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信じるしかないさ
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どうやって天音が俺の部屋に侵入したのか――その答えは直ぐに分かった。
桃枝がハッキングしてこじ開けたらしい。
なんてことしやがるっ!
「ごめんね、てっちゃん」
さ、さすがというか……桃枝、恐ろしい子!
いや、それよりも天音を説得せねば、大変なことに。このままでは殺されてしまうぞ、俺が。
「天音、その……すまん」
「う、うん。ごめん、ちょっと取り乱しちゃった」
「許してくれるのか?」
「1ナノメートルくらい」
1ナノって、そりゃ全然許してないじゃないか!?
ちなみに、1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1だ。
「あとで時間作るからさ」
「約束だよ、早坂くん」
じと~~~っとした目で見られ、俺は少し居心地が悪かった。天音は思ったより嫉妬深いということを忘れていた。
でも、嬉しくもある。
それだけ俺を思ってくれているということだから。
この埋め合わせは必ず。
◆
北上さんに呼び出され、俺はひとり部屋へ向かった。
扉をノックして開けると、ちょうどシャツを着ているところだった。下着がモロ見えだった。
――な、なんてタイミング!
「あ……」
「来ましたか、哲くん」
「そ、その……すまん」
「……? いいからこちらへ」
気づいていないのか、気にしていないだけなのか。まあ、いいか。
「で、話ってなんだ?」
「ええ。その、今日はもう移動した方がいいかと」
「ふむ……」
「桃枝に聞いたところ、周囲の動きが活発になっているようですし」
「そうだな。これから危険しかないと思う。さっさと海外へ行くべきだ」
「その通りです。ですが、それでも長野に行くのですね」
「そうだ。倒せるのなら倒したいが」
かなり無謀だとは思っている。でも、今のまま日本を離れてもあまり意味はないんじゃないかと感じている。どのみち、海外でも命を狙われかねないし。
せめて櫛家だけでも壊滅させておいて損はない気がする。
「わかりました。ならば、移動を開始しましょう」
「いいのか?」
「はい。あたしとしても、今回のこと……いろいろ気になる点があるので」
「そうなのか」
「特に八咫烏は……」
「そうだな。まずは調査してみよう」
・
・
・
いったん、ホテルをチェックアウトすることに。
全員、外に集合。
「哲くん、ここから電車で移動ですか?」
と、千年世が俺に質問してくる。
俺は「そうだ」と答えた。途中で新幹線に乗り換え、一気に大阪まで目指す。今日のプランはこれだ。
特に不満や拒否もなかったので、全員意見が一致ということで移動開始へ。
駅まで向かい――乗車。
宮崎県から大分県まで向かい、更に福岡県まで目指す。
かなりの移動距離と時間が掛ったが、なんとか到着した。
「今日のところは福岡で一泊かな」
疲れた表情でリコはホテルを見つめる。そうだな、一日中移動していたから、足腰が疲れてしまったな。
「そうしよう。明日、新幹線に乗る」
「決まりだねー」
今日もホテルで一泊だ。
近くの良さげなホテルへ向かう途中、木下さんが俺を呼び留めた。
「早坂くん、ちょっといいかな」
「なんでしょう?」
「実は、古森から連絡があったね」
「え、古森さんから……?」
「助けが欲しいとね」
「……なにかあったのですか?」
「詳しくは分からない。だけど署で揉めているみたいだ。今回の事件のことで……」
「そうだったのですか」
「ああ、なので私はいったん離脱するが、明日には必ず合流する」
「わかりました。間に合わなくても、こっちの位置を教えるので」
「そうしてくれると助かる。では――」
木下さんはどこかへ去っていく。
事情を知らないみんなにも情報共有した。
「木下さん、大丈夫かな?」
不安そうに木下さんの背中を見つめる天音。きっと大丈夫だ。あの刑事なら。
「信じるしかないさ」
「……うん、そうだよね」
「それより、今日はどこかでパァ~っとやろう」
「いいね! 昨晩は、早坂くん寝ちゃってたしさ、みんなで楽しもう」
「おう」
それに、天音の穴埋めもしないといけないからなっ。
桃枝がハッキングしてこじ開けたらしい。
なんてことしやがるっ!
