クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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裏の支配者『八咫烏』

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 地下の更に地下には、謎の空間があって……大仏までありやがった。
 いったい全体どうなっているんだ、ここは。
 少なくとも、かなりの奥深くまできたはず。
 そんなところに、こんなモノがあるなんて……地下帝国でも築いているのか?

「現人神……いったい、何者なんだ」
「それは会えば分かること」

 黒子のリーダーに連れられていく俺。
 この先に『八咫烏』のボスがいるということか。

 しばらく通路を歩き、ようやく広い空間に出た。薄暗くて、けれど和風な感じは変わらない。
 地下の中なのに、日本庭園が続く。
 よくもまぁここまで再現したものだ。
 莫大な金が掛かっていそうだなと俺は思った。


「……でけぇ門だ」
「この先に“あのお方”はおられる」

「そうかよ。あんたも来るのか?」
「そんな恐れ多いことができるか。お前、一人でいくのだ」
「なんだって……?」

 そんなことしていいのか。いざとなれば、俺は一人でも戦うけどな。

「ひとつ忠告しておくが、戦おうなど思わないことだ。いや、それは無理なんだがな」

 門が自動的に開くと、奥の部屋が現れた。まるで玉座だな。
 これまた薄暗い部屋に入った。
 ここが……八咫烏のボス部屋ってところか。
 てっきり、東京か京都辺りにあると思っていたのだが、まさか長野とは……そう勘づかれない為でもあるんだろうけど。

 そうして俺は一人で奥へ向かった。

 真ん中あたりまで歩くと――突然、頭上から何か降ってきやがった。


『――ガシャン』


 金属音が響き、俺は焦った。

 こ、これは……!


 牢屋!?


「くそっ、なんだこれは!」


 ――そうか、さっき男が言っていたのはこのことか。
 戦うのは無理とは、この牢屋が降ってくるから無駄だということか。最初から俺を閉じ込める気だったのか。
 さすがに用心はしていたわけか。

 気づけば、あの男の気配は消えていた。
 他の黒子たちもいない。

 あるのは異様な気配だけ。


 ま、まさか『現人神ボス』か。


 奥にポツンとある玉座。その後方から現れる影。
 全身が黒い布で覆われており、顔すら分からない。目元がこちらを向いているくらいだ。
 なんだアレは。

 あんなのが八咫烏の現人神? ボス?

 ふざけんな。


『…………』

「あんたが八咫烏のボスか?」

「そうとも。私が八咫烏を統べる存在である」


 ……この声、女? いや、分からん。男っぽさもある。声だけでは判断がつかない。あの黒い布を引きはがして正体を突き止めないと。

 だが、こんな牢屋の中では無理だ。手が届かない。


「へえ。それで……日本を乗っ取る気か? クーデターでも起こす気か?」
「その必要はない。日本は既に我々の手中にあるのだから」


 一字一句丁寧に言葉を話す八咫烏の主。
 ずっと昔から裏で操っているってことか……。よく聞かされる都市伝説の噂は本当だったのか。
 桃枝から進められて動画を見るようにしていたが――ケムッキーさんの情報は本当ってことか。スゲェな、あの人。

 つまり『裏天皇・・・』ってことだ。

 ならば、俺がこのクソ組織をぶっ潰すしかないか。あるいは日本を脱出して……海外へ移住するか。選択肢はいくらでもある。

 なら、俺がやるべきことは決まっている。


 ……“作戦”をここで発動する。
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感想 13

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みんなの感想(13件)

gakup
2025.11.18 gakup

俺も無人島に流されたい人生だった。

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2025.07.10 ユーザー名の登録がありません

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