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第35話、あなたへ【最終回】
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家の中に入ると、お父様とお母様と使用人のヘレーネとフリードリヒが玄関に立っていて、ヘレーネとフリードリヒが私にお辞儀をして「おかえりなさいませ、リリアンナ様」と挨拶をしてくれて、お父様もお母様も優しい笑顔で「おかえりなさい、リリアンナ」と出迎えてくれたので、私はお父様とお母様とヘレーネとフリードリヒの全員に笑顔で「ただいま」と挨拶を返した。それから、私はその場にいたお父様とお母様とヘレーネとフリードリヒの全員に、ポストに入っていたハインリヒ王子主催の舞踏会の案内書を見せるとお母様はものすごく喜びながら「まぁ、なんていうタイミングなのかしらっ! リリアンナ、いつその舞踏会は行われるの?!」と質問してきたので、私はお母様にハインリヒ王子主催の舞踏会の案内書をお母様に見せた。
するとお母様は「来週の休日に行われるですってっ!! リリアンナ、あなた、どんなドレスを着たいのかしら?」とまるで自分のことのように興奮していて、私はそんなお母様に圧倒されていた。
そして、いつものようにみんなで応接間に行って応接間に着くと、お父様とお母様と私は各々の席に座ってフリードリヒが夕食を私たちの人数分、持ってきて机の上に夕食を置いてくれて、またいつものように家族団欒で夕食を食べた。
今夜のお母様は興奮気味にハインリヒ王子が主催する舞踏会とハインリヒ王子のことについての話題が止まらなかった。そして、お母様は私にどんなドレスを着たいかもう一度聞いてきたので、私はその質問に答えた。
「うーん、今回は少しいつもより大人っぽくハインリヒ王子に見られたいなぁ。あ、銀色のティアラにシンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスで、白のサテン手袋なんてどうかしら? お母様」と私が答えると、お母様はお父様に視線を向けてそしてまた私に視線を戻して「そうね。きっと今のリリアンナに似合うドレスだと思うわっ! あなたもそう思うでしょ?」とお父様は興奮するお母様に圧倒されながらも「あ、あぁ。そうだな。リリアンナももうすぐ16歳になるからな」と感慨深い表情でお父様はそう告げた。
夕食を食べ終わると、私は自分の部屋に行って自分の部屋の中の洗面所に行って着ていたソフトピンク色のディアンドルを脱ぎ捨てて、私はシャワーを浴びて頭と髪と体を今日は念入りに洗って、身体中を洗い終わるとすぐさま湯船に浸かった。湯船に浸かったけれど、今日のことはあんまり考えないでグリュックシュロス高等学園の制服は一応、クリーニングに出してもらって予備の制服をヘレーネに用意してもらおうかと思いながら湯船のお湯の中で考えていた。
それから、お風呂から上がって顔を洗って歯を磨いて髪の毛を乾かして私はパジャマに着替えて洗面所の外へと出て部屋の灯を消して、私はベッドの中に入って目を閉じた。
今日は色んなことが起こったというか私が起こしたので、感情の起伏が激しくて疲れたからかすぐに私はすぐに睡魔に襲われた。
そんなこんなで、とうとうハインリヒ主催の舞踏会が行われる日がとうとう来て、私がお母様に伝えていた銀色のティアラに白のサテン手袋がついている、シンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスが届いていた。
