56 / 287
ハーレムサバイバル 死闘編⑤(十三人目)
しおりを挟む
「早坂くん! こ、こんなところに……幽霊!? 本物!?」
「本物だよ、千年世!」
飛びついてくる千年世と桃瀬を俺は抱きしめた。やっぱり、あのトランシーバーの通信は繋がっていたんだ。
「良かったよぉ。千年世ちゃんと二人きりになっちゃって、すっごく寂しかった」
「桃瀬もよくがんばったよ」
二人とも目尻に涙を溜めていた。
よっぽど怖い思いをしていたのだろうな。
そりゃ、こんな奈落の底みたいな洞窟にいたんだ、精神的にも参る。閉所恐怖症なら、発狂モノだな。
しばらく留まり、二人を落ち着かせた。
そんな中、腕を組んでクールに佇む北上が口を開いた。
「二人とも、どうしてこのような洞窟に?」
その問いかけに千年世が答えた。
「昨日、船に乗り込んで……それから波に攫われて……目を覚ましたら、この場所にいたのです。怖かった」
「やはり、無謀すぎましたか。しかし、島に押し流されるとは思いませんでした。自然の脅威とは恐ろしいものですね……むぅ」
桃瀬の容体を見ながら、北上は意外そうに唸った。
「それで、これからどうするかね」
全員がややうつむく。
ですよねえ。
こんな大洞窟では……どこに出入口があるやらな。奥は真っ暗で、悍ましいまでの深淵が支配している。
一歩間違えれば吸血蝙蝠に襲われ、血をチューチュー吸われてお陀仏かもな。
とはいえ、吸血タイプの蝙蝠《コウモリ》はほとんど種類がいないらしいが。
「なにか連絡する手段とか」
「無理だ、篠山さん。トランシーバーは俺と千年世しか持っていないし、スマホは圏外。電波は届かない。というか、洞窟は電波状況が最悪すぎる」
となると先へ進むしかない。
それとも、あの山田とアキラがいた場所へ戻るか。それはダメだ。ヤツ等とまた戦う羽目になる。そうなれば殺し合いだろう。
「先を急ぎましょう」
「そうだな、北上さん。俺も賛成だ。もったいないけど、懐中電灯を使うか」
「それならスマホのライトの方がいいかもですね。あとでモバイルバッテリーで充電できますし」
「そうしよう。電池が切れたら、交代でライトを翳していく」
全員、頷いて同意してくれた。
スマホのバッテリーが全て尽きる前に脱出しないと。
残量がなくなったら、ブラックアウトだ。
俺はライトをオンにして先頭に立った。
その直後だった。
「「「「あ!!」」」」
北上たちが叫んだ。
気になって振り向くと、なんだか俺のスマホを見ているような。
「どうした、みんな」
「早坂くん、私とライン交換してくださいっ!」
千年世からそんな要求が。
続くように桃瀬と篠山も。
そして、北上さえも。
「マジか! でも今は通信不可だからね。IDか電話番号を教えるくらいしか出来ないよ」
「それでいいんですよ!」
キラーンと目を輝かす北上。
なんで生き生きとしているかなぁ!?
まあいいけどね。
俺は電話番号をみんなに教えた。
070-XXXX-XXXX……っと。
「え、早坂くんって070なんですね」
千年世が目を白黒させていた。
ああ、そういえば『090』とか『080』で年代がある程度分かるらしいな。090は二十年前から存在するから、おじさん世代と呼ばれているようだ。
080もちょっと古いようだが、070は特に最近のようだな。
「俺はスマホの契約をしたばかりだったからね」
詳しく言えば、俺がぼっちすぎたというのもあるんだがな。それは口が裂けても言えないけど。
「そうなんですね。でも、交換できて良かった」
「ああ、電話番号の交換なら出来るからね」
俺も女子の連絡先が増えて嬉しい。こんなハッピーなことは、もう二度とないかもなあ。
交換を終えたところで、先へ進む。
* * *
岩がゴツゴツして歩き辛い。
上ったり、下ったりを繰り返す。
どこまで続いているんだ、この地下洞窟。
あれから三十分以上は歩いたはず。
未だに光は見えない。
常闇だけが漂うだけ。
――いや、まてまて。
俺は人差し指を舐めてから、指を立てた。
「なんか可愛いポーズだね」
「桃瀬、これは“風”を調べているんだよ」
「風~?」
「そうだ、こうすると風が分かるんだ。……うん、微かに流れているな」
「え? ということは?」
「どこかに出入口があるかもしれない」
「おぉ!!」
桃瀬だけでなく、みんなが声を上げた。
そうキラキラした目で見られると、照れるな。
更に奥へ進むと、行き止まりになっていた。
「……なるほど、そういうことですか」
「どういうことだよ、北上さん」
「我々は土砂崩れでこの洞窟に落ちたのです。つまり、頻繁に起こっているということですね」
「なっ! それじゃあ、出入口は塞がっているってこと?」
「かもしれません」
――って、それじゃあ出られないじゃないか!
