288 / 288
最終作戦
しおりを挟む
目の前の男(?)が八咫烏の長だとすれば、俺はコイツを倒さねばならない。
日本の為ではない……俺たちの未来の為に。
きっと、俺たちは近い将来、八咫烏と対決することになるだろうと思っていた。そして、その時はついにやってきた。
向こうから案内してくれたのだ。
これは決して窮地ではなく、好機。
だから、俺は――
◆
【三日前:姶良市】
「――というわけだ、早坂くん」
姶良市を出る前、木下さんは俺に提案した。
みんなを集め作戦を立てておきたいと。
多分、これから八咫烏との最終決戦があるかもしれないと予想して。
「そうですね。現在、あらゆる組織に狙われていますが、一番の厄介者は八咫烏で間違いありません」
「ああ。暴力団や警察はそれほど重要ではない。君たちは一刻も早く海外へ逃げるべきだが……八咫烏を止めねば難しいだろう」
裏の国家権力が動いているのでは、空港も止められるだろうな。
だとすると、八咫烏を潰すしかない。
潰すことが難しいのなら、せめて“麻痺”させられれば……海外へ逃げることはできるはずだ。
「分かりました。そうします」
「行先は決まっているのかい?」
「……そうですね。俺個人としてはマレーシアかな、と」
「うむ。それがいいだろうね」
理由としては“住みやすい”これに尽きる。
英語が通じるし、物価も安い。
一通りの施設も整っているし、不便はない。
税負担もかなり軽いらしい。
更に、外国人でも不動産は購入できる。これが大きい。
ので、俺はマレーシアに目星をつけていた。
もちろん、他の国も選択肢に入れているが、俺たちのような大所帯では……今のところマレーシアしか考えられない。
快適に暮らすなら、尚のことだ。
「それで……作戦とは?」
「それなんだが、私は別行動をとる。途中で抜け出し、そして君たちを遠くから監視する」
「なるほど! それで八咫烏の居場所を突き止めるんですね」
「そうだ。噂によれば、彼らは長野県のどこか地下深くに施設を作っているとか」
「へえ、詳しいですね」
「桃瀬ちゃんから聞いたんだ」
そうか、桃枝が。
ケムッキーさんの情報を聞いたんだな。
だけど、八咫烏の拠点がどこにあるか特定はできていない。
となると、木下さんに俺たちを尾行してもらう方が都合がいい。もしも、俺たちがヤツ等に捕まれば……いや、多分そうなるだろう。
きっと捕らえられて地下に連れていかれる。
そんな“予感”がしていた。
俺の勘はよく当たるからな。
「分かりました。では、木下さんは遠くからついてきてください」
「ただし、私の単独行動になる」
「なぜ、ですか?」
「警察内部にも八咫烏の関係者が入り込んでいるらしい」
「マ、マジですか!?」
「残念だが……さすがの警察も八咫烏に立ち向かえるほどの権力はない」
それほどなのか、八咫烏。
ということは警察が動いて逮捕……というのも難しいのか。
犯罪組織ではないから?
そうでもなさそうだけど。
俺たちを殺そうとしてきているし。
「それは厳しいですね」
「だから、私は先に手を打つ」
「手を打つ、とは?」
「もう誰が裏切り者か分かっている」
「そうなんですか!?」
「古森の上司さ」
「本当ですか、それ」
「ほぼ黒で間違いない。私は彼を止める。そして、君たちに追いつく」
「……了解しました。どうか、木下さんも無茶なさらず」
木下さんは微笑む。
こっちのことは任せてくれと。
きっと大丈夫だ。木下さんならやってくれる。
それから、俺と木下さんは長野での作戦も緻密に練り上げていった。
俺も妥協せず――“隔離中”の仲間を使えることを話す。
いよいよ、月、星、雷に動いてもらう時がきた。たまにはアイツ等に動いてもらわないとな――!
日本の為ではない……俺たちの未来の為に。
きっと、俺たちは近い将来、八咫烏と対決することになるだろうと思っていた。そして、その時はついにやってきた。
向こうから案内してくれたのだ。
これは決して窮地ではなく、好機。
だから、俺は――
◆
【三日前:姶良市】
「――というわけだ、早坂くん」
姶良市を出る前、木下さんは俺に提案した。
みんなを集め作戦を立てておきたいと。
多分、これから八咫烏との最終決戦があるかもしれないと予想して。
「そうですね。現在、あらゆる組織に狙われていますが、一番の厄介者は八咫烏で間違いありません」
「ああ。暴力団や警察はそれほど重要ではない。君たちは一刻も早く海外へ逃げるべきだが……八咫烏を止めねば難しいだろう」
裏の国家権力が動いているのでは、空港も止められるだろうな。
だとすると、八咫烏を潰すしかない。
潰すことが難しいのなら、せめて“麻痺”させられれば……海外へ逃げることはできるはずだ。
「分かりました。そうします」
「行先は決まっているのかい?」
「……そうですね。俺個人としてはマレーシアかな、と」
「うむ。それがいいだろうね」
理由としては“住みやすい”これに尽きる。
英語が通じるし、物価も安い。
一通りの施設も整っているし、不便はない。
税負担もかなり軽いらしい。
更に、外国人でも不動産は購入できる。これが大きい。
ので、俺はマレーシアに目星をつけていた。
もちろん、他の国も選択肢に入れているが、俺たちのような大所帯では……今のところマレーシアしか考えられない。
快適に暮らすなら、尚のことだ。
「それで……作戦とは?」
「それなんだが、私は別行動をとる。途中で抜け出し、そして君たちを遠くから監視する」
「なるほど! それで八咫烏の居場所を突き止めるんですね」
「そうだ。噂によれば、彼らは長野県のどこか地下深くに施設を作っているとか」
「へえ、詳しいですね」
「桃瀬ちゃんから聞いたんだ」
そうか、桃枝が。
ケムッキーさんの情報を聞いたんだな。
だけど、八咫烏の拠点がどこにあるか特定はできていない。
となると、木下さんに俺たちを尾行してもらう方が都合がいい。もしも、俺たちがヤツ等に捕まれば……いや、多分そうなるだろう。
きっと捕らえられて地下に連れていかれる。
そんな“予感”がしていた。
俺の勘はよく当たるからな。
「分かりました。では、木下さんは遠くからついてきてください」
「ただし、私の単独行動になる」
「なぜ、ですか?」
「警察内部にも八咫烏の関係者が入り込んでいるらしい」
「マ、マジですか!?」
「残念だが……さすがの警察も八咫烏に立ち向かえるほどの権力はない」
それほどなのか、八咫烏。
ということは警察が動いて逮捕……というのも難しいのか。
犯罪組織ではないから?
そうでもなさそうだけど。
俺たちを殺そうとしてきているし。
「それは厳しいですね」
「だから、私は先に手を打つ」
「手を打つ、とは?」
「もう誰が裏切り者か分かっている」
「そうなんですか!?」
「古森の上司さ」
「本当ですか、それ」
「ほぼ黒で間違いない。私は彼を止める。そして、君たちに追いつく」
「……了解しました。どうか、木下さんも無茶なさらず」
木下さんは微笑む。
こっちのことは任せてくれと。
きっと大丈夫だ。木下さんならやってくれる。
それから、俺と木下さんは長野での作戦も緻密に練り上げていった。
俺も妥協せず――“隔離中”の仲間を使えることを話す。
いよいよ、月、星、雷に動いてもらう時がきた。たまにはアイツ等に動いてもらわないとな――!
1
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(13件)
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
俺も無人島に流されたい人生だった。
退会済ユーザのコメントです
退会済ユーザのコメントです