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修羅の国を脱出せよ
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現場は非常に混乱していた。
街中のド真ん中でドンパチだなんて、常軌を逸している。こんな映画みたいなことがあっていいのかよ。
村石って刑事が反撃してくれているが、残りの弾数を考えると隠れていられる時間はもう僅かだろう。数分と持たない。
となれば――。
この混乱に乗じて、俺は古森さんに耳打ちした。
「なあ、古森さん。俺はあんたを信じたい……だから、協力してくれないか!」
「……う、うん。そうだね、私……ずっと迷っていたけど、早坂くんたちを助けるよ」
「よかった! じゃあ――」
「まって。実は、M18発煙手榴弾を持ってるの」
スモークグレネードか!
これなら煙幕を張れるってワケだ。――って、まて日本の警察はスモークは使わない気が……機動隊で使うかどうかって感じだったはず。
「どうやって入手したんです?」
「ほら、ここって福岡で“修羅の国”だからさ……いろいろ出てくるのよ、凶器が」
すげぇ納得した。ロケットランチャーが出てくるくらいだからな。
スモークグレネードのひとつやふたつあってもおかしくない。つまり、古森さんの持ってきたモノは『押収品』ってわけか!
しかも、三つもあるじゃないか。
これだけあれば、十分な煙幕を張れる。
それに、俺のスタングレネードもある。
同時に使えば、ここを脱出くらいはできるかもしれない。
一か八か、やってみるか。
「古森さん、やりましょう!」
「わかった。天音さんと……そっちの子もいいかな?」
天音は直ぐにうなずき、桃枝もオッケーと軽く返事をした。決まりだ。
まずは、古森さんのスモークグレネードを投げる。最後に俺のスタングレネードの出番だ。櫛家も八咫烏の忍者たちも追ってこれないはず。
厄介なのは村石くらいだが……。
どうしたものかと思考を巡らせていると、村石が隙だらけなことに気づいた。こいつは今、敵襲の対応に追われてこっちの面倒が見切れていない。
チャンスだ。
俺は村石の首に向け、手刀を繰り出した。
「――がッ!?」
いい具合にヒットしたので、村石は意識を失ってぶっ倒れた。こんな上手くいくとは。
「は、早坂くん!?」
「古森さん、これで村石は眠った。脱出しましょう」
「……ビックリしたわぁ。でも、さすがね!」
古森さんは、スモークグレネードを一個ずつ投げた。すると、緑色の煙がモクモクと焚かれていく。すごい勢いじゃないか!
霧のように濃くなっていく煙。
よし、これなら逃げられるぞ。
更に、俺の緊急脱出用のスタングレネードを投げた。
バァンと破裂音がして、鼓膜が振動した。櫛家と八咫烏たちの攻撃が止んだので、効いているようだな!
今だ!!
「みんな、走れ!!」
猛ダッシュで駅の方面を目指す。とにかく、北上さんたちと合流できれば、なんでもいい!
煙の中を突き進んでいく。
走って走って走りまくった
気づけば駅の中にいた。
「…………はぁ、はぁ」
天音の呼吸の乱れる声がした。
「大丈夫か?」
「うん、なんとか」
桃枝と古森さんも少しして合流。無事だったか!
「……はひー、ちょー疲れた。こんなに突っ走ったの人生ではじめてかも~…」
桃枝は息を乱し、肩で呼吸していた。さすがにキツそうだ。
古森さんは刑事だけあって少し余裕があった。やっぱり鍛えているんだな。
「休んでいる暇はないわ。早坂くん、プランがあるのでしょう?」
「ええ、古森さん。新幹線で向かいます! 直ぐに券を購入して……長野へ向かいます」
「長野!?」
「詳しくは新幹線の中で! 今は先を急ぎましょ」
「そ、そうだね。追い付かれたらヤバいもんね」
そういうことだ。
それに、北上さんたちの動向も気になる。向こうは上手く乗れているのだろうか。
「桃枝、北上さんと連絡を取ってくれ」
「りょ、了解だよ!」
さて、自動券売機で乗車券と指定席特急券を買うか。
街中のド真ん中でドンパチだなんて、常軌を逸している。こんな映画みたいなことがあっていいのかよ。
村石って刑事が反撃してくれているが、残りの弾数を考えると隠れていられる時間はもう僅かだろう。数分と持たない。
となれば――。
この混乱に乗じて、俺は古森さんに耳打ちした。
「なあ、古森さん。俺はあんたを信じたい……だから、協力してくれないか!」
「……う、うん。そうだね、私……ずっと迷っていたけど、早坂くんたちを助けるよ」
「よかった! じゃあ――」
「まって。実は、M18発煙手榴弾を持ってるの」
スモークグレネードか!
