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一対一のスナイパー戦
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スコープを覗き、俺はヴァレンティンを探す。
だが、その前には向こうから反撃され俺は身を隠すしかなかった。……クソッ、さすがプロか。
俺の技量では勝てないかもしれない。
でも、今まで何度も厳しい訓練を重ねてきた。
実戦経験もある。
俺は、俺の力を信じる――。
『小僧か。早坂 哲……お前では私には勝てんぞ』
「かもな。でもだからと言って諦めるつもりはない。それより、そっちの戦力はだいぶ削れているんじゃないか……!」
『私ひとりでも十分だ。ああ、そうだ……こうしないか。これより先は私とお前の対決だ。部下には手を出させん。お前も仲間に手を出させるな』
「大将同士で決着をつけようってことか……」
『そうだ、その方が合理的だろう』
こちらは月と星から受けた支援物資のおかげで、弾薬等は問題ない。ただ、天音が負傷してしまった。彼女を長時間放置しておけないのも事実である。さっさと船に乗せて病院へ連れていかねば……。
「…………っ」
天音は苦しそうにしていた。
艾の治療が進み、鎮静剤を打ってなんとか落ち着きを取り戻していたが……。しかし、このままでは容態は悪化するだろう。
それは北上さんも理解していた。
「分かっていますね、哲くん。天音さんは危険な状態です」
「……ああ。こうなったら、ヴァレンティンの条件を飲むしかなさそうだな」
「いいんですね?」
「やるしかない。一対一で決着をつける……」
「了解です。いざとなれば、あたしがヴァレンティンを撃ちます。卑怯と言われようが、仲間を守るためですから」
「きっと向こうも同じ考えさ。その時はやってくれ」
「そうですよね。では、お気をつけて」
俺は『YES』の返事を出した。
するとヴァレンティンの方から堂々と姿を現した。
「さあ、小僧。お前と私の戦いを始めようではないか……!」
「ヴァレンティン! 俺はお前を許さないぞ!」
同じように俺も壁から身を乗り出し、姿を出した。
向こうの残存兵は、気配的に二人か三人ってところか。残りの兵がきっと俺を殺そうとするだろう。だが、こちらには北上さんがいる。
もし姿を出せば容赦なく排除されるだろう。
「許さない? なにを許さないというのだ」
「俺たちをしつこく追いかけ、この神造島にも上陸して……日本の領空や領海を侵犯した。そして、俺の大切な天音を負傷させた! 万死に値する!!」
「フ……フハハ。それがどうした! 日本政府は我々の味方。もう知っているだろうが、八咫烏が手を貸してくれた。貴様たちは政府に見限られたのだよ!! 宝島の財宝を盗み出した盗賊として認定されているんだぞ。どちらが悪かな?」
……な! 北上さんの言っていたことは本当だったんだ。秘密警察と八咫烏は本当に繋がっていたんだな。
「そうかよ。なら、俺たちは日本を出ていく!」
「残念だが、お前たちはここまでだ。早坂 哲……貴様は、平和ボケした日本人の中では、マシな人間だった。だが、ここまでだ! お前はここで死ぬのだ!!」
ドラグノフ狙撃銃を向けてくるヴァレンティン。俺も北上さんから借りた『DSR-1』を向けた。
「勝つのは俺だ!!」
向こうも俺も引き金を引いた。
弾丸が俺の右頬をかすめる。
ヴァレンティンもバランスを崩し、倒れそうになるものの直ぐに反撃してきた。
武器はなにもスナイパーライフルだけではない。
俺はフラッシュバンのピンを抜き、投げつけた――!
だが、その前には向こうから反撃され俺は身を隠すしかなかった。……クソッ、さすがプロか。
俺の技量では勝てないかもしれない。
でも、今まで何度も厳しい訓練を重ねてきた。
実戦経験もある。
俺は、俺の力を信じる――。
『小僧か。早坂 哲……お前では私には勝てんぞ』
「かもな。でもだからと言って諦めるつもりはない。それより、そっちの戦力はだいぶ削れているんじゃないか……!」
『私ひとりでも十分だ。ああ、そうだ……こうしないか。これより先は私とお前の対決だ。部下には手を出させん。お前も仲間に手を出させるな』
「大将同士で決着をつけようってことか……」
『そうだ、その方が合理的だろう』
こちらは月と星から受けた支援物資のおかげで、弾薬等は問題ない。ただ、天音が負傷してしまった。彼女を長時間放置しておけないのも事実である。さっさと船に乗せて病院へ連れていかねば……。
「…………っ」
天音は苦しそうにしていた。
艾の治療が進み、鎮静剤を打ってなんとか落ち着きを取り戻していたが……。しかし、このままでは容態は悪化するだろう。
それは北上さんも理解していた。
「分かっていますね、哲くん。天音さんは危険な状態です」
「……ああ。こうなったら、ヴァレンティンの条件を飲むしかなさそうだな」
「いいんですね?」
「やるしかない。一対一で決着をつける……」
「了解です。いざとなれば、あたしがヴァレンティンを撃ちます。卑怯と言われようが、仲間を守るためですから」
「きっと向こうも同じ考えさ。その時はやってくれ」
「そうですよね。では、お気をつけて」
俺は『YES』の返事を出した。
するとヴァレンティンの方から堂々と姿を現した。
「さあ、小僧。お前と私の戦いを始めようではないか……!」
「ヴァレンティン! 俺はお前を許さないぞ!」
同じように俺も壁から身を乗り出し、姿を出した。
向こうの残存兵は、気配的に二人か三人ってところか。残りの兵がきっと俺を殺そうとするだろう。だが、こちらには北上さんがいる。
もし姿を出せば容赦なく排除されるだろう。
「許さない? なにを許さないというのだ」
「俺たちをしつこく追いかけ、この神造島にも上陸して……日本の領空や領海を侵犯した。そして、俺の大切な天音を負傷させた! 万死に値する!!」
「フ……フハハ。それがどうした! 日本政府は我々の味方。もう知っているだろうが、八咫烏が手を貸してくれた。貴様たちは政府に見限られたのだよ!! 宝島の財宝を盗み出した盗賊として認定されているんだぞ。どちらが悪かな?」
……な! 北上さんの言っていたことは本当だったんだ。秘密警察と八咫烏は本当に繋がっていたんだな。
「そうかよ。なら、俺たちは日本を出ていく!」
「残念だが、お前たちはここまでだ。早坂 哲……貴様は、平和ボケした日本人の中では、マシな人間だった。だが、ここまでだ! お前はここで死ぬのだ!!」
ドラグノフ狙撃銃を向けてくるヴァレンティン。俺も北上さんから借りた『DSR-1』を向けた。
「勝つのは俺だ!!」
向こうも俺も引き金を引いた。
弾丸が俺の右頬をかすめる。
ヴァレンティンもバランスを崩し、倒れそうになるものの直ぐに反撃してきた。
武器はなにもスナイパーライフルだけではない。
俺はフラッシュバンのピンを抜き、投げつけた――!
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