私はそのドレスと白のサテン手袋と銀色のティアラとシンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスを着る前に、洗面所にいってシャワーを浴びて頭と髪と体を入念に洗ってから湯船に浸かりながら、レオンハルトにどう何を伝えるか考えつつも昼間からのお風呂に入れるなんて贅沢だなぁと思いながらお風呂から上がり、顔を洗って歯を入念に磨いて髪の毛を乾かして、お手洗いも済ませてから洗面所を出て下着をつけて洗面所から出て、お母様と使用人のヘレーネにドレスの着付けと化粧を手伝ってもらった。
着付けを手伝っている時のお母様は何だか、お母様が舞踏会に行くわけでもないのに何だか嬉しそうにしていた。そして、着付けも化粧も終わって少し早いけれど、馬車が私の家の前に近づいてる音がして、私は急いで自分の部屋へ出て玄関へと向かった。
玄関に行くと、レオンハルトがお父様に跪いてお父様は「そんなに畏まらなくてもいいぞ、レオンハルト」といっているのが聞こえた。そして、私は玄関に着くとレオンハルトが私にも跪いてから彼は顔を上げて私を見て、それからレオンハルトは立ち上がって「それでは行きましょう。リリアンナ様」といって、私はお父様に見守られながらレオンハルトに連れられて家の外へ出て、レオンハルトに支えられながら私は馬車に乗り込んだ。
馬車が王宮に着くと、私はレオンハルトに「リリアンナ様、私の手を取ってください」といわれたので、私はレオンハルトの手を取って、馬車から降りるのを手伝ってもらいながら、久しぶりに見た王宮の建物に圧倒されていた。王宮は相変わらず、大理石でできたバロック様式でできた建物で私はその建物の美しさに圧倒されていた。
そして、私はレオンハルトに王宮の中へ案内されていたけれどレオンハルトに王宮の中へ案内されている最中、私はレオンハルトに伝えなければならないことを思い出し、レオンハルトの歩行を一旦やめてもらうように私はいおうとレオンハルトに話しかけた。
「ねぇ、レオンハルト。大事な話があるの。ここならまだ誰もいないから、大事な話をしない?」
「大事な話とは、どんな話でしょうか? もうルイーゼ・ツー・ロザリント公爵令嬢とアルブレヒト・フォン・ノイシュタット公爵子息のことでしたら、もう大丈夫ですよ。王族の方々が見張っていますので」と無表情で答えていたけれど、私は「そういうことじゃないの」と否定をした。
「大事な話というのはね、レオンハルト。レオンハルトにはルイーゼのことも含めて感謝をしているのよ。それだけじゃなくて、ハインリヒ王子が私に近々、婚約を申し出ることをレオンハルトに伝えて今までのような関係でいられないのかもしれないことを伝えなきゃと思って」とレオンハルトに伝えると、レオンハルトは一瞬表情が曇ったけれどレオンハルトは冷静を装って少し微笑んで「近々、ハインリヒ王子がリリアンナに婚約を申し出ることを察しております」と私に告げた。
それからレオンハルトは少し悲しそうな顔をして「騎士と伯爵家では釣り合いませんし、反対されるか、駆け落ちするか、良ければ婿入りするぐらいしか選択肢はありませんし、私個人としては残念ですが、ハインリヒ王子と幸せになってください。私もハインリヒ王子とリリアンナ様の二人が幸せになることに、私もできる限り協力いたします」と私に告げた。だから私はレオンハルトのこの気持ちを受け取りつつ、私は「なんか、いつもお世話になりっぱなしなのに、ごめんね。レオンハルト。でも、私以外にも私以上に良い女の子はいると思うよ、絶対に」と私はレオンハルトの両手を握りながらいうと、いつもは滅多に笑顔を見せることもないレオンハルトが目を潤ませながら「ありがとうございます。リリアンナ様」と笑顔を私に向けてそう告げた。
舞踏会にグリュックシュロス高等学園の貴族の生徒もいたけれど、あんまり話さなかった。そして、舞踏会の会場にはどんどん人集りができて、ハインリヒ王子が二階から現れるのが見えた。そして、二階へ続く大きい階段の後ろにはステージがあって、いろんな音楽家が演奏しながらこの舞踏会は行われるんだろうなぁと察しながら、私はハインリヒ王子の様子を見ていた。
