41 / 47
第41話 掃除用具入れ事件
しおりを挟む
体育倉庫の扉が閉まった。
閉まってしまった……。
「う、嘘……またかよ!!」
「ねえ、遙くん……まさか、また閉じ込められたの!?」
取っ手を引っ張ってみる。
ガタッと堅くロックされており開けられない。以前とまったく同じ状況となった。
「……無理だ。鍵が掛かってる」
「そんなぁ。今度は教頭先生とかに見つかったら、もうさすがに言い訳出来ないよ」
「絶体絶命のピンチかも。でもさ、遥」
「え……」
俺は、遥かの方へ歩み寄っていく。
不安気な表情で身を引く遥。
「もうこうなったら、体操着姿の遥をここで……」
「ちょ、やっぱりナシ! 今、わたし汗臭いもん」
「さっきは良いって言ったじゃないか」
「そ、そうだけど。引かない?」
「ぜんぜん平気。じゃあ、改めて押し倒すよ」
恥ずかしいのか、遥は無言で頷く。
ゆっくりとマットへ寝かせ、覆いかぶさるようにする。汗で少し湿っている体操着に手を伸ばし――俺は。
……が、そこでスマホが激しく振動。
ああ、そうだ。
俺ってば、今日はスマホをポケットの中に仕込んでいたんだった。
取り出し画面を見ると、そこには『ヒカリ』の文字が表示されていた。なんてタイミング。
「え、誰から?」
「会長から。そうか、会長に頼んで扉を開けて貰えばいいんだよ!!」
この前はスマホを持っていなかったけど、今はある。しかも、当時と違いヒカリや椎名のラインも知っている。外から開けて貰えば楽勝じゃん。
「なるほどね! って、遙くん。授業中はスマホ持参厳禁なんだよ」
「怒らない怒らない。おかげで外に出れるんだぜ」
「そ、それもそうか。うん、ごめんね」
俺は、改めてスマホの電話に出た。
「もしもし、ヒカリ」
『やっほー』
「やっほーって……どうしたん?」
『いやさ、なんか不吉な予感がしてね。それで電話してみた』
「その通りだよ。俺と遥、体育倉庫に閉じ込めら――『ピーピー』――」
へ……?
なんか途中で電話が切れた。
――って、ああああああああああ!!
電池が『1%』しかなかったらしく、たった今『0%』になってしまった。プツンと電源が切れ、画面がブラックアウト。真っ暗になった。
「終わった……」
「え? なになに?」
「スマホの電池が切れた」
「うそー!! 遙くん、充電してなかったの!?」
「悪い。俺ってギリギリまで使うタイプだから」
「もー! せっかく出れるチャンスが……」
だけど、落ち着け。
電池が切れる寸前、俺は『体育倉庫に閉じ込めら――』までは言ったはず。この意味がきちんと伝わっているのなら、ヒカリは察してくれているはず!
「まだ諦めるな。多分、気づいてくれているはず」
「うん、会長を信じるしかないかな」
「その間、続きするか?」
「えっ……さすがに会長に見られちゃうかも」
「だなあ。けど、せめてキスくらい」
俺は、遥の肩に手を置く。
ゆっくりと丁寧に唇を重ね合わせていく。けど、遥は汗を気にしているのか、少し距離感があった。……状況的に仕方ないか。
* * *
数分後、体育倉庫の扉が開いた。
そこには生徒会長のヒカリ。
良かった、あの電話は届いていたんだな。
「お待たせ、遙くん。遥さん。って、なんだか汗凄いね」
「そりゃそうだよ、こんな炎天下なんだ。体育倉庫の中は灼熱地獄だ」
「う~ん、怪しいなあ。まさか、人に言えないようなことをしていたんじゃないよね」
「……っ! そ、そんなわけないだろ」
俺が否定すると、遥は後方で顔を真っ赤にして俯いていた。いかん、あれはバレちゃうぞ。
「そっか。遙くん、次は私と体育倉庫に閉じ込められてみる?」
「――なッ!」
この会長、たまに爆弾発言するな。
おかげで遥が石化してしまっている。
後々が恐ろしい。
今回は、ほぼ何事もなく体育倉庫から脱出を果たした。教室へ戻って、休み時間ギリギリ。汗を拭ってそのまま授業を受けた。
――放課後。
遥はずっと席に着いたままだった。なぜか知らないが、教室にクラスメイトがいなくなってから動き出した。
「ふぅ。ごめんね、遙くん」
「いや、どうしたのさ」
「だ、だって……汗が」
「あー、そっち。でも、汗拭きタオルとか制汗スプレーしていたし、平気じゃないか? しかも、今は着替えて夏服だし」
「やだやだ。臭いとか言われたら、ショックだもん」
「いやぁ、遥は良い匂いだけどなあ。うん、別に臭くはないぞ」
「ほんとぉ?」
俺は、くんくんと匂いを嗅ぐ。……うん、別に普通というか、制汗スプレーのレモン系の匂いがした。
「気にしすぎだと思うけどな」
「もっと嗅いで」
「え」
「遙くんにちゃんと確かめて貰うまで動かない」
「マジかよ。仕方ないな……」
遥のあらゆる部位を嗅いでいく。俺は犬か! けど、胸のあたりで興奮した。相変わらず、すごい谷間。ここは問題なし。そのままオヘソも。うんうん、良い香り。
さて、問題の下腹部は……。
「そこはダメぇ……」
「遥、なんか声がエロいぞ」
「だ、だって……遙くんの吐息が……」
喘ぎ声が漏れそうになったのか、遥は自身の手で口を塞ぐ。と、言ってもスカートの上からだけどなあ。夏服で薄いせい?