頭を抱えていると、天井がいきなりひび割れて崩壊した。……なんだぁ!?
『――ガラガラ、ドシャアアアアァァ……』
「みんな、離れろ!」
俺は全員を避難させた。
的確に指示したので、生き埋めは回避された。あっぶねえ。……それにしても、なんだ、突然。
上を見上げると、そこには光が。
「外だ……」
篠山がぽつりとつぶやく。
どんどん光が広がって、まぶしくなった。
これは明らかに外光じゃないか!
だけど、誰がこの穴を開けたんだ……?
「……! 啓くん、上から誰が降りてきますよ」
北上が銃を向けた。
マジか。
俺も警戒するべきか悩んだが……む?
ロープから降りてきたのは、見慣れない顔だった。
制服の女の子か……でも、誰だ?
ポカンとしていると、女の子が俺を睨んで叫んだ。
「お前が倉島か!!!」
「……エ? はあぁ!?」
「問答無用で斬り捨てる!! 死ねぇッ!!」
いきなりククリナイフを向けてくる女の子は、俺を倉島と勘違いして攻撃してきた。嘘だろ!!
けれど、北上が俺を庇って相手のナイフをナイフで受け止めていた。
「大丈夫ですか、啓くん」
「銃は使わないのか」
「無駄に死体を増やしたくありませんし、弾がもったいないです」
冷静にナイフを振るって、相手のククリナイフを弾く北上。相変わらずバケモノだ。
「……くっ! 何者!」
「あなたこそ突然、襲ってきて何者ですか」
「私は、草埜 艾。友達の恨みを晴らすため……倉島を殺しにきた!」
よ、艾!?
まさか、リコの友達の……!
この島にいたのか。
「本物だよ、千年世!」
飛びついてくる千年世と桃瀬を俺は抱きしめた。やっぱり、あのトランシーバーの通信は繋がっていたんだ。
「良かったよぉ。千年世ちゃんと二人きりになっちゃって、すっごく寂しかった」
「桃瀬もよくがんばったよ」
二人とも目尻に涙を溜めていた。
よっぽど怖い思いをしていたのだろうな。
そりゃ、こんな奈落の底みたいな洞窟にいたんだ、精神的にも参る。閉所恐怖症なら、発狂モノだな。
しばらく留まり、二人を落ち着かせた。
そんな中、腕を組んでクールに佇む北上が口を開いた。
「二人とも、どうしてこのような洞窟に?」
その問いかけに千年世が答えた。
「昨日、船に乗り込んで……それから波に攫われて……目を覚ましたら、この場所にいたのです。怖かった」
「やはり、無謀すぎましたか。しかし、島に押し流されるとは思いませんでした。自然の脅威とは恐ろしいものですね……むぅ」
桃瀬の容体を見ながら、北上は意外そうに唸った。
「それで、これからどうするかね」
全員がややうつむく。
ですよねえ。
こんな大洞窟では……どこに出入口があるやらな。奥は真っ暗で、悍ましいまでの深淵が支配している。
一歩間違えれば吸血蝙蝠に襲われ、血をチューチュー吸われてお陀仏かもな。
とはいえ、吸血タイプの蝙蝠《コウモリ》はほとんど種類がいないらしいが。
「なにか連絡する手段とか」
「無理だ、篠山さん。トランシーバーは俺と千年世しか持っていないし、スマホは圏外。電波は届かない。というか、洞窟は電波状況が最悪すぎる」
となると先へ進むしかない。
それとも、あの山田とアキラがいた場所へ戻るか。それはダメだ。ヤツ等とまた戦う羽目になる。そうなれば殺し合いだろう。
「先を急ぎましょう」
「そうだな、北上さん。俺も賛成だ。もったいないけど、懐中電灯を使うか」
「それならスマホのライトの方がいいかもですね。あとでモバイルバッテリーで充電できますし」
「そうしよう。電池が切れたら、交代でライトを翳していく」
全員、頷いて同意してくれた。
スマホのバッテリーが全て尽きる前に脱出しないと。
残量がなくなったら、ブラックアウトだ。
俺はライトをオンにして先頭に立った。
その直後だった。
「「「「あ!!」」」」
北上たちが叫んだ。
気になって振り向くと、なんだか俺のスマホを見ているような。
「どうした、みんな」
「早坂くん、私とライン交換してくださいっ!」
千年世からそんな要求が。
続くように桃瀬と篠山も。
そして、北上さえも。
「マジか! でも今は通信不可だからね。IDか電話番号を教えるくらいしか出来ないよ」
「それでいいんですよ!」
キラーンと目を輝かす北上。
なんで生き生きとしているかなぁ!?