ハインリヒ王子主催の舞踏会の開始時間になったのでハインリヒ王子は舞踏会についてスピーチをして、それから舞踏会が始まって私はグリュックシュロス高等学園に通う貴族の生徒に話しかけようとしたけれど、ルイーゼの家の専属だった騎士のアロイスがいたので、彼に話しかけてみた。
「こんばんは、アロイス」
「こんばんは、あー、リリアンナ様」とアロイスは少し緊張気味だった。だけどもアロイスは引き続き「ロザリント公爵家から王宮に戻るのは大変でしたが、また王宮で仕えてもらえるなんて嬉しい限りです」と笑顔で答えた。私は家の中でのルイーゼがどんな感じだったのか聞こうと思ったけれど、ただのルイーゼに対する噂話や悪口になってしまうから、やめておこうと思って黙った。
次にエーデルトラウト公爵子息が私に話しかけようとしたけれど、ハインリヒ王子が飲み物を持って私に話かけてきたのでエーデルトラウト公爵子息はものすごく悔しそうな顔をしていた。
ハインリヒ王子はそんな彼を横目で見ていたのに無視して表情一つも変えずに「こんばんは、リリアンナ。最近、学校の方はどうだい? ほら、ちょっといいにくいんだけど、少しは環境が変わっただろう? 主に人とか」と私のルイーゼが去った後の学園生活に質問をしてきたので、私は「グリュックシュロス高等学園にルイーゼに次ぐ新しい女王ができまして、彼女はヴェロニカ公爵令嬢というのですが、ヴェロニカ公爵令嬢は女性にかなり人気があって他のどの王子様的な貴族の男子生徒よりも女性にモテていて、面白いことになっています」というと、ハインリヒ王子は笑顔でただ「それは良かったよ」と私に返事をした。
一応、ハインリヒ王子に返事したけれど、ハインリヒ王子ってルイーゼ断罪の時も思ったけれどたまにこういう冷酷なところがあるなぁと思いながら、ハインリヒ王子との沈黙は続いてから、ハインリヒ王子は「じゃあ、僕は他の人たちにも挨拶してくるね」と立ち去った。
だんだんと男女で踊る人たちが音楽に合わせて増えてきたので、近くにハインリヒ王子もレオンハルトもいなかったので私は人目を盗んで王宮の外に出て、王宮の庭にあるガゼボに一人で行って、私はあの時みたいなホタルの光みたいにところどころ光っている夜空を眺めながら、色んなのことを思い出していた。あの頃から私は変わったのかな? と疑問に思いながら。
すると、背後から誰かが来る気配がしたので後ろを振り返ると、そこにはハインリヒ王子がいた。
ハインリヒ王子は「やっぱり、ここにいたか。リリアンナ。ここじゃなくてガゼボじゃなくて噴水があるところに行かないか?」と私を誘って、私の有無を聞かずに私の手を取ってハインリヒ王子は王宮の広い庭の方へと連れて行ってくれた。そして、王宮の中から聞こえる音楽に合わせて私はハインリヒ王子と一緒に踊り始めた。
私は夜空を見上げながらハインリヒ王子に「月が綺麗ですね、ハインリヒ王子」と伝えると、ハインリヒ王子は少しだけ頬を赤くして口角を上げつつ「そうだね」と少しずつステップを踏んで私たちは踊った。
私たちは順調に踊っていたけれど、なぜか踊るのをやめて二人で対面で見つめ合うようになった。何だかお互いの考えがお互いに読み取られている気分だった。それから、ハインリヒ王子は私を見つめながら「リリアンナ、婚約についてなんだけれど、実はずっと隠していたけれど心に決めていた女の子がいるんだ」と告白してきた。
ハインリヒ王子は引き続き、微笑みながら頬をほんのり赤くして私を見つめながら「僕と婚約してくれませんか? リリアンナ・フォン・リヒテンベルク伯爵令嬢」と直接プロポーズをされた。なので私は嬉しさのあまりに顔を手でおさえて化粧が落ちてないか気になりつつも涙を流して「はい。ハインリヒ・フォン・ヴァルドシュタイン王子。私が変わる前からずっと私を見てくださったのは、あなただけですから」とプロポーズの返事をすると、すぐさまハインリヒ王子は自分の唇と私の唇を重ねてきた。
