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第二章
ヴァイオレット13歳
しおりを挟む「お嬢様、いつもの髪型でよろしいですか?」
朝日が窓から差し込み、小鳥がさえずる
爽やかな朝。
リナが尋ねてきたのでわたしは
淑女らしい笑みを浮かべて微笑んだ。
「はい。この髪型お気に入りなんです」
鏡の中のわたしは赤いリボンで
ここ数年で背中まで伸びた銀髪を
ツインテールにまとめにっこり笑っていた。
あの事件から、お母様が
色々な封魔具の髪飾りを作ってくれたんだよね。
おかげでたくさんオシャレができるよ。
「ありがとう、リナ」
「いいえ。それにしても、
お嬢様は女神様のように
美しいですね。羨ましいわ」
「女神だなんて……ありがとうございます」
お世辞だと軽く受け流すとリナは複雑な顔をした。
「お嬢様は自分の美しさを分かってないですね…」
「何を言ってるんですか。
わたしなんかよりリナの方が
美人さんじゃないですか」
「お、お嬢様……」
顔を赤らめて胸に
手を当てているけどどうしたのかな?
まぁいいや。
今日はフロルちゃんから相談に乗るんだ。
今世で初めて人に頼られてるよっ!
嬉しい~!
「フロルちゃーん! 来たよー!」
いつものようにフロルちゃんの部屋の扉を
ノックすると誰かの話し声が聞こえてきた。
だれかいるのかな?
ガチャっと扉が開き出てきたのは
海色の瞳に紫色の髪が特徴的な
10代後半くらいのお兄さん。
鼻が高くて瞳もキリッとしている。
お兄さんは目が合うと驚きの表情を浮かべた。
「銀髪に紫色の瞳……もしかして君……公爵家の?」
「あっ、レティちゃんっ!」
後ろからフロルちゃんの声が上がり
駆け寄って来る。
フロルちゃんは最近、可愛さに磨きがかかってるね。
恋人とかできてもおかしくないくらい!
はっ、でもフロルちゃんの結婚相手は
わたしが見極めるんだからねっ!
「お兄ちゃんっ わたしのお友達の
レティちゃんだよ!」
フロルちゃん嬉しそうにしているけど
お兄ちゃんいたっけ?
「フロルちゃん、この方はお兄さん?」
「ううん。ここで働いてる
ルークお兄ちゃん。血の繋がりはないけど
小さい頃からの仲だから」
「はじめまして」
礼儀正しく頭を下げるルークさんにわたしも
礼を返した。
「はじめまして……ヴァイオレット・アゼリアです。
一応、公爵家の娘です」
「やっぱり公爵家のご令嬢なんですね。
はじめまして、僕はこの店で働かせてもらってる
ルーク・ライルです。
いつもフロルから楽しいお話聞かせてもらってます」
「そ、そうなんですね……」
「じゃあ僕はこれから用事があるので
これで失礼しますね。
あとはお2人で楽しんでください。
じゃあな、フロル」
「うん、じゃあね」
ニコッと笑うルークさん。
誰かと違って紳士だなぁ。
「……それでフロルちゃん、話って」
フロルちゃんに視線を向けると
フロルちゃんが熱のこもった視線を
どこかに向けていた。
何見てるんだろう。
わたしもフロルちゃんが見ている方向に目をやると
こちらに背中を向けたルークさんが映った。
ん?
もしかして、フロルちゃんって……。
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