まあいいけどね。
俺は電話番号をみんなに教えた。
070-XXXX-XXXX……っと。
「え、早坂くんって070なんですね」
千年世が目を白黒させていた。
ああ、そういえば『090』とか『080』で年代がある程度分かるらしいな。090は二十年前から存在するから、おじさん世代と呼ばれているようだ。
080もちょっと古いようだが、070は特に最近のようだな。
「俺はスマホの契約をしたばかりだったからね」
詳しく言えば、俺がぼっちすぎたというのもあるんだがな。それは口が裂けても言えないけど。
「そうなんですね。でも、交換できて良かった」
「ああ、電話番号の交換なら出来るからね」
俺も女子の連絡先が増えて嬉しい。こんなハッピーなことは、もう二度とないかもなあ。
交換を終えたところで、先へ進む。
* * *
岩がゴツゴツして歩き辛い。
上ったり、下ったりを繰り返す。
どこまで続いているんだ、この地下洞窟。
あれから三十分以上は歩いたはず。
未だに光は見えない。
常闇だけが漂うだけ。
――いや、まてまて。
俺は人差し指を舐めてから、指を立てた。
「なんか可愛いポーズだね」
「桃瀬、これは“風”を調べているんだよ」
「風~?」
「そうだ、こうすると風が分かるんだ。……うん、微かに流れているな」
「え? ということは?」
「どこかに出入口があるかもしれない」
「おぉ!!」
桃瀬だけでなく、みんなが声を上げた。
そうキラキラした目で見られると、照れるな。
更に奥へ進むと、行き止まりになっていた。
「……なるほど、そういうことですか」
「どういうことだよ、北上さん」
「我々は土砂崩れでこの洞窟に落ちたのです。つまり、頻繁に起こっているということですね」
「なっ! それじゃあ、出入口は塞がっているってこと?」
「かもしれません」
――って、それじゃあ出られないじゃないか!
頭を抱えていると、天井がいきなりひび割れて崩壊した。……なんだぁ!?
『――ガラガラ、ドシャアアアアァァ……』
「みんな、離れろ!」
俺は全員を避難させた。
的確に指示したので、生き埋めは回避された。あっぶねえ。……それにしても、なんだ、突然。
上を見上げると、そこには光が。
「外だ……」
篠山がぽつりとつぶやく。
どんどん光が広がって、まぶしくなった。
これは明らかに外光じゃないか!
だけど、誰がこの穴を開けたんだ……?
「……! 啓くん、上から誰が降りてきますよ」
北上が銃を向けた。
マジか。
俺も警戒するべきか悩んだが……む?
ロープから降りてきたのは、見慣れない顔だった。
制服の女の子か……でも、誰だ?
ポカンとしていると、女の子が俺を睨んで叫んだ。
「お前が倉島か!!!」
「……エ? はあぁ!?」
「問答無用で斬り捨てる!! 死ねぇッ!!」
いきなりククリナイフを向けてくる女の子は、俺を倉島と勘違いして攻撃してきた。嘘だろ!!
けれど、北上が俺を庇って相手のナイフをナイフで受け止めていた。
「大丈夫ですか、啓くん」
「銃は使わないのか」
「無駄に死体を増やしたくありませんし、弾がもったいないです」
冷静にナイフを振るって、相手のククリナイフを弾く北上。相変わらずバケモノだ。
「……くっ! 何者!」
「あなたこそ突然、襲ってきて何者ですか」
「私は、草埜 艾。友達の恨みを晴らすため……倉島を殺しにきた!」
よ、艾!?
まさか、リコの友達の……!
この島にいたのか。
13
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる