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修羅の国
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ラブホテルをチェックアウト。
外へ出ると青空が広がっていた。
地元へ帰るのは危険なので、しばらくはカフェで今後のプランを練ることにした。
近くあったカフェへ入り、メロンたっぷりフラペチーノを注文。
「はい、フラペチーノ」
俺は天音と北上さんに飲み物を手渡す。
二人とも嬉しそうに受け取ってくれた。
「じゃ、そこの空いてる席へ行こっか」
天音についていき、隅の席へ。
こうして三人でカフェでまったりとか、初めてかもしれない。
「これからどうする?」
二人に聞くと、北上さんが「しばらくはホテルを転々するプランはいかがですか」と提案してくれた。
それもありか。
敵に悟られにくいし、一番安全とも言える。
「いいね、少しの間だけ転々としようか。資金も十分にあるし」
「じゃあ、旅館とかリゾートも行こうよ~!」
「おいおい、天音。旅行じゃないけどなぁ」
「いいじゃん。少しくらい、儲かっているんでしょ?」
「昨日から売れ行きがいいらしいからな。いいけどね」
月と星から、あれが売れた、これが売れたと何度もアプリにメッセージが届いている。順調に現金化できているようだな。
まあいいか、最近はどんどんキャッシュも増えているし、余裕は十分にある。少しは人生を楽しまないとな。
「それでは、まずは福岡へ参りましょう。知り合いがいるので」
北上さんが冷静に言った。
福岡ねぇ、あっちに知り合いがいるとは。
この前の刑事さんかな。
「決まりだな」
フラペチーノを飲み干し、さっそく福岡へ向かう。
なるべく人混みに紛れるため、駅へ向かい電車で向かった。片道二時間の移動となった。
午前中はほとんど電車に乗って、ようやく博多駅に到着。
「ここが博多駅か~! 思ったよりデカいな」
俺はこのあたりには初めて来た。
博多といえば博多ラーメンのイメージしかないが。
「わたしも初めて来たよ~。ビルもたくさん」
「この辺りは発展していますからね」
天音も北上さんもウキウキ気分だ。という俺も、なんだか旅行気分で興奮気味。たまにはこうして知らない土地に来るのもアリだな。
駅を出て、北上さんの知り合いの家へ向かうことに。
「北上さん、ここからはタクシーかい?」
「そうなります。ああ、安心してください。尾行はないですよ」
俺も警戒していたが、北上さんが言うのなら間違いはない。万が一にもロシア人が俺たちを見張っているかもしれないからな。
タクシーを拾い、北上さんの指示で目的地へ向かう。
いったい、どこへ向かう気だ?
タクシーは長いこと移動して、ようやくそこへ辿り着いた。
な、なんだこの武家屋敷みたいな。
むぅ……?
料金を支払い、車を降りると早々、タクシーは足早に行ってしまった。なんだ? なんか恐れを感じたような。
ていうか、この屋敷、イカつすぎだろ。
立ち尽くしていると中からサングラスに黒服の男達がわらわら現れて、俺たちをにらむ。こわっ! てか、明らかにあっちの世界の人だー!!
……あぁ、そうか。
俺は重要なことを忘れていた。
福岡といえば“修羅の国”なのである。
北上さんの知り合いとは――つまり。
「ほぅ、本当に来たか……絆」
黒服が整列すると奥から老人が現れた。まてまて、なんだの眼帯と傷。鷹のような威圧感に俺は震えた。こ、怖ぇ……!
「来たよ、おじいちゃん」
「まあよかろう。お友達も入れ」
老人は背を向け、屋敷へ。
「ね、ねえ……早坂くん。これって……まさか」
「だろうね。これはいわゆる極道系の人たちだろうね」
「そ、そんなー! 北上さんの知り合いだから、あの刑事さんかと」
俺もそう思ったよ。
でも、そうじゃなかった。
これは大丈夫なのかー!?
外へ出ると青空が広がっていた。
地元へ帰るのは危険なので、しばらくはカフェで今後のプランを練ることにした。
近くあったカフェへ入り、メロンたっぷりフラペチーノを注文。
「はい、フラペチーノ」
俺は天音と北上さんに飲み物を手渡す。
二人とも嬉しそうに受け取ってくれた。
「じゃ、そこの空いてる席へ行こっか」
天音についていき、隅の席へ。
こうして三人でカフェでまったりとか、初めてかもしれない。
「これからどうする?」
二人に聞くと、北上さんが「しばらくはホテルを転々するプランはいかがですか」と提案してくれた。
それもありか。
敵に悟られにくいし、一番安全とも言える。
「いいね、少しの間だけ転々としようか。資金も十分にあるし」
「じゃあ、旅館とかリゾートも行こうよ~!」
「おいおい、天音。旅行じゃないけどなぁ」
「いいじゃん。少しくらい、儲かっているんでしょ?」
「昨日から売れ行きがいいらしいからな。いいけどね」
月と星から、あれが売れた、これが売れたと何度もアプリにメッセージが届いている。順調に現金化できているようだな。
まあいいか、最近はどんどんキャッシュも増えているし、余裕は十分にある。少しは人生を楽しまないとな。
「それでは、まずは福岡へ参りましょう。知り合いがいるので」
北上さんが冷静に言った。
福岡ねぇ、あっちに知り合いがいるとは。
この前の刑事さんかな。
「決まりだな」
フラペチーノを飲み干し、さっそく福岡へ向かう。
なるべく人混みに紛れるため、駅へ向かい電車で向かった。片道二時間の移動となった。
午前中はほとんど電車に乗って、ようやく博多駅に到着。
「ここが博多駅か~! 思ったよりデカいな」
俺はこのあたりには初めて来た。
博多といえば博多ラーメンのイメージしかないが。
「わたしも初めて来たよ~。ビルもたくさん」
「この辺りは発展していますからね」
天音も北上さんもウキウキ気分だ。という俺も、なんだか旅行気分で興奮気味。たまにはこうして知らない土地に来るのもアリだな。
駅を出て、北上さんの知り合いの家へ向かうことに。
「北上さん、ここからはタクシーかい?」
「そうなります。ああ、安心してください。尾行はないですよ」
俺も警戒していたが、北上さんが言うのなら間違いはない。万が一にもロシア人が俺たちを見張っているかもしれないからな。
タクシーを拾い、北上さんの指示で目的地へ向かう。
いったい、どこへ向かう気だ?
タクシーは長いこと移動して、ようやくそこへ辿り着いた。
な、なんだこの武家屋敷みたいな。
むぅ……?
料金を支払い、車を降りると早々、タクシーは足早に行ってしまった。なんだ? なんか恐れを感じたような。
ていうか、この屋敷、イカつすぎだろ。
立ち尽くしていると中からサングラスに黒服の男達がわらわら現れて、俺たちをにらむ。こわっ! てか、明らかにあっちの世界の人だー!!
……あぁ、そうか。
俺は重要なことを忘れていた。
福岡といえば“修羅の国”なのである。
北上さんの知り合いとは――つまり。
「ほぅ、本当に来たか……絆」
黒服が整列すると奥から老人が現れた。まてまて、なんだの眼帯と傷。鷹のような威圧感に俺は震えた。こ、怖ぇ……!
「来たよ、おじいちゃん」
「まあよかろう。お友達も入れ」
老人は背を向け、屋敷へ。
「ね、ねえ……早坂くん。これって……まさか」
「だろうね。これはいわゆる極道系の人たちだろうね」
「そ、そんなー! 北上さんの知り合いだから、あの刑事さんかと」
俺もそう思ったよ。
でも、そうじゃなかった。
これは大丈夫なのかー!?
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