これなら煙幕を張れるってワケだ。――って、まて日本の警察はスモークは使わない気が……機動隊で使うかどうかって感じだったはず。
「どうやって入手したんです?」
「ほら、ここって福岡で“修羅の国”だからさ……いろいろ出てくるのよ、凶器が」
すげぇ納得した。ロケットランチャーが出てくるくらいだからな。
スモークグレネードのひとつやふたつあってもおかしくない。つまり、古森さんの持ってきたモノは『押収品』ってわけか!
しかも、三つもあるじゃないか。
これだけあれば、十分な煙幕を張れる。
それに、俺のスタングレネードもある。
同時に使えば、ここを脱出くらいはできるかもしれない。
一か八か、やってみるか。
「古森さん、やりましょう!」
「わかった。天音さんと……そっちの子もいいかな?」
天音は直ぐにうなずき、桃枝もオッケーと軽く返事をした。決まりだ。
まずは、古森さんのスモークグレネードを投げる。最後に俺のスタングレネードの出番だ。櫛家も八咫烏の忍者たちも追ってこれないはず。
厄介なのは村石くらいだが……。
どうしたものかと思考を巡らせていると、村石が隙だらけなことに気づいた。こいつは今、敵襲の対応に追われてこっちの面倒が見切れていない。
チャンスだ。
俺は村石の首に向け、手刀を繰り出した。
「――がッ!?」
いい具合にヒットしたので、村石は意識を失ってぶっ倒れた。こんな上手くいくとは。
「は、早坂くん!?」
「古森さん、これで村石は眠った。脱出しましょう」
「……ビックリしたわぁ。でも、さすがね!」
古森さんは、スモークグレネードを一個ずつ投げた。すると、緑色の煙がモクモクと焚かれていく。すごい勢いじゃないか!
霧のように濃くなっていく煙。
よし、これなら逃げられるぞ。
更に、俺の緊急脱出用のスタングレネードを投げた。
バァンと破裂音がして、鼓膜が振動した。櫛家と八咫烏たちの攻撃が止んだので、効いているようだな!
今だ!!
「みんな、走れ!!」
猛ダッシュで駅の方面を目指す。とにかく、北上さんたちと合流できれば、なんでもいい!
煙の中を突き進んでいく。
走って走って走りまくった
気づけば駅の中にいた。
「…………はぁ、はぁ」
天音の呼吸の乱れる声がした。
「大丈夫か?」
「うん、なんとか」
桃枝と古森さんも少しして合流。無事だったか!
「……はひー、ちょー疲れた。こんなに突っ走ったの人生ではじめてかも~…」
桃枝は息を乱し、肩で呼吸していた。さすがにキツそうだ。
古森さんは刑事だけあって少し余裕があった。やっぱり鍛えているんだな。
「休んでいる暇はないわ。早坂くん、プランがあるのでしょう?」
「ええ、古森さん。新幹線で向かいます! 直ぐに券を購入して……長野へ向かいます」
「長野!?」
「詳しくは新幹線の中で! 今は先を急ぎましょ」
「そ、そうだね。追い付かれたらヤバいもんね」
そういうことだ。
それに、北上さんたちの動向も気になる。向こうは上手く乗れているのだろうか。
「桃枝、北上さんと連絡を取ってくれ」
「りょ、了解だよ!」
さて、自動券売機で乗車券と指定席特急券を買うか。
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