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ホテル生活三日目
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【ビジネスホテル生活:三日目】
余裕の生活資金を手に入れ、ひとまず北上さんたちを探す日々。
あれから、沖縄行き事故船のニュースも少し緩やかになっていた。
行方不明者は依然として発見されていない。
あの嵐が強すぎたんだ。
『――では、次のニュースです』
ビジネスホテルのテレビでは、日本各地で起きている事件・事故を取り扱っている。船のニュースは以上か。
俺は、ため息をつきながらもテレビの電源をオフに。
そして、その直後には天音がお風呂から戻ってきた。バスタオルを巻き、火照った顔を見せていた。手足の素肌だけでなく、足腰が物凄く色っぽい。
正直、そのまま立ち尽くされると俺の理性が三秒も立たずに吹っ飛ぶのだが……。
「どうだった?」
天音は、なにか情報が入ったのかと俺に聞いてきた。
「んや、何にも」
「そっかー…。もう三日経ったね」
「ああ、行き詰ったとは思いたくないが」
しかし、停滞していることは確かだ。それに、ずっとホテルに引きこもっているわけにもいかない。
どうするか思案していると、部屋内に設置されている電話が鳴った。
「え……!」
その聞きなれない音に天音がビクッと驚く。という俺も完全に油断していた。
なぜ、フロントから電話が……?
電話に出てみると、受付の女性の声が。
『もしもし、お客様』
「え、はい……なんでしょう?」
『お客様にお伺いしたいという“刑事”の方がおります。至急、フロントまでお越しくださいませ』
「な、なんだって……」
電話は切れた。俺を呼んでいる刑事?
まさか、古森じゃなかろうな。
「どうしたの、早坂くん……」
「んや、大丈夫だ。俺ひとりでフロントへ行ってくる。天音は、ここで着替えていてくれ」
「う、うん。気をつけてね」
施錠をするように天音には言って、俺は部屋を出た。
廊下を進み、一階のフロントへ。
向かうと、そこには見覚えのある男性の姿が。
――って、まさか。
「木下さんか!」
「やあ、早坂くん。この前振り」
北上さんの知り合いの刑事、木下さんだった。
「ここ、よく分かりましたね」
「なぁに、刑事の勘だよ」
「凄すぎますって」
「――というのは冗談で、刑事らしく聞き込みさ」
「マジっすか」
そうだ、と木下さんは頷く。
この周辺ではビジネスホテルの数も限られているうえ、刑事の権限というか……“調査”でと言って聞き回ってきたようだった。
特徴だけで俺を探し当てたってことか。さすが刑事だな。
「古典的な手と、あと実は“通信傍受”さ」
「なッ……!?」
「犯罪捜査の場合なら問題ないのさ」
「犯罪捜査……」
「そうだ。最近、櫛家という暴力団が暴れ回っているからね」
――そういうことか。
しかし、通信傍受となると……まるで通信傍受システム『エシュロン』みたいじゃないか。
さすがに日本の警察が、そんな通信傍受システムを頼っているとは思えないが……しかし、近しいものを感じてしまうな。
「分かりました。木下さんを信じます」
「ありがとう。あと絆たちだが――」
「!? 彼女たちの居場所を知っているんですか!?」
「ああ、見つかったよ」
「マジっすか!」
「みんな無事だ。詳しいことは絆から聞くといい」
「………よかった」
みんな無事なんだ!!
やっぱり、どこかで生き延びていたんだな。
これでやっと、みんな合流だ。
さっそくこの事を天音にも共有しないと――!
余裕の生活資金を手に入れ、ひとまず北上さんたちを探す日々。
あれから、沖縄行き事故船のニュースも少し緩やかになっていた。
行方不明者は依然として発見されていない。
あの嵐が強すぎたんだ。
『――では、次のニュースです』
ビジネスホテルのテレビでは、日本各地で起きている事件・事故を取り扱っている。船のニュースは以上か。
俺は、ため息をつきながらもテレビの電源をオフに。
そして、その直後には天音がお風呂から戻ってきた。バスタオルを巻き、火照った顔を見せていた。手足の素肌だけでなく、足腰が物凄く色っぽい。
正直、そのまま立ち尽くされると俺の理性が三秒も立たずに吹っ飛ぶのだが……。
「どうだった?」
天音は、なにか情報が入ったのかと俺に聞いてきた。
「んや、何にも」
「そっかー…。もう三日経ったね」
「ああ、行き詰ったとは思いたくないが」
しかし、停滞していることは確かだ。それに、ずっとホテルに引きこもっているわけにもいかない。
どうするか思案していると、部屋内に設置されている電話が鳴った。
「え……!」
その聞きなれない音に天音がビクッと驚く。という俺も完全に油断していた。
なぜ、フロントから電話が……?
電話に出てみると、受付の女性の声が。
『もしもし、お客様』
「え、はい……なんでしょう?」
『お客様にお伺いしたいという“刑事”の方がおります。至急、フロントまでお越しくださいませ』
「な、なんだって……」
電話は切れた。俺を呼んでいる刑事?
まさか、古森じゃなかろうな。
「どうしたの、早坂くん……」
「んや、大丈夫だ。俺ひとりでフロントへ行ってくる。天音は、ここで着替えていてくれ」
「う、うん。気をつけてね」
施錠をするように天音には言って、俺は部屋を出た。
廊下を進み、一階のフロントへ。
向かうと、そこには見覚えのある男性の姿が。
――って、まさか。
「木下さんか!」
「やあ、早坂くん。この前振り」
北上さんの知り合いの刑事、木下さんだった。
「ここ、よく分かりましたね」
「なぁに、刑事の勘だよ」
「凄すぎますって」
「――というのは冗談で、刑事らしく聞き込みさ」
「マジっすか」
そうだ、と木下さんは頷く。
この周辺ではビジネスホテルの数も限られているうえ、刑事の権限というか……“調査”でと言って聞き回ってきたようだった。
特徴だけで俺を探し当てたってことか。さすが刑事だな。
「古典的な手と、あと実は“通信傍受”さ」
「なッ……!?」
「犯罪捜査の場合なら問題ないのさ」
「犯罪捜査……」
「そうだ。最近、櫛家という暴力団が暴れ回っているからね」
――そういうことか。
しかし、通信傍受となると……まるで通信傍受システム『エシュロン』みたいじゃないか。
さすがに日本の警察が、そんな通信傍受システムを頼っているとは思えないが……しかし、近しいものを感じてしまうな。
「分かりました。木下さんを信じます」
「ありがとう。あと絆たちだが――」
「!? 彼女たちの居場所を知っているんですか!?」
「ああ、見つかったよ」
「マジっすか!」
「みんな無事だ。詳しいことは絆から聞くといい」
「………よかった」
みんな無事なんだ!!
やっぱり、どこかで生き延びていたんだな。
これでやっと、みんな合流だ。
さっそくこの事を天音にも共有しないと――!
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