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清水の舞台で『好き』を伝えたい
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日本を裏で操る謎の組織『八咫烏』の手がかりとなる鴨神社に到着した。
色鮮やかな赤に染まった大きな鳥居が我々を歓迎する。……おぉ、これはデカいな。しかも神聖な香りがする。
鳥居を抜け、境内を真っ直ぐ歩くと本殿が見えてきた。
「へえ、かなり歴史のある神社のようだね」
「ああ、天音。ここは1000年前からほとんど変わっていないようだぞ」
「凄いね。神秘的」
かなりのパワースポットでも有名らしく、それ目的の観光客も多い。
しかし、俺たちの目的はそっちではない。
あくまで八咫烏の手がかりを探るだけ。
これといった情報がなければ、即座に在日米軍基地へ向かう。そしてアメリカへ飛ぶ。そういう流れだ。
北上さんや桃枝、リコたちはそれぞれ散って情報収集にあたる。
俺は天音とペアだ。
「さて、天音。ヤツ等に見つかる前に探すぞ」
「う、うん」
あっちこっち回ってみるものの、これといったモノは見つからなかった。てかこれでは、ただ観光に来ただけだな。
だいぶ歩き回って足も疲れた。
途方に暮れていると、天音に話かける女性がいた。
「あ、あの! 天音 愛さんですよね!?」
「え……はい」
「やっぱり! めちゃくちゃ可愛いから、そうだと思ったんです。ウィンターダフネのファンです!」
まさかの天音のファンが現れた。そういえば、もともと天音はアイドルだったな。その影響はまだまだ健在のようだった。まさかこんな観光地にファンがいるとは。
サイン下さいとか一緒に写真をお願いしますとか求められていた。天音は嫌な顔ひとつせず、応じていた。すげえな、辞めたようはものなのに。天音はもう復帰する気がないと言っていた。
「はい、これでいいですか?」
「ありがとうございます、天音さん! ところで彼氏と観光ですか?」
「いえ、わたしと彼は『八咫烏』のことについて調査しているんです」
「え、八咫烏?」
「なにか知っていることないですか?」
「知ってますよ。この神社ではないですが」
「詳しく教えてください!」
「いいですよ。この神社が別の場所に『八咫烏神社』を作られたそうなんです」
「「八咫烏神社!?」」
俺と天音の声が被った。……驚いた。まんまじゃないか! それを見落としていたなんて。
「はい。奈良県にあるんです!」
スマホでサクっと調べてみるとマジであった。つか、堂々とウェブサイトもあるじゃないか! こっちが本命だったか。
つまりアレか。
ここでは不審に思われるから、別で神社を作ったわけか。しかも名前を隠さずそのままで。
ここを探しても意味がない。すぐにみんなを集めよう。
◆
スマホで連絡を取り、鳥居前に集合させた。
俺はさきほど観光客から聞いた情報をみんなに話した。するとみんな「あ~」と声を漏らしていた。徒労に終わったのがショックだよな。いやでも、無駄ではなかった。
「みんな、今日のところは観光にして明日、奈良に行こう!」
そう提案すると、全員が「賛成ー!!」と叫ぶ。みんな遊びたかったんだな。
「さすが早坂くーん。分かるね!」
真っ先にリコが抱きついてきた。……わぁ、シャンプーの良い匂いがする。
いやいや興奮している場合ではないな。
この場にいるのは少しマズいだろうし、他の場所へ移動しよう。
「まずはド定番で清水寺でも行くか」
無難な場所を提示すると、みんなそこでいいと納得。それでいいなら、向かうとしよう。俺も久しぶりのあの景色が見たいと思っていたところだ。
日本を離れる前にこの目に焼き付けておくか!
それに、清水の舞台で天音に『好き』を伝えるのも悪くない。隙を見て改めて告白……してみようかな。
この際だプロポーズを決めるかっ!
色鮮やかな赤に染まった大きな鳥居が我々を歓迎する。……おぉ、これはデカいな。しかも神聖な香りがする。
鳥居を抜け、境内を真っ直ぐ歩くと本殿が見えてきた。
「へえ、かなり歴史のある神社のようだね」
「ああ、天音。ここは1000年前からほとんど変わっていないようだぞ」
「凄いね。神秘的」
かなりのパワースポットでも有名らしく、それ目的の観光客も多い。
しかし、俺たちの目的はそっちではない。
あくまで八咫烏の手がかりを探るだけ。
これといった情報がなければ、即座に在日米軍基地へ向かう。そしてアメリカへ飛ぶ。そういう流れだ。
北上さんや桃枝、リコたちはそれぞれ散って情報収集にあたる。
俺は天音とペアだ。
「さて、天音。ヤツ等に見つかる前に探すぞ」
「う、うん」
あっちこっち回ってみるものの、これといったモノは見つからなかった。てかこれでは、ただ観光に来ただけだな。
だいぶ歩き回って足も疲れた。
途方に暮れていると、天音に話かける女性がいた。
「あ、あの! 天音 愛さんですよね!?」
「え……はい」
「やっぱり! めちゃくちゃ可愛いから、そうだと思ったんです。ウィンターダフネのファンです!」
まさかの天音のファンが現れた。そういえば、もともと天音はアイドルだったな。その影響はまだまだ健在のようだった。まさかこんな観光地にファンがいるとは。
サイン下さいとか一緒に写真をお願いしますとか求められていた。天音は嫌な顔ひとつせず、応じていた。すげえな、辞めたようはものなのに。天音はもう復帰する気がないと言っていた。
「はい、これでいいですか?」
「ありがとうございます、天音さん! ところで彼氏と観光ですか?」
「いえ、わたしと彼は『八咫烏』のことについて調査しているんです」
「え、八咫烏?」
「なにか知っていることないですか?」
「知ってますよ。この神社ではないですが」
「詳しく教えてください!」
「いいですよ。この神社が別の場所に『八咫烏神社』を作られたそうなんです」
「「八咫烏神社!?」」
俺と天音の声が被った。……驚いた。まんまじゃないか! それを見落としていたなんて。
「はい。奈良県にあるんです!」
スマホでサクっと調べてみるとマジであった。つか、堂々とウェブサイトもあるじゃないか! こっちが本命だったか。
つまりアレか。
ここでは不審に思われるから、別で神社を作ったわけか。しかも名前を隠さずそのままで。
ここを探しても意味がない。すぐにみんなを集めよう。
◆
スマホで連絡を取り、鳥居前に集合させた。
俺はさきほど観光客から聞いた情報をみんなに話した。するとみんな「あ~」と声を漏らしていた。徒労に終わったのがショックだよな。いやでも、無駄ではなかった。
「みんな、今日のところは観光にして明日、奈良に行こう!」
そう提案すると、全員が「賛成ー!!」と叫ぶ。みんな遊びたかったんだな。
「さすが早坂くーん。分かるね!」
真っ先にリコが抱きついてきた。……わぁ、シャンプーの良い匂いがする。
いやいや興奮している場合ではないな。
この場にいるのは少しマズいだろうし、他の場所へ移動しよう。
「まずはド定番で清水寺でも行くか」
無難な場所を提示すると、みんなそこでいいと納得。それでいいなら、向かうとしよう。俺も久しぶりのあの景色が見たいと思っていたところだ。
日本を離れる前にこの目に焼き付けておくか!
それに、清水の舞台で天音に『好き』を伝えるのも悪くない。隙を見て改めて告白……してみようかな。
この際だプロポーズを決めるかっ!
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