あぁ、そうか。私はハインリヒ王子にキスをされているんだと思うと気分が高揚して、膝から下の右足を上げてつい上げてしまったけれど、私は途中で気恥ずかしくなってハインリヒ王子から少し離れた。
そして、私はハインリヒ王子に小声で「これは結婚前の淑女として許されることなの?」と私の目を潤ませながら聞くと、ハインリヒ王子は、
「じゃあ、今すぐにでも結婚式をあげよう」と私に告げた。
するとお母様は「来週の休日に行われるですってっ!! リリアンナ、あなた、どんなドレスを着たいのかしら?」とまるで自分のことのように興奮していて、私はそんなお母様に圧倒されていた。
そして、いつものようにみんなで応接間に行って応接間に着くと、お父様とお母様と私は各々の席に座ってフリードリヒが夕食を私たちの人数分、持ってきて机の上に夕食を置いてくれて、またいつものように家族団欒で夕食を食べた。
今夜のお母様は興奮気味にハインリヒ王子が主催する舞踏会とハインリヒ王子のことについての話題が止まらなかった。そして、お母様は私にどんなドレスを着たいかもう一度聞いてきたので、私はその質問に答えた。
「うーん、今回は少しいつもより大人っぽくハインリヒ王子に見られたいなぁ。あ、銀色のティアラにシンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスで、白のサテン手袋なんてどうかしら? お母様」と私が答えると、お母様はお父様に視線を向けてそしてまた私に視線を戻して「そうね。きっと今のリリアンナに似合うドレスだと思うわっ! あなたもそう思うでしょ?」とお父様は興奮するお母様に圧倒されながらも「あ、あぁ。そうだな。リリアンナももうすぐ16歳になるからな」と感慨深い表情でお父様はそう告げた。
夕食を食べ終わると、私は自分の部屋に行って自分の部屋の中の洗面所に行って着ていたソフトピンク色のディアンドルを脱ぎ捨てて、私はシャワーを浴びて頭と髪と体を今日は念入りに洗って、身体中を洗い終わるとすぐさま湯船に浸かった。湯船に浸かったけれど、今日のことはあんまり考えないでグリュックシュロス高等学園の制服は一応、クリーニングに出してもらって予備の制服をヘレーネに用意してもらおうかと思いながら湯船のお湯の中で考えていた。
それから、お風呂から上がって顔を洗って歯を磨いて髪の毛を乾かして私はパジャマに着替えて洗面所の外へと出て部屋の灯を消して、私はベッドの中に入って目を閉じた。
今日は色んなことが起こったというか私が起こしたので、感情の起伏が激しくて疲れたからかすぐに私はすぐに睡魔に襲われた。
そんなこんなで、とうとうハインリヒ主催の舞踏会が行われる日がとうとう来て、私がお母様に伝えていた銀色のティアラに白のサテン手袋がついている、シンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスが届いていた。
私はそのドレスと白のサテン手袋と銀色のティアラとシンプルなローズゴールドの袖なしのAラインのドレスを着る前に、洗面所にいってシャワーを浴びて頭と髪と体を入念に洗ってから湯船に浸かりながら、レオンハルトにどう何を伝えるか考えつつも昼間からのお風呂に入れるなんて贅沢だなぁと思いながらお風呂から上がり、顔を洗って歯を入念に磨いて髪の毛を乾かして、お手洗いも済ませてから洗面所を出て下着をつけて洗面所から出て、お母様と使用人のヘレーネにドレスの着付けと化粧を手伝ってもらった。
着付けを手伝っている時のお母様は何だか、お母様が舞踏会に行くわけでもないのに何だか嬉しそうにしていた。そして、着付けも化粧も終わって少し早いけれど、馬車が私の家の前に近づいてる音がして、私は急いで自分の部屋へ出て玄関へと向かった。
