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新しい武器を手に入れた
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どうやら、俺の出番はなさそうだ。
北上さんは戦闘員が三人になった頃を見計らい――AK-47で突撃。
地面を蹴り、スーパーヒーローのような動きで加速すると、二人の心臓を撃ち抜き、瞬殺してしまった。
……おいおい、動きが人間離れしすぎだろッ!
たった五秒で終わってしまったぞ。
残るは一人だが、ビビって尻餅をついていた。
「ウアアアアアアア!!」
「Surrender, and your life will be spared」
北上さんが英語で伝えるが、どうやら彼には通じていないようだ。
武器を取り上げ、残った一人を捕虜とした。
「大丈夫か、北上さん。てか、英語上手すぎだろ」
「これくらい当然ですよ。でも、やっぱりアラビア語でなければですね」
「そのようだな。ソイツを連れて拠点へ戻ろう」
「急いだほうがいいでしょう。先ほどのボートが戻ってきたら厄介ですから」
「おう」
残った一人を縛り上げ、更に複数の武器も拾って拠点へ戻った。
* * *
無事拠点へ戻り、捕虜を逃げられないように岩場に固定した。
「おかえり、早坂くん」
飛びついてくる天音を俺は受け止めた。
「天音……」
「良かった、無事で。ケガはないよね?」
「ああ、無事だよ。北上さんが無双してくれたおかげでね」
「そっか。北上さんもお疲れ様――って!」
捕虜の頭に銃を突きつけながら微笑む北上さん。怖いって。
「労いの言葉、ありがとうございます天音さん。ですが、まずはテロ組織の計画を吐かせねばなりません。アベリアさん、トムさん、通訳をお願いします」
「分かりました~。トム、イスラム語をお願い」
「ワカッタゼ」
北上さんはまず、捕虜の男の覆面を剥いだ。
すると老け顔の中年男性であることが判明した。
三十、四十代だろうか。
イスラム系なのは確かだ。
さっそく尋問が始まった。
男は命が惜しいのか、素直に話した。
トム&アベリアの通訳によれば――
彼等は、ISILの戦闘員ではあるが、ある人物に雇われたのだという。それがあのボートにいた金髪の男……名を『ラウル』という。
アメリカ人であること以外は何も分からないらしい。
自分たちは高額の報酬を受け取る代わりに、この島を乗っ取る計画に加わったとか。
しかし、なんの為か理由は謎のようだ。
「……理由不明の計画。そのラウルという人物は用心深いようですね」
「らしいな、北上さん。次はラウルを捕らえるか?」
「船を奪えるかもしれませんし、ありですね。ですが、あのボートには機関銃も装備されていました。対抗できるかどうか」
なかなか厳しい戦いになりそうだな。
この分だと捕虜も見捨てられる可能性が高い。雑な扱いをされているようだし、きっと戦闘員は使い捨ての駒にされているんだろう。
「あの、食人族たちはどうなったんでしょう?」
千年世が手を上げた。
その質問には俺が答えた。
「食人族はほぼ壊滅した。戦闘員がほんと狩りつくしていたからね。多分、この島の住人を皆殺しにするのは最初から計画の内だったんだろうな」
「そんな……」
「とはいえ、残忍な食人族だ。同情はできないけどね」
「……はい」
少し悲しむ千年世。
彼女は優しいな。
あの食人族を憐れむか。
妙な空気の中、北上さんが手を叩いた。
「武器を入手しましたし、啓くんと千年世にお渡しします。あ、天音さんの分もありますよ」
俺と千年世には『AK-47』。
天音には『ダブル・バレル』が手渡された。
おぉ、ショットガンがあったとは。
「えっ、重ッ! 北上さん、この銃重いよぉ……」
「身を守る為です。ちなみに、ダブル・バレルの性質上、弾は二発入っていますが一回しか撃てないので気を付けてください」
「予備の弾は!?」
「ありません」
「そんな……」
そもそもテロ組織がダブル・バレルって……。
サブウェポンとして持っていたのだろうけどね。
とりあえず、武器は整った。
次にラウルが現れるのを待つしかなさそうだな。
北上さんは戦闘員が三人になった頃を見計らい――AK-47で突撃。
地面を蹴り、スーパーヒーローのような動きで加速すると、二人の心臓を撃ち抜き、瞬殺してしまった。
……おいおい、動きが人間離れしすぎだろッ!
