の近くにいる。

寝顔が天使みたいなんだよねー うふふ。

「レティ、大公爵家には、私たちも行くけど
充分に気をつけるんだよ。レティには
闇の力があるんだからね」

お父様の緑柱石の瞳が不安げに揺れたのを見て
私はにっこり笑った。

「安心してください。
お父様とお母様を心配させるようなことはしません。
それに、当日はセレニテとボスも
ついていてくれますから」

「えぇ、そうね。レティはとても強いもの。
きっと大丈夫よ」

お母様が私の横に座り優しく頭を撫でた。

あぁ、幸せだな。
わたしはお母様に抱きつく。

この幸せがずっと続いたらいいな。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか

佐藤醤油
ファンタジー
 主人公を神様が転生させたが上手くいかない。  最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。 「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」  そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。  さあ、この転生は成功するのか?  注:ギャグ小説ではありません。 最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。 なんで?  坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...