玄関に行くと、レオンハルトがお父様に跪いてお父様は「そんなに畏まらなくてもいいぞ、レオンハルト」といっているのが聞こえた。そして、私は玄関に着くとレオンハルトが私にも跪いてから彼は顔を上げて私を見て、それからレオンハルトは立ち上がって「それでは行きましょう。リリアンナ様」といって、私はお父様に見守られながらレオンハルトに連れられて家の外へ出て、レオンハルトに支えられながら私は馬車に乗り込んだ。
馬車が王宮に着くと、私はレオンハルトに「リリアンナ様、私の手を取ってください」といわれたので、私はレオンハルトの手を取って、馬車から降りるのを手伝ってもらいながら、久しぶりに見た王宮の建物に圧倒されていた。王宮は相変わらず、大理石でできたバロック様式でできた建物で私はその建物の美しさに圧倒されていた。
そして、私はレオンハルトに王宮の中へ案内されていたけれどレオンハルトに王宮の中へ案内されている最中、私はレオンハルトに伝えなければならないことを思い出し、レオンハルトの歩行を一旦やめてもらうように私はいおうとレオンハルトに話しかけた。
「ねぇ、レオンハルト。大事な話があるの。ここならまだ誰もいないから、大事な話をしない?」
「大事な話とは、どんな話でしょうか? もうルイーゼ・ツー・ロザリント公爵令嬢とアルブレヒト・フォン・ノイシュタット公爵子息のことでしたら、もう大丈夫ですよ。王族の方々が見張っていますので」と無表情で答えていたけれど、私は「そういうことじゃないの」と否定をした。
「大事な話というのはね、レオンハルト。レオンハルトにはルイーゼのことも含めて感謝をしているのよ。それだけじゃなくて、ハインリヒ王子が私に近々、婚約を申し出ることをレオンハルトに伝えて今までのような関係でいられないのかもしれないことを伝えなきゃと思って」とレオンハルトに伝えると、レオンハルトは一瞬表情が曇ったけれどレオンハルトは冷静を装って少し微笑んで「近々、ハインリヒ王子がリリアンナに婚約を申し出ることを察しております」と私に告げた。
それからレオンハルトは少し悲しそうな顔をして「騎士と伯爵家では釣り合いませんし、反対されるか、駆け落ちするか、良ければ婿入りするぐらいしか選択肢はありませんし、私個人としては残念ですが、ハインリヒ王子と幸せになってください。私もハインリヒ王子とリリアンナ様の二人が幸せになることに、私もできる限り協力いたします」と私に告げた。だから私はレオンハルトのこの気持ちを受け取りつつ、私は「なんか、いつもお世話になりっぱなしなのに、ごめんね。レオンハルト。でも、私以外にも私以上に良い女の子はいると思うよ、絶対に」と私はレオンハルトの両手を握りながらいうと、いつもは滅多に笑顔を見せることもないレオンハルトが目を潤ませながら「ありがとうございます。リリアンナ様」と笑顔を私に向けてそう告げた。
舞踏会にグリュックシュロス高等学園の貴族の生徒もいたけれど、あんまり話さなかった。そして、舞踏会の会場にはどんどん人集りができて、ハインリヒ王子が二階から現れるのが見えた。そして、二階へ続く大きい階段の後ろにはステージがあって、いろんな音楽家が演奏しながらこの舞踏会は行われるんだろうなぁと察しながら、私はハインリヒ王子の様子を見ていた。
ハインリヒ王子主催の舞踏会の開始時間になったのでハインリヒ王子は舞踏会についてスピーチをして、それから舞踏会が始まって私はグリュックシュロス高等学園に通う貴族の生徒に話しかけようとしたけれど、ルイーゼの家の専属だった騎士のアロイスがいたので、彼に話しかけてみた。
「こんばんは、アロイス」
「こんばんは、あー、リリアンナ様」とアロイスは少し緊張気味だった。だけどもアロイスは引き続き「ロザリント公爵家から王宮に戻るのは大変でしたが、また王宮で仕えてもらえるなんて嬉しい限りです」と笑顔で答えた。私は家の中でのルイーゼがどんな感じだったのか聞こうと思ったけれど、ただのルイーゼに対する噂話や悪口になってしまうから、やめておこうと思って黙った。