「う~ん、もっと近づいていいかな」
「だ、だ、だめ! それ以上は怒る」
「怒っていいからさ。ほら、股を開いて」
「そ、そんなぁ……恥ずかしい」
俺は、もっと接近してこうと思ったのだが――廊下から声がして咄嗟の判断で顔を離す。
『遙くんのクラスは、ここだよね』
『そうですよ、会長。このクラスです』
この声は、会長と風紀委員長!
まずい、こんなところを見られたら誤解される。
どうする、どうすれば……あ!
“掃除用具入れ”に隠れればいいんだ。
「遥、掃除用具入れに入るぞ!」
「え、ええっ! む、無理!」
「無理でも入るぞ」
遥の背中を押し、掃除用具入れに押し込む。俺も中へ入る。ぎゅぅっと密着したタイミングで、教室の扉が開いた。
……って、これでは体育倉庫よりマズイかも!!
閉まってしまった……。
「う、嘘……またかよ!!」
「ねえ、遙くん……まさか、また閉じ込められたの!?」
取っ手を引っ張ってみる。
ガタッと堅くロックされており開けられない。以前とまったく同じ状況となった。
「……無理だ。鍵が掛かってる」
「そんなぁ。今度は教頭先生とかに見つかったら、もうさすがに言い訳出来ないよ」
「絶体絶命のピンチかも。でもさ、遥」
「え……」
俺は、遥かの方へ歩み寄っていく。
不安気な表情で身を引く遥。
「もうこうなったら、体操着姿の遥をここで……」
「ちょ、やっぱりナシ! 今、わたし汗臭いもん」
「さっきは良いって言ったじゃないか」
「そ、そうだけど。引かない?」
「ぜんぜん平気。じゃあ、改めて押し倒すよ」
恥ずかしいのか、遥は無言で頷く。
ゆっくりとマットへ寝かせ、覆いかぶさるようにする。汗で少し湿っている体操着に手を伸ばし――俺は。
……が、そこでスマホが激しく振動。
ああ、そうだ。
俺ってば、今日はスマホをポケットの中に仕込んでいたんだった。
取り出し画面を見ると、そこには『ヒカリ』の文字が表示されていた。なんてタイミング。
「え、誰から?」
「会長から。そうか、会長に頼んで扉を開けて貰えばいいんだよ!!」
この前はスマホを持っていなかったけど、今はある。しかも、当時と違いヒカリや椎名のラインも知っている。外から開けて貰えば楽勝じゃん。
「なるほどね! って、遙くん。授業中はスマホ持参厳禁なんだよ」
「怒らない怒らない。おかげで外に出れるんだぜ」
「そ、それもそうか。うん、ごめんね」
俺は、改めてスマホの電話に出た。
「もしもし、ヒカリ」
『やっほー』
「やっほーって……どうしたん?」
『いやさ、なんか不吉な予感がしてね。それで電話してみた』
「その通りだよ。俺と遥、体育倉庫に閉じ込めら――『ピーピー』――」
へ……?
なんか途中で電話が切れた。
――って、ああああああああああ!!
電池が『1%』しかなかったらしく、たった今『0%』になってしまった。プツンと電源が切れ、画面がブラックアウト。真っ暗になった。
「終わった……」
「え? なになに?」
「スマホの電池が切れた」
「うそー!! 遙くん、充電してなかったの!?」
「悪い。俺ってギリギリまで使うタイプだから」
「もー! せっかく出れるチャンスが……」
だけど、落ち着け。
電池が切れる寸前、俺は『体育倉庫に閉じ込めら――』までは言ったはず。この意味がきちんと伝わっているのなら、ヒカリは察してくれているはず!