「ごめんね、てっちゃん」
さ、さすがというか……桃枝、恐ろしい子!
いや、それよりも天音を説得せねば、大変なことに。このままでは殺されてしまうぞ、俺が。
「天音、その……すまん」
「う、うん。ごめん、ちょっと取り乱しちゃった」
「許してくれるのか?」
「1ナノメートルくらい」
1ナノって、そりゃ全然許してないじゃないか!?
ちなみに、1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1だ。
「あとで時間作るからさ」
「約束だよ、早坂くん」
じと~~~っとした目で見られ、俺は少し居心地が悪かった。天音は思ったより嫉妬深いということを忘れていた。
でも、嬉しくもある。
それだけ俺を思ってくれているということだから。
この埋め合わせは必ず。
◆
北上さんに呼び出され、俺はひとり部屋へ向かった。
扉をノックして開けると、ちょうどシャツを着ているところだった。下着がモロ見えだった。
――な、なんてタイミング!
「あ……」
「来ましたか、哲くん」
「そ、その……すまん」
「……? いいからこちらへ」
気づいていないのか、気にしていないだけなのか。まあ、いいか。
「で、話ってなんだ?」
「ええ。その、今日はもう移動した方がいいかと」
「ふむ……」
「桃枝に聞いたところ、周囲の動きが活発になっているようですし」
「そうだな。これから危険しかないと思う。さっさと海外へ行くべきだ」
「その通りです。ですが、それでも長野に行くのですね」
「そうだ。倒せるのなら倒したいが」
かなり無謀だとは思っている。でも、今のまま日本を離れてもあまり意味はないんじゃないかと感じている。どのみち、海外でも命を狙われかねないし。
せめて櫛家だけでも壊滅させておいて損はない気がする。
「わかりました。ならば、移動を開始しましょう」
「いいのか?」
「はい。あたしとしても、今回のこと……いろいろ気になる点があるので」
「そうなのか」
「特に八咫烏は……」
「そうだな。まずは調査してみよう」
・
・
・
いったん、ホテルをチェックアウトすることに。
全員、外に集合。
「哲くん、ここから電車で移動ですか?」
と、千年世が俺に質問してくる。
俺は「そうだ」と答えた。途中で新幹線に乗り換え、一気に大阪まで目指す。今日のプランはこれだ。
特に不満や拒否もなかったので、全員意見が一致ということで移動開始へ。
駅まで向かい――乗車。
宮崎県から大分県まで向かい、更に福岡県まで目指す。
かなりの移動距離と時間が掛ったが、なんとか到着した。
「今日のところは福岡で一泊かな」
疲れた表情でリコはホテルを見つめる。そうだな、一日中移動していたから、足腰が疲れてしまったな。
「そうしよう。明日、新幹線に乗る」
「決まりだねー」
今日もホテルで一泊だ。
近くの良さげなホテルへ向かう途中、木下さんが俺を呼び留めた。
「早坂くん、ちょっといいかな」
「なんでしょう?」
「実は、古森から連絡があったね」
「え、古森さんから……?」
「助けが欲しいとね」
「……なにかあったのですか?」
「詳しくは分からない。だけど署で揉めているみたいだ。今回の事件のことで……」
「そうだったのですか」
「ああ、なので私はいったん離脱するが、明日には必ず合流する」
「わかりました。間に合わなくても、こっちの位置を教えるので」
「そうしてくれると助かる。では――」
木下さんはどこかへ去っていく。
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「木下さん、大丈夫かな?」
不安そうに木下さんの背中を見つめる天音。きっと大丈夫だ。あの刑事なら。
「信じるしかないさ」
「……うん、そうだよね」
「それより、今日はどこかでパァ~っとやろう」
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