クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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地下の秘密とは

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 地下の秘密を教えてくれるという。
 いったい、なにを目論んでいるんだかな。

「……哲くん。妙な感じがします」

 耳打ちしてくる北上さん。その目は、いつでも“隠し武器”で戦えるぞと言っているようだった。実際そのつもりだろう。

 だが、ダメだ。

 今はほとんど黒子がいないが、明らかに気配は多い。
 俺たちを監視している証拠だ。
 もし闇雲に襲撃しても、周囲に隠れ潜んでいる黒子によって反撃されるだろう。このリーダー各の男を倒しても、あまり意味がないとも感じていた。
 きっとこの男が死んでも、他の変わりがいるに違いない。
 だから今は八咫烏の秘密を探る方が優先だ。

 なぁに、きっと隙はあるさ。

 それにしても。

 ソ連の『コラ半島はんとう超深度ちょうしんど掘削坑くっさくこう』とやらと何の関係があるんだろうな。


「早坂 哲。お前だけこちらに来るんだ」
「俺だけ? なぜだ」
「わざわざ大人数で見る必要はない。それに、可憐なお嬢さんたちはこれから牢に入ってもらうのだからね」

「なんだと……」

「おっと抵抗するなよ。お前たちは常に命を狙われていると思え」

 ということは、遠くから俺たちを狙撃できるってことか。
 少なくともこの場所はバカみたいに広いし、妙に入り組んでいる。スナイパーがいてもおかいしくない。


「早坂くん」


 心配そうに俺を見つめる天音。
 他のみんなもそうだ。桃枝や千年世も不安気だ。リコと艾も。

「大丈夫だ。ちょっと見に行ってくるだけだ」

 そんなわけで、俺とみんなは別れることに。
 みんなはそのまま別方向へ。あっちに牢があるのか。

 ……きっと大丈夫だ。

 こちらが財宝の在り処を話さない限りは、命を奪われることはない。
 みんな情報を渡さないよう訓練されているし、どんな酷い尋問や拷問を受けようとも吐くことはない。


「さあ、行くぞ」
「……わかった」


 俺ひとりだけ男についていく。
 更にエレベーターがあるらしく、地下へ向かうことに。
 まだ下があるのか。

 この地下は本当に『コラ半島はんとう超深度ちょうしんど掘削坑くっさくこう』に匹敵する深さなのか……?

 そんなワケがない。
 現代の技術的に不可能だ。

 どんなに深くても数百、数千がいいとこだ。確か地下シェルターでも最大でも2,000メートルのはず。ソ連の掘削抗はただの穴を掘っただけで、12,262メートル。
 となると、ここはそう深くはないはずだ。

 よくて数百ってところだろうか。


 ――更に地下へ降りる。


 こんなに深く……いったい何を作っているんだ。


「……着いた。こっちへ来るんだ」


 あれから、かなり降りてきたが……これ以上なにがあるんだ?
 扉が開くと、そこは――。


 ……え、なんだ、これ……!


 ここが『八咫烏』の本拠地なのか……?
 目の前には急に和風な通路が現れ、俺は頭が混乱した。まるで地上のような風景がそこにはあったからだ。

 ……なんで石畳?

 添水そうずもあるし、苔が至るところにある。かなり立派な通路だぞ。
 とても整備されていて俺はただただ驚いた。
 いったい、なんの為にここまで仕上げてあるんだか。


「この先だ。少し長いがな」
「なんでこんなものが地下に」
「さあな。“上”の考えることは分からん」


 男は苦笑しながらも石畳を歩く。
 俺はその背後をついてく。
 やがて大きな扉の前にたどり着ついて、男は中へ。


「――なッ!?」


 なんだこりゃ……!
 地下にこんなものがあっていいのか!!

 目の前に現れる巨大な大仏。
 こ、これって奈良の大仏に匹敵する大きさだぞ。こんなデカいものをどうやってこんな最深部に……?


「さあ、奥で“現人神あらひとがみ”がお待ちだ」


 な、なにッ!?

 現人神って確か、人間の姿の神って意味だよな。つまり、八咫烏のボスがここにいるってことか……!
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