「まだ諦めるな。多分、気づいてくれているはず」
「うん、会長を信じるしかないかな」
「その間、続きするか?」
「えっ……さすがに会長に見られちゃうかも」
「だなあ。けど、せめてキスくらい」
俺は、遥の肩に手を置く。
ゆっくりと丁寧に唇を重ね合わせていく。けど、遥は汗を気にしているのか、少し距離感があった。……状況的に仕方ないか。
* * *
数分後、体育倉庫の扉が開いた。
そこには生徒会長のヒカリ。
良かった、あの電話は届いていたんだな。
「お待たせ、遙くん。遥さん。って、なんだか汗凄いね」
「そりゃそうだよ、こんな炎天下なんだ。体育倉庫の中は灼熱地獄だ」
「う~ん、怪しいなあ。まさか、人に言えないようなことをしていたんじゃないよね」
「……っ! そ、そんなわけないだろ」
俺が否定すると、遥は後方で顔を真っ赤にして俯いていた。いかん、あれはバレちゃうぞ。
「そっか。遙くん、次は私と体育倉庫に閉じ込められてみる?」
「――なッ!」
この会長、たまに爆弾発言するな。
おかげで遥が石化してしまっている。
後々が恐ろしい。
今回は、ほぼ何事もなく体育倉庫から脱出を果たした。教室へ戻って、休み時間ギリギリ。汗を拭ってそのまま授業を受けた。
――放課後。
遥はずっと席に着いたままだった。なぜか知らないが、教室にクラスメイトがいなくなってから動き出した。
「ふぅ。ごめんね、遙くん」
「いや、どうしたのさ」
「だ、だって……汗が」
「あー、そっち。でも、汗拭きタオルとか制汗スプレーしていたし、平気じゃないか? しかも、今は着替えて夏服だし」
「やだやだ。臭いとか言われたら、ショックだもん」
「いやぁ、遥は良い匂いだけどなあ。うん、別に臭くはないぞ」
「ほんとぉ?」
俺は、くんくんと匂いを嗅ぐ。……うん、別に普通というか、制汗スプレーのレモン系の匂いがした。
「気にしすぎだと思うけどな」
「もっと嗅いで」
「え」
「遙くんにちゃんと確かめて貰うまで動かない」
「マジかよ。仕方ないな……」
遥のあらゆる部位を嗅いでいく。俺は犬か! けど、胸のあたりで興奮した。相変わらず、すごい谷間。ここは問題なし。そのままオヘソも。うんうん、良い香り。
さて、問題の下腹部は……。
「そこはダメぇ……」
「遥、なんか声がエロいぞ」
「だ、だって……遙くんの吐息が……」
喘ぎ声が漏れそうになったのか、遥は自身の手で口を塞ぐ。と、言ってもスカートの上からだけどなあ。夏服で薄いせい?
「う~ん、もっと近づいていいかな」
「だ、だ、だめ! それ以上は怒る」
「怒っていいからさ。ほら、股を開いて」
「そ、そんなぁ……恥ずかしい」
俺は、もっと接近してこうと思ったのだが――廊下から声がして咄嗟の判断で顔を離す。
『遙くんのクラスは、ここだよね』
『そうですよ、会長。このクラスです』
この声は、会長と風紀委員長!
まずい、こんなところを見られたら誤解される。
どうする、どうすれば……あ!
“掃除用具入れ”に隠れればいいんだ。
「遥、掃除用具入れに入るぞ!」
「え、ええっ! む、無理!」
「無理でも入るぞ」
遥の背中を押し、掃除用具入れに押し込む。俺も中へ入る。ぎゅぅっと密着したタイミングで、教室の扉が開いた。
……って、これでは体育倉庫よりマズイかも!!
23
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
義妹と旅する車中泊生活
桜井正宗
青春
義妹の『歩花』(あゆか)は、兄である大学生の『回』(カイ)が大好きで、どこでもついて行く。ある日、回が普通自動車免許を取った。車を買うお金はなかったけれど、カーシェアリングでドライブへ出かけた。帰りに歩花が宝くじを購入。それが高額当選した。そのお金でキャンピングカーを買い、大好きな兄へ送った。
回は、夏休みを利用して可愛いJK義妹と共に全国を巡る旅に出る――。
※カクヨムでも掲載中です
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる