クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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とある掲示板で情報収集

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 次の日の朝は、豪雨で新幹線も運行停止するほどのレベルだった。
 これでは動けない。
 想定外の悪天候、俺たちは足止めを食らった。

 福岡でもう一泊か……。

 幸い、金はあるからホテルには泊まれるけど。


 朝食はホテルのバイキングを利用することに。
 向かうとすでに皆の姿があって、お皿に欲しい分だけおかずを取っていた。ウィンナーやスクランブルエッグ、ベーコン……それに納豆や海苔のり。ごはんに豚汁まである。

 あとカレーだな。
 ホテルの朝食カレーは異様にうまいので外せない。

 俺もトレーに皿を置いて、それからバイキングのメニューを吟味ぎんみしていく。


「ほら、天音も」
「うん、ありがとう」

 俺の後ろからぴったりついてくる天音。昨晩は、あんな激しい夜を過ごしたのだが……なんだか肌艶はだつやがよくみえるような。

 食べたいものを取れるだけ取り、俺は天音と共に空いている席へ座った。

 偶然だが、隣が北上さんだった。


「おはようございます。哲くん」
「おはよ、北上さん」

「おや、なんだか眠たそうですね。あまり寝られなかったのですか?」

「そんなところだよ」


 天音とヤってたなんて馬鹿正直に言えるわけもなく、俺は無難に答えた。


「う~ん、妙に怪しいですね」
「な、なにが……?」

「天音さんがソワソワしているように見えるのですが」


「「え」」


 俺も天音も心臓が跳ね上がった。……しまった、北上さんの洞察力は人並み外れているんだったな。誤魔化すのは難しいのだが、でも誤魔化さねばならない。

 でなければ“戦争”になってしまう。


「ナ、ナンデモナイヨ~」

 汗を流しながら答える天音だが、まてまて! カタコトすぎて不審すぎるって。


「……まさか、あたしに内緒で天音さんとシたんですか」


 じと~っと見てくる北上さん。俺を疑ってくる。


「と、とにかく朝食が先だろう。後ろが詰まってるって」
「むぅ……」


 納得いかなさそうな北上さんだが、渋々ながら納豆を手にしていた。へえ、健康的だな。

 ・
 ・
 ・

 食事後、北上さんの追求を避けつつも、俺は桃枝の報告を受けた。


「――でね、当分は台風だってさ」
「マジか」

「うん。それに、警察や暴力団の動きが活発っぽい。地域特化型の匿名掲示板バクサンで確認した」

「ふむ……。あのアングラなヤツか」


 桃枝はその掲示板とやらを見せてくれた。
 書かれている内容が誹謗中傷の悪意のあるものばかりだが、有益な情報も書かれていた。

 昨日時点のものだが――


 #114 20XX年/11/22 13:27
 ●●店付近にいくと女と会える

 #127 20XX年/11/22 14:01
 警察が巡回しているから無理

 #129 20XX年/11/22 14:09
 今日は多いな~

 #133 20XX年/11/22 14:32
 暴力団っぽいヤツ等もちらほら
 さすが修羅の国
 ロケラン注意!

 #154 20XX年/11/22 15:11
 なんか抗争でもはじまるん?

 #172 20XX年/11/22 14:37
 >>154
 明らかにおかしいよな

 #191 20XX年/11/22 17:42
 >>127
 パトカー大杉

 #224 20XX年/11/22 19:55
 クソガキ共ゆるさんん。絶対にバラす

 #269 20XX年/11/22 21:01
 >>224
 消えろカス

 #327 20XX年/11/22 23:48
 福岡は危険だ。みんな脱出しろ!
 知り合いの刑事に聞いたんだが、銃撃戦が起きるってさ
 戦場になるぞ!!

 #339 20XX年/11/23 00:10
 >>327
 ねーーーよ
 病院いけ


 ・
 ・
 ・


 なるほど、確かに福岡で何か起こっているようだな。
 台風が過ぎ去った後は……危険かもしれない。


「てっちゃん、晴れたら早々に移動した方がいいかもね」
「そうだな。掲示板の情報を鵜呑みにしすぎるのもよくないから、引き続き情報収集を頼む」


「うん、任せて! 今度はSNSも探ってみるよ」


 今は情報を集めるくらいしかできない。
 俺もなにか出来ることがあればいいのだが――。


「じ~」
「!?」

「哲くん、ちょっとお話が」

「き、北上さん! な、なんだい……!?」

「いいから、あたしの部屋へ」


 嘘だろおおお……!!
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