261 / 288
ホテルで天音と二人きり
しおりを挟む
ATMから現金を引き出し、これで資金を確保した。
手持ちは100万円。
今のところ、これだけあれば十分だろう。
「次はどうする?」
天音に半分手渡すと、不安そうに声を漏らした。
「もう少しだけ北上さんたちの手がかりを探す。時間的にあまり回れないだろうけどね」
「そうだね。でも諦めたくはない」
その通りだ。
彼女たちはきっとどこかで生きている。
今までそうであったように。
鹿児島市内で情報収集を進めるものの、それらしい情報は手に入らなかった。ニュースサイトにも進展はなく、行方不明者ばかり。
生存者は見つかっていない。
……ダメか。
「今日はここまでだな」
「うん。歩き疲れちゃった」
「ビジネスホテルで泊まろう」
「名案だね!」
近くにあるホテルへ駆け込み、空いている部屋を借りた。
不測の事態に備え、一緒の部屋にすることに。
先払いを済ませ、さっそくエレベーターで指定の階数へ。
部屋の前でカードキーを当てると扉のロックが解除された。入ると、なかなか広い空間がそこにはあった。
ツインルームで、二名まで余裕で寝れる。
「イイ感じだな」
「おぉ、思ったより広いね!」
天音は久しぶりに落ち着ける空間に感動していた。という俺も、こんな普通の生活が出来て嬉しい。
「少しゆっくりしたら飯でも食いにいこう」
「おっけ~。わたしはシャワーでも浴びてる」
「そ、そうか……」
となると、スーパーソワソワタイムだな。天音の入浴なんて緊張しないはずがない。というか俺も一緒に風呂に入りたいッ。
だが、こういうホテルの風呂は狭いからなぁ。二人は入れるスペースなんてないだろう。
「一緒に入る?」
「……ッ!」
やっぱり誘ってきたかっ。
もちろん、喜んで返事をしたいところだが……。
「あ、でも狭いかぁ」
浴室をチェックする天音は、風呂の中を見て残念がっていた。
二人部屋とはいえ、風呂は一人はいるくらいのスペースだ。
これはキツそうだが、がんばれば入れなくもない。
「お楽しみはベッドの上でかな」
「早坂くんのえっちー!」
頬を朱色に染めて恥ずかしそうにする天音。とてつもなく可愛かった。
正直、このままベッドに押し倒したいレベルだ。
だが、しかし天音は一刻も早くお風呂に入りたいはず。
あの無人島からここまで泳いできて海水でベタベタだ。俺も早く汗を流したい。
「すまんすまん。俺は食料でも買ってくるさ」
「わかった。じゃ、またあとで」
「おう。てか、服を洗濯しておこうか?」
「あ、そうだね。このホテルってコインランドリーあるんだっけ」
「あるぞ。一階に設置されてる」
「じゃあ、お願いね」
その場で脱ぎ始める天音。すぐにバスタオルに身を包んでいた。
俺は天音の脱ぎたての服と下着を受け取った。
「了解。俺は服を買ってくるよ」
「早坂くんの服、結構ボロボロだもんね」
「ああ。少し時間が掛るかもしれん。天音、施錠はしっかりとな。勝手に外に出るんじゃないぞ」
「今日は引きこもりしてるよ~。じゃ、またあとで」
笑顔を向ける天音は、浴室へ。
俺は買い出しへ。
◆
近所にあった服屋で服を購入。
その後、コンビニで食料調達。
無事に終えたところでホテルへ戻った。
部屋の扉を開け、中へ。
奥まで進むと、うつ伏せで寝るほぼ全裸の天音の姿があった。
まさか寝落ちか……!?