たった五秒で終わってしまったぞ。
残るは一人だが、ビビって尻餅をついていた。
「ウアアアアアアア!!」
「Surrender, and your life will be spared」
北上さんが英語で伝えるが、どうやら彼には通じていないようだ。
武器を取り上げ、残った一人を捕虜とした。
「大丈夫か、北上さん。てか、英語上手すぎだろ」
「これくらい当然ですよ。でも、やっぱりアラビア語でなければですね」
「そのようだな。ソイツを連れて拠点へ戻ろう」
「急いだほうがいいでしょう。先ほどのボートが戻ってきたら厄介ですから」
「おう」
残った一人を縛り上げ、更に複数の武器も拾って拠点へ戻った。
* * *
無事拠点へ戻り、捕虜を逃げられないように岩場に固定した。
「おかえり、早坂くん」
飛びついてくる天音を俺は受け止めた。
「天音……」
「良かった、無事で。ケガはないよね?」
「ああ、無事だよ。北上さんが無双してくれたおかげでね」
「そっか。北上さんもお疲れ様――って!」
捕虜の頭に銃を突きつけながら微笑む北上さん。怖いって。
「労いの言葉、ありがとうございます天音さん。ですが、まずはテロ組織の計画を吐かせねばなりません。アベリアさん、トムさん、通訳をお願いします」
「分かりました~。トム、イスラム語をお願い」
「ワカッタゼ」
北上さんはまず、捕虜の男の覆面を剥いだ。
すると老け顔の中年男性であることが判明した。
三十、四十代だろうか。
イスラム系なのは確かだ。
さっそく尋問が始まった。
男は命が惜しいのか、素直に話した。
トム&アベリアの通訳によれば――
彼等は、ISILの戦闘員ではあるが、ある人物に雇われたのだという。それがあのボートにいた金髪の男……名を『ラウル』という。
アメリカ人であること以外は何も分からないらしい。
自分たちは高額の報酬を受け取る代わりに、この島を乗っ取る計画に加わったとか。
しかし、なんの為か理由は謎のようだ。
「……理由不明の計画。そのラウルという人物は用心深いようですね」
「らしいな、北上さん。次はラウルを捕らえるか?」
「船を奪えるかもしれませんし、ありですね。ですが、あのボートには機関銃も装備されていました。対抗できるかどうか」
なかなか厳しい戦いになりそうだな。
この分だと捕虜も見捨てられる可能性が高い。雑な扱いをされているようだし、きっと戦闘員は使い捨ての駒にされているんだろう。
「あの、食人族たちはどうなったんでしょう?」
千年世が手を上げた。
その質問には俺が答えた。
「食人族はほぼ壊滅した。戦闘員がほんと狩りつくしていたからね。多分、この島の住人を皆殺しにするのは最初から計画の内だったんだろうな」
「そんな……」
「とはいえ、残忍な食人族だ。同情はできないけどね」
「……はい」
少し悲しむ千年世。
彼女は優しいな。
あの食人族を憐れむか。
妙な空気の中、北上さんが手を叩いた。
「武器を入手しましたし、啓くんと千年世にお渡しします。あ、天音さんの分もありますよ」
俺と千年世には『AK-47』。
天音には『ダブル・バレル』が手渡された。
おぉ、ショットガンがあったとは。
「えっ、重ッ! 北上さん、この銃重いよぉ……」
「身を守る為です。ちなみに、ダブル・バレルの性質上、弾は二発入っていますが一回しか撃てないので気を付けてください」
「予備の弾は!?」
「ありません」
「そんな……」
そもそもテロ組織がダブル・バレルって……。
サブウェポンとして持っていたのだろうけどね。
とりあえず、武器は整った。
次にラウルが現れるのを待つしかなさそうだな。
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