次にエーデルトラウト公爵子息が私に話しかけようとしたけれど、ハインリヒ王子が飲み物を持って私に話かけてきたのでエーデルトラウト公爵子息はものすごく悔しそうな顔をしていた。
ハインリヒ王子はそんな彼を横目で見ていたのに無視して表情一つも変えずに「こんばんは、リリアンナ。最近、学校の方はどうだい? ほら、ちょっといいにくいんだけど、少しは環境が変わっただろう? 主に人とか」と私のルイーゼが去った後の学園生活に質問をしてきたので、私は「グリュックシュロス高等学園にルイーゼに次ぐ新しい女王ができまして、彼女はヴェロニカ公爵令嬢というのですが、ヴェロニカ公爵令嬢は女性にかなり人気があって他のどの王子様的な貴族の男子生徒よりも女性にモテていて、面白いことになっています」というと、ハインリヒ王子は笑顔でただ「それは良かったよ」と私に返事をした。
一応、ハインリヒ王子に返事したけれど、ハインリヒ王子ってルイーゼ断罪の時も思ったけれどたまにこういう冷酷なところがあるなぁと思いながら、ハインリヒ王子との沈黙は続いてから、ハインリヒ王子は「じゃあ、僕は他の人たちにも挨拶してくるね」と立ち去った。
だんだんと男女で踊る人たちが音楽に合わせて増えてきたので、近くにハインリヒ王子もレオンハルトもいなかったので私は人目を盗んで王宮の外に出て、王宮の庭にあるガゼボに一人で行って、私はあの時みたいなホタルの光みたいにところどころ光っている夜空を眺めながら、色んなのことを思い出していた。あの頃から私は変わったのかな? と疑問に思いながら。
すると、背後から誰かが来る気配がしたので後ろを振り返ると、そこにはハインリヒ王子がいた。
ハインリヒ王子は「やっぱり、ここにいたか。リリアンナ。ここじゃなくてガゼボじゃなくて噴水があるところに行かないか?」と私を誘って、私の有無を聞かずに私の手を取ってハインリヒ王子は王宮の広い庭の方へと連れて行ってくれた。そして、王宮の中から聞こえる音楽に合わせて私はハインリヒ王子と一緒に踊り始めた。
私は夜空を見上げながらハインリヒ王子に「月が綺麗ですね、ハインリヒ王子」と伝えると、ハインリヒ王子は少しだけ頬を赤くして口角を上げつつ「そうだね」と少しずつステップを踏んで私たちは踊った。
私たちは順調に踊っていたけれど、なぜか踊るのをやめて二人で対面で見つめ合うようになった。何だかお互いの考えがお互いに読み取られている気分だった。それから、ハインリヒ王子は私を見つめながら「リリアンナ、婚約についてなんだけれど、実はずっと隠していたけれど心に決めていた女の子がいるんだ」と告白してきた。
ハインリヒ王子は引き続き、微笑みながら頬をほんのり赤くして私を見つめながら「僕と婚約してくれませんか? リリアンナ・フォン・リヒテンベルク伯爵令嬢」と直接プロポーズをされた。なので私は嬉しさのあまりに顔を手でおさえて化粧が落ちてないか気になりつつも涙を流して「はい。ハインリヒ・フォン・ヴァルドシュタイン王子。私が変わる前からずっと私を見てくださったのは、あなただけですから」とプロポーズの返事をすると、すぐさまハインリヒ王子は自分の唇と私の唇を重ねてきた。
あぁ、そうか。私はハインリヒ王子にキスをされているんだと思うと気分が高揚して、膝から下の右足を上げてつい上げてしまったけれど、私は途中で気恥ずかしくなってハインリヒ王子から少し離れた。
そして、私はハインリヒ王子に小声で「これは結婚前の淑女として許されることなの?」と私の目を潤ませながら聞くと、ハインリヒ王子は、
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