こんなカッコで無防備すぎるだろう。
「おい、天音。風邪引くぞ」
「…………う、にゃー」
なんだその寝言。
いったい、どんな夢を見ているんだかな。
しかし疲れているようだし、このままにしておくか。
俺も風呂へ入ろう。
ゆっくりと汗を流して俺は風呂を出た。
ベッドでは、変わらず天音が眠っていた。
よほど疲れていたらしいな。
しかし、そろそろ飯の時間だ。俺は天音を起こした。
「今度こそ起きろ~」
「ん、んん~……あ、おはよう」
「おはようじゃないって。もう二十時だぞ」
「え、もうそんな時間!?」
「飯にしよう」
「……あ、わたしこんなカッコで寝ちゃったんだ」
「ずっとな。洗濯は終わったから着替えても大丈夫だぞ」
「ありがと、早坂くん」
その場で着替える天音。俺は一応、前を向いて飯の準備を進めた。
別に見てはいけないわけでもないのだが――なんとなくだ。
そして、やっと久しぶりのまともな飯にありつけた。
コンビニ弁当だが、めちゃくちゃ美味く感じた。当然だけど、無人島で食う飯よりも美味い。
普通の生活がいかに幸せか身に染みる。
テレビをつけ、情報収集しながら飯を食う。
これといった情報は入ってこないが――SNSに気になる情報があった。
【鹿児島内で不審者目撃増加……】
ふむぅ、これが果たして北上さんたちのことを指しているのか分からない。もしかしたら、組織の連中かもしれないし。
だが、市内も安全ではなさそうだな。
手持ちは100万円。
今のところ、これだけあれば十分だろう。
「次はどうする?」
天音に半分手渡すと、不安そうに声を漏らした。
「もう少しだけ北上さんたちの手がかりを探す。時間的にあまり回れないだろうけどね」
「そうだね。でも諦めたくはない」
その通りだ。
彼女たちはきっとどこかで生きている。
今までそうであったように。
鹿児島市内で情報収集を進めるものの、それらしい情報は手に入らなかった。ニュースサイトにも進展はなく、行方不明者ばかり。
生存者は見つかっていない。
……ダメか。
「今日はここまでだな」
「うん。歩き疲れちゃった」
「ビジネスホテルで泊まろう」
「名案だね!」
近くにあるホテルへ駆け込み、空いている部屋を借りた。
不測の事態に備え、一緒の部屋にすることに。
先払いを済ませ、さっそくエレベーターで指定の階数へ。
部屋の前でカードキーを当てると扉のロックが解除された。入ると、なかなか広い空間がそこにはあった。
ツインルームで、二名まで余裕で寝れる。
「イイ感じだな」
「おぉ、思ったより広いね!」
天音は久しぶりに落ち着ける空間に感動していた。という俺も、こんな普通の生活が出来て嬉しい。
「少しゆっくりしたら飯でも食いにいこう」
「おっけ~。わたしはシャワーでも浴びてる」
「そ、そうか……」
となると、スーパーソワソワタイムだな。天音の入浴なんて緊張しないはずがない。というか俺も一緒に風呂に入りたいッ。
だが、こういうホテルの風呂は狭いからなぁ。二人は入れるスペースなんてないだろう。
「一緒に入る?」
「……ッ!」
やっぱり誘ってきたかっ。
もちろん、喜んで返事をしたいところだが……。
「あ、でも狭いかぁ」
浴室をチェックする天音は、風呂の中を見て残念がっていた。
二人部屋とはいえ、風呂は一人はいるくらいのスペースだ。
これはキツそうだが、がんばれば入れなくもない。
「お楽しみはベッドの上でかな」
「早坂くんのえっちー!」
頬を朱色に染めて恥ずかしそうにする天音。とてつもなく可愛かった。
正直、このままベッドに押し倒したいレベルだ。
だが、しかし天音は一刻も早くお風呂に入りたいはず。
あの無人島からここまで泳いできて海水でベタベタだ。俺も早く汗を流したい。
「すまんすまん。俺は食料でも買ってくるさ」
「わかった。じゃ、またあとで」
「おう。てか、服を洗濯しておこうか?」
「あ、そうだね。このホテルってコインランドリーあるんだっけ」
「あるぞ。一階に設置されてる」
「じゃあ、お願いね」
その場で脱ぎ始める天音。すぐにバスタオルに身を包んでいた。
俺は天音の脱ぎたての服と下着を受け取った。
「了解。俺は服を買ってくるよ」
「早坂くんの服、結構ボロボロだもんね」
「ああ。少し時間が掛るかもしれん。天音、施錠はしっかりとな。勝手に外に出るんじゃないぞ」
「今日は引きこもりしてるよ~。じゃ、またあとで」
笑顔を向ける天音は、浴室へ。
俺は買い出しへ。
◆
近所にあった服屋で服を購入。
その後、コンビニで食料調達。
無事に終えたところでホテルへ戻った。
部屋の扉を開け、中へ。
奥まで進むと、うつ伏せで寝るほぼ全裸の天音の姿があった。
まさか寝落ちか……!?
こんなカッコで無防備すぎるだろう。
「おい、天音。風邪引くぞ」
「…………う、にゃー」
なんだその寝言。
いったい、どんな夢を見ているんだかな。
しかし疲れているようだし、このままにしておくか。
俺も風呂へ入ろう。
ゆっくりと汗を流して俺は風呂を出た。
ベッドでは、変わらず天音が眠っていた。
よほど疲れていたらしいな。
しかし、そろそろ飯の時間だ。俺は天音を起こした。
「今度こそ起きろ~」
「ん、んん~……あ、おはよう」
「おはようじゃないって。もう二十時だぞ」
「え、もうそんな時間!?」
「飯にしよう」
「……あ、わたしこんなカッコで寝ちゃったんだ」
「ずっとな。洗濯は終わったから着替えても大丈夫だぞ」
「ありがと、早坂くん」
その場で着替える天音。俺は一応、前を向いて飯の準備を進めた。
別に見てはいけないわけでもないのだが――なんとなくだ。
そして、やっと久しぶりのまともな飯にありつけた。
コンビニ弁当だが、めちゃくちゃ美味く感じた。当然だけど、無人島で食う飯よりも美味い。
普通の生活がいかに幸せか身に染みる。
テレビをつけ、情報収集しながら飯を食う。
これといった情報は入ってこないが――SNSに気になる情報があった。
【鹿児島内で不審者目撃増加……】
ふむぅ、これが果たして北上さんたちのことを指しているのか分からない。もしかしたら、組織の連中かもしれないし。
だが、市内も安全ではなさそうだな。
10
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる