クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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引越し計画

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 北上さんは、下着のまま俺に抱きついて眠ってしまった。

「えぇ……」

 ちょっと期待したんだけど疲れていたみたいだ。ここは下着姿の北上さんを抱きながら、俺も仮眠でも取るか。どうせ動けないし。

 抱き枕みたいにして俺は横になった。

 う~ん、最高に気持ちい。
 北上さんの感触……超高級なクッションみたいだ。

 それに、スヤスヤ眠る北上さんの寝顔も可愛い。こんな無防備な姿を俺に晒してくれるとか、本当に嬉しい。小さな彼女をギュッとして、俺はまぶたを閉じた。


 * * *


 息苦しい。
 俺はなんだか呼吸が浅かった。おかしい、明らかにおかしい。

 目を開けると、状況が理解できた。

「――ん」

 俺の唇を唇で塞ぐ北上さんの姿があった。まだ下着姿で。
 こ、これは驚いた。
 目覚めのキスのつもりか?
 いや、違うな。これは俺を襲っているんだ。それを証拠に、シャツが脱がされているし――パンツ一丁だった。

 いつの間にこんなことに。このままでは風邪を引きかねん。
 彼女のわき腹を擦った。ここが弱いと知っている。

「ほれほれ」
「きゃっ!? て、啓くん……起きていたのですか!」

 普段は絶対に言わないような悲鳴を上げた。……今のちょっと可愛かったぞ。しかも、頬も真っ赤だし、これはウルトラレアだ。
 いつもクールで凛々しい北上さんがこんな顔するなんてな。

「まあね。それより、なにをしていたんだい」
「い、いえ……なにもしていません」
「本当かなぁ?」
「本当です」
「俺にキスしていたとか?」

「――――ッ!! そ、そんなわけないじゃないですか」

 明らかに動揺している。ていうか、この目でしかと見ていたんだがな。
 そんな風に北上さんと遊んでいると部屋の扉が開いた。――って、なんで開くのー! ロックしているはずだがー!?


「入るよー、てっちゃん!」


 桃枝かっ!
 そうか、ハッカーの力を忘れていた。
 しかも、天音、千年世、リコ、艾までゾロゾロ入ってきた。おいおいッ!


「…………」


 女性陣は、俺と北上さんを見て呆れていた――けど、直ぐにベッドに飛び込んできた。

「てっちゃん、私も~!」「ずるい!」「私も混ぜてください!」「あたしだって」「ちょっと!」


 全員が俺にべったりくっ付いて、ハーレムみたいになっちまった。いや、これはまさに……。こうなると大変だ。


「みんな、そんな胸とか押し付けないでくれ。俺が死んじゃう!」


 ダメだ、誰一人俺の話を聞いちゃいない。どこに誰が入るかで揉めてしまって、さあ大変なことに!!


「そこどいてよ!」「狭いって~」「早坂くん、えっちなマッサージしてあげるからねっ」「今日はもう動かないから!」「も~、あとで夜這いしようと思ったのに」


 ……まあいいか、日本に帰ってきてから、みんな仲良しでこの状況にも納得しているし。俺も幸せだから何も問題ないッ。


 * * *


 リビングに集合して、俺はみんなに今日起きた事件を話した。

「ロシア人らしき男二名に襲われた。この拠点も危ないかもしれない……そこで財宝の資金を使い、引越しすることにした!」

 俺がそう発表すると全員が驚いていた。


「マジ……」「最近、日本も治安悪いよねー」「怖いよね」「宝島の件以降、おかしくなった気がする」「引っ越すしかないかー」「この別荘気に入っていたのに」


 とまぁ、いろんな意見が出た。
 残念な声が多いが、留まる方がリスクが高い。それに。


「知っての通り、この別荘に財宝のいくつかを保管している。盗まれたまずい」
「そうだね……。ここまでの苦労が水の泡になっちゃう」

 納得する天音。
 続くようにみんなも、うんうんと頷いた。俺は引越しの準備をするように指示を出した。全員の意見が一致し、別荘から出ることに。


「あの~、早坂くん」
「なんだい、千年世」
「財宝はどうやって運ぶのです?」
「そこは安心してくれ。天音の力を借りるから」


 以前にも天音の力を借りた。あれだけの量の財宝だからな。さすがに俺と女子だけでは運ぶ出すのは無理だった。けれど、天音の信頼できる関係者に建設会社の社長がいた。そこの力を借りたんだ。
 重機を使えば、効率よく運べるからな。しかも、今はコンテナの中に厳重に保管されている。

 まずは引越しして、それから現金化